Visaでは近年、決済だけに留まらない顧客エンゲージメントの向上に取り組んでいる。長年にわたるグローバルでのスポーツ領域におけるスポンサーシップに加え、日本でも、エンターテイメント領域にも力を入れてきている。人々の関心や熱量が多様化するなか、Visaはどのような点を重視して戦略を練っているのだろうか。ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 マーケティング本部長の里村明洋氏に、Visaがめざしている顧客体験のあり方と、具体的な展開を伺った。
PROFILE

ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社
マーケティング本部長 里村明洋氏
顧客エンゲージメント向上に注力する理由
――Visaは顧客との信頼関係などを構築する「エンゲージメント」の向上に関して、どのような課題や可能性を感じているのでしょうか?
Visaというブランドの強みは、世界200以上の国と地域で安心・安全に使えることです。近年は日本でもキャッシュレスが広まったことで、決済手段が多様化しました。とくに若年層ではスマホを利用した決済が増えており、Visaとしても新しい世代との接点づくりが重要になっています。そのような新たな顧客にもしっかりとアプローチするため、顧客エンゲージメントをさらに広げていく必要があると考えました。
ファンの「好き」に寄り添うブランドに。ファンカルチャーへの向き合い方
――新しい世代の顧客との接点をどのように増やそうと考えているのでしょうか?
若年層を中心に、音楽やスポーツ、アニメなどのファンカルチャーが広がり、“推し活”も日常の一部になっています。ライブや試合観戦、グッズの購入、サブスクの利用など、人々が「好き」とつながるさまざまな場面で決済との接点が生まれます。それぞれの領域で、人々が好きなことを安心して楽しめる環境を提供していくことがVisaの重要な役割だと考えています。「Visaは身近な存在で、自分の好きなことを支えてくれる安心・安全なブランドだ」と、とくに若年層に感じてもらいたいと考えています。
――ファンの「好き」に寄り添えるブランドとしてのイメージを高めていくのですね。具体的な施策として思い描いていることはありますか?
Visaはもともとスポーツ領域を中心にファンカルチャーを支援してきましたが、新たに音楽を中心に、アニメ、ゲーム、ライフスタイルにも幅を広げていきたいと考えています。

- ユニバーサル ミュージックとの基本合意書締結を発表する会見で音楽市場について話す里村氏
スポーツでは、オリンピックやサッカーのFIFAワールドカップ™といった世界的なスポーツイベントに、スポンサーとして関わってきました。直近ではラグビーワールドカップでのスポンサーも決定しています。さらに日本国内でもプロバスケットボールチームやプロサッカーチームなどでスポンサーシップを拡大中です。世界中でVisaが使えることや、安心・安全な決済ができるという点をスポーツを通してアピールしてきたほか、ファンにより深い体験を届けられるような施策も行っています。
また、ファンの方々が求めることを発想の起点とし、選手との交流機会やVisa会員限定のグッズの提供などにもパートナー企業との協業により取り組んできました。
その中で学んだのは、ファンの情熱や消費行動は単発のイベントだけで完結するものではなく、コミュニティや日常の体験を含めた広がりの中で生まれているということです。こうした学びを、今後は音楽をはじめとするさまざまなファンカルチャーにも広げていきたいと考えています。
――ファンが求めているものを、どのような手段で把握していますか?
その領域をよく知るパートナー企業と一緒に活動することが、いちばんの近道だと考えています。もちろんオリンピックやFIFAワールドカップ™などのスポンサー活動を通して弊社が得た知見や学びはありますが、新しい領域でより深い体験を創出するには、すでにファンとつながっている方から話を聞くことが重要です。協業先との会話を通してファンが欲しているものを知り、新しい体験につながるような施策を考えています。

- メディアブリーフィングで握手を交わす里村氏と、ユニバーサル ミュージック上席執行役員の玉木一郎氏
――この取材の直前に行われたメディアブリーフィングでは、ユニバーサル ミュージックとの基本合意書の締結や今後検討する連携領域について発表しました。ユニバーサル ミュージックと基本合意書を締結した理由について教えてください。
ユニバーサル ミュージックは、幅広いジャンルのアーティストや音楽コンテンツを擁し、多様なファンとの接点を持っています。ファンのニーズをしっかり把握しており、ファンが求めているものとアーティストが提供する価値をつなぐノウハウにも長けています。さらに、日本の音楽を国内だけでなく世界へ広げていこうという方向性は、グローバルな決済ネットワークを持つVisaの考え方とも親和性が高いと感じました。そうした強みを持つ企業と協業することで、ファンにとって新たな音楽体験を生み出していけると考えています。
――ユニバーサル ミュージックとVisaによる取り組みの事例を教えてください。
描き下ろしイラストを使用した、クレディセゾンが発行するVisaブランドの「SAISON CARD Digital<Ado>」(募集期間:2026年7月4日~2028年6月30日)の発行に加え、セゾンカードVisa会員向けに、オリジナルグッズの販売やライブチケット先行販売などの限定特典を提供しました。
また、UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKUで開催されたTHE WEEKNDのオフィシャルポップアップストア「After Hours Til Dawn Tokyo Pop-Up Store」(2026年9月11日~23日)も、取組みのひとつです。Visa会員限定でオリジナルノベルティの配布やVisa決済用のグッズ優先購入列(ファーストレーン)を設けることで、スムーズな決済体験を通して、アーティストが発信する本物の世界観をたっぷりと体験していただけたと思います。ほかにも国内外の音楽イベントへの協賛などを行ってきました。

- SAISON CARD Digital<Ado>
――合意書締結を発表したメディアブリーフィングでは、ユニバーサル ミュージックと協業しファンの方々が求めている「本物の価値」を提供したいとおっしゃっていました。「本物」をどのように定義していますか。
ファンの方々はアーティストが話したことや使ったものに特別な価値を見出します。オーセンティック=「本物の価値」といいますか、ファンとしての情熱を生み出す効果がそこにあるんですね。だからこそユニバーサル ミュージックが持つノウハウや知識をベースにして一緒に特別な体験を作り、ファンの方々に本物を届けたい。アーティストとファンのさまざまな接点を安心・安全な決済体験でしっかりと支え、その先の「本物の体験」につなげることが、Visaの大きな役割です。
ファンが求める「本物の体験」を提供したい
――ほかの領域には、今後どう展開していきたいですか?
もともと実施していたスポーツという大きな領域にプラスして、音楽領域にも取り組んでいきます。しかし我々としては、短い時間で次々と領域を広げていこうとは考えていません。むやみに展開の幅を広げると、ファンの心に寄り添えない体験になってしまうからです。決済をすると割引になる、チケットが当たる、というだけでは、ファンから見れば「Visaを使わせようとしているだけでは?」と感じてしまうでしょう。そうならないよう、ファンが本当にほしいと思えるものを作っていくことが大切です。より本質的で深みのある体験を提供できるよう、取り組みを進化させていきます。
――今後はVisaというブランドを聞いたときに思い浮かべるものが「決済」以上のものになりそうですね。
最終的には、「ファンの『好き』に寄り添うブランド」というイメージの浸透をめざしたいと思っています。しかしVisaに対して今すぐに音楽やエンターテインメントのイメージを持ってもらえるわけではありません。長い時間をかけて継続的にファンが欲している「本物の体験」をしっかりと提供し、エンゲージメントの向上や決済との接点の増加に取り組む必要があります。

- メディアブリーフィングより
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
Visaは世界中で安心・安全に利用できることを、これまで大切な価値として提供してきました。この強みは今後も変わることなく、Visaならではの価値として磨き続けていきます。それに加えて、ファンの方々が持っている情熱や「好き」をしっかりと支えていけるようなブランドに進化していきます。日常の決済はもちろん、特別で新しい体験への機会を創出することで、ファンのみなさんの満足度を高めていきたいです。そのためにさまざまな領域でパートナー企業とともに活動していきますので、ぜひご期待ください!
[PR]提供:ビザ・ワールドワイド