2019年は、令和への元号変更に伴い"MaaS元年"と表現されたり、さまざまな業界から企業が新規参入を発表したりと、テクノロジー業界では浸透しつつあるMaaS。今月中旬に控えたオートモーティブワールドでも、"MaaSフォーラム"が新設され、今年も引き続き耳にする機会が多くなることが予想される。今回より3年目に突入する本連載『3分でわかるIoT関連用語集』では、北欧で発祥したMaaSと日本版のMaaSについて触れてみたい。

MaaSとは

そもそもMaaS(Mobility as a Service)とは、というところに立ち返ってみる。2015年ITS世界会議で設立された、欧州の官民連携組織である、MaaS Allianceは、"さまざまな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる1つのサービスに統合すること"と定義している。一方、国土交通省は、"出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに1つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念"としており、より具体的に“アプリ”や“一元的”などと定義されている。

MaaSのレベル

さて、スウェーデン・チャルマース工科大学のJana Sochor氏によってレベル分けされているMaaSだが、MaaSの生みの親「MaaSグローバル」が北欧フィンランドで2016年からサービス提供を開始した、“Whim”が唯一レベル3を実現している状況だ。

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参考 : Whim
MaaSの生みの親ともいえるMaaS Global社が提供するサービス。月額、もしくは交通機関を利用するごとに支払う代金をポイントに換え、そのポイントを利用することで代金の決済だけでなく、最適な移動ルート、手段まで自動検索で案内、さらにタクシーなどの予約までを一括で行ってくれる。

日本はというと、現段階ではGoogleマップやNAVITIME、乗換案内などの交通情報を統合したアプリである、レベル1までは整備されているが、予約・決済はそれぞれの運営機関で完結する形態にとどまっている。2018年10月に、トヨタとソフトバンクが提携し、自動運転を中心に据えて設立された「MONET Technologies」。モビリティ業界のニュースを扱う自動運転LABによると、同社が展開する「MONETコンソーシアム」に参画する企業の数は、2019年3月末の88社から、わずか半年で400社に達したという。多業界、多業者間の連携によって、料金の統一や定額サービスなどが実現すると、“サービス提供の統合”が可能となり、レベル3を実現できるようになるため、国内外からも注目が高まっている。

日本版MaaS

新しいビジネス機会の創出や環境汚染への対策が主としてつくられたMaaSに対し、日本では、超高齢化社会、地方の過疎化、人手不足などの解決策として捉えられる場面が多いように見受けられる。国土交通省が発表している日本版MaaSのイメージは、大都市と地方の2つに分けられている。

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人口が集中しているため発生する交通渋滞や、高齢化により移動が困難な交通弱者の割合が高いことによる課題と、過疎化・人口減少によって起こる公共交通機関の慢性的な赤字や人手不足などのための路線廃止による課題では、対応策は当然違ってくる。さらに、その2つに加え、国内外からの観光客に対応するため、観光地版MaaSもあり、大きく3つに分類し、導入していくとしている。

矢野経済研究所は、国内MaaS市場は、2018年の845億円(見込み)から年間平均成長率44.1%で推移し、2030年には6兆3,600億円に達すると予測している。 2019年12月には、Whimを三井不動産がスマートシティプロジェクトを推進する柏の葉で実験的にサービス開始したり、東急・JR東日本・JR東日本企画の3社が伊豆半島で日本初の観光型MaaSの実証試験フェーズ2を開始したりと、今年はより現実的な第一歩を進めるだろう。


情報提供:アヴネット株式会社

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