生産年齢人口の減少や労働基準法の改正といった社会の変化は、"従来型の働き方" の変革を企業に迫っています。これを受けて、数多くの企業が現在、IT を活用した働き方改革を進めています。ですが、そのユーザー対象を本部に勤務する従業員に限定しているというケースは、決して少なくありません。チャネルの現場やモノづくりの現場など、商品・サービス・顧客との距離が近い "最前線で働く人 (以下、First line Worker : FLW)" においては、中々この取り組みが進んでいないのが実情です。岡山県を拠点にシステム開発と PC スクール、トレーニング センターを運営するピコシステムは、FLW も含めた働き方改革を進める 1 社です。
同社は、PC スクールやトレーニング センターのスタッフを対象にして、Microsoft 365 を導入。これが備える Microsoft StaffHub (以下、StaffHub) と Microsoft Yammer (以下、Yammer) を利用してコラボレーション基盤を整備することで、FLW と管理者双方の生産性を最大化しているのです。従業員の個人スマートフォンを Microsoft Intune (以下、Intune) で管理するという仕組みによって、同社は FLW の働き方改革を加速させています。

全員が活躍しなければ、事業の発展は叶わない

日々顧客と接する、また日々商品やサービスと携わる、こういった、ビジネスの最前線で活躍する FLW は、製造業、小売業、医療、建設業など数多くの業界にとって欠くことのできない存在です。しかし、生産年齢人口の減少は、こういった最前線に立つ人員の減少を引き起こしています。「だからこそ、働き方改革にあたっては FLW の存在を疎かにしてはなりません。」こう語るのは、ピコシステム株式会社 代表取締役社長の中野 達也 氏です。中野 氏は、現在同社が進めている取り組みに触れ、働き方改革は FLW も含めて行わねばならないと述べます。

「当社は 1968 年にオフィス コンピュータの構築と販売で設立して以降、独立系のシステム開発を武器に企業として成長してきました。コア事業がこのシステム ソリューションにあることは間違いないでしょう。ただ、PC スクールやトレーニング センターの運営も、当社におけるきわめて重要な事業です。というのも、トレーニングを通したお客様との接点からシステムの話が生まれるということが、往々にしてあるからです。FLW を含む全ての人員が活躍してくれなければ事業の成長は最大化できません。"パートだから" "社員だから" と線引きをせず、全員を対象にして働き方改革は進めるべきなのです」(中野 氏)。

PC スクールやトレーニング センターで勤務するスタッフは、ピコシステムにとって "新たな顧客との接点となる人" "会社のブランドを代表してサービスを提供する人" です。決して無下に扱うべきではありません。むしろ、率先して人員を割り当てる、そしてそこでの生産性を最大化するべき領域だといえます。

しかし、社会においてはまだ、FLW を対象とする働き方改革は進んでいません。これはなぜでしょうか。ピコシステム株式会社 顧問の相沢 建紀 氏は、「一般的に、多くの場合、ビジネスの最前線で働く FLW には業務用の IT 機器が支給されていません。この背景には、固定の席ではなく常に動き回りながら仕事をするという FLW 特有の業務スタイルにあります。ただ、モバイル ワークをはじめとするような取り組みは、IT 機器を必要するものがほとんどです。流動的な業務現場においても利用されるような環境を用意せねばならない、しかしその方法論が見つからない、これが中々 FLW を対象とする働き方改革が進まない要因なのだと思います。」と、この理由を分析しました。

Microsoft 365 が、生産性を左右する "現場のチーム力" を高める

こうした背景から、ピコシステムにおいても、PC スクールやトレーニング センターで勤務するスタッフに対しては業務用の IT 機器を配付していません。では、同社はどのようにして FLW の働き方改革を進めているのか。ピコシステム株式会社 第4事業部 事業部長の田口 彰吾 氏は、「コミュニケーションの円滑化とそのためのタスク・スケジュールの可視化が、FLW の生産性を高める上では重要です。」とし、同社が進める取り組みをこう説明します。

「PC スクールの現場では、突発的な対応が求められる場面が多く発生します。"あの人でないと対応できない" ということを無くしてチームで対応できるかどうか、そのためのコミュニケーション基盤があるか否かが、生産性を大きく左右するのです。当社は現在、Microsoft 365 の StaffHub と Yammer を利用してこの基盤を用意しています。スマートフォンで利用可能なため、BYOD (Bring your own device : 私的デバイスのビジネス活用) を採用すれば、流動的な業務現場でも十分にこれが利用できます」(田口 氏)。

StaffHub は、タスクとスケジュール管理を支援する、FLW の利用に最適化されたアプリケーションです。ここにコラボレーション サービスの Yammer を組み合わせることにより、スタッフは各員のタスクやスケジュールを確認し合いながら業務に必要なコミュニケーションを取ることが可能となります。

  • (左)ピコシステム株式会社 代表取締役社長 中野 達也 氏、(右)ピコシステム株式会社 顧問 相沢 建紀 氏
  • StaffHub(上)とYammer(下)は、ともにスマートフォンでの利用に最適化したユーザーインターフェースを備えている

    StaffHub(上)とYammer(下)は、ともにスマートフォンでの利用に最適化したユーザーインターフェースを備えている

ただ、StaffHub や Yammer では、業務に関する機密情報、顧客に関する個人情報が取り扱われます。情報の漏洩は決して許されないため、いかにして適切に BYOD の環境を管理するかが求められました。ここで有用だったのが、モバイル セキュリティ スイーツの Enterprise Security + Mobility (EMS) です。

ピコシステムの採用する Microsoft 365 では、StaffHub や Yammer を備える Office 365 に加えて、EMS と Windows 10 Enterprise もワン ライセンスで利用可能です。実際にスタッフをマネジメントする立場にあるピコシステム株式会社 Microsoft製品担当 課長の井殿 寿代 氏は、この EMS を利用することで、情報漏洩のリスクなく生産性を高めることができたと説明。田口 氏とともに、詳細を述べます。

「昨年から今年にかけてトレーニングやスクールに訪れるお客様の数は 130% ほど伸長しています。どのようにして今の人的リソースのままでお客様の増加に対応するかが課題でした。そして、実はここにあたってシャドー IT が発生する可能性がありました。コミュニケーションを円滑化する手段がこれまで無かったために、個人で利用している LINE が業務で使われる一歩手前まで、状況が差し迫っていたのです。EMS では MDM (Mobile Device Management) の Intune が利用できますから、万が一スタッフが個人用のスマートフォンを紛失したとしても、デバイスを制御することで StaffHub や Yammer へのアクセスを遮断できます。また、高度なセキュリティ ポリシーを持つマイクロソフトのプラットフォームで提供されるため、きわめてセキュアに運用が可能です。Microsoft 365 の採用によって今も過不足なくお客様対応ができていることを考えると、この取り組みは生産性とセキュリティの両面で大きな効果があったのだと感じます」(井殿 氏)。

「社内連絡の手段はこれまで主に内線だったため、井殿が 1 日に何度もスタッフと電話をしている姿を目にしていました。まず電話という作業そのものが業務ロスですし、スタッフと管理者の双方に疲弊を引き起こしてしまいます。また、会話された情報も 1 対 1 に閉じてしまうため、中々共有されません。チームワークが自然発生的には生まれにくい環境だと言えました。先ほど井殿が "人員を増やすことなく昨年比で 130% の数のお客様を対応できている" と言いましたが、これは StaffHub と Yammer によってチームワークが高まったこと、これによって個人と組織双方の生産性が高まったことの表れだと言えるでしょう」(田口 氏)。

コミュニケーションの在り方に変化が生まれる

1人ひとりのスタッフが最善を尽くし、チームとして顧客に対応する。こういった動きがピコシステムで加速していることを示す好例が 1 つあります。井殿 氏は、Yammer 上でのコミュニケーションを例に挙げてこう述べます。

「StaffHub ではユーザーが自由にグループを作ったりそこへ参加したりすることができます。利用から間もないながら、私から指示することなく、組織で臨むべき様々な業務のグループが生まれています。ここで "チームという意識" が高まったのか、スタッフ間のコミュニケーションに驚くべき変化がありました。日々の連絡などを行う Yammer において、誰かをほめたり、店舗の売上を祝ったりといった "称賛" のコミュニケーションが頻繁にみられることになったのです。これはスタッフのチーム ワークが加速した 1 つの証だといえるでしょう」(井殿 氏)。

  • (左)ピコシステム株式会社 第4事業部 事業部長 田口 彰吾 氏、(右)ピコシステム株式会社 Microsoft製品担当 課長 井殿 寿代 氏
  • スタッフはいつでもどこでも、私用のスマートフォンから自分やチームのスケジュール、タスクを確認でき、Yammer上のコミュニケーションにも参加できる

    スタッフはいつでもどこでも、私用のスマートフォンから自分やチームのスケジュール、タスクを確認でき、Yammer上のコミュニケーションにも参加できる

  • Yammer上では、メンバーを賞賛するような会話(左)やより生産性を高めるための議論(右)が数多く生まれるようになった

    Yammer上では、メンバーを賞賛するような会話(左)やより生産性を高めるための議論(右)が数多く生まれるようになった

続けて、相沢 氏はこうした成果がわずかな期間で得られた点を高く評価し、次のように語ります。

「ユーザーの電話番号と照合させてアカウントを割り当てるだけで、すぐに利用を開始できる。これは Microsoft 365 の持つ大きな利点でしょう。また、後から追加したユーザーが、過去のやり取りを簡単に振り返ることができる点もポイントです。StaffHub や Yammer ではアーカイブ化されている過去のスケジュール、コミュニケーション履歴を遡って見ることが可能です。組織運営上、どうしても人員の増減は発生します。そうした場合でも、すぐに環境を提供して新しいスタッフにナレッジを与えることができるのです。Microsoft 365 は、当社のこれからの働き方を支える存在になると考えています」(相沢 氏)。

全ての社員が活躍できる環境を作っていく

マネジメントの粒度を高めることができた点も、本取り組みのポイントだといえます。StaffHub では各スタッフの勤務時間やタスク処理状況などが可視化でき、メンバー間で横並びにすることも可能。これを参照することにより、感覚値に依ることなく、勤務実績に応じて適切なマネジメントが行えるようになったのです。

スタッフ、本部社員の双方に生まれたこれらの成果を踏まえ、中野 氏は今後、全ての人員が活躍できる環境づくりをより加速させていくと語ります。

「FLW と本部社員とは、同じ働き方改革でも別のアプローチをとらねばならないと感じています。ただ、今回の取り組みを経て、この双方において Microsoft 365 が有効だと感じています。Microsoft 365 の備える各ツールを積極的に活用することで、全社的な働き方改革をより加速してまいります」(中野 氏)。

"FLW、本部社員問わず、全ての社員が活躍できる環境を作っていく。Microsoft 365はそのための極めて有用なツールになると考えています。"



―中野 達也 氏: 代表取締役社長
ピコシステム株式会社

ビジネスの最前線で働く FLW は、顧客や商品と日々関わるきわめて重要な人員です。FLW も含む全ての人員の働き方を変えていくことは、事業の行く末を左右する重大な経営課題だといえます。業界に先んじてこれに取り組むピコシステムは、これからも高い価値を持つサービスを市場に提供し続けるに違いありません。

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