本連載では、これまでデータサイエンティストの仕事内容や求められる人物像、スキルについて見てきたが、最後はデータサイエンティストを目指すにあたり、押さえておいてほしいポイントを6つ紹介しよう。

最悪の場合は人命にも影響 数字と正直に向き合う姿勢を

データサイエンティストに求められる素質として、さらに付け加えておきたい。それは、ウソをつかないことだ。

データサイエンティストが直接的に扱うものは数字である。ということは、極端な話、分析結果をごまかして出そうと思えば簡単にできてしまう。

実際に、米国で起きたサブプライム問題では、現実の基準に合っていないローンが証券に組み込まれていた。このようなケースでは、外部からチェックしようと考えても見つけることは難しい。その結果として証券のプライシングが歪み、大きな問題につながってしまった。

数字の扱いをごまかすことで、たとえばそれがヘルスケアのソリューションを考えるものであった場合、最悪のケースでは人命に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。データサイエンティストを目指す人間は、とにかく数字に対して正直に向き合えることが大前提であることをあらためて強調しておこう。

スポーツ界で広がるデータ活用 プロチームでも採用が増える

スポーツの世界でも、野球ではメジャーリーグでデータの統計分析を戦略や選手評価に使う「セイバーメトリクス」が話題になったが、日本のプロ野球でもデータ分析を活かす動きが始まっている。また、バレーボールの女子日本代表チーム監督がコートサイドでタブレット端末を片手にデータを確認している姿も記憶に新しいところだろう。ヨーロッパのSciSportsという企業は、ディープラーニングを用いてサッカーの映像から選手をトラッキングする技術を開発し、試合中のプレーをデータ化している。

スポーツでは、戦略策定だけでなく、野球でいえば投手と打者のクセや得意・不得意ポイントから攻略方法を編み出したり、筋肉の動きをモニタリングするなど効果的なトレーニング方法を実行する際のサポートにも活用できる。

今後はプロスポーツチームでもデータサイエンティストを積極的に採用していくと考えられる。スポーツに興味のある理系学生はリサーチしてみてはいかがだろうか。

70社を超える会員企業が育成の強化に取り組む

データサイエンティストの採用と育成を考える企業が増える中、「データサイエンティスト」にはまだ明確な定義がないため、各企業は試行錯誤を重ねている。そこで、データサイエンティストに必要なスキルと知識を定義し、企業による育成をサポートする目的で、2013年にデータサイエンティスト協会が設立された。

2018年4月現在、同協会には幹事会員10社、賛助会員61社をはじめ、研究機関や学会が所属。本連載の第8回で、育成に力を入れている企業をピックアップしたが、同協会に所属する数多くの企業も同様に育成を強化しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

データサイエンスは方法論 AIはあくまでもツールの一つ

最近の情報産業界では、AI(人工知能)がもっぱら話題となっている。

データサイエンスとAIは同じものだと誤解されることもあるが、実はそうとはいえない。データサイエンティストは統計モデルに加えて機械学習やディープラーニングといったAIにカテゴライズされる技術が必要とされる場面もあるが、重要なことは、これらの技術はビジネス課題を解決するために利用されるものであり、AI の技術そのものが目的ではない。データサイエンティストにとってAIはあくまでツールの一つなのである。

一方で、ツールとしてのAIを用いると、従来のものより高い精度のモデルを構築できる可能性もある。データサイエンティストとして仕事をする上でAIを研究してきた経験や知識は役に立つ。そう考えると、いま大学でAIに触れている人にとって、AI の学びを深めることは有意義といえるだろう。

総務省統計局にスクールを開設 誰でも無料で学べる講座も提供

ICT推進の流れの中、データ活用を進める総務省は、同省統計局ホームページに「データサイエンス・スクール」を開設。誰でも無料で参加できるMOOC(Massive OpenOnline Courses)の手法を用いた「データサイエンス・オンライン講座」の提供もスタートした。

また、文部科学省の担当者も参加する「ビッグデータの利活用に係る専門人材育成に向けた産学官懇談会」なども開かれている。

プログラミング言語は読むことができれば問題なし

データサイエンティストはSAS、R、Pythonといったプログラミング言語を使用する。情報系以外の学生は不安に思うかもしれないが、基本的には読むことさえできれば問題ない。あとは作業をしているうちに身についていくだろう。

一方、言語という点でいえば、作業の中で英語文書を読む機会が多い。流暢に話せる会話力は必要ないものの、大学で学ぶレベルの基礎的な読解力はほしいところだ。

SAS Academic Programsが育成をサポート!

SAS Institute Japan(SAS)は、社会で活躍できるデータサイエンティストを目指す学生や、データサイエンティストを育成する教員・教育機関向けに「SAS Academic Programs」を提供。同プログラムでは、様々な統計分析スキルが養える無償ソフトウェアのほか、無償のチュートリアル動画やe-Learningコース、双方向型オンラインコミュニティ、SASのグローバルイベントに参加するための奨学金やイベントにおける企業とのネットワーキング機会などが利用できる。

また、SASグローバル認定プログラムの資格試験の受験料やトレーニングコースの受講料が50%オフになる特典も用意する。教育機関向けには、大学との共同認定プログラムや教員向け無償教材を提供。SASを導入していない大学の学生も、無償ソフトウェアを利用しながら個人で学ぶことが可能だ。さらに、データサイエンティストを目指す学生向けにコミュニティを開設し、情報発信を行う。

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