皆さんは日頃、自転車を利用していますか? そして、安全面には十分気を配っているでしょうか。近年、交通事故は全体的に減少傾向でありながら、対歩行者事故のような自転車側が加害者となる事故は増加傾向にあるそう。

そこで今回は、高校生Eさん、高校生のお子さんを持つYさん、(一財)日本交通安全教育普及協会の彦坂さんによる座談会を通して、交通安全の現状や課題を考えます。あわせて、2026年4月施行の自転車の交通反則通告制度(通称「青切符制度」)や、JA共済が制作した高校生向け交通安全教育資材も紹介します。

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自転車の交通事故の状況は?

――EさんとYさんは、自転車の運転でふだん気になっていることはありますか?

Eさん:私は通学時を始め、どこへ行くにも自転車を使っています。イヤホンを付けたままの運転は違反※1なので、それはしないようにしていますが、気づけば歩道を運転していることも……。車道を走らないといけないなと思う場合があります。

彦坂さん:自転車は歩行者ではなく、ルール上は軽車両、つまり車の仲間ですから車道通行が原則です。注意したいですね。

※1 周囲の音が聞こえない状況でのイヤホン等使用運転は禁止です。

  • Eさん

    Eさん

Yさん:私も気をつけながら運転していますが、心配なのは高校3年生と中学3年生の息子たちのことです。特に中3の子は自転車を運転するときにかなりのスピードを出すんです。

Eさん:私の弟も一緒で、すっごくスピードを出します。

Yさん:うちの子の場合、時間に間に合わなさそうなときは特にスピードを出していて、道を横断するときに「右、左」の確認もしないんです。幼い頃からずっと注意しているのですが、なかなか直らなくて……。自転車に乗っていること自体が心配です。

  • Yさん

    Yさん

彦坂さん:それはとても心配ですね。交通事故の傾向は、過去10年間の統計を見ると、交通事故総件数は約半分に減っています。ただ、自転車の事故はそんなに減っていないんですよ。自転車の「対歩行者」の事故が増加傾向にあり、自転車側が加害者になるケースが増えています。また、自転車の違反検挙件数は、2009年に1,616件だったのが、15年後の2024年には30倍以上の51,564件になっています。

「青切符制度」で違反の取締りはどう変わる?

――2026年4月1日から、通称「青切符制度」と呼ばれる自転車の交通反則通告制度が始まります。皆さんはこの制度をご存知ですか?

Eさん:テレビで見ました! 違反すると、反則金を払うことになるのですよね。

Yさん:私もテレビの特集で見たぐらいで、細かなところまでは理解していません。

彦坂さん:反則金を取られるとなると、「え、それは困る!」と思うかもしれませんが、実は現在の制度の方がある意味厳しいです。現在の制度は、交通違反をして警察の取締りを受けると、検察庁へ書類送検され裁判を受ける可能性があります。その際、違反が悪質と判断されれば有罪として拘禁刑や罰金という刑事罰を命じられることになります。この刑事罰がいわゆる前科と呼ばれるもので、14歳以上が対象となります。今回の青切符制度では反則金を払えば刑事手続きを経ずに終結となりますので、刑事罰は問われません※2

※2 酒気帯び運転や酒酔い運転、妨害運転、携帯電話使用等運転(交通の危険)の場合は、これまで同様、刑事手続きによる処理が行われます。

  • 彦坂さん

    彦坂さん

Eさん:そうなんですね! 今より厳しい制度になるのかと思っていました。

Yさん:私は新しいルールが設けられるのかと思っていました。

彦坂さん:将来がある若者のことを考えると前科は付けたくありませんが、だからといって違反を見過ごすわけにもいきません。自動車の運転でスピード違反をして取締りを受けると反則金を取られますよね。その制度が自転車にも適用されるのです。

――若者たちの自転車事故は増えているのですか?

彦坂さん:実は、自転車での死傷者数を年齢層別にみてみると、15歳~19歳が突出して多いです。この年齢層は主な移動手段として自転車を利用している方が多く、事故に遭いやすいことがわかります。

Yさん:そうですよね。交通量が多いところでは特に危ないですよね。私は、中3の息子と自転車で一緒に外出するときは、後ろからついて行き、危険なときはすぐに注意しています。そして、帰宅後も繰り返し指導をします。うるさく感じているかもしれませんが(笑)、何度も言われているということを、少しでも認識してほしいのです。

彦坂さん:それは素晴らしいですね。自転車運転で気をつけたいことについて、家庭で話題にすることはとても意味があるのですよ。たとえば食事の席で、「今日はテレビで〇〇〇という事故のニュースをやっていたよ」などと話をして、交通事故を少しでも身近に感じてもらうことが大切です。

標識を確認する、危険を予測する!

――自転車を実際に運転する際に、気をつけるとよいことを教えてください。

彦坂さん:まずは、自転車と車の交通ルールはたいへん似ています。必ず確認しなければならないのは、道路標識・標示です。自転車の運転では、すべての標識を確認することが重要です。特に「止まれ」の赤い標識がある場所では必ず停止して、安全確認してから通行しましょう。また、歩道にある「普通自転車通行可」と呼ばれる青の標識のなかに自転車と人の絵があるものは自転車が通行しても良いことを意味しています。この標識がなければお二人は通行できません※3ので、標識を確認する習慣をつけましょう。

※3 13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体の不自由な人、道路工事等により普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるときは通行できます。

Yさん:私はいつも交通ルールで迷ってしまう交差点があります。歩行者用の信号と車両用の信号が時間差で青になるところがあるのですが、自分が自転車に乗っている場合はどちらの信号を見ればいいのですか?

彦坂さん:それは「歩車分離式信号」といって、交差点での車両と歩行者の事故を防ぐために、車両と歩行者の通行を時間的に分離する信号です。基本的には自転車は車両ですので車両のタイミングで通行することになりますが、自転車で車道を走っている際は車両用信号に従い、子どものように横断歩道を通行する際は歩行者用信号に従います。ちなみに、横断歩道は「歩く人のための道」なので、横断歩行者がいる際は自転車は押して歩きましょう。

Yさん:そうだったんですね! そう教えていただけると、わかりやすいです。

彦坂さん:さらに、ここで押さえていただきたいポイントがあります。「歩車分離式信号」ではない普通の信号機の場合、車が横断歩道のほうに曲がってくることがありますよね。そのときは、ドライバーからは見えない死角があるので、アイコンタクト、つまりドライバーと目を合わせることを心がけていただきたいです。信号交差点での事故の大半は青信号で通行している時に発生しています。青信号でも右左折車が必ず来るという意識で安全確認をしましょう。

――自転車に乗るときは、ヘルメットの着用も意識したいですよね。

彦坂さん:そうですね。ヘルメット着用は、今は「努力義務」とされています。着用しなくても罰則はありませんが、ヘルメットを被るように努める義務はあります。

Eさん:私は、中学生のときは、通学時にヘルメットを着用することが学校のルールだったので、私も友達もみんな被っていましたが……。中学校を卒業してからは着用しないこともあります。

彦坂さん:頭部外傷は致死率が高いので、ぜひ着用してほしいですね。負傷事故では、頭を負傷するケースは全体の約10%に過ぎませんが、死者の約半数は頭部の怪我が致命傷になっています。

Eさん:そうですね。気をつけます。

彦坂さん:危険を予測して動くということが自転車を運転するうえでとても重要です。たとえば、目の前を歩いている高齢者が横に動くかもしれないなと意識すれば、減速や一時停止するといった危険回避行動を取ることができます。事故防止や被害軽減について日頃からできることは、たくさんありますよ。

Yさん:被害者だけでなく、加害者になる恐れもありますからね。引き続き注意していきたいです。

JA共済の新教材で学ぶ安全意識

――自転車交通のルールや注意点をだいぶ理解できたところで、ここからは、JA共済が制作した高校生向け自転車交通安全教育資材の動画を視聴してみましょう!

【動画】高校生が陥りがちな「意図せずやってしまう違反」を題材に、サバイバルゲーム風のドラマ仕立てで構成されたわかりやすい動画コンテンツ。
(音声が流れます。ご注意ください)

Eさん:おもしろい場面が多く、楽しく学べるので理解しやすいですね! 

Yさん:若者の目線に合わせて作られていて、役立つ情報がたっぷりですね。しかも動画の時間が長すぎないから、子どもたちが最後まで見てくれそうです。

――実はこの動画コンテンツは、JA共済ホームページの特設サイトからダウンロードできるようになっています。ワークシートや教師用資料もあって、全国の高校の授業で活用できるようになっています。ご家庭でも視聴できる点がうれしいですね。

Yさん:それはありがたいですね。息子たちと一緒に見たいです!

Eさん:授業で友達と見られるとなると、すごく楽しめそうです!

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――EさんとYさんは、今日の座談会と動画視聴をきっかけに、交通安全への意識が高まったのではないでしょうか? 最後に感想をお願いします!

Yさん:自転車に乗ることは日常的すぎて、今までは安全面をあまり意識せずに利用していたのですが、今日は改めて気をつけて乗ることの大切さを学べました。このことを、子どもたちにも伝えたいです。

Eさん:動画のなかで、自分がそれまで交通違反だと思っていなかったものが紹介されていて驚きました。これからはルールをきちんと知って守っていきたいです。

彦坂さん:交通事故は、ふだんは身近に感じられないものだと思います。ただし、家から一歩外に出れば交通事故に遭う危険性はありますし、その瞬間から人生が変わることもあり得るのです。だからこそ、自分ごととして捉え、日頃から慎重な運転を心がけていただければと思います。

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