福祉の現場で多くの人を支えながら、育業を当たり前の選択肢として広げているセントケア東京株式会社。今回は、育業への向き合い方や制度づくりの背景、今後の展望などについて、事業部として人事業務を担当している高際和子さんにお話を伺いました。
介護・看護を広く手がけるセントケア東京
—事業内容について教えてください。
セントケア東京株式会社 事業部 課長 高際和子さん(以下、高際):総合福祉事業を展開しており、自宅への訪問での介護・看護サービスから、施設での介護・看護まで幅広く手がけています。
—現在のご担当業務について教えてください。
高際:中途採用から入社後の定着支援までを担当し、入社後も安心して働き続けられる環境づくりに取り組んでいます。
女性のための仕組みを、男性にも。「迷惑かも」から、「育業していい」へ
—男性育業の状況を教えてください。
高際:2023年度は対象者の71%が育業し、育業期間は人によって差があるものの、長い場合だと1年ほど育業したケースもあります。
—男性育業の推進に取り組み始めた背景を教えてください。
高際:当社は女性が多い職場なので、出産や育児への配慮を手厚くしないと人材が定着しにくい状況があり、以前から制度を整えていました。近年は社会的に男性の育児参加が広がっているため、誰もが育児に力を注げるよう、より一層職場環境づくりに力を入れています。
その結果、「育業したい」と言い出しやすい空気が生まれ、育業する社員が自然と増えていったように感じています。
—推進する中で課題に感じていることはありますか。
高際:介護や看護の仕事は、人と向き合う場面が多く、周囲への気遣いや責任感を大切にしている方が多いと感じています。そのため、「自分が仕事を離れたら、周りに迷惑をかけてしまう」という思いから、心理的に育業しづらいと考えてしまうケースがあり、意識をどう変えていくかが課題になっています。
—課題を解決するために、どのような取組を進めていますか。
高際:上長とのコミュニケーションを大切にしています。相談しやすい環境をつくることで、育業のハードルを下げられればと考えています。
制度を見える化し、実体験を共有。工夫と絆で育業を広げる
—育業を浸透させるために、工夫していることはありますか。
高際:2018年に、育業の他、産休・介護休暇等のライフステージに応じて使える制度がひと目でわかるガイドブックを作成しました。また、年に数回行っている事業所長会議でも、育業についての発信を行っています。
仕事柄、「困っている人に手を差し伸べたい」という思いで働いている人が多いので、育児に取り組む仲間を支えようとする雰囲気があります。助け合い、感謝し合うことで、育業が職場の絆をさらに深めるきっかけになっているのだと思います。
—ほかには、どのような制度がありますか。
高際:2024年度から新たに家族の誕生日や学校見学など、用途を限定せずに使える「家族休暇」制度を設けました。また、小学校6年生まで利用可能な育児短時間勤務制度も整備し、最近は男性社員の利用も見られます。
制度や規約は親会社が決める部分も多いのですが、日頃から密に意見交換ができる関係にあり、現場の声が反映されやすい体制になっています。
根づいてきた男性育業が、もっと当たり前になるように
—育業を推進することで、社内にはどのような変化がありましたか。
高際:以前は、男性が育業するとびっくりされたり、会議に管理職がいないことも一大事のように受け止められていたりしました。しかし、今では「男性育業は当たり前」という感覚が社内に根づいてきて、育児を理由に不在でも、むしろ応援する雰囲気になっています。
—育業の推進において、今後の展望を教えてください。
高際:現在、「TOKYOパパ育業促進企業」の認定はブロンズですが、次はシルバーを目指して推進しています。目に見える形でも、育業しやすい企業であることを示していきたいです。
性別に関わらず、育児に専念できる期間をもつことが当たり前となるよう、取組を続けていきます。
—ありがとうございました。
育業とは

東京都が2022年に公募し、選定した育児休業の愛称です。
東京都では育児を「休み」ではなく「大切な仕事」と捉え、育業を社会全体で応援する気運醸成に取り組んでいます。
HP:https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/ikugyo
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