東京都では、 女性活躍に取り組む企業や団体等を「東京都女性活躍推進大賞」として表彰しています。今回は、令和7年度「東京都女性活躍推進大賞」を受賞した企業で働く女性社員の皆さんに、実際の取組や日々のお仕事についてお話を伺いました。

対話を起点に、制度を活かす組織風土づくり
株式会社オリエントコーポレーション

どんな会社?

オートローンやショッピングローンといった個品割賦事業・クレジットカード事業・銀行保証事業などを展開する総合金融サービス企業。事業のDX化にも積極的に取り組んでおり、EC決済ソリューションの提供やローン申し込みのWeb化にも注力しています。

教えてくれるのはこの人!

香月

香月さん
証券会社での勤務を経て、2018年に株式会社オリエントコーポレーションへ転職。女性社員比率が高く、営業職としてのキャリア継続性が高い環境であることを魅力と感じ、入社を決断。現在は戦略企画部に所属し、出資やアライアンスを通じて新たなビジネスの創出に取り組んでいます。

「配慮」から「対話」へ チャレンジしやすい雰囲気への改革

―― 女性執行役員が全国の女性管理職と面談する中で、「制度よりカルチャー」「配慮より対話」を重視するようになったそうですね。

インタビュイー香月さん

当社にはもともと、女性を含めた全社員が働きやすい・チャレンジできる制度がいくつかあったのですが、制度としては整えられていても実際に使う雰囲気や風土ではなかったんです。それが、個別面談をきっかけに、形式的な制度整備だけではなく、企業カルチャー、組織風土の改革が必要だと再認識されました。
最近は「カルチャー変革」を掲げて、社内全体が「みんなでチャレンジしやすい雰囲気を作っていこう」という風土に変わってきていると感じています。

――具体的にはどんな変化がありましたか?

インタビュイー香月さん

2016年から「Orico Women’s Network」という女性管理職の社内ネットワークがありましたが、当時は営業店の女性課長のみが対象でした。それが2024年から、対象が全女性管理職へと拡大されました。女性管理職同士で交流して、女性が活躍できる風土の醸成やキャリア形成について意見を交わす場となっています。私も参加しているのですが、自分のキャリアについて考えるとても良い機会をいただいていると感じています。
また、プログラムのひとつに、他企業の女性管理職の方との「異業種交流会」があるのですが、交流を通じて、どこの企業も似たような悩みを抱えた女性管理職がいることを知りました。

インタビュイー

異業種交流会の様子

――具体的には、どのような悩みでしょうか?

インタビュイー香月さん

私は、将来子どもができたら、今より高い役職を目指すのは難しいのではないかと思っていました。しかし実際には、子どもを持つ参加者も多く、皆さんが家庭と仕事の両立のために効率化の工夫をしていることを知りました。また、「悩みを抱えて踏みとどまるより、まず挑戦してみる、相談してみることが大切」というアドバイスももらいました。そのおかげで、「できないかもしれない」と考えて行動しないのはもったいないと感じ、チャレンジ精神を持つようになりました。

「ジョブポスティング制度」で社員一人ひとりの挑戦を後押し

――御社では「ジョブポスティング制度」で社員の挑戦も後押ししていると伺いました。

インタビュイー香月さん

「ジョブポスティング制度」は、自発的なキャリア形成を促す人事施策です。主にふたつのタイプがあり、ひとつは過去の経験を活かして現在のポストに挑戦するもの、もうひとつは部署や支店の異動や社外出向で新しい学びを得るものです。私もこの制度で別会社へ出向しました。

――別会社に出向していかがでしたか?

インタビュイー香月さん

出向先でもオリエントコーポレーションでの仕事と似た業務に携わっていましたが、会社が変わると考え方や社風が全く異なることを実感しました。その中で、「こんな方法もあるんだ」とか、「私、意外とできるかも」という発見が多くあり、視野が大きく広がりました。

インタビュイー

出向先で登壇する香月さん

――転職せずに他社の業務に関われる点も魅力ですね。

インタビュイー香月さん

出向先でも「そういう制度があったら転職しちゃう人が増えるかもって二の足を踏んじゃうけど、オリエントコーポレーションさんは太っ腹だね」と言われました(笑)。でも、他社さんのことを知ることでまた自社のことを好きになるということもあると思うんです。私も出向を通じて、オリエントコーポレーションのいいところ・もっとこうしたほうがいいと思うところが分かって、より好きになりました。
制度が始まったばかりの頃は「どうしようか」と悩んでいる人も多かったですが、ここ1,2年で制度を利用する社員が急増しています。希望どおりになるとは限りませんが、若手社員が課長に昇進する例も出ています。

それぞれが描く“理想のキャリア”を実現できる企業に

――香月さんが入社してよかったこと、やりがいを感じた瞬間を教えてください。

インタビュイー香月さん

さまざまなことに挑戦できている時です。当社ではチャレンジしたいことに誰もが手を挙げられる環境が整っています。私自身も、今参加しているプロジェクトには自ら手を挙げて参加しました。自分で選んだ分、責任感と、頑張ろうという気持ちが一層湧いてきますね。プロジェクトを進める中で多くのことを吸収させてもらっていて、仕事がとても楽しいです。

インタビュイー

――そんな香月さんが会社に期待していることを教えてください。

インタビュイー香月さん

介護や育児との両立、若いうちから役職にチャレンジしたい人など、働き方やキャリアの考え方は、人それぞれだと思います。当社では、それぞれが思い描いているキャリアの理想にできるだけ近づけるための制度を、さらに整えていこうと人事が動いています。その動きによって、実際にチャレンジしたいという雰囲気も浸透してきました。これからも、それぞれが目指すキャリアを実現できる会社であり続けて欲しいですね。

――これから社会に出る学生のみなさんにメッセージをお願いします。

インタビュイー香月さん

社会に出てさまざまな挑戦をしてきたことが、自分の成長につながったと感じています。キャリアについて悩む人もいると思いますが、まず挑戦することが大切です。やってみないと分からないことも多いですし、サポートしてくれる人もいます。自分に制限をかけず、実現したいことに正直になってみてください。

インタビュイー

― 香月さんのとある1日 ―

香月さんの1日
これからの「働き方」のキーワード
  • 「制度設計」から「カルチャー変革」へ
  • 他社との交流を通して、自身の可能性やキャリアを拡げる
  • 一人ひとりの「挑戦」に寄り添う組織

 

一人ひとりを「プロ」へ育て、力を発揮できる働き方へ
個性と能力を組織の強みに

KDDI株式会社

どんな会社?

移動通信・固定通信の両方を併せ持つ総合通信事業者。企業ブランドであるKDDIは「Tomorrow, Together」、一般消費者向けブランドのauは「おもしろいほうの未来へ。」をスローガンに掲げ、世界中の人々に感動、安心、幸せ、笑顔を届けるため、変革を続けています。

教えてくれるのはこの人!

中村

中村さん
2010年にKDDIへ入社。結婚を機に退職し、他社で契約社員として人事業務に従事。その後、第一子出産時に両立再雇用制度を利用してKDDIに復職。現在はDE&I推進室で育児・介護の両立支援やジェンダー課題の解消、組織風土の改善に取り組んでいます。

基盤にあるのは「プロを創り、育てる」KDDI版ジョブ型人事制度

―― 御社はキャリアの初期から経営層まで、幅広いパイプラインにおける女性比率の向上に取り組まれているとお聞きしました。

インタビュイー中村さん

はい、その取組の基盤となっているのは、「KDDI版ジョブ型人事制度」です。この制度は2020年に、「プロを創り、育てる」をコンセプトにスタートしました。「専門性」に加えて、共創や協業を通じて組織を成功に導く「人間力」の両方を評価し、ダイレクトで報いる点が特徴です。当社では、性別などの属性に関わらず、全ての社員がライフイベントとキャリアを両立しながら、自身の個性や能力を最大限に発揮し組織の強みにできる会社を目指しています。
導入以降、社員一人ひとりが自律的にキャリアを描けるよう、さまざまな意識改革を行ってきました。そして今は、人財のチカラを通じて事業成長を促すことに取り組んでいます。

―― その取組のひとつとして行われているのが、キャリアの初期から経営層まで、幅広いパイプラインにおける女性比率の向上なんですね。

インタビュイー中村さん

女性比率の向上を目指し、採用段階では新卒の女性採用率30%以上という目標を設定しています。女性社員が登壇するセミナーの開催や記事発信など、多方面で露出を強化しています。こうした場では、男性が多いイメージの通信業界で、女性がどのように働いているかリアルな姿を紹介しています。また、女性はライフイベントの影響を受けやすい側面があるため、若手社員が自分の人生設計を含めたキャリアを描けるよう、支援セミナーや社内外のキャリアコンサルタントによる個別キャリア相談も積極的に実施しています。

―― 他にはどのような支援を行っているのでしょうか。

インタビュイー中村さん

経営基幹職(管理職)候補者にも管理職業務に触れる機会やスキル向上支援を行っています。その一例が「スポンサーシッププログラム」で、本部長層がスポンサーとなり、経営基幹職任用直前の女性社員を一年間育成します。会議への同席や部署横断ミッションへの参加等を通じて、視野と人脈を広げています。この制度は2023年に導入され、これまでに36名が参加し、経営基幹職登用にも結びついています。

インタビュイー

「心豊かに仕事に打ち込む」をコンセプトにした働き方のアップデート

―― 御社では働き方のアップデートにも取り組まれていると伺いました。

インタビュイー中村さん

働き方のアップデートは、「心豊かに仕事に打ち込む」をコンセプトに、「コラボレーション」と「ハイパフォーマンス」を両立させ、全社員が「価値創造に使う時間を増やし、事業に貢献すること」を目指して取り組んでいます。

―― 具体的にどのようなことでしょうか?

インタビュイー中村さん

「コラボレーション」とは、部署や役割の垣根を越えてチームで連携し、お互いの知見を持ち寄りながら仕事を進めることを指しています。こうした関わりを通じて、一人ひとりの専門性だけでなく、人間性の成長も促していきたいと考えています。 2025年7月に移転した高輪新本社では、働く場所を社内で自由に選択できるようになりました。例えば、1人で集中して作業をしたい時は個室ブース、複数人で交流やチームビルディングを行う時はオープンスペースを利用するなど、業務の特性や内容に応じた使い分けが可能になり、社内全体にメリハリが生まれてきていると感じます。

一方、「ハイパフォーマンス」とは、長時間働くことではなく、一人ひとりがメリハリをつけながら力を発揮し、新しい価値づくりに挑戦できる状態を指しています。具体的には、会議時間の短縮や参加者の見直しなどを行い、考えることや判断することに集中できる時間を創出しました。また、マネジメント業務の負担軽減も進めており、AIを活用した評価フィードバックの支援や、社員の人事・労務データをまとめて可視化する「マネジメント・インサイト(HRダッシュボード)」の導入などがその一環です。さらに、グループリーダーの業務をシェアするサブグループリーダーのポジションを設け、チームのパフォーマンス向上と次世代の人財育成につなげています。

こうした働き方のアップデートや「KDDI版ジョブ型人事制度」はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)と密接に関係していると考えています。性別などの属性ではなく成果で評価する「KDDI版ジョブ型人事制度」を基盤に、DE&Iで一人ひとりの力を引き出し、新しい働き方で価値創造を後押しする。この3つが重なることで、すべての社員が自分らしく力を発揮し、組織の成長に貢献し続けられる姿を目指しています。

インタビュイー

支え合いながら、自分らしいキャリアを築く

―― 家庭と仕事の両立はいかがですか。

インタビュイー中村さん

当社には、育児短時間勤務の人も利用できるフレックス制度があります。以前は子どもに何かあった際は休むしかありませんでしたが、導入後は途中で業務を抜けても、別の時間帯に仕事を進められるようになりました。私自身、通勤に時間がかかるため、子どもの迎えが必要な日は少し早く退社したり、テレワークの日に集中して仕事を進めたりと、働きやすさを実感しています。

インタビュイー

―― 今後の目標をお聞かせください。

インタビュイー中村さん

当社には、何かにチャレンジしようとする人を応援してくれる風土があります。以前からキャリアコンサルタント資格の取得に興味があり、そのことを周囲に話したところ、応援してくれたり、同じ資格を持っている方がアドバイスをしてくれたりしたんです。そのおかげで、無事に資格を取得することができました。キャリアコンサルタントの知識をDE&Iの業務設計にも生かして、これからも一人ひとりが自分らしくいきいきと力を発揮できるような支援をしていきたいですね。

―― ――これから社会に出る学生のみなさんにメッセージをお願いします。

インタビュイー中村さん

何か挑戦したいことがある時、「今は無理だから……」と可能性を狭めてしまうのはもったいないと感じます。自分の大切にしたい価値観や目指したい姿を周囲へ積極的に発信することで、理解し支えてくれる仲間が現れます。当社にはチャレンジを後押しし、サポートしてくれる文化があります。その環境のおかげで、自分らしくキャリアを築き、成長し続けることができました。皆さんもぜひ自分の可能性を信じ、ありたい姿を探してみてください。それがきっと成長や希望する未来につながっていくと思います。

インタビュイー

―  中村さんのとある1日 ―

中村さんの1日
これからの「働き方」のキーワード
  • 「プロを創り、育てる」ジョブ型人事制度
  • 幅広いパイプラインにおける女性比率向上
  • 「心豊かに、仕事に打ち込む」働き方アップデート

 

今回の2社以外にも東京都女性活躍推進大賞受賞企業・団体のインタビューを公開していますので、ぜひチェックしてみてください!

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