飛躍的な発展を続けるテクノロジーが、ビジネス モデルさえも変えてしまう時代が訪れています。世界のネットワーク化が進み、グローバル環境下の競争にさらされるいま、従来のコア ビジネスを守っているだけでは、企業の持続的な発展は望めなくなりました。あらゆる企業が "新たなビジネスのあり方" を模索する中、日本ユニシスは、従来型のシステム インテグレーション (SI) 事業から、サービス ビジネスへの事業シフトをすすめています。同社はビッグデータやクラウド、IoT といった最新の情報技術を駆使することで、さまざまな業界に適応できるあらたなコア ビジネスを創出しつつあるのです。

日本ユニシスがめざす、「デジタルトランスフォーメーションの支援」

日本ユニシスはこれまで、高度な信頼性と安全性が要求される金融、製造、流通、重電インフラといった業界の基幹システムの構築を数多く手がけてきました。多くの人は、同社に対して「国内有数のシステム インテグレータ」というイメージを持っているかもしれません。しかし近年、日本ユニシスはビジネス モデルを大きく変革させています。画期的なクラウド サービスの数々を提供することによって、あらゆる業界に対するサービス ビジネスを成立させつつあるのです。

電力産業を例に取ると、同社は 2014 年に電力小売クラウド ソリューション "Enability (R)" シリーズの販売を開始しました。これは申し込み受付から顧客料金計算、請求、さらには家庭やビル、マンションでのエネルギー マネジメント機能まで網羅されたシステムであり、小売電気事業者はもちろん、工場や大型商業施設、ゼネコンなどさまざまな業態の企業で採用実績を増やしています。

SI 事業から、こうした自社クラウド サービス事業へのビジネス シフトを進める日本ユニシス。同社がここでめざしているのは、デジタル技術活用による新しいビジネスの創出を企画段階から顧客に対して提供していくという「デジタル トランスフォーメーションの支援」です。日本ユニシス株式会社 Techマーケ&デザイン企画本部 アライアンス企画部長の松代 憲治 氏は、この狙いを果たすうえで、同社の強みをつぎのように話します。

「Enability (R) シリーズの場合、当社がこれまで培ってきたノウハウだけでは、今日のニーズをすべて満たすことはできませんでした。BEMS (商用ビル向けエネルギー マネジメント サービス) や MEMS (マンション向けエネルギー マネジメント サービス) のように、大量の電力情報を収集し、可視化し、遠隔制御していくためには、IoT やクラウド、ビッグデータ解析といった先進技術を取り入れる必要があったのです。そのためには、パートナーとの共創が不可欠でした。長年のパートナー シップに基づく積極的な技術研究と、これまでのシステム開発で培ってきたマーケット ノウハウ、以上を組み合わせてサービス開発できることが、当社の強みだといえます。『デジタル トランスメーションの支援』には、この両輪が欠かせないと考えています」(松代 氏)。

松代 氏のいうように、自前主義にはどうしても限界があります。最適なサービスを構成するためには、多様な強みを持つ企業がベスト エフォートを結集させていかねばなりません。要件によっては従来型の SI が最適解となる場合もあるでしょうが、日本ユニシス株式会社 Techマーケ&デザイン企画本部 アライアンス企画部 アライアンスビジネス企画室 グループマネージャーの小島 泰享 氏は、社会と技術の変化にともなって、クラウド サービスへのニーズは着実に増えていると語ります。

「従来の『業務にシステムを合わせる』というやり方から、『システムに業務を合わせる』という形へ移行するお客さまが増えつつあります。たとえば、いま政府がすすめている電力システム改革のような新たな法制度へ対応する場合、スクラッチ型システムを改修するには、コスト、工数、時間のすべてが膨らんでしまいます。こうした柔軟性に課題がある環境からの脱却をめざして、Enability (R) シリーズのようなクラウド サービスを選択するケースが増えているのです」(小島 氏)。

これにつづけて「SI の基盤としても、クラウド サービスへのニーズは日増しに高まっています」と補足するのは、日本ユニシス株式会社 Techマーケ&デザイン企画本部 データ&サービス企画部 サービス企画室の大野 力 氏です。

「デジタル トランスフォーメーションの鍵は、仮説、検証とその対応を迅速かつ柔軟に実施することです。時代の変化に合わせて、経営も、またそれを支援する IT も常に変化していかねばなりません。この『変化』に必要な拡張性を確保するために、パッケージ サービス、スクラッチ システムの両方で、プラットフォームとしてのクラウドが真っ先に検討事項として挙がるようになったと感じます」(大野 氏)。

  • 人物①

Microsoft Azure の備える豊富な PaaS によって、迅速な仮説、検証や先進 IT のサービス実装が容易におこなえる

こうしたクラウド サービスの提供基盤について、日本ユニシス株式会社 プラットフォームサービス部 サービス開発部 DevOps推進室 スペシャリストの富永 陽一 氏は、次のように説明します。

「近年、リソース、機能の拡張性を重視する案件では、スケーラビリティの高いパブリック クラウドが有力な選択肢となります。インフラとミドルウェアをセットで用意できる PaaS を活用すれば、大規模データの処理、DB、認証、Web アプリケーションといった『システムに必要となる機能』を迅速に構築し、また、早期に改修していくことができるのです」(富永 氏)。

たとえ IaaS であっても、OS やソフトウェアの設計、実装には時間を要します。開発、改修の迅速性にはどうしても限界があるのです。「これが PaaS であれば、わずか 1 日で対応することすら可能です」と富永 氏は語り、この工数、コストの差が、"廉価かつ短期にシステムを獲得し、発展させたい"という顧客ニーズへ応えることにつながるのだといいます。そして、こうした顧客ニーズに応えるために、現在パブリック クラウドである Microsoft Azure を十二分に活用していることを明かします。

「たとえば Enability (R) シリーズの場合、通常処理はオープン ソースの PostgreSQL のPaaS である Azure DB for PostgreSQL を使用しています。また、週に数億ものレコードを処理する基盤については、Hadoop/NoSQL などのビッグデータ用ソフトウェアである MapR を、ビッグデータに最適化する形で設計された仮想マシンである Azure Virtual Machine L-Series で稼働しています」(富永 氏)。

"通常処理をオープン ソースの PostgreSQL で、大規模処理をオープン ソースの 「Apache Hadoop」「Apache HBase」などをベースにしたビッグデータ用ソフトウェアである MapR でおこなうことにより、コストを最適化しながら高パフォーマンスが得られます。こうしたオープン ソースに最適化された PaaS 、仮想マシンを豊富に備えている Microsoft Azure は当社としては理想のプラットフォームといえます "
-富永 陽一 氏: プラットフォームサービス部
サービス開発部 DevOps推進室 スペシャリスト
日本ユニシス株式会社

  • (左)OS、ミドルウェアの領域まで提供する PaaS は、構築、管理する領域を IaaS よりも少なくすることが可能。利用者は自分自身の提供するサービスに専念できる(右)Enability (R) シリーズにおいても、Azure DB for PostgreSQL といった PaaS が積極的に利用されている

    (左)OS、ミドルウェアの領域まで提供する PaaS は、構築、管理する領域を IaaS よりも少なくすることが可能。利用者は自分自身の提供するサービスに専念できる(右)Enability (R) シリーズにおいても、Azure DB for PostgreSQL といった PaaS が積極的に利用されている

また、日本ユニシス株式会社 プラットフォームサービス部 基盤技術部 クラウド技術二室 スペシャリストの田中 裕之 氏は、先進 IT をサービスに実装するうえでも、パブリック クラウドの活用には大きな利点があると説明します。

「富永が話した『スケーラビリティ』と関係しますが、IoT や機械学習といった先進 IT を容易にサービスへ組み込むことができることも、パブリック クラウドの大きな利点です。Microsoft Azure の場合、モノからデータを収集して蓄積する機能を Azure IoT サービスによって実現し、さらに Azure Machine Learning Services によってそのデータを機械学習で分析する、といったことが可能です。こうした PaaS があれば独自に開発する領域を少なくできます。当社では先進 IT をサービスに組み込む場合、マイクロソフトのようなその分野に精通したベンダーの技術力を借りることで、早期のサービス実装を実現しています」(田中 氏)。

オープン ソースとの親和性の高さも評価

Windows 系のシステム開発において、日本ユニシスはこれまでに数多くの実績を、マイクロソフトとの強固なリレーションのもと築き上げてきました。同社がサービス基盤となるパブリック クラウドに Microsoft Azure を活用する理由の 1 つには、これまで扱ってきたプロダクトや、受けてきたサポートへの信頼があります。さらに、近年はオープン ソースへのサポートも高い水準のものを備えていると、富永 氏は評価します。

「当社では Windows 案件だけでなく、Linux 案件も数多く手掛けています。マイクロソフトは PostgreSQL を PaaS で提供している事はもちろん、RHEL を提供するレッドハットや、オープン ソース「Apache Hadoop」「Apache HBase」などをベースにしたビッグデータ用ソフトウェアを提供する MapR といった ISV とパートナーシップを組んでおり、ガイドラインが明確化されているので、迷わずに作業をすすめる事ができます。今後は、コンテナ、マイクロサービスに対応した PaaS の検証も進めて参ります」(富永 氏)。

  • Microsoft Azure はさまざまなオープン ソース ベースの ISV とパートナーシップを結んでいる

    Microsoft Azure はさまざまなオープン ソース ベースの ISV とパートナーシップを結んでいる

ベストプラクティスの提供に不可欠な「選択肢」を用意することが可能となった

パブリック クラウドを活用することで自社サービスの拡充をすすめてきた日本ユニシス。同社は、サービス ビジネスへの転換により、収益性を高めることに成功しています。その要因には、これまで以上に多くの選択肢から顧客に「ベスト プラクティス」を提供できるようになったことが大きいでしょう。仮に、プライベート クラウドのみでビジネス シフトを進めていたとすると、スケーラビリティの確保や先進技術のサービス化といった面で、提供できるサービスの領域が狭まってしまうのです。

松代 氏は、こうしたベスト プラクティスの提供について、クラウド利用支援ソリューション "CLOUDForesight (R) integration (CFi)" を例に挙げて説明します。

「CFi は、お客さまのクラウド SI を支援するサービスです。Microsoft Azure などのパブリック クラウドに合ったシステムを実現するためのライセンスと基盤構築、サポートを提供します。CFi をスタートさせたことは、パブリック クラウド上でお客さまに最適な IT を提供していくという意志の表れでもあります。こうした動きを進めることができたのも、当社自身がパブリック クラウドの利用を進め、その知財を有効活用できた成果といえるでしょう」(松代 氏)。

  • CLOUDForesight (R) integration

    CLOUDForesight (R) integration

"パブリック クラウドに期待するのは、迅速な実装により仮説、検証とその対応を、迅速かつ柔軟に実現できることです。そのため、パブリック クラウドの利用に際しては、基本的に PaaS を主としてアーキテクチャを設計する方針としています。Microsoft Azure が備える PaaS の有用さ、そして豊富さは、われわれの方針と合致しています"
-松代 憲治 氏: Techマーケ&デザイン企画本部
アライアンス企画部長
日本ユニシス株式会社

PaaS を活用し、俊敏性をいっそう高めていく

日本ユニシスでは、近年、IT サービスという従来型のビジネスにくわえて、統計解析の側面から顧客を支援する取り組みを推進しています。たとえば、「ビッグデータ活用支援サービス」では、需要予測に基づく最適在庫量と発注量を算定する「補充計画分析」や、コールセンターで収集する VOC を自動分類する「顧客の声分析サービス」など、お客様の課題を解決するビッグデータ分析をサービスとして提供しています。この「ビッグデータ活用支援サービス」でも、今後、PaaS の適用が構想されています。同サービスを担当する日本ユニシス株式会社 ソリューションサービス本部 Rinza適用サービス部 データマネジメント室 二課 清酒 文人 氏はこういいます。

「現時点では、大規模データの分析に欠かせない並列分散処理環境についてオンプレミスもしくは IaaS ベースで用意していますが、Hadoop 分散処理を実現する Azure HDInsight を利用すれば、構築や改修を迅速に進めることができるようになると思っています。今後 PaaS を積極的に活用して自社のサービスを創っていくことは、社内での合意事項です。特にビッグデータ活用は、デジタル トランスメーションを支える鍵ともいえますから、そこで求められる俊敏性を支えられるように、PaaS の検証を進めて参ります」(清酒 氏)。

  • 人物②

日本ユニシスが進めているクラウド サービスを軸にしたビジネス シフトは、新たな基幹事業を創出するだけにとどまらず、従来のソリューションの価値をも引き上げる事に繋がっています。自前主義に囚われることなく、各企業の「強み」を組み合わせていく同社は、まさに「共創」を実現する先駆者だと言えるでしょう。

  • 集合写真

[PR]提供: 日本マイクロソフト