学生の進路において大きな岐路のひとつである「文理選択」。最近では、STEM*分野と呼ばれる理系や技術系のフィールドで活躍する女性も、どんどん増えてきています。東京都では、さらなる女性活躍を推進するため、女子中高生向けオフィスツアーを開催。学生がSTEM分野で働く方々や現場に触れることで、自分がやりたいことや関心のあることを見つける機会を提供します。 *Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉

東京都主催中高生向けオフィスツアー

大手鉄道会社の京成電鉄 地域や社会に密着した駅を現地で見学!

東京都と千葉県を中心に、首都圏にグループ会社を持つ京成電鉄株式会社。鉄道事業のほか、バスやタクシー、流通業、不動産業、レジャー・サービス業など、さまざまな形で地域を支える企業です。今回は、鉄道事業にスポットを当てたオフィスツアーが行なわれました。

サステナビリティとおもてなしの心にあふれた青砥駅

参加者たちは葛飾区にある青砥駅に集合。本駅は「京成本線」と「京成押上線」の結節点となる重要な駅で、地球環境に配慮したサステナブルな駅として2025年3月にリニューアルしました。

オフィスツアーの様子

青砥駅の入り口。木の温かみを感じるお洒落なデザインに、参加者も見入っていました

駅の1階にある駅前広場には「人生ゲーム」をモチーフとした装飾が施されています。ここをツアーの中心として、参加者は2つのグループに分かれて改札前にある展示スペースやコンコース、お手洗いなどを見学しました。

オフィスツアーの様子

駅での見学の様子

案内人は、施設部工務課(当時)の井手希さん。駅の入り口は壁面緑化が施され、伝統的な模様をイメージした看板も。また改札前の「PR展示コーナー」には伝統工芸作品や、伝統工芸士による共同制作の作品が展示されています。デジタルサイネージにもさまざまな言語でのお知らせが放映されているなど、空港と都心を結ぶ「スカイライナー」を運行している京成電鉄ならではのインバウンド向け施策が多く見られました。

オフィスツアーの様子

お手洗いのピクトグラムや壁の模様も和のテイストに統一されています

お手洗いも「和の心」が感じられるデザインに。「おもてなし感」にあふれた数々の施策に参加者は興味津々の様子でした。

学生時代にやっておいたほうがいいこと、仕事の楽しさは?女性社員を交えての質疑応答コーナー

青砥駅ツアーの後は京成八幡駅前にある本社に移動し、社員との交流会が行われました。青砥駅で案内人を務めた井手さんに加え、同じ工務課の佐々木李緒さんが登壇。二人がどのような経緯で京成電鉄に入社したのかなどを話しました。

オフィスツアーの様子

学生時代から現在までの経験とその時のモチベーションを、グラフで示しながら話してくれました

井手さんは昔からモノづくりが好きで、大学は建築学科に通っていたそう。佐々木さんは「社会に役立つことがしたい」という気持ちから、土木・橋梁に関係する仕事に携わりたいと思ったといいます。その後の参加者からの質問コーナーでも、自身の経験や当時の気持ちをざっくばらんに話してくれました。

Q.

学生時代にやっておいてよかったことはありますか?

A.

高校時代は大学のオープンキャンパスや学園祭に積極的に行ったことで、自分がやりたいことを見つけられました。大学ではアルバイトや課外活動を通して、視野を広げられたと思っています。 (井手さん)

勉強ももちろん頑張りましたが、「大学でいっぱい遊んでおいてよかったな」と思うことが今でもあります。大人になってからはやれないこともあるので、後悔しないようにしてほしいです。(佐々木さん)

Q.

仕事をしていて楽しいことは何ですか?

A.

青砥駅のリニューアル工事の完成式典で、社外関係者、伝統工芸士のみなさん、そしてお客様が喜んでくださっているのを見たときはうれしかったです。人と関わることが多い会社なので、いろいろな方と仲よくなれるのがモチベーションですね。(井手さん)

私は建物・設備の故障時の対応や改修工事といった“壊れているものを直す”仕事がメインなので、自分が関わった事業が無事に終了したのを見ると「やった!」という気持ちになります。(佐々木さん)

Q.

つらい時期はどのように乗り越えましたか?

A.

周りにいる同じ部署の先輩や上司に相談することが多いです。また、落ち込んだときは仕事のことを忘れ、好きなことに没頭して心を整えています。(佐々木さん)

Q.

休みの日はどのようなことをして過ごしていますか?

A.

旅行が趣味なので、月一で弾丸旅行をし、カメラ片手に自然の景色を撮っています。週明けに、新しい気持ちで頑張れます!(井手さん)

オフィスツアー参加者の感想

参加者

駅の見学ではエコのシステムや伝統工芸の展示などを通じて、会社の取り組みがよくわかりました。「好き」を仕事にすることは大変だと思いますが、自分もいつかやりたいことを仕事にしたいと思いました。

“宇宙の仕事”で活躍できる!NECのオフィスツアーで広がった、未来の選択肢

1899年に設立し、今年で126年目を迎える日本電気株式会社(以下、NEC)。ITサービス事業と社会インフラ事業を中心に、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しています。
今回のオフィスツアーでは、会場となった本社ビルで、社員との交流を通じて同社の最先端技術と宇宙事業の世界等、STEM分野への理解を深めるプログラムが展開されました。

オフィスツアーの様子

NECの事業について説明する矢野さん

宇宙の未来をつくる仕事ができる!NECで出会った“テクノロジー×社会課題解決”の世界

冒頭にコーポレートコミュニケーション統括部の矢野郁美さんから「NECは、テクノロジーを使って社会課題を解決して未来をつくる会社です」と会社説明がありました。続けて、AIを活用してトマトの畑の状態を可視化したり、収穫量を予測することで栽培効率を高め、トマトを安定的に収穫・供給するサステナブルな農業に取り組んでいること、世界でも高く評価されている『顔認証技術』が空港の本人確認やホテルのチェックインなどに用いられ、スムーズかつ安全な入退場を可能にしていることについて説明がありました。また、半世紀以上にわたって日本の「宇宙事業」を支えており、1970年の日本初の人工衛星『おおすみ』の打ち上げ成功以降、NECは約80機の衛星の開発・製造に携わってきたという実績や、小惑星探査や地球観測、準天頂衛星『みちびき』による高精度な位置情報の提供といった多様な宇宙関連プロジェクトが紹介され、参加者たちは真剣に聞き入っていました。

働きやすさを追求した開放的なオフィスを見学

オフィス見学では、本社ビルの高層フロアから都心を一望できる景色や、フリーアドレスのオフィスを見て回りました。その日の気分や仕事内容に合わせて好きな席を選べる仕組みや、さまざまなデザインのテーブルや椅子など、「働きやすさ」を意識した環境が印象的でした。

オフィスツアーの様子

社員が食堂や執務スペースなど、各所を案内してくれました

宇宙に関わる仕事ってどんな感じ?若手社員と語るリアルなキャリアと進路のヒント

オフィス見学の後には、宇宙事業に携わる若手社員によるパネルディスカッションと座談会が行われました。登壇したのは人工衛星の地上システム開発をしている田之上菜美さん、人工衛星の設計開発をしている立川璃子さん、宇宙事業の営業担当をしている榎本菫さんの3名。学生時代の話から現在の仕事内容まで、リアルな言葉で語ってくれました。

オフィスツアーの様子

左から、榎本さん、立川さん、田之上さん

Q.

中高生の頃、どんなことに力を入れていましたか?

A.

バスケ部と受験勉強を両立していました。どちらも本気で取り組んでいたので、大変でしたが充実していて楽しかったです。(立川さん)

Q.

宇宙に興味を持ったきっかけは?

A.

中学時代にテレビで月から撮影した地球の映像を見て、その美しさに感動したんです。そこから「宇宙に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。(田之上さん)

Q.

今の仕事のやりがいを教えてください!

A.

人工衛星が本格的に社会で活用される時代はこれからより拡大していくと思うので、未来の生活をより良くするための衛星を考えるのがすごく面白いです。(榎本さん)

宇宙を通じて、防災や環境保全などの日本社会を支える重要な仕事ができるのは本当に幸せです。毎日頑張れます!(田之上さん)

過酷な宇宙環境に耐える人工衛星を設計するのは大変ですが、未来の“あたりまえ”をつくっているという実感があります。(立川さん)

その後の座談会では宇宙事業以外の部署の若手社員も参加し、グループごとに質疑応答が行われました。各グループ内では、勉強や進路、将来の不安まで、さまざまな質問が飛び交い、参加者たちは先輩社員たちの“リアルな声”を受け止めながら、進路選びの視野をぐっと広げていたようでした。

オフィスツアー参加者の感想

参加者

今回社員さんたちからお話を聞いて、みなさんの志の高さに感動しました。まだ将来やりたいことははっきりとは決まっていませんが、“得意かどうか”だけで選ばず、“好きかどうか”という視点も大切にしていいんだと思えるようになりました。

ダイナミックな印刷からミクロな分析まで!リコーの技術開発の現場を見学!

複合機や大型プリンターが主力製品として知られている株式会社リコー。印刷の技術力もさることながら、最近はデジタルサービスの開発にも力を入れています。そんなリコーが手掛けるさまざまな製品、サービスを開発している「リコーテクノロジーセンター」で、今回のオフィスツアーは行われました。

オフィスツアーの様子

一面が窓になっている開放的な部屋でオフィスツアーは始まりました

司会を務める技術経営センターの熊井未央さんは「リコーでは今、印刷された写真や図面では伝えきれない“空間のリアル”を伝える取り組みとして、クラウドソリューション『RICOH360』といったサービスも提供しています。これは、360度カメラ『RICOH THETA』で撮影したデータを、クラウドやアプリと連携して記録・共有できるサービスです。印刷とは結び付きにくいかもしれませんが、“他人に情報を伝えるための技術”という意味で、繋がっているんです」と、会社概要や新しい取り組みについて説明してくれました。

技術開発の中枢「リコーテクノロジーセンター」で、大型プリンターや分析研究室を見学

続いて、参加者は施設の見学に出発しました。最初に訪れたのはCustomer Experience Center(CEC)。ここは、商用印刷機の見学や使い方の体験、印刷サンプルの確認を通して、商用印刷のワークフローを体験できる施設です。リコーが誇る大型プリンター「RICOH Pro VC80000」は、1分間に2,020ページのA4両面印刷ができ、それに使われている印刷用紙(ロール紙)の重さはなんと1巻で5,000kgもあるそう!

オフィスツアーの様子

見たこともないような巨大なプリンターに参加者たちも興味津々

次に訪れたのは、印刷の際に使われるインクなど、さまざまな材料を分析する研究室。印刷機器のインク微粒子を観察したり、インクが紙に染み込む様子を分析したりして、改善や問題解決に繋げている場所です。ここでは髪の毛の太さの1/15ほどの小さな材料を顕微鏡で観察。参加者は「こんなに小さなものまで分析することで、リコーの高い品質が守られているんですね」と感心していました。

オフィスツアーの様子

「こんな大きい顕微鏡初めて見た!」と参加者はワクワクしながらレンズを覗き込んでいました

技術系社員によるパネルディスカッション&座談会

最後は、社員の方々との交流の時間。参加メンバーは、ソフトを開発する川西真美さん、インクジェットプリンターを設計・開発する宮部由佳さん、布向けのプリンターを開発する大川瑞季さん、セラミック3Dプリンティングの研究開発に関わる熊谷あやねさん、リコーの関連会社・エトリア株式会社で複合機の生産工程の設計を行う法華津(ほっけづ)依吹さんの5名です。

オフィスツアーの様子

少人数のグループに分かれて、社員の方々と交流しました

Q.

理系を選んだ理由はなんですか?

A.

学生時代は美術が好きで、自分の表現したいことを形にできるのが面白いと思っていました。でも、私は気になったことをとことん突き詰める研究者気質な性格だったため、研究もモノづくりもできる機械系を進路に選びました。今も学生時代に学んだことを活かしながら仕事ができています。(熊谷さん)

Q.

理系を選んでよかったことはなんですか?

A.

小さい頃から好きだった「モノづくり」に関わる仕事が今できていることです。なかなか考えていた通りにいかないこともありますが、分かっていることを整理して原因を考えていき、うまく解決できたときの達成感が好きです。(法華津さん)

プログラミングを通して、自分が考えたことを形にできることが何よりも楽しいです。あと、論理的に考える力が自ずと身につくので、数字やデータに強くなり、日常生活に活かせることが増えました。(川西さん)

Q.

仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

A.

さまざまな現象を実験で証明できたときです!それがうまくいって実際に製品化され、世界中の多くの人に使っていただけたときが、何よりもうれしいです。(宮部さん)

Q.

リコーの魅力を教えてください!

A.

ロールモデルとなる先輩がたくさんいて「自分もあんな人になりたい」と思いながら働けるのが魅力です。あとは、企画職や営業職の社員と協力しながら、よりよい製品を作れることです(大川さん)

オフィスツアー参加者の感想

参加者

理系職種に就職した後も、技術職で作る側にもなれるし、営業職で販売する側にもなれるというのが素敵だと思いました。技術系女性社員の方に就職先の選び方などを具体的に聞けて、その他のアドバイスもたくさんいただけたので、今後の進路選択や就職に役立てられそうです。

多様な個性が輝く現場へ!創造的な空間で出会った新しい未来の選び方

株式会社博報堂テクノロジーズは、博報堂DYグループのテクノロジー戦略会社として『マーケティング×テクノロジーの力で、社会と生活者に新しい価値や体験を提供する』ために設立されました。データやAIの活用、システム・サービス開発などで人々の暮らしや社会課題を解決することに挑んでいます。

オフィスツアーの様子

博報堂が運営するUNIVERSITY of CREATIVITYにて。車座になって対話するMandalaエリアからツアーを開始しました

オフィスツアーは、LINEミニアプリ「ジブン・ザ・ラッパー」を使ったアイスブレイクからスタート。参加者が3つの質問を選択し、それに答えると、AIラッパーが自分だけのラップを生成してくれます。お互いのラップを聞きながら「それぞれのラップが全然違う!」「AIでこんな自然なラップが作れるんだ」と盛り上がり、参加者同士の距離も縮まっていました。

オフィスツアーの様子

選んだ質問やその回答に合わせて、AIラッパーがオリジナルラップを作ります

「博報堂テクノロジーズが特に大切にしているのは、生活者発想という考え方です」とお話ししてくれたのは、司会のHR戦略センター 地家夏代さん。博報堂DYグループが向き合うのは「消費者」ではなく、それぞれが暮らしを持つ「生活者」だと考えており、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら、テクノロジーの力で新しい価値を生み出すことを目指しているという説明に、多くの参加者が頷いていました。

オフィスツアーの様子

参加者に語りかける司会の地家さん

創造性に触れる自由な“仕事場”を体感

今回のツアーが行われたのは、創造性の研究教育機関としてつくられた「UNIVERSITY of CREATIVITY」。日々行われている創造性の研究やディスカションの様子が言葉やダイアグラムで可視化されていたり、4000冊の創造性に関する書籍やペットボトルでつくられた恐竜のアート作品が置かれていたり、創造的なインスピレーションを得られるヒントが随所に仕掛けられています。 自由な雰囲気に、参加者は興味深そうに歩き回って見学していました。

オフィスツアーの様子

今回のツアー会場である「UNIVERSITY of CREATIVITY 」

「好き」を原点に、自分らしいキャリアを見つけよう

見学の後は、博報堂テクノロジーズで活躍する若手女性社員3名による座談会が開かれました。登壇したのは、地域の交通課題を解決するMaaSプロジェクトの開発業務を担当する川畑乃乃さん、健康診断結果を活用したヘルスケアプロジェクトの開発業務を担当する和田麻佑さん、自治体向けのDX推進プロジェクトの開発業務を担当する山梨真実さんの3名です。

オフィスツアーの様子

左から、川畑さん、和田さん、山梨さん

Q.

文理はどのように決めましたか?

A.

私は小さい頃からゲームが大好きで、ちょうど文理選択の時期に、兄が大学でプログラミングを学んでいたことに影響を受けました。「ゲームを作るのって面白そう!」「便利なアプリも自分で作れるかも」と思って、理系に進むことを決めました。(山梨さん)

Q.

理系の進路に対してギャップはありましたか?

A.

数学が苦手だと厳しいのかと思っていましたが、大学に入ってからは“計算力”より実験計画やデータ分析、考察といった“考える力”のほうが重要だと気づきました。(和田さん)

Q.

仕事のやりがいは何ですか?

A.

自分がゼロからつくったものが世の中で使われていると、やっぱり嬉しいです。社会に必要なサービスを自分が形にしていると思えると、誇らしい気持ちになります。(川畑さん)

Q.

学生時代の自分にアドバイスするとしたら何を伝えたいですか?

A.

焦らなくて大丈夫。周りと比べず、ぼんやりでも「やってみたい」と思えることがあれば、まずは動いてみてください。(山梨さん)

進路選択って大きな分岐点に感じるけれど、進んだあとでもいくらでも軌道修正できます。今はワクワクする方向へ踏み出すのが大事です。(川畑さん)

自分の「好き」を大切にしてほしいです。勉強だけでなく、趣味も進路選びのヒントになります。選ばなかった道を全部捨てる必要はありません。(和田さん)

オフィスツアー参加者の感想

参加者

理系に進むか悩んでいたのですが、今日のお話を聞いて“理系って幅が広いんだな”と感じました。もっと固く考えなきゃいけないと思っていたけれど、皆さんリラックスして働いている印象を受けました。夢はまだ決まっていませんが、仕事にしたらやりがいがあることを見つけたいと思います。

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