育業を「特別な制度」ではなく、「誰もがいつか向き合う可能性のあるライフイベント」として捉え、文化として根づかせてきた日販テクシード。

今回はその背景にある考え方と現場で起きている変化を、取締役 コーポレート本部長の牧野玲さん、コーポレート本部 人材戦略&マネジメント アドバイザリー・マネージャー 原嶋智春さんに伺いました。
  • 左から日販テクシード株式会社 コーポレート本部 人材戦略&マネジメント アドバイザリー・マネージャー 原嶋智春さん、取締役 コーポレート本部長 牧野玲さん

    左から日販テクシード株式会社 コーポレート本部 人材戦略&マネジメント アドバイザリー・マネージャー 原嶋智春さん、取締役 コーポレート本部長 牧野玲さん

IT事業の成長を支える日販テクシードの強みと、働く環境づくり

―貴社の事業内容について教えてください。

日販テクシード株式会社 コーポレート本部 人材戦略&マネジメント アドバイザリー・マネージャー 原嶋 智春さん(以下、原嶋):当社は日販グループホールディングスの一員としてIT事業を展開しています。高度な技術に加え、AIなどの新しいテクノロジーを活用し、グループ内だけでなく外部企業向けにも幅広くサービスを提供しています。

男性育業取得率100%の今と、そのスタート地点

―男性育業の状況を教えてください。

原嶋:現在は育業取得率100%で推移しています。また、2022年当初は1〜2週間程度の短期間での育業が中心でしたが、現在では全員が30日以上育業し、最長は289日にまで伸びています。

—男性育業の推進に取り組み始めた背景を教えてください。

原嶋: 当社では男女ともに長く働ける環境づくりを進めてきたため、もともと育業はかなり浸透していました。

しかしながら、これまで育業は女性中心で、子育て中の女性だけがするものという印象がありました。そこで男性も育業することで育児への理解を深め、男女ともに働きやすい環境を目指そうとなったことが、推進の背景です。

「自分も育業しようと思った」──制度が文化に変わる瞬間

―育業を推進するための社内制度には、どのようなものがありますか。

原嶋:2022年度の法改正に合わせ、制度や給付金など経済面の不安を解消できるよう、男性社員向けの育業ガイドブックを作成し、育業する社員とその上司を交えた面談も行っています。

日販テクシード株式会社 取締役 コーポレート本部長 牧野 玲さん(以下、牧野):育業に特化した取組ではありませんが、育業中の社員やお子様、翌年の内定者とそのご家族も参加できるファミリーデーを開催しています。当日は、子供たちが遊べるコンテンツとして新入社員が研修で開発したアプリを用意するなど、社員やそのご家族が楽しめる工夫をしています。こうした取組もあり、ファミリーを歓迎する会社のメッセージが伝わっていると感じています。

―印象に残っている社員からの声や意見などあれば教えてください。

原嶋:今年、育業した男性社員から、「社内外でも育業が当たり前になってきているから自分も育業しようと思った」という声や、過去に育業した社員が「2人目が生まれます」と自然に報告してくれたことで育業が社内文化として根づきつつあることを実感しました。

育業をきっかけに描く、これからの働き方

―育業を推進することでどのような変化がありましたか。

牧野:推進当初は、社員のパートナーの妊娠・出産を把握した時点で「育業しますか?」と声掛けをしていたため、準備期間が短く、業務調整の面でも「周囲に迷惑をかけるのでは」という不安が生まれやすい状況でした。

現在は育業が当たり前となり、パートナーの妊娠や出産時期を早めに社員が共有してくれるため、「いつから育業するか」「どのタイミングで業務調整するか」を数カ月前から検討してくれるケースが増えています。

また、これから育業する予定のプレパパに向け、経験者にアンケートをお願いしたところ、「他の人にも聞いてみます」と、自発的に他に育業した社員へと広げてくれました。育児をする男性社員同士のつながりが生まれていることが分かり、嬉しく思いました。

―今後の育業推進についての考えを教えてください。

原嶋:社員一人ひとりにさまざまなライフステージがあり、男女を問わず、課題を抱えながら働き続ける点は共通しています。誰もが将来直面し得る経験を、育業のように若いうちから共有することで、介護や療養といった分野でも社内の理解が広がっていくと考えています。育業をきっかけに、ライフステージが変わっても働き続けられる職場を、社員全体で考えていけたらと思います。

牧野:その時になってから考えるのではなく、若いうちから「自分の生活やキャリアの中で、いつどんな変化が起こり得るか」を、なんとなくでも思い描いてほしいと考えています。

これまでの取組は「育業しやすくする」ことが中心でしたが、それだけではキャリアの分断や周囲への負担といった印象が残りがちです。今後は、その時間をどう成長や新たな挑戦につなげていくかを会社として考え、先輩社員の事例を共有することで、いずれ自分にも起こり得る出来事として前向きに捉えてほしいと思っています。

—ありがとうございました。

育業とは

東京都が2022年に公募し、選定した育児休業の愛称です。
東京都では育児を「休み」ではなく「大切な仕事」と捉え、育業を社会全体で応援する気運醸成に取り組んでいます。
HP:https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/ikugyo

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