「地方では仕事の選択肢が限られる」「農業は忙しく、副業は難しそう」
——そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。一方で、農業を続けながら17LIVEでライブ配信を行い、全国のリスナーとつながる「農家ライバー」として活動する人もいます。
新潟県糸魚川市で米の生産から加工、販売までを手がける農家のおむすびまんさんは、ライブ配信アプリ「17LIVE」で、2021年9月から農業の様子を中心に配信を続けています。配信の舞台は、作業場や事務所、田んぼ、農機の中。仕事をしている場所が、そのまま配信の舞台になっています。農業とライブ配信には、いったいどのような相性のよさがあるのでしょうか。
地方で農業を続けながら全国のリスナーとつながる魅力や、農業とライブ配信を両立する工夫、そして17LIVEだから実現できた新しい働き方について話を聞きました。
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おむすびまんさん
新潟県糸魚川市で米の生産から加工・販売まで手がける農家。 2021年9月から17LIVEで農業の様子を中心に配信している。 |
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17LIVE(イチナナ)とは?
17LIVEは、誰でもライブ配信や視聴を楽しめるライブ配信プラットフォーム。 ライバー(配信者)とリスナー(視聴者)がリアルタイムでコメントなどを通じて交流できるのが特徴で、音楽やゲーム、雑談などさまざまなジャンルの配信が行われている。 |
東京でシステム開発を経験し、糸魚川で農業の道へ
おむすびまんさんは、新潟のコンピューター専門学校を卒業した後、東京のシステム開発会社に入社しました。さまざまなシステムの開発に携わり、28歳のときに糸魚川へ戻ります。
戻った当初は、糸魚川でもシステム開発の仕事を立ち上げるつもりでした。一方で、実家は兼業農家を営んでおり、おむすびまんさん自身も農業にはずっと関心を持っていました。
システムと農業を掛け合わせて何かできないかと考えるうちに、東京で見た植物工場のことが頭に浮かびました。
「コンピューターで環境を管理しながら作物を育てたらどうか、と考えたんです」
ハウスを建て、地元の作物の栽培から始めました。そして2010年、株式会社お米の配達人を設立します。社名の由来は、東京にいた頃、両親が作る糸魚川の米を扱ってもらおうと、150軒にものぼる米店を訪ね歩いて営業していた経験からきています。
現在、おむすびまんさんは新之助、コシヒカリ、もち米の「わたぼうし」を栽培しています。新之助やコシヒカリは飲食店や個人の顧客に販売するほか、もち米を使った切り餅や大福などの加工品も手がけ、土産物店などに卸すことで取引先を広げていきました。
作るだけでなく、どう届ければいいのかまで考える。東京で実家の米の営業をしていた頃から一貫するその姿勢は、後に始めるライブ配信にもつながっていきます。
初めてのライブは稲刈り配信
米や加工品の販路を広げていましたが、コロナ禍で状況が一変します。土産物店との取引は途絶え、飲食店向けの米の販売も大きく減りました。
販路を立て直そうと、通信販売やふるさと納税にも取り組みました。しかし、商品を並べるだけではなかなか売れませんでした。
そんなとき、以前から考えていた構想を思い出しました。
「これからは、ネットでただ売るのではなく、配信を通して販売につなげるライブコマースの時代が来ると思っていたんです」
もともと、青年会議所の活動を通じて動画制作や情報発信を学んできたおむすびまんさん。農業をしている姿をもっと外に発信すべきと考え、方法を模索します。
そんななか出会ったのが、17LIVEでした。
2021年9月5日。初めてのライブは稲刈りの様子を見せる配信でした。
「私自身もリスナーとしてほかの配信へ足を運び、交流して、仲間をつくっていきました」
配信の魅力を高めるために活用したのが、ライバーが自分で目標や賞品を設定できる17LIVEの機能「マイイベント」でした。おむすびまんさんは、応援してくれたリスナーに、自ら育てた米をプライズとして届ける取り組みをスタートします。そうした工夫の積み重ねで、リスナーも徐々に増えていきました。
日々の農作業をそのまま配信
おむすびまんさんの配信は、作業場や事務所、田んぼ、車の中など、仕事をしている場所から行われています。
なかでも象徴的なのは、農機からの配信です。屋根の付いたキャビンを備えた農機は、エアコンも効いていて、屋外に比べれば配信しやすいとおむすびまんさんは言います。稲が刈り取られていく様子や田んぼの景色を、自分が農機に乗っているような感覚で見られるのは、リスナーにとっても貴重な体験です。まさに農業の現場にいるからこそできる配信といえます。
「車体の揺れもそのまま伝わります。リスナー自身も農機に乗っているような感覚を味わってほしかったんです」
また、米づくりのさまざまな工程も配信しています。
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おむすびまんさんの水田
「稲を刈って、乾燥機に入れて、もみすりをして、玄米になる。お米ができるまでの一連の流れを見せたいと思っています。収穫期には、精米や発送の作業をしながら1時間以上配信することもありますよ」
農業の様子を見せていると、興味を持ったリスナーから質問が来ることもあります。作業の様子を見ながらその場で質問の回答がもらえるのは、ライブ配信ならではの醍醐味といえるでしょう。また、そうしたやり取りから「お米を食べてみたい」という声が生まれ、実際の販売につながることもあるそうです。
画面越しの関係から実際の交流へ
おむすびまんさんが配信で何より大切にしているのは、リスナーとのコミュニケーションです。
「私も営業をやってきましたが、その場合は相手と会って、必ず目を見ながら話します。そういう経験が配信にも生きているんじゃないでしょうか」
コミュニケーションにとどまらず、リスナーに興味を持つことも大切にしています。
「この人はどんな仕事をしているのか、どんな趣味があるのか。そういうことを知るのが好きなんです」
農業に詳しい人が配信に集まれば専門的な話をすることもありますが、ほかのリスナーが置いていかれないよう、常にリスナーが何を聞きたいのかを探りながら話題を切り替えています。
一般のリスナーだけでなく、全国の農業関係者とのつながりも広がったそうです。北海道や広島、滋賀など、異なる地域で農業や畜産に携わる人がリスナーとして配信を訪れています。
「新潟ではこうだけど、九州ではこうしている。そういう話ができます。農業者同士のコミュニケーションにもなるし、そこからほかの地域の農家ともつながっていくんですよ」
配信をきっかけに、実際の交流につながることもあります。
3年ほど前、配信を見ていたリスナーやその家族など5名ほどが糸魚川を訪れ、おむすびまんさんの田んぼで田植えを体験したそうです。なかには東海地方や九州など、遠方から足を運んだ人もいたといいます。
配信から始まった交流は、農業体験だけにとどまりません。リスナーと一緒に昼食や夕食をとったり、海沿いの道の駅へ案内したりと、糸魚川での時間を一緒に楽しんだそうです。
おむすびまんさんは、この交流をさらに広げたいと考えています。まちづくりの取り組みでリフォームされた古民家に泊まり、田植えや稲刈りを体験してもらう企画も構想しているそうです。
地域と一次産業を知るきっかけをつくる
おむすびまんさんの田んぼには毎年、小学5年生が農業体験に訪れます。15年ほど続いている取り組みだといいます。
「子どもの頃に田んぼに入った経験があると、大人になってからもう一度やってみたいと思う人が出てくるんですよ。一方で、都会で育ってそうした経験がない人にとっては、農業体験そのものを新鮮に感じてもらえます」
農業を体験してみたいという気持ちが生まれれば、地域への関心につながります。それは、移住や就農を考えるきっかけにもなるかもしれません。
「17LIVEというツールを使って配信することで人を呼び込めれば、それが地方創生になると思っています」
それは農業だけに限りません。
「林業も漁業も、若い人が本当に足りていません。だからこそ、配信を通して、10代、20代、30代の人に体験のきっかけをつくって、関心を持ってもらうことが大切です」
一次産業の魅力をどのように見せていくのか。農業者が配信を始める際に、機材の使い方や農作業を魅力的に見せる撮影方法を学べる仕組みがあればいいとも話します。さらに、17LIVEと農業を組み合わせた取り組みの実現にも期待をにじませます。
「たとえば、17LIVEで田んぼを一つ作って、1年間みんなでお米を育てる企画なんかも面白いと思うんです。そうやってできたお米を商品にして販売できたらいいですよね」
地方にある仕事や産業は、そこに暮らす人にとっては当たり前でも、遠く離れた人にとっては新しい発見になることもあります。17LIVEを通じておむすびまんさんが伝えているのは、単なる米づくりの過程ではなく、農業という産業の魅力と糸魚川という地域の魅力、そして、実際にその場所を訪れてみたいとリスナーが思えるきっかけそのものです。
17LIVEには、住む場所や職業に関係なく、自分の個性や日常を全国へ届けられる環境があります。地方だからこそ発信できる魅力や、リスナーとの温かな交流を通じて生まれる新たな可能性。ライブ配信に少しでも興味がある方は、17LIVEで自分らしい一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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