クリエイター向けノートPCの最大の強みは、その高い汎用性にあります。一般的なノートPCとの最も大きな違いは、ディスクリートGPU(dGPU)を搭載していること。ディスクリートGPUは、もともと3Dグラフィックスの描画処理に特化したGPUで、高精細なゲームを快適にプレイできるだけでなく、動画編集や3DCG制作などのクリエイティブアプリのハードウェアアクセラレーションにも活用されています。さらに近年ではAI処理にも利用されており、幅広い用途で高い性能を発揮できる点が魅力です。
ディスクリートGPUを搭載する製品は、一般的なノートPCよりも冷却機構が強化され、大容量バッテリーを採用していることも多いため、本体はやや大きく、重くなります。しかし、その代わりに、クリエイティブワークはもちろんのこと、最新の3DゲームやLLM(大規模言語モデル)の実行なども1台でこなせる、万能ノートPCと言えるでしょう。
今回は、そんなクリエイター向けノートPCの注目モデルとして、GeForce RTX 5070 Laptop GPUとCore Ultra 7 270HX Plusを搭載した、パソコン工房の「iiyama PC SENSE-15FR172-U7P-TK4X」の実機レビューをお届けします。
GeForce RTX 5070 Laptop GPUとCore Ultra 7 270HX Plusによりハイパワーを実現
「iiyama PC SENSE-15FR172-U7P-TK4X」は、プロセッサーに「Core Ultra 7 270HX Plus」(20コア[8P+12E]、20スレッド、最大5.3GHz、ベースパワー55W)、ディスクリートGPUに「GeForce RTX 5070 Laptop GPU」を搭載しています。
Core Ultra 7 270HX Plusの注目点のひとつが、最大13TOPSのAI処理性能を備えたNPUを内蔵していること。アプリケーションによってはCPUやGPUが担っていたAI処理をNPUに分担できるため、高負荷な作業とAI処理を並行しても、スムーズな動作を期待できます。
メモリは32GB(16GB×2)、ストレージは2TBのNVMe対応M.2 SSDが搭載されています。標準で大容量のストレージを搭載している点は大きなアドバンテージです。
ディスプレイは15.6型フルHD液晶(1920×1080ドット、リフレッシュレート144Hz、非光沢)を搭載。一般的な60Hz液晶の2倍以上となる144Hz表示に対応しているため、動画やゲームなどの映像を滑らかに表示できます。また、非光沢処理により照明などの映り込みが抑えられ、長時間の作業でも見やすい仕様です。
クリエイター向けノートPCにハイリフレッシュレート液晶パネルは必須ではありませんが、ハイフレームレート表示に対応しているため、ゲームでは滑らかな映像表示を楽しめるほか、動きの速いシーンでも視認性の向上が期待できます。
インタフェースは非常に充実しています。USB 3.1 Type-C×2、USB 3.1 Type-A×1、USB 3.0 Type-A×1、HDMI×1、有線LAN(1000BASE-T)×1、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5をサポートしています。
メモリカードリーダーは搭載されていませんが、最近のミラーレス一眼カメラやアクションカメラはUSB Type-C端子を備えた製品が増えています。ケーブルで直接接続してデータを取り込めるので、個人的にはメモリカードリーダーがなくても問題ありません。
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背面には有線LAN(1000BASE-T)×1、HDMI×1、電源端子×1、USB 3.1 Type-C×1を用意
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右側面にはUSB 3.1 Type-A×1、USB 3.1 Type-C×1、左側面にはUSB 3.0 Type-A×1、3.5mmコンボジャック×1を用意
本体サイズは約361×248.5×33.5mm(※ゴム足含む)、重量は約2.45kg。本体の実測重量は2,419g、ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は690.5gでした。これだけの性能が載っているため一般的なモバイルノートPCと比べれば重いものの、いざというときはリュックサックなどに入れれば持ち運びも可能です。
駆動時間は動画再生時で約2.8時間、アイドル時で約2.9時間とされています(JEITA 3.0)。基本的には自宅での据え置き利用を想定されていますが、短時間であればACアダプタなしでも作業できます。
なお本製品は購入時にカスタマイズが可能。OSはWindows 11 Home/Windows 11 Pro、メモリは32GB/64GB、1stストレージは2TB/4TB、2ndストレージは500GB/1TB/2TB/4TB、3rdストレージは500GB/1TB/2TB/4TBから選択可能です。前述のとおり、自分で底面パネルを開けて、メモリ、ストレージを換装するとメーカー保証の対象外となるので、予算に余裕があれば、購入時に大容量のメモリやストレージを選択することをおすすめします。
SENSE∞シリーズの専用ユーティリティー「Control Center」に注目
SENSE∞シリーズのノートPCに用意されている独自機能が、専用ユーティリティーの「Control Center」です。Windows標準の電源モードよりも、パフォーマンスや冷却ファンの動作を細かくわかりやすく設定できます。
動作モードは「パフォーマンス」、「エンターテイメント」、「静音」から選択可能。冷却ファンについても、「自動」、「最大」、「カスタム」、「ターボ」の各モードが用意されています。Control Centerでは、CPUやGPUのクロック周波数、温度、ファンの回転速度などをリアルタイムで確認できるため、動作状況を把握しながら、用途に合った設定へ直感的に切り替えられます。
ゲーミングノートPC譲りの機能が、LEDバックライトを内蔵したキーボードです。キーボード全体の発光色を15色から選択でき、ゲームやデスク周りの雰囲気に合わせてカラーを変更する楽しみも味わえます。明るさは4段階で調節可能。部屋を少し暗くして好みのカラーに設定すれば、ゲームへの没入感をさらに高められるでしょう。
クリエイティブ系アプリでの作業効率化に役立つのがマクロ機能です。キーボードマクロとマウスマクロを設定でき、頻繁に利用する一連の操作を登録しておけば、ショートカットキーなどから自動的に実行できます。最初の設定には多少の手間がかかりますが、一度登録しておけば面倒な操作を繰り返す必要がなくなるため、定型作業を大幅に効率化できます。
ベンチマークで4K映像を快適に扱えるパフォーマンスを確認
最後にパフォーマンスをチェックしましょう。定番ベンチマークを実施したところ、CPU/GPUベンチマーク「CINEBENCH 2026」では、GPUが50402pts、CPU(Multiple Threads)が7721pts、CPU(Single Thread)が555ptsを記録しました。3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のスコアは、Port Royalが8910、Time Spyが13932、Fire Strikeが34287、Wild Lifeが48088です。
ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 9」では、シーケンシャルリード(1M Q8T1)が6144.268MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)が5481.352MB/sを記録。総合ベンチマーク「PCMark 10」のPCMark 10 Scoreは10435、Essentialsは10829、Productivityは18628、Digital Content Creationは15286となりました。
今回のベンチマーク結果を見る限り、一般的なビジネスアプリケーションやWebブラウジングにはオーバースペックと言えるほど高い性能を備えています。動画編集についても4K映像を快適に扱える性能が期待でき、編集内容やコーデック次第では8K映像の編集や書き出しにも対応できるでしょう。
3Dゲームについても高い性能を備えており、フルHDやWQHD解像度であれば高画質設定で快適にプレイできるタイトルが多いでしょう。現行のハイパフォーマンスノートPCとしては、ミドルハイクラスに位置する性能と言えるでしょう。
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貸出機のスペックはCore Ultra 7 270HX Plus/GeForce RTX 5070 Laptop GPU/32GBメモリ/2TBストレージ
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CPU/GPUベンチマーク「CINEBENCH 2026」では、GPUが50402pts、CPU(Multiple Threads)が7721pts、CPU(Single Thread)が555ptsを記録


ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 9」では、シーケンシャルリード(1M Q8T1)が6144.268MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)が5481.352MB/sを記録
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総合ベンチマーク「PCMark 10」のPCMark 10 Scoreは10435、Essentialsは10829、Productivityは18628、Digital Content Creationは15286
| CINEBENCH 2026 | |
|---|---|
| GPU | 50402 pts |
| CPU(Multiple Threads) | 7721 pts |
| CPU(Single Thread) | 555 pts |
| 3DMark | |
|---|---|
| Port Royal | 8910 |
| Time Spy | 13932 |
| Fire Strike | 34287 |
| Wild Life | 48088 |
| CrystalDiskMark 9 | |
|---|---|
| 1M Q8T1 シーケンシャルリード | 6144.268 MB/s |
| 1M Q8T1 シーケンシャルライト | 5481.352 MB/s |
| 1M Q1T1 シーケンシャルリード | 4475.640 MB/s |
| 1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1709.430 MB/s |
| 4K Q32T1 ランダムリード | 489.015 MB/s |
| 4K Q32T1 ランダムライト | 647.837 MB/s |
| 4K Q1T1 ランダムリード | 51.142 MB/s |
| 4K Q1T1 ランダムライト | 114.621 MB/s |
| PCMark 10 | |
|---|---|
| PCMark 10 Score | 10435 |
| Essentials | 10829 |
| Productivity | 18628 |
| Digital Content Creation | 15286 |
据え置きを中心とした高性能ノートPCを求めるユーザーには魅力的な選択肢
「iiyama PC SENSE-15FR172-U7P-TK4X」は、Core Ultra 7 270HX PlusとGeForce RTX 5070 Laptop GPUを搭載したクリエイター向けノートPCです。4K動画編集や3DCG制作、AI処理はもちろん、リフレッシュレート144Hzの高速ディスプレイを搭載しており、最新の3Dゲームも快適に楽しめます。Control Centerで動作モードや冷却ファンを直感的に操作できるほか、キーボード/マウスマクロなどで作業効率を高められる点も魅力です。約2.45kgとモバイルノートPCより重く、バッテリー駆動時間も短めですが、据え置きを中心に、必要に応じて持ち運べる高性能ノートPCを求めるユーザーには魅力的な選択肢と言えるでしょう。
「iiyama PC SENSE-15FR172-U7P-TK4X」のスペック
| メーカー | パソコン工房 |
|---|---|
| ブランド | iiyama PC |
| モデル名 | SENSE-15FR172-U7P-TK4X |
| 型番 | ISeNEs-15FR172-U7P-TK4XB |
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| プロセッサー | インテル Core Ultra 7 270HX Plus(20コア[8P+12E]、20スレッド、最大5.3GHz、ベースパワー55W) |
| iGPU | Intel Graphics |
| dGPU | NVIDIA GeForce RTX 5070 Laptop GPU |
| メモリ | 32GB(16GB×2、DDR5) |
| SSD | 2TB(PCIe Gen4 x4接続) |
| HDD | - |
| 光学ドライブ | - |
| ディスプレイ | 15.6型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、リフレッシュレート144Hz、非光沢) |
| インタフェース | USB 3.1 Type-C×2、USB 3.1 Type-A×1、USB 3.0 Type-A×1、HDMI×1、有線LAN(1000BASE-T)×1、3.5mmコンボジャック×1 |
| 無線 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5 |
| Webカメラ | 100万画素Webカメラ |
| セキュリティ | TPM2.0 |
| バッテリー 駆動時間 |
動画再生時2.8時間、アイドル時2.9時間(JEITA3.0) |
| サイズ | 約361×248.5×33.5mm (※ゴム足含む) |
| 重量 | 約2.45kg |
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