東京ガスが育業を推進する背景には、家族の絆の強化、業務の見直しによる生産性向上、そして新しい視点を仕事に生かすという3つの意義があります。

東京ガスでは現在、育業を通じて多様な人材が活躍できる職場づくりをさらに進めています。今回は、育業を推進する背景や制度導入による変化、今後の展望などについて、人事部 人事戦略グループの「挑戦と多様性推進チーム」角坂さんにお話を伺いました。
  • 東京ガス株式会社 人事部 人事戦略グループ挑戦と多様性推進チーム 角坂さん

    東京ガス株式会社 人事部 人事戦略グループ挑戦と多様性推進チーム 角坂さん

総合エネルギー企業へと進化する東京ガス。多様性を支える人事の取り組み

―貴社の事業内容について教えてください。

東京ガス株式会社 人事部 人事戦略グループ 挑戦と多様性推進チーム 角坂さん(以下、角坂):当社は1885年の創立以来、都市ガス事業を基盤に成長し、首都圏のエネルギーインフラを支えてきました。現在は電力や再生可能エネルギー、海外事業へと事業を展開し、総合エネルギー企業へと進化しています。脱炭素と安定供給の両立を掲げ、「東京を越え、ガスを越え」の言葉どおり多様な事業に挑戦しています。

―現在のご担当業務について教えてください。

角坂:現在は人事部の「挑戦と多様性推進チーム」で社員の挑戦を後押しし、男性育業を中心に、障害者・女性・LGBTQなど多様な人材が活躍できる職場環境づくりを推進しています。

なぜ男性育業に力を入れるのか──東京ガスが語る現状と3つの意義

―男性育業の状況を教えてください。

角坂:2024年度の男性育業取得率は、ほぼ100%となり、年間約200名の男性社員が平均66.3日間、育業しています。

—男性育業の推進に取り組み始めた背景を教えてください。

角坂:新たな事業領域で技術やサービスを展開するには、多様な専門性や価値観を持つ人材が不可欠です。

誰もが専門性を生かしてフルパワーで活躍できる環境づくりを進めていますが、社員の約8割が男性という状況の中、まず男性の働き方が変わらなければ組織全体の変革に繋がりにくいと考え、育業をきっかけに会社全体の変革を加速させたいというのが背景です。

―育業推進にあたり課題点があれば教えてください。

角坂:育業を進める意義は、大きく3点あると考えています。「育業により家族との絆が深まり、社員自身がより幸せになること」「育業をきっかけに業務の見直しが進み、生産性向上や働き方改革につながること」「育業で日常と異なる世界に触れることで新しい視点が得られ、そうした経験が、企業変革のきっかけにもなること」。育業取得率や育業期間だけでなく、これら3つの意義をさらに育業対象者に伝えていきたいと考えています。

育業を支える制度と社員の声が、働き方の未来を切り開く

—育業を推進するための社内制度には、どのようなものがありますか。

角坂:育業など、育児と仕事の両立に関する制度を集約した専用ポータルを開設し、手続きの流れやモデルケースなど必要な情報が分かりやすく届くよう工夫しています。

また、賞与の減額免除や昇格規定の改定により、育業中も昇格対象とする仕組みを整備し、あわせて、支える側の「育業フォロー」も評価対象としました。

さらに、育業しやすい環境を作るために必要な情報を必要な人に届けるためのセミナーの開催や、育業を経験した社員の話を聞きながら、参加者が気になっていることや不安に思っていることを気軽に相談できる、交流カフェも開催しています。

―印象に残っている社員からの声があれば教えてください。

角坂:今年の育業の実態調査では、掲げている3つの意義において、家庭への良い影響を感じた人が約9割、仕事への良い影響が約7割、お互い様という思いやりの気持ちが増し、他の人をフォローする意識が高まったが8割となり、いずれも前向きな変化が見られました。

経済面の支援では、不安を少しでも早く和らげるために制度を前倒しで導入し、こうしたことに対して「人事部の本気を感じた」という声もいただきました。

―制度の導入によってどのような変化がありましたか。

角坂:従業員意識調査ではエンゲージメントが3年連続で上昇し、「自分の多様性が受け入れられている・発揮できる」と感じる社員が増え、挑戦しやすい風土が育っていると感じています。

フォローした側からも「スキルアップや成長につながった」という声が多く、会社全体にプラスの影響が広がっています。

高まる満足度を追い風に、育業の価値を組織文化へ

―今後の育業推進についての考えを教えてください。

角坂:育業に関するアンケートでは、男性の満足度が90点、パートナーも85点と高く、育業取得率・育業期間に加えて質の面でも良い結果がでました。多様な人材が活躍できる環境が整ってきていると感じています。

3つの育業の意義をより浸透させ、「育業には良い効果がある」と実感できる風土をさらに定着させ、多様な人材の活躍を進めていきたいと考えています。

—ありがとうございました。

育業とは

東京都が2022年に公募し、選定した育児休業の愛称です。
東京都では育児を「休み」ではなく「大切な仕事」と捉え、育業を社会全体で応援する気運醸成に取り組んでいます。
HP:https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/ikugyo

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