前回、冬のボーナスで初めてのMTBを購入した僕。念願の一台を手に入れたものの、ふと立ち止まった。
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……で、MTBってどこで走ればいいんだ? |
MTBは山やトレイルに入ってこそ、本当の魅力が見えてくる。とはいえ、初心者がいきなり山に入るのは、やっぱり怖い。
そんな中で知ったのが、箕面市にある「箕面とどろみMTBフィールド」の一般開放日。普段は会員を中心に利用されているフィールドが、一般の人にも開放される日だという。
そこで今回は、MTB初心者の僕が実際に現地を訪れ、初めてのトレイル体験に挑んでみた。
前回記事:
シマノバイカーズフェスティバルの余韻が抜けず……33歳会社員、初めてのMTBを冬のボーナスで購入!
都会の喧騒を離れ、箕面とどろみMTBフィールドに到着!
箕面の市街地から、およそ10分。箕面有料道路のトンネルを抜けると、都会の喧騒から離れた山々が現れた。インターを降り、数分で箕面とどろみMTBフィールドの入り口に到着。窓を開けると、吹き込む風が心地良い。雲ひとつない青空に新緑が映える新緑を眺めながら、緊張と高揚で胸は躍っていた。
駐車場に車を停め、MTBを下ろしてフィールドに向かう。この日は一般開放日ということもあり、朝からたくさんのバイカーで賑わっていた。家族連れの姿も目立ち、ヘルメットやプロテクターを装着しながら談笑している。歩いていると、初対面の僕に対しても「おはようございます!」と元気良く挨拶してくれた。歓迎してもらえているようで、とても嬉しかった。
訪れるまでは、身構えていたのが正直なところだ。でも、初心者や新規参加者を寄せ付けないような雰囲気は一切なく、ホッとした。それに、駐車場は整備されているし、休憩用のテントも設置されている。スタッフの方々の対応も親切で、ひとりでも気軽に来やすい場所だと思った。
一気に駆け下りるMTBならではの爽快感がたまらない!
一般開放日の受付に足を運ぶと、名前、住所、年代を書くだけで、手続きは完了。思っていたよりもスムーズで、拍子抜けするほどだった。この日はヘルメットやプロテクターも無料でレンタルできるようで、受付の隣に並んでいた。
グローブを装着し、ヘルメットを被って準備は万端。全部で7本あるコースのうち、まずは初級の「Tweet Tweet」に挑戦してみることにした。このコースは、身体の使い方やギアチェンジの仕方、ブレーキングなど、MTBの基本を学べるよう、なだらかな道に小さなカーブが続いている。
登り坂を漕ぎ、木の間を縫って木漏れ日を浴びながら走る。カーブで滑りそうになったり、ブレーキをかけすぎて前のめりになったり、思うようにいかず最初は苦戦した。けれど、1周、2周と走るうち、徐々にMTBをコントロールできるようになり、思わず笑みがこぼれた。
次は、中級コースの「Go Home」へ。少し気が早いようにも思えたが、コースを見てみると、小さな子どもたちも両親に応援されながら果敢に走っている。「負けてはいられない」。スピーカーから流れるアップテンポなBGMに背中を押され、列をなしてコースの入り口に向かうバイカーたちの後に続いた。
順番が来て、MTBにまたがると、自分のいる場所が思っていたよりも高い(笑)。一気に下り坂を降下する恐怖がちらついた。ブレーキも使いつつ、安全を意識して駆け下りる。初級コースで練習した甲斐あってか、カーブも難なく曲がることができた。何度か走っていると、恐怖心は和らぎ、次第にスピードが上がっていく。コブでのプッシュ&プルも、難しくて上手ではないけれど、段々と馴染んできた。
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MTB、買ってよかった!段々上達していく感じがおもしろい! |
5月とはいえ日差しが厳しく、大量の汗をかきながらも、MTBならではの爽快感を全身で味わえた。
コンセプトは「RIDE&WORK」。箕面マウンテンバイク友の会の趣旨に共感!
途中で練習を中断し、この日の一般開放日にあわせて行われた「箕面マウンテンバイク友の会」の入会説明会に参加した。同会は、箕面とどろみMTBフィールドの管理と維持整備を担っているボランティア団体だ。入会に関する案内もあったが、説明の中心にあったのは、単に「走れる場所を使う」ための手続きではない。フィールドを守り、地域との信頼関係を受け継いでいくための考え方だった。
箕面マウンテンバイク友の会は、マウンテンバイカーの里山ライドにおけるマナーアップや、箕面山周辺の清掃およびトレイル整備を目的に活動する団体として、2012年に設立された。配布されたマナーブックの表紙に描かれている「鈴」のイラストが、シンボルマーク。ハイカーからの要望を受け、事故防止のためにマウンテンバイカーたちに鈴の装着の啓発活動を行ったことに起因している。この鈴のシンボルマークが象徴的に物語っているように、長年にわたる地域貢献活動の積み重ねによって、地域住民や行政、山を愛する人たちからの信頼を得て、箕面マウンテンバイク友の会は箕面市から箕面とどろみMTBフィールドを任されることになった。
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コースはすべて会員の手で整備しています。誰かが勝手に作って、メンテナンスしてくれる場所ではありません。また、設立当初からのマナーアップ活動や山麓部を中心とした環境保全活動は今も継続しています。もちろん強制ではありませんが、できるだけ参加して手を貸してください。 |
説明会の最後、役員の方はそう参加者らに呼びかけた。そういえば、ジョウロを使ってコースに水を撒く男性の姿を見かけた。会員の善意によってコースは守られ、僕らはMTBを楽しむことができている。「RIDE&WORK」をコンセプトに掲げているそうだが、メリットを享受するだけの“テイカー”になってはいけないと思った。どれだけ力になれるかはわからないけれど、ほんの少しでも力になることができれば……。僕は、箕面マウンテンバイク友の会に入会することを決めた。
MTBを楽しめるのは当たり前じゃない。箕面マウンテンバイク友の会・中川代表インタビュー
箕面マウンテンバイク友の会に興味を持った僕は、代表の中川弘佳さんに詳しい話を聞いてみることにした。2012年に設立してから紆余曲折あったと振り返ったが、“山の仲間”を作ることができたと胸を張る。
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ハイカーとのトラブルを未然に防ぐため、団体を設立してマナーアップと環境保全の活動を始めましたが、信頼を構築していくうち、MTBを応援してくれるようになりました。 箕面市からお借りし8年ほど利用していた箕面の山の南側斜面のフィールドが4年前に閉鎖され、これからどうしようと考えていたところ、MTBが楽しく・安全に乗れる新しい場所を用意すべきと声を上げてくださったのは地域の皆さまでした。私たちが続けてきたのは“山の仲間”を作る活動だったんだと実感しましたね。 |
箕面マウンテンバイク友の会の活動により、少なくとも箕面山では、MTBバイカーへの風当たりは強くないという。中川さんたちが率先して、MTBバイカーのイメージを守ってきたといえるだろう。そして、守っているものがもうひとつ。それが、この箕面とどろみMTBフィールドだ。ここには、整備されたコースが7本もある。どうやって作り、維持しているんだろう。
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コースを作る作業が最も大変なんですが、林業従事者を講師に招いて木の切り方を教わったり、何度も試行錯誤を重ねてバンク(カーブを走りやすくするための傾斜)を施したりしています。 コースを作る人は「ディガー」と呼ばれます、彼らが作業に集中できるよう、他の人は用具を運んだり、コース上に水を撒いたり、小石を拾ったりしてお手伝いしています。 |
「自分で補修できなくても、ライド中に壊れている部分を見かけたら、報告してもらえるだけでもありがたい」と、中川さんは口にした。それくらいなら、僕にもできそうだ。
また、MTB初心者が気を付けるべきことについても尋ねてみた。
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第一にヘルメットをきちんと被ることですね。ただ被るのではなく、頭をしっかりと守れるように深く被って固定することが大切です。身体を守るため、できればグローブ(ゴム付きの軍手でも可)やプロテクターも装着しましょう。あと、トラックウォークといって、コースを下見で歩いてみるのも推奨しています。 |
ふと見ると、「SHIMANO Trail Born」と書かれた横断幕が目に飛び込んできた。ネット記事で読んだことがある。シマノは、世界各国のトレイルネットワーク構築に向け、10か年で総額約15億円を支援するプログラム「Trail Born Fund(トレイルボーン・ファンド)」を立ち上げた。日本国内のフィールドを対象に選定した結果、兵庫県神戸市のフィールドとともに、箕面とどろみMTBフィールドが採択されたのだとか。
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「SHIMANO Trail Born」のおかげで、これまで2か月に一度だった一般開放日を毎月1回に増やすことができました(7月、8月、9月は無し)。大きな案内掲示板の制作にも着手できていますし、環境整備も充実しています。 |
中川さんの話を伺って、MTBを楽しめるのは当たり前じゃないことを痛感した。大勢の人の見えないところで尽力し、MTBの普及に努めている。
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肩肘張らず、公園に遊びに来る感覚でお越しいただきたいですね。よく「MTBは危険」といわれますが、ひとつのスポーツと捉えてもらえれば、基本が大事ということをご理解いただけるかと思います。 MTBは、基本さえ身に付けば、安全に楽しめるスポーツです。初心者の方には簡単なレクチャーもしますので、お気軽にお声がけくださいね。 |
「走れる場所」があるから、MTBは楽しい
箕面とどろみMTBフィールドでの初めてのトレイル体験では、MTBの魅力を存分に味わうだけではなく、どのようにして走れる場所を守っていくのかについても思いを馳せることができた。
山を走るのではなく、山を走らせてもらっている。そんな意識でMTBに向き合えば、ひとつひとつの行動が変わってくるのかもしれない。もっと走り、もっと深く知り、早くMTBの世界に少しずつ加わっていきたいと思った。
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シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりをめざしています。今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。
Photo:田中 大介
[PR]提供:シマノセールス


















