フジテレビは4月21日、新しいプロジェクトへの取り組みやコンテンツを発表する「FUJI FUTURE UPDATE」の第5弾を都内にて開催。同局が取り組んでいる海外共同製作プロジェクトの概要および進捗と、その中でも注目のコンテンツとなる10月期ドラマ『kiDnap GAME』の制作発表を行った。ここでは、同発表会の模様をレポートする。

  • 「FUJI FUTURE UPDATE 海外共同製作プロジェクト&10月期ドラマ制作発表」の会場

    「FUJI FUTURE UPDATE 海外共同製作プロジェクト&10月期ドラマ制作発表」の会場

フジテレビ 海外共同製作プロジェクト発表
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グローバル市場を見据えた事業戦略

フジテレビは今年の2月より、春・秋の改編期だけでなく年間を通して新しい番組やコンテンツを連続的に発表する試み「FUJI FUTURE UPDATE」を推進している。今回はその第5弾となるもので、同局がコンテンツカンパニーとして取り組んでいる海外共同製作プロジェクトの概要や進捗についての発表が行われた。

  • 司会をつとめたのは元フジテレビアナウンサーの秋元優里氏

    司会をつとめたのは元フジテレビアナウンサーの秋元優里氏

渋谷謙太郎コンテンツ事業局長は、フジテレビが昨年7月から清水賢治社長のもとで新体制になったことに触れ、「地上波放送起点からコンテンツ起点の会社に生まれ変わろうとするなかで、さまざまな施策に取り組んでいる」と現状を説明。ドラマやバラエティ、映画、報道、ドキュメンタリーなどの同局が持つ多彩なコンテンツを、放送だけでなく配信を通して、グルーバルビジネスに広げていこうとしていると明かした。

  • コンテンツ事業局長 渋谷謙太郎氏

    コンテンツ事業局長 渋谷謙太郎氏

具体的な施策について、橋詰知明ディストリビューションセンター室長は「昨年11月に発表した事業戦略『改革アクションプラン』に基づいて、IP開発の強化や制作・ディストリビューションの強化に取り組んでいる」とし、その成果として「2025年度に公開された映画では、4作品が興行収入20億円を超えるヒットを記録。そのうち映画『爆弾』については現在Netflixで配信されているが、2週連続、日本におけるNetflix週間TOP10で首位を獲得した」と挙げた。

  • ディストリビューションセンター室長 橋詰知明氏

    ディストリビューションセンター室長 橋詰知明氏

こうした制作・ディストリビューション強化に関する施策のなかでも、フジテレビがとくに注力しているのが海外パートナーとの共同事業・共同製作プロジェクトの強化だ。橋詰氏によると、同局では海外パートナーとの共創に関して、起点となるIP/企画が「フジテレビのものか」「パートナーとの共同開発か」「パートナーのものか」という3つに分けて整理しているとのこと。

橋詰氏からは、そのうちまずフジテレビのIP/企画を海外展開している事例がいくつか紹介された。ひとつ目がバラエティ番組『新しいカギ』で、昨年10月に仏カンヌで開催された国際映像コンテンツ見本市「MIPCOM 2025」にて、同番組人気企画「学校かくれんぼ」の海外版フォーマットのオプション契約を大手グローバル制作会社フリーマントル社と締結。現在、デンマーク版の放送に向けて取り組みが行われているという。なお、『新しいカギ』自体も4月25日からNetflixで世界配信されることが決定している。

  • 『新しいカギ』の人気企画「学校かくれんぼ」デンマーク版の放送に向けた取り組みが紹介された

    『新しいカギ』の人気企画「学校かくれんぼ」デンマーク版の放送に向けた取り組みが紹介された

また、1990年代のヒット作『料理の鉄人』はこれまでもアメリカなど各国で展開されてきたが、タイでは2012年1月から第1シーズンが放送されており、この2月には第15シーズンの配信がスタート。さらにフランスの制作会社Kitchen Factory Productionとも今年の4月1日にオプション契約を締結しており、近くフランス版の制作も期待される状況だという。

  • 『料理の鉄人』のタイ版は第15シーズンの配信が始まるなど息の長い展開に

    『料理の鉄人』のタイ版は第15シーズンの配信が始まるなど息の長い展開に

ドラマに関しては、2012年に小栗旬主演で放送された『リッチマン、プアウーマン』が、タイ最大級のエンタメグループであるGMMにより『Faceless Love』としてリメイクされており、5月からはそのタイリメイク版がFODで配信される運びに。橋詰氏は、それ以外にも「一大ブームを巻き起こしたドラマのリメイクが決定しており、近日中に大きなお知らせをお届けできる予定」と期待を持たせた。

  • ドラマ『リッチマン、プアウーマン』のタイリメイク版『Faceless Love』がFODで配信される

    ドラマ『リッチマン、プアウーマン』のタイリメイク版『Faceless Love』がFODで配信される

映画に関しては、三谷幸喜監督・脚本の『ザ・マジックアワー』が2022年に中国でリメイクされて533億円を超える大ヒットを記録。それに終わらず各地で舞台化されたほか、この4月に香港でも舞台化が決定し、6月の20公演分のチケットが即完売するほどの人気だという。

  • 映画『ザ・マジックアワー』の香港舞台も大人気

    映画『ザ・マジックアワー』の香港舞台も大人気

また台湾公共テレビ(PTS)が運営する英語専門プラットフォームTaiwanPlusと、ドキュメンタリーの共同制作に取り組んでいることも紹介された。フジテレビのドキュメンタリーコンテンツをブランド展開する「フジテレビドキュメンタリー」によるプロジェクトで、歌舞伎俳優の八代目尾上菊五郎・六代目尾上菊之助親子が台湾で"伝統と革新"を巡る旅番組となる予定だ。

  • TaiwanPlusと共同制作に取り組んでいるドキュメンタリーに関する告知も行われた

    TaiwanPlusと共同制作に取り組んでいるドキュメンタリーに関する告知も行われた

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アジア7都市を舞台に展開する海外共同製作ドラマの発表も

田中晋太郎グローバルビジネス部長は「フジテレビは名だたる海外スタジオと企画開発を行い、グローバルスタンダードに通じる制作ノウハウを学びながら海外展開の規模と精度を上げてきた」とし、海外パートナーとの共同開発企画と、パートナーIP/企画の共同製作プロジェクトについて説明を行った。

  • グローバルビジネス部長 田中晋太郎氏

    グローバルビジネス部長 田中晋太郎氏

そのうち共同開発企画については、テレビドラマ『北極星』などを手掛けてきた韓国IMAGINUSとの共同制作プロジェクトを立ち上げたことを報告。またパートナーIP/企画の共同製作プロジェクトについては、中国のLINMON INTERNATIONALの大ヒットドラマ『30女の思うこと〜上海女子物語〜』の日本版リメイク開発や、中国bilibiliの大ヒットアニメ『時光代理人』の国内実写ドラマが国内で制作され放送中であることが紹介された。

中国版「上海女子物語」をチェック

「時光代理人」実写ドラマを視聴する

アニメ「時光代理人」もあわせてチェック!

  • 韓国IMAGINUSとの共同制作プロジェクトの立ち上げも報告された

    韓国IMAGINUSとの共同制作プロジェクトの立ち上げも報告された

さらにタイの大ヒットドラマ『転校生ナノ(Girl From Nowhere)』については、日本版リメイクをGMMと共同制作しており、4月24日からFODで配信されることも案内。

『転校生ナノ(Girl From Nowhere)』とは?

『転校生ナノ(Girl From Nowhere)』を今すぐ視聴する

田中氏はこのほかにも、韓国・カカオエンターテインメントの大ヒットWebtoon『アクアマン』の日本版ドラマや、韓国・MBC慶南とのAIドキュメンタリーなどについてディスカッションを重ねているところだと話した。

こうした海外共同製作プロジェクトの一環として、フジテレビが現在取り組んでいるのがグローバル展開を見据えたフジテレビIPの開発だ。若松央樹第1スタジオ局長は「第1スタジオでは、ドラマ、映画、配信、すべてのストーリー系実写コンテンツを一手に手掛けている。その使命は、何より良質なコンテンツを数多く生み出すこと。

これまでは国内地上波を主眼に置いた番組制作を行なってきたが、これからは国内のみならず海外でも通用するコンテンツを作っていく」と決意を表し、その記念すべき第一歩として10月期ドラマ『kiDnap GAME』を紹介した。

  • 第1スタジオ局長 若松央樹氏

    第1スタジオ局長 若松央樹氏

  • 10月期ドラマ『kiDnap GAME』のティザービジュアル

    10月期ドラマ『kiDnap GAME』のティザービジュアル

同作は、東京、ソウル、マニラ、バンコク、台北、シンガポール、那覇のアジア7都市で同時誘拐事件が発生するところから物語がスタート。誘拐された人を取り戻すには、10日間という制限の中、犯人から課されたミッションをもっとも早くクリアしなければならないという過酷なデスゲーム系のドラマで、すでに18の国と地域で放送・配信が決定している。

『kiDnap GAME』の予告映像をチェックする

演出・プロデュースを務める加藤裕将氏は、「3年前に韓国の『イカゲーム』のようなグローバルヒットをフジテレビで作りたいという思いで立ち上げた企画」と説明。そのスケールの大きな作品世界を実現するため、香港のMakerVilleおよび韓国のSimStoryとパートナーを組み、撮影も海外で現地スタッフの協力を得ながら5月のクランクアップに向けて進めているという。キャスト陣は今後解禁するとのことで、加藤氏は「アジア各地のスターパワーや、スケール感など自信を持って送る」と述べるにとどめた。

  • 10月期ドラマ『kiDnap GAME』のプロデュース・演出を務める加藤裕将氏

    10月期ドラマ『kiDnap GAME』の演出・プロデュースを務める加藤裕将氏

  • 発表会には『kiDnap GAME』の共同制作を行なった香港のMakerVilleおよび韓国のSimStoryもオンラインで参加

    発表会には『kiDnap GAME』の共同制作を行なった香港のMakerVilleおよび韓国のSimStoryもオンラインで参加

なおフジテレビでは、今後のグローバル展開においては『kiDnap GAME』のような新しいIP開発が大切になり、海外パートナーとの共創がより重要になると考えているとのこと。その際に土台となるのがこれまで培ってきた過去のIPで、パートナーにも高く評価されて今回のような新しいチャレンジにつながっていると自信を見せた。

発表会では、最後にFOD事業部の村上正成氏により、日本のIPを世界に直接届けるグローバルプラットフォームとして縦型ショートドラマ配信「FOD SHORT」の海外展開がスタートしたことも報告された。北米を皮切りに100カ国、10言語以上で展開される予定。

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フジテレビ作品にとどまらず、他社作品も取り扱うオープンなプラットフォームとし、「海外勢が先行するショート動画市場で日本が主導権を握れるような展開」を目指すとのこと。村上氏は「この取り組みは一社で完結するものではない」と話し、「ブラックボックスになりがちな視聴データや収益構造などもパートナーとできる限り共有して、次のヒットを一緒に作っていくプラットフォームにしていきたい」と締め括った。

  • FOD事業部 村上正成氏

    FOD事業部 村上正成氏

[PR]提供:フジテレビジョン