公立小中学校の多くは2020年度内に、遅くとも2021年度の早い時期に1人1台の端末が配備され、多くの児童生徒はICTを活用した授業を受けることになる。しかし、この流れに取り残されている学校もあり、その一つが公立の高等学校だ。大学はGIGAスクール構想以前から、PCやタブレットを授業や課題で活用することが珍しくなく、公立の小中学校は今回のGIGAスクール構想で一気に整備が進んだ。ところが公立の高等学校については、今のところ大きな取り組みがないままになっている。

そもそもGIGAスクール構想で端末整備についての補助予算がついたのは、公立の小中学校および特別支援学校のみで、高等学校は対象外だった。整備すべきであるというロードマップには組み込まれていたものの、予算がつかなかっただけに、実際には公立高等学校で1人1台の端末配備が整っているところは多くない。2020年度末段階で文部科学省が行った高等学校の情報端末整備状況の調査によれば、全国都道府県のうち「1人1台を目標」として掲げている自治体が42自治体に留まっており、そのうち2021年度中までに完了が見込まれているのが17自治体という状況だ。

  • 各自治体の高等学校における情報端末整備目標と整備期間のグラフ

    各自治体の高等学校における情報端末整備目標と整備期間

このままだと、せっかく小中学校では自分の端末を持ってICT教育を受けてきた児童生徒達が、高等学校へ進学した途端に紙の教科書と黒板という旧来的な授業を受けることになりかねない。そうした事態を防ぐために、文部科学省はICT環境の整備を促進する方針を掲げており、現場側では進捗の差はあるものの、近年中に高等学校での端末導入が進められるだろう。

高等学校で主流になっているBYODと管理面の課題

公立小中学校では基本的に学校側で端末を用意して貸与するのに対して、高等学校では保護者負担のBYODが選択肢に入ってくる。先の調査でも、学校負担が16自治体、保護者負担が15自治体となっている。

  • 情報端末の費用負担

    情報端末の費用負担

また、教育現場におけるユーザーは端末を使い慣れていない生徒であり、管理者となる教員もITスキルを備えていないケースがほとんどだ。その状況でBYOD端末を安全に利用できる環境を構築するのは、非常に難しいだろう。

また、多く教育現場へのICT導入・運用サポートの経験を持つ、株式会社サテライトオフィスが手掛けた高等学校や中高一貫校等の事例を見ると、学校側の貸与端末とBYODが混在していることも多く、それによりOSも統一されていない。これは学科によって適正端末が異なるからで、普通科がChromebookを推奨していても、専門教育のある科はWindows端末などを必要とする場合があるためだ。

できれば端末を統一したいところだが、予算的な問題でBYODを採用せざるを得ない。となると、BYOD端末を適正に管理できる環境を構築する必要があるが、個人端末にどこまで制限をかけて、どのように管理すればいいのだろうか。高等学校では小中学校とは違った課題が浮き彫りになってきている。

BYODには保護者向け説明や設定等ベンダーの役割が重要

教育現場でBYODを採用する場合、自由に端末を選択させるのではなく、ある程度の推奨端末を数種類提示して選択させることで、管理面の課題を解消できるだろう。近年の高等学校では入学を機会に高額な電子辞書を購入することが多くなっており、それをPCやタブレットに置き換える形と捉えれば、端末購入自体に保護者が大きな抵抗を持つことはなさそうだ。しかし電子辞書と違うのは、購入の際に知識を要することだ。ベンダーが説明し、質疑応答に対応したうえで適切な端末を提供する場を設けることが重要だろう。サテライトオフィスでは、端末の販売はもちろん、特徴や購入方法および利用方法について保護者を対象にした説明会も行っている。

また、BYODでChromebookやiPad、Windowsなどさまざまな端末が混在する場合は、Google Workspace for Education(旧G Suite for Education)を使って管理するのがいいだろう。BYOD環境を管理するためには、端末一括導入の管理とは違ったコツが必要になる。セキュリティ面での設定、不足する機能のアドオン追加等には、やはり豊富な経験を持つプロの目が頼りになるはずだ。

サテライトオフィスは、長年Google Workspaceを多くの企業に導入してきた。現場の声を聞き、日本の組織が必要とする機能をアドオンとして数多く提供してきただけに、何が必要なのか、どこが使いづらく何をすれば安全かつ快適になるのかを、サテライトオフィスは熟知している。また、私立校を中心とした学校への導入をGIGAスクール構想以前から手掛けてきたため、学校ならではの課題も理解しており、先行事例の紹介も可能だ。

現場の教員は、教育のプロだ。具体的な授業の内容について、ベンダーがアドバイスをすることはないが、ICTを活用した理想的な授業を実現するための手法を導くのは、ベンダーの役目だとサテライトオフィスは考えている。基本的なPCスキルやIT知識を持っている高校生を相手に、さまざまな端末を使った授業を行う現場教員の負担は大きくなることだろう。ぜひ環境整備や技術面での課題は専門家を頼り、教育に専念してほしい。

監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績4万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。

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