育児と仕事、そのどちらも無理なく続けられる働きやすい職場を目指すべく、様々な企業が推進している「育業」。

今回は、充実した研修制度の後押しなどにより男性育業取得率が100%に至っている株式会社ローソンの育業への取組を紹介します。施策の内容と今後について、人事企画部の田村朋子さんと谷口菜摘さんに伺いました。
  • 右から人事本部 人事企画部 マネージャー 田村朋子さん、人事本部 人事企画部 谷口菜摘さん

    右から人事本部 人事企画部 マネージャー 田村朋子さん、人事本部 人事企画部 谷口菜摘さん

コンビニエンスストア事業を軸に幅広く展開している株式会社ローソン

――貴社の事業内容について教えてください。

株式会社ローソン 人事本部 人事企画部 マネージャー 田村さん(以下、田村):コンビニエンスストア「ローソン」は、フランチャイズチェーンとして国内外に約22,600店舗を展開しています(2025年12月末時点)。グループ全体では、エンタメ(チケット・物販)や金融(ローソン銀行ATM・決済)、スーパーマーケット(ローソンストア100)、健康・介護関連(ナチュラルローソン、ホスピタルローソンなど) などの様々な事業を展開しております。グループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」のもと、時代時代で変わっていく「新しい便利さ」を提供しています。

――現在のご担当業務について教えてください。

株式会社ローソン 人事本部 人事企画部 谷口さん(以下、谷口):育業の推進や育児と仕事の両立支援、DE&I推進全般の業務を担当し、社員がより働きやすくなるように努めています。

独自の制度導入で、男性社員の育業促進

――男性社員の方々の、現在の育業状況を教えてください。

田村:育業取得率は現在100%に至っており、平均育業期間は24.3日です。年に1~2名は、3か月から1年ほど育業する社員もいます。

――男性の育業推進に力を入れ始めたきっかけを教えてください。

田村:2000年以降、ダイバーシティを強化し始めたのがきっかけです。女性の社会進出やお客様の多様化に対応するため、女性社員の採用を増やすなかで、女性も男性も育業しやすい環境を整え始めました。そして、2014年に男性社員向けにパートナーの産後3か月間、5日上限で取得できる有給での特別休暇「短期間育児休職制度」を設けたことで、急速に育業への理解が広がり、2016年度には男性の育業取得率が80%となりました。

研修と座談会で、復職者を応援

――育業からのスムーズな復職支援として、どのようなことを行っていますか?

谷口:育業中の社員を対象とした任意参加の研修を複数回実施しており、子供の保育園入園に向けてのアドバイスや、制度や働き方などについて伝えています。また、育業した社員が登壇する座談会もオンライン上で行っています。

田村:座談会では、上下関係なく、先に育業した社員を「先輩社員」と呼んでいます。経験談を交えての働き方や制度の利用方法などについて、さまざまな部署や職種の「先輩社員」から直接、話を聞ける機会です。

――復職する社員の方々にとっては、貴重な時間でしょうね。

谷口:ロールモデルが身近にいない社員は、オンライン上でのおしゃべりを特に有意義に感じているようで、「復職への一歩としてありがたい」という声がたくさん届いています。

2025年の6月からは、復職する社員とその上司がペアで参加する「ただいま・おかえり研修」を新たにスタートさせました。復職後の課題を共有し、お互いの目線で物事を考えるきっかけにしていただいています。

社内運動会は託児室あり。育業中も参加可!

――そのほかに、育業を後押しする取組があれば教えてください。

谷口:育業への理解を広めるべく、2024年からは、社内報で「ありがとう」を伝える企画として、育業でお世話になった社員に対して、感謝の言葉を集めて紹介しています。具体的には、育業した社員に、現在の子供の写真付きで当時を振り返り「あのとき〇〇さんが〇〇をしてくれて助かった」などの想いを綴っていただいています。

田村:ローソンでは、社員向けのスポーツ大会を毎年、実施していますが、今年度は初めて家族参加型とし、玉入れなどお子さんも参加できる種目を追加しました。また、キッズコーナーや託児室も設置し、育業中の社員も小さなお子さんと一緒に参加できるように取り組んでいます。

今後も「お互い様」の精神で、育業をもっと身近に

――男性の育業を推進することで、社内に前向きな変化はありますか?

谷口:いろいろなタイプのロールモデルが現れていることもあり、育業に壁を感じる社員が減ってきています。 また、育業すると、それまで気づかなかったことに目を向けるきっかけになるようで、社員同士で育業している社員を自然と助け合うことができています。

――今後に向けての展望を教えてください。

田村:育業する社員のフォローや職場の雰囲気づくりは、ある程度培えたと思っています。ただ、育業期間が長くなると、職場側がカバーする割合が大きくなるという課題も出てきています。そのため、育業を支える側であるチームへの施策を検討中です。「お互い様」の精神で、社員の気持ちやコミュニケーションを重視した取組を推進していきます。

—ありがとうございました。

育業とは

東京都が2022年に公募し、選定した育児休業の愛称です。
東京都では育児を「休み」ではなく「大切な仕事」と捉え、育業を社会全体で応援する気運醸成に取り組んでいます。
HP:https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/ikugyo

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