陸海空という過酷な環境に挑み続けてきた、G-SHOCKの「MASTER OF G」シリーズ。その“空”を担うアビエーション・ウオッチ(航空時計)GRAVITYMASTER(グラビティマスター)が、新たな耐衝撃構造と革新的ムーブメント「TOUGH MVT. 2」(タフムーブメント・ツー)を搭載し、「GWR-B3000」へと進化した。開発者へのインタビューを通じて、その構造・精度・視認性のすべてを磨き上げた本作の思想と技術の進化に迫る。

「GWR-B3000」について詳しくチェック

「GWR-B3000-1AJF」について詳しくチェック

「GWR-B3000A-2AJF」について詳しくチェック

「GWR-B3000B-8AJF」について詳しくチェック

デュアル中空構造+MIM外装。“壊れない”を超える新しい耐衝撃設計

今回ご対応いただいたのは、「GWR-B3000」の商品企画を担当されたカシオ計算機の小島氏と黒羽氏。なお、小島氏は商品企画を、黒羽氏はムーブメントを担当された。

  • カシオ計算機株式会社 時計事業部 商品企画部の小島一泰氏と黒羽晃洋氏

    カシオ計算機株式会社 時計事業部 商品企画部の小島一泰氏と黒羽晃洋氏

「GWR-B3000」は耐衝撃、耐遠心重力、耐振動の性能を持つ「トリプルGレジスト」を維持しつつ、耐衝撃構造を刷新。また、時計の精度に影響を及ぼす強力な磁場と衝撃の発生を検知して針位置を補正、精度を保つ新ムーブメント「TOUGH MVT . 2」を初めて採用と、新規要素が多かった。そこで、製品を総合的にまとめあげる商品企画についても、それぞれの深い知見を持つエキスパートがキャスティングされたというわけだ。

  • 左から「GWR-B3000B -8AJF」(137,500円)、「GWR-B3000A -2AJF」(126,500円)、「GWR-B3000 -1AJF」(110,000円)

    左から「GWR-B3000B -8AJF」(137,500円)、「GWR-B3000A -2AJF」(126,500円)、「GWR-B3000 -1AJF」(110,000円)

---「GRAVITYMASTER」がどのようなシリーズなのか、あらためて教えてください。

小島氏「G-SHOCKの中でもプロフェッショナルのニーズに応える『MASTER OF G』というカテゴリーがあり、そのアナログモデルを『~MASTER』としています(デジタルモデルは『~MAN』)。 『MASTER OF G』には、陸のMUDMASTER(マッドマスター)、RANGEMAN(レンジマン)、海のGULFMASTER(ガルフマスター)、FROGMAN(フロッグマン)、空のGRAVITYMASTERがあり、今回の『GWR-B3000』は、その最新モデルです。

  • ベゼルにネイビーブルーIPを使用した「GWR-B3000A -2AJF」。バンドカラーもブルー

    ベゼルにネイビーブルーIPを使用した「GWR-B3000A -2AJF」。バンドカラーもブルー

  • ベゼルにブラックIPを使用、秒針の先が赤い「GWR-B3000B -8AJF」

    ベゼルにブラックIPを使用、秒針の先が赤い「GWR-B3000B -8AJF」

  • ベゼルがグレーIPの「GWR-B3000 -1AJF」。秒針の先は黄色

    ベゼルがグレーIPの「GWR-B3000 -1AJF」。秒針の先は黄色

GRAVITYMASTERは腕時計の定番モチーフのひとつであるアビエーション・ウオッチ、つまりパイロットのための航空時計をイメージしていて、実際にプロのパイロットの方々にインタビューを重ねながら開発を進めています。GRAVITYMASTERの象徴的な設計『トリプルGレジスト』も、現場での要求に応えて搭載したものです。

  • 「GWR-B3000」の鍛造バックにも、当然、GRAVITYMASTERシリーズの伝統、トリプルGレジストのロゴが入っている

    「GWR-B3000」の鍛造バックにも、当然、GRAVITYMASTERシリーズの伝統、トリプルGレジストのロゴが入っている

  • りゅうずはトリプルGレジストのロゴの形を模している

    りゅうずはトリプルGレジストのロゴの形を模している

以前、日本国内ではSKYCOCKPIT(スカイコクピット)として発売していましたが、2014年、ワールドワイド展開に伴い、海外と同じGRAVITTYMASTERにシリーズ名称を統一しました」

---「GWR-B3000」の構造やデザインについて、注目してほしいポイントを教えてください。

小島氏「まず、構造については、上下左右の4つの金属外装で、ムーブメントを内包したケースを保護しています。その中では、樹脂製の緩衝パーツが左右両側からケースを包み、(完全に固定せず)支えることで、受けた衝撃を和らげる構造になっているのです。

時計の形やムーブメントの構造が左右で異なるので、緩衝パーツの形状も左右で少し形が違います。様々な衝撃のパターンをコンピューター解析でシミュレーションして、解析することで導いた形状です」

---G-SHOCKは、ケースの中も緩衝ゴムを使った中空構造でムーブメントを保持していますよね。

小島氏「そうです、ケース内の緩衝構造に加え今回左右の2つの緩衝体を使ったこの構造を”デュアル中空構造”と呼んでいて、『GWR-B3000』の大きな特徴となっています」

---G-SHOCKは、その構造や機能をもとにデザインが成立しているので、”デュアル中空構造”もまた、デザインに影響を与えそうですね。

小島氏「そうですね。そのひとつが先ほど少し触れた、上下左右の4つの外装パーツです。これらはMIM(Metal Injection Modeling)という、「射出成形(通常は樹脂成形に用いる方法)」で作った金属製のパーツです。

  • 外装はベゼルのほか、上下左右の4パーツで構成。ベゼル左右の黒い緩衝パーツがケースを点で支えている

    外装はベゼルのほか、上下左右の4パーツで構成。ベゼル左右の黒い緩衝パーツがケースを点で支えている

MIMは、金属粉末と樹脂結合剤を混ぜ合わせて金型に射出し、高温で焼結して(樹脂部分は熱で燃焼、分解する)金属製品を製作する技術です。今までも局所的に使ってはいましたが、温度管理が難しく、寸法精度がシビアなものには使えませんでした。

それが、社内でも研究が進み、品質が安定したことで、ようやく全面的に採用できるようになったのです」

---MIMで製作したパーツの強度は、金属の無垢からの削り出しと同じなのでしょうか。

小島氏「はい、強度は時計の品質基準を満たしています。一方、繊細な形状や(軽量化の)肉抜きなど、パーツ裏の加工は切削より圧倒的に有利ですね。MIMなら、やろうと思えば内側にオーバーハングした穴なども作れます。

今回はデュアル中空構造の樹脂製緩衝パーツを外装内に収める必要があったので、緩衝パーツの複雑な形に添った空間を作るために、MIM成形における自由度の高さが大きく貢献しました。

  • MIM成形で製作したシャープな外装が高精度で噛み合う

    MIM成形で製作したシャープな外装が高精度で噛み合う

この4つの外装は、時計としての見た目にも有利なんです。パーツがエッジでシャープなので、パーツとパーツの境目がカチッと際立って、非常に綺麗なんですよ。これは、デザインとして注目してほしい部分ですね。もちろん、外観はしっかりと研磨して仕上げています。

  • アラビアインデックスは、SKYCOCKPIT時代からの伝統のボールド書体。上空の薄い酸素中でも12時位置を一瞬で判断できる

    アラビアインデックスは、SKYCOCKPIT時代からの伝統のボールド書体。上空の薄い酸素中でも12時位置を一瞬で判断できる

  • ローレット加工のダイヤルが反射を抑え、針の視認性を上げている。ソーラーセルはインダイアルのみに配置

    ローレット加工のダイヤルが反射を抑え、針の視認性を上げている。ソーラーセルはインダイアルのみに配置

時計そのものが外乱を感知。TOUGH MVT . 2が拓く高精度の新領域

---では、時計としての機能についてお聞きします。今回、ムーブメントが「TOUGH MVT . 2」に進化しましたが、どんな進化がありましたか?

黒羽氏「はい、実に18年ぶりの進化となります。従来の『TOUGH MVT.』では、タフソーラーとマルチバンドシックス、針位置自動補正機能、ハイブリッドマウント構造を実現していましたが、『TOUGH MVT . 2』ではこれらに加えて、衝撃と磁場を検知する機能を追加しました。

---時計が衝撃を検知して針を自動補正するのですか?

黒羽氏「そうです。時計が落下などの衝撃を受けた瞬間、衝撃を感知して針を一定時間ロック、針位置自動補正を行うことで、衝撃によって針がズレていたとしても正しい針位置に戻すことができます。」

---時計は、正しい時間をどのように把握するのですか?

黒羽氏「時計LSIの内部でカウントしている時刻自体は、衝撃や磁場のような外乱によって影響を受けません。ただし、その時刻に応じた指針をする針が外乱によって位置がずれてしまい、見かけ上は時刻がずれているように見えてしまいます。今回の新機能はこれらの外乱による針ずれに寄与します。」

---現代航空機を取り巻く環境は通信機器、レーダー、スピーカーなど、強い磁場を発生させる機器の宝庫ですよね。

小島氏「そうですね。アナログ針時計は磁場の影響を受けると、針が吸着して動かなくなったり、基準位置がずれたり、誤った時刻を表示し続けるといった致命的な問題が起きますから。

そこで、現代の航空機は、計器類が狂わないよう配慮して、強い磁気が発生しないように設計されているんです。とはいえ、整備場やエンジン付近などでは強い磁場が発生することがあって、時計が狂うと伺っています。そこで、航空関係以外にも、電気工事や高圧設備、鉄道車両整備、医療などに携わる多くの方々の役に立てる。そんなケースをコンセプトとして想定しました。

それに、近頃はスマートフォンのケースなどの日用品にも強力なネオジム磁石が使われたりしていますよね。『GWR-B3000』は、シーンを問わず安心してお使いいただける時計となっています」

  • ネオジム磁石を「GWR-B3000」に近付けると、運針がピタリと止まる

    ネオジム磁石を「GWR-B3000」に近付けると、運針がピタリと止まる

---『TOUGH MVT.』の時点で既に完成度の高いムーブメントのように見えますが、今回なぜ『TOUGH MVT. 2』の開発にトライしたのでしょうか?

黒羽氏「『TOUGH MVT.』の開発時も、時刻精度の追求がコンセプトでしたが、その点は『TOUGH MVT. 2』も変わっておりません。そこで、さらなる進化を考えた際に、外乱への検知機能に目を付けました。現代の多様な環境での時計の使用シーンにも合うようにアップデートしています。」

---「TOUGH MVT . 2」は、G-SHOCKのステージをまた一歩未来へと進めたように思います。では、お二人から読者の皆さんにメッセージをお願いします。

小島氏「GRAVITYMASTERのニューモデルとしては、かなりお待たせしてしまいました。そのぶん、外観・構造・ムーブメントのすべてを見直し、“今できる最良”を詰め込んだ特別なモデルになったと思います。

G-SHOCKが積み重ねてきた耐衝撃の思想と、航空時計としての機能美。その両方が新しい形で結実しています。ぜひ店頭で手に取り、質感や操作感を確かめてください」

黒羽氏「『TOUGH MVT. 2』はカシオが続けてきた時刻精度の追求をさらに進化させたムーブメントです。 GRAVITYMASTERを皮切りとし、ここからさらにラインアップを広げたいと考えています。私たちが何度も検証と調整を重ね、磨き上げた自信作ですので、ぜひ期待していただければと思います 」

「壊れない」から「狂わない」へ。 G-SHOCKが長年掲げてきた耐衝撃の哲学は、「GWR-B3000」によって新たな段階へと踏み出した。

航空時計としての信頼性を追求しながら、日常のあらゆるシーンにも寄り添う精度と堅牢性。その進化の中心には、開発者たちの揺るぎない信念と、技術への飽くなき探究心がある。「GWR-B3000」は、単なる新モデルではない。GRAVITYMASTERの未来を切り開く出発点そのものだ。

  • 「外装(構造)とムーブメント、双方の進化をご覧ください」

    「外装(構造)とムーブメント、双方の進化をご覧ください」

「GWR-B3000」について詳しくチェック

「GWR-B3000-1AJF」について詳しくチェック

「GWR-B3000A-2AJF」について詳しくチェック

「GWR-B3000B-8AJF」について詳しくチェック

[PR]提供:カシオ計算機株式会社