学生の進路において大きな岐路のひとつである「文理選択」。最近では、STEM*分野と呼ばれる理系や技術系のフィールドで活躍する女性も、どんどん増えてきています。東京都では、さらなる女性活躍を推進するため、女子中高生向けオフィスツアーを開催。学生がSTEM分野で働く方々や現場に触れることで、自分がやりたいことや関心のあることを見つける機会を提供します。 *Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉

【目次】

ファッションがもっと好きになる、ZOZO独自の最先端サービスに興味津々!
日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」や、ファッションコーディネートアプリ「WEAR by ZOZO」など、画期的なファッション事業を展開している株式会社ZOZO。近年はファッションテック領域への挑戦を続けており、ファッション選びをサポートする計測技術や診断機能といった独自のサービスを展開し、多くのユーザーの心を掴んでいます。今回のオフィスツアーでは、アート作品にあふれた西千葉オフィスを訪れました。

自社のサービスについて説明する技術広報の長澤さん
個性的なデザインが施されたオフィスを見学 IT×ファッションを体験!
会社説明が終わると、さっそくオフィス見学に出発!あちこちに飾られたアート作品の数々に「まるで美術館みたい!」、「こんなオフィスで働いてみたい」と参加者たちから驚きの声が。布をイメージしたという曲線のデザインを施した執務室をはじめ、心躍るデザインがたくさん。ラウンジの壁にはアート作品が一面に飾られ、さらに卓球台がテーブルになっているという遊び心も。洗練された空間の数々に、参加者たちも感性を刺激されたようでした。

参加者たちは至るところに飾ってあるアートに興味津々!歩みを止めてじっくり見ていました
続いて行われたワークでは、ZOZOが誇るファッションテックを体験。肌の色を高精度で計測できるフェイスカラー計測ツール「ZOZOGLASS」や、たくさんのコーディネートから自分の好きなものを5つ以上選ぶだけで全144パターンの中から好みのジャンル傾向が分かる「ファッションジャンル診断」を体験し、診断結果に合わせてオリジナルのステッカーが参加者にプレゼントされました。

左:「ZOZOGLASS」を試す参加者 右:ファッションジャンル診断
ZOZOを支える女性エンジニアが赤裸々に語るパネルディスカッション
最後はパネルディスカッションを実施。登壇者は「WEAR by ZOZO」のAndroidアプリ開発を担当するゆっきーさん、「ZOZOTOWN」の検索精度の改善を担当するのんちゃんさん、エンジニア職を経て、現在は開発者支援の部門で働くあっすーさん、米国等で展開する3Dボディースキャンサービス「ZOZOFIT」のAndroidアプリ開発を担当するりちゃこさん。参加者は社員たちに直接疑問をぶつけていきます。

左から、りちゃこさん、あっすーさん、のんちゃんさん、ゆっきーさん
- Q.
-
学生時代はどんな風に理系・文系の選択をしましたか?
- A.
-
高校2年のときに文理選択があったのですが、当時は将来のビジョンが全く見えていませんでした。だからまずは「自分の好きなことってなんだろう?」と考えて、小さい頃からモノづくりが大好きだったことに気づき、理系を選択しました。(ゆっきーさん)
- Q.
-
エンジニアになろうと思ったきっかけは?
- A.
-
小学校のときに、レゴをプログラミングで動かせるロボットプログラミングにドハマりしたのがきっかけです。その後もより専門的な勉強をするためにITの専門学校に進んだので、エンジニアの道しか考えていませんでした。現在も素晴らしいモノづくりの現場に携わることができ、毎日刺激だらけです!(りちゃこさん)
- Q.
-
エンジニアの楽しさややりがいはなんですか?
- A.
-
自分で書いたコードがちゃんと動いたときは、やっぱり楽しいです。また私が作ったシステムを多くのユーザーが利用してくれて、友達から「この機能いいね」と褒められると、苦労して作った甲斐があったと思います。(のんちゃんさん)
- Q.
-
文理選択に悩んでいる人にアドバイスをお願いします!
- A.
-
私は大学で文系に進んだのですが、教授に「エンジニア職に向いてそうだね」と薦められて、エンジニアの勉強を始めました。文理選択に悩んでいる人も多いかと思いますが、それで未来が決まるわけではないです。安心して、今、興味が向いているほうを選択すればいいと思います。(あっすーさん)
オフィスツアー参加者の感想

普段からZOZOTOWNを利用していて、憧れの会社を見学でき、大変貴重な経験となりました。今は理系を選択しているのですが、なんとなく選んだ感じだったので、今回エンジニアの仕事を知ることができて、ITや理系の仕事への興味が深まりました。

全11階建ての木造ビル!地球に優しい次世代型研修施設でオフィスツアー
株式会社大林組は、創業130年を超える歴史を持ち、学校、工場、スタジアムなど幅広い用途の建物を手掛けてきた総合建設会社です。現在は、「建築」「土木」「開発」そして「新領域」の4つを柱に事業を展開。「新領域」事業では社会課題への対応を戦略のひとつに掲げ、再生可能エネルギー事業に注力しています。

ツアー冒頭にスケジュールの案内を受ける参加者の様子
今回のオフィスツアーは、そんな大林組の新技術が多数採用された横浜の次世代型研修施設「Port Plus 大林組横浜研修所」で行われました。同施設は、地上の主要構造部となる柱・梁・床・壁・屋根全てが木で構成された、日本で初めての高層純木造耐火建築物。国内の純木造ビルとしては、2025年時点で最も高い建物です。
環境や安全のための工夫がたくさん!木でできた高層ビル「Port Plus」の内部を見学
オフィスツアーが始まると、司会の本社 建築本部本部長室人事企画部人材育成課 主任の牛尾真希さんから「皆さんにはチームに分かれて、案内役の社員と一緒に『Port Plus』を巡っていただきます。各フロアにはチームキャラクターが描かれたボールが隠されているので、それを集めるのがミッションです」と説明がありました。宝探しゲームのような内容に、参加者たちはワクワクした様子で探検に出かけていきました。

ツアー内容について説明する牛尾さん
参加者たちはボールを探しながら、工夫が凝らされた建物内を見学。森林の音と香りが漂う空調を設置した研修スペース、吹き抜けのワークスペース、外部に開かれたプロモーションスペースなどを巡りました。随所で社員の方から建物の構造や仕組みに関する解説があり、参加者たちは目を輝かせながら耳を傾けていました。

左:森林の音と香りが漂うリラクゼーションスペース、右:気分をリフレッシュできるバルコニー
3時間耐火を実現した構造材「オメガウッド(耐火)」や、大林組独自の開発技術である「十字形の剛接合仕口ユニット」などについて学びました。参加者は、「ボールを探しながらゲーム感覚で建物内を巡れたのが楽しかった」「木や自然に溢れた空間は快適で、リラックスできる!」と、純木造ビルの居心地の良さを実感していました。
チームごとに行われた座談会は大盛り上がり
見学後は、チームごとに座談会を開催。社員が事前に用意したカードからランダムに選んだ質問や、その場で挙がった参加者からのリアルな質問に回答しました。ここでは、東京本店 建築事業部設備部設備第二課に所属する杉山朝音さんへの質問の一部を紹介します。杉山さんの所属する部署では、建物に必要な空調、電気、給排水などの設備に関わる施工を管理しています。

オープンなミーティングスペースで座談会を行う杉山さんたち
- Q.
-
どうして大林組に就職したんですか?
- A.
-
私は小さい頃から建築に関わる仕事がしたかったので、高等専門学校に進学し建築を学びました。入学当初は、一軒家の外観や内部をデザインする意匠設計に関心を持っていたのですが、学ぶうちに建築には計画や施工など多様な領域があることを知りました。より幅広い分野に関わりたいと考えるようになって、いろんな現場に携われる大林組を選びました。
- Q.
-
建築の仕事に興味を持ったきっかけはなんですか?
- A.
-
小さい頃から友達の家に遊びに行って、部屋の間取りを見ることが好きだったんです。自分の家とは全く異なる家の構造や内部を見るのが楽しくて、気づいたら「自分でも家を建てたい」という想いが芽生えていました。
- Q.
-
理系科目は好きでしたか?
- A.
-
国語や社会があまり得意ではなかったので、文系科目と比べると理系科目のほうが好きでした。答えが明確に決まっている分、一つひとつ順序立てて考えを整理し、答えにたどり着けるところに楽しさを感じていましたね。
- Q.
-
建築の仕事のやりがいや魅力を教えてください
- A.
-
大きなビルや建物が完成したときに得られる達成感は大きいですね。関わる時間も長いですし。また、更地だった場所に建物が建っていく姿を見られるのもこの仕事ならではの魅力です。
オフィスツアー参加者の感想

建築の仕事に興味があったので、今回参加しました。これまで建築系の仕事というと建築士しか思い浮かびませんでしたが、ほかにも建築に関わる仕事がたくさんあることを知り、興味の幅が広がりました。

日本の金融を支える「三菱UFJフィナンシャル・グループ」で、理系スキルを活かせる仕事とは?
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、銀行、信託、証券など、さまざまな金融サービスを提供する日本最大の総合金融グループです。
今回は、そんなMUFGの本社がある丸の内でオフィスツアーが開催されました。人事部ダイバーシティ推進室長の上場庸江さんの挨拶から始まり、「MUFGは理系人材を積極的に採用しています。マーケット業務、システム業務、デジタルサービス業務など、理系学部で得たスキルを活かせる多種多様な仕事があり、活躍の場はますます広まっています!」と、参加者にエールを送りました。

人事部ダイバーシティ推進室長の上場庸江さん
起業家、投資家、社会から見た“株の力”を知る金融経済教育プログラム
続くプログラムでは、5つのチームに分かれ、起業家、投資家、社会の3つの視点から「株の力」を知るワークに取り組みました。

案内人を務めたのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 人事部ダイバーシティ推進室の森山葵さん
最初に、起業家と投資家を結び社会にインパクトを与えた株について学び、その後、起業家になったつもりでチームごとに新しい事業を考えました。各チームから「自動翻訳可能な全世界共通のメッセージアプリの開発」、「自動で街のゴミを回収するロボットの運用」など、ユニークなアイディアが続々!次に、先ほど考えた事業の中から投資先を決めました。最後に、これまでのワークを踏まえて、今の世の中にある「社会を変えることに成功した事業」にはどういったものがあるかを考えました。ワークショップを終えた参加者は、「お金が循環することで経済は回り、社会が豊かに変わっていくことが分かりました」と、新たな学びがあったようでした。

森山さんのアドバイスを受けながら、真剣にワークに取り組みます
銀行、証券、信託の業務に携わる3名の女性社員と座談会
最後に、実際に働いている社員との座談会を実施しました。参加したのは、三菱UFJ銀行の小林えりかさん、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の梶本詩織さん、三菱UFJ信託銀行の東美波さん。

左から、小林さん、梶本さん、東さん
- Q.
-
理系に進学した理由を教えてください
- A.
-
最初は、「理系に進む人が少ないからかっこいい」という理由で物理を選択しました(笑)。でも学んでいくうちに、星が自転・公転するのはなぜか、空は何で青いのかなど、身近な現象を物理で解決することに楽しさを覚えて、理系にのめり込んでいきました。(梶本さん)
- Q.
-
数学を専攻していたなかで、なぜ金融機関に就職したんですか?
- A.
-
数学を専攻している人の多くは、学校の先生やITシステムに携わる仕事に就くのですが、私はどれにも興味が持てませんでした。就職先をいろいろ探していたらMUFGのホームページを発見して、仕事の幅が広いし、理系分野を活かせる業務も多いと知って就職しました。(小林さん)
- Q.
-
今の仕事のどんなところにやりがいを感じますか?
- A.
-
私は世界中の金融機関が利用する「国際決済システム」の開発・保守を担当しています。規模が非常に大きく複雑なシステムなのでトラブルが発生することもありますが、それを乗り越えてシステムが安定して動き始めたときには、本当に大きな達成感があります。 (東さん)
- Q.
-
理系で学んだことで、今の仕事に活かせている部分はありますか?
- A.
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私は株価の分析などを行いトレーダーのサポートをしています。毎日ランダムに動いているように見える株価なども、数式を使って分析していくと分かることがあるので、理系の勉強で養った分析力は活かせていると思います。(梶本さん)
オフィスツアー参加者の感想

株に興味があったので、今日のワークで学べたのが楽しかったです。座談会では、学生時代に勉強してきたことが今の仕事にそのまま活かせていることがあるという話が印象的でした。金融企業と理系は関わりがないと思っていましたが、理系を活かせる仕事がたくさんあるというのは“目から鱗”でした!

創立100年の三菱電機が挑む、新たな価値創造への取り組み
三菱電機株式会社は、2021年に創立100周年を迎えた、家電製品、産業機器、インフラシステム、宇宙・防衛システムなどの製品・システム開発を手掛けている総合電機メーカーです。今回のオフィスツアーは、横浜みなとみらい地区にある「Serendie Street Yokohama(セレンディ ストリート 横浜)」で行われました。

大竹さんのアイスブレイクにより、参加者も一気にリラックスしたムードに
プログラムは、グローバル人財部DE&I推進室の大竹さんによるアイスブレイクからスタート。「かき氷のシロップ、メロンとブルーハワイ、どちらが好きですか?」という問いかけから、「実はどちらのシロップも味は同じで、色の違いから脳が錯覚して異なる味を感じ取っているんです」という身近な化学の不思議で参加者の興味を惹きつけていました。
蛇行する通路が導くイノベーション、1杯のコーヒーにも仕掛けが
続いて、オフィス見学へ。Serendie Street Yokohamaは、「執務エリア」と「共創エリア」に分かれています。今回見学した「執務エリア」は、通路が蛇行した特徴的なレイアウト。回遊導線によってさまざまな人とのセレンディピティ(偶然の出会い)を生み出すよう設計されています。「共創エリア」では、カンファレンスホール「CIRCLE」、新しいソリューションのアイディアやプロトタイプ(試作品)を展示する場「GARAGE」、コーヒースタンドやスナック、ライブラリーなどの交流スペース「YOKOCHO」、セミオープンなプロジェクトルーム「FIELD」という各エリアが円を描いて繋がることで、部署や時には会社の垣根を越えて交流が生まれるような仕組みが構築されています。

交流エリア「YOKOCHO」には座敷型の個室も!
たとえば「YOKOCHO」のStandでは飲み物が無料で飲めますが、必ず誰かと連れ立ってコミュニケーションしながら利用するというルールで運営しています。「GARAGE」では、まだ世の中に出ていないサービス・ソリューションのアイデアのたまごたちが展示されていました。電機メーカーらしい最新の取り組みや共創を深化させるための仕組みを見た参加者には鮮烈な印象が残ったようでした。

新しいサービスを生み出すには一人ではなくチームメンバーと、時には社外のパートナーとも協力し合って、アイデアを出し合うことが大切です。(人財統括部・鈴木さん)
活躍中の女性社員と座談会 就職後の未来像から勉強法まで
最後は三菱電機で働く4名の女性社員が登場して座談会を行いました。ここでは、理系出身で現在は人事系の業務に携わる早川さんと、AI技術の研究開発に携わる植村さんの質疑応答をご紹介します。

学生からの質問に答える早川さん(左)と植村さん(右)
- Q.
-
理系の成績が伸びません。このまま理系に進んでいいのでしょうか?
- A.
-
理系科目は「この公式を暗記したから成績が伸びる」ということはなく、「根本の仕組み」を理解して初めて伸びます。大切なのは、自分の勉強方法を確立して全体を理解することだと思います。(植村さん)
- Q.
-
高校時代にやっておいて良かったことはなんですか?
- A.
-
勉強も頑張りましたが、一番は部活に打ち込んだという、1つのことをやり遂げた経験です。弱小女子サッカー部でしたが県大会で上位に入ることで、自分に自信が持てました。大学入学当初に将来像がなくても4年あれば形づくられるので、高校時代は目の前のことに全力で取り組むのが大切だと思います。(早川さん)
- Q.
-
ずっとひとつの研究テーマを突き詰めないといけないのでしょうか?
- A.
-
そんなことはありません。とある課題を見つけて、解決策を模索する中でまた新しい課題を見つけてそちらの解決に興味を持つ、というのはよくあることです。興味の対象が移ること自体は悪いことではなくて、やりたいことがあるということが、仕事でも勉強でも大事になってくると思います。(植村さん)
- Q.
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やる気や集中力が出ないとき、どうしたらいいでしょうか?
- A.
-
私の場合は、「5分間だけやってみよう」と思って取り組んでいます。一度始めさえすれば、5分も経つと脳がフロー状態(没入状態)になるので、そのまま継続して進められることが多いです。(早川さん)
オフィスツアー参加者の感想

社員の方のお話を聞いて「進路はひとつに決めたら終わりではない」と感じました。理系から文転したり、文系から理系の企業に就職したりとさまざまな道があるのですね。視野を狭めなくていいのだと知り、少し気持ちが楽になりました。「現時点での得意科目に縛られず、いま一番興味のあることを優先して良い」という言葉をいただいて、改めて自分の興味について考えようと思っています。
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