開放的でおしゃれな空間づくりができる「スキップフロア」。縦の空間を有効活用することで、中2階のリビングや、収納、書斎、秘密基地感のある空間を実現できるとあって、ハウスメーカー「アイ工務店」でも顧客からの支持を集めています。
そんな人気の間取りを、安心して長く住める家にするために――。アイ工務店は2025年5月、国立研究開発法人・土木研究所の三次元大型振動台を用い、世界初※1となるスキップフロア付きプランをはじめとした3つの条件下での実物大耐震実験を行いました。
※1 公的研究機関における実大実験において
実験は、一般的には耐震性において不利なスキップフロア付きプラン、さらに外張り断熱工法、シーリングレスサイディング住宅※2という条件下で実施。実物大の住宅に対し、震度6の揺れを1回、震度7の揺れを3回、合計4回再現しても、内外装に目立った損傷はなし。今回は、この実験を監修した、奈良女子大学・角田先生を直撃し、実験の目的や結果から見えた「安心の根拠」についてお話を伺いました。
※2 建物の外側に張る板状の仕上げ材「サイディング」を、シーリング材を使わずに施工する施工法。美しい仕上がりになる一方で、地震時には外壁材同士がぶつかる可能性があり、割れるなどのリスクがある。
開放的な「スキップフロア」。その“安心”を科学で確かめる
角田先生は、同大学の生活環境学部 住環境学科の専任講師として、木造住宅の耐震性能や地震被害との関係性などをテーマに据え、未来に向けた安全安心な木造建築の実現を目指した研究を進めています。
――本日はよろしくお願いいたします。そもそも、なぜ実物大の住宅を使った実験を行う必要があるのでしょうか?
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今ではパソコンでのシミュレーション精度が上がり、予測しやすくなっていますが、実際の建物では柱や梁、接合部が複雑に影響し合います。やはり「想定通りに揺れに耐えるのか」「接合部がどう変形するのか」といったことまでは、実物を動かしてみないと何とも言えない部分があるんです。 |
実験で使用された「三次元大型振動台(国立研究開発法人 土木研究所)」は、縦・横・上下すべての方向に対して地震動を再現できる世界有数の設備。国内トップクラスのスペックを誇り、大規模な地震動を再現が可能なのだとか。
――「スキップフロア付きプラン」で実物大の耐震実験を行うのは、かなり珍しいそうですね。
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そうですね。「スキップフロア付きプラン」をはじめ、3つの条件下での実験は、実物大の世界でも非常に珍しい試みで、世界初のケースだと思います。 |
そのうえで角田先生は、昨年2024年に起きたばかりの能登半島地震で計測された地震動をいち早く取り入れ、発生から1年ほどという短い期間で耐震性能を検証できたこともよかったと補足しました。
――ちなみに、一般的に「スキップフロア付きプラン」は地震に弱いものなのでしょうか?
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ひとつの階層に高さの異なるフロアを設ける構造になっていますので、地震動がどのように作用し、どこに損傷を与えるのかがシミュレーションでもわかりづらいですし、実際、柱が折れやすいのでないかとの懸念を拭い切れません。そのため、耐震性能を考えるうえでは「スキップフロアは不利」というふうに考えざるを得ませんでした。 |
だからこそ、今回の実験を通して「スキップフロア付きプラン」の耐震性能を証明できたことは、非常に意義深いものだったと強調しました。
――実験では、震度6を1回、震度7を3回再現されました。この条件設定には、どのような意図があったのでしょうか?
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昨年の能登半島地震でも被害が大きかった石川県の穴水町は2007年にも震度6強を観測しており、17年の間に強い揺れが2度起きています。また、2016年の熊本地震でも強い揺れが相次ぎましたが、長く安心して住み続けるためには、昨今増えている「繰り返す大地震」に耐えられる耐震性が求められるのではないかと考え、あえて過酷な条件を設定しました。 |
――過酷な条件設定ながら、内外装に目立った損傷はなかったとお聞きしました。どのように評価されていますか?
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スキップフロアがあることで、応答や変形が増え、結果として内外装に損傷が起きてしまうのではないかと危惧していましたが、見る限りありませんでした。十分に耐震性能を確保できていることを確認できました。 |
角田先生が先ほど挙げたように、「スキップフロア付きプラン」はシミュレーションが難しいとのことですが、全体的に予測通りの結果となり、スキップフロアがあることによる致命的な悪影響は見られなかったといいます。
――外張り断熱や制震ダンパーについては、どのような効果をもたらしたのでしょうか?
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外張り断熱が付与されていることによって耐力壁の性能が上がり、建物全体の耐震性能向上に寄与していることは間違いないでしょう。制震ダンパーは、実験では2個付けましたが、その効果については分析中です。経済性と性能のバランスから何個付けるのがベストなのかは、今後考える必要があるかと思います。 |
自由な間取りを実現しながらも耐震性を担保し、外張り断熱によって断熱等級と耐震等級を同時に上げることができるアイ工務店の「スキップフロア付きプラン」には、新しい住宅の姿が見えたと角田先生は高く評価しました。なお、いずれ日本建築学会にて今回の実験結果を発表する予定だそうです。
「耐震等級3」が当たり前の世の中に。スキップフロアと耐震性は両立できる
――アイ工務店の住宅は「耐震等級3」が標準装備になっています。その必要性についてはどうお考えでしょうか?
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これからの家づくりにおいて「耐震等級3」は必須といえるのではないでしょうか。建築基準法ギリギリの仕様では「繰り返す大地震」に耐えられるかどうかは不透明です。コストはそうかからないはずですので、「耐震等級3」が当たり前の世の中になってほしいですね。 |
「耐震等級3」にするための費用は、家を建てる全体の金額の数パーセントで済む。角田先生は「こんなにコスパの良い保険はない」と表現しました。
――最後に、今回の実験を通して感じたこれからの家づくりの在り方について、メッセージをお願いいたします。
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しっかりと設計すれば、スキップフロアがあったとしても耐震性に問題がないことが今回の実験で明らかになりました。自由な間取りで快適に暮らしながら、安心安全も手に入れる。そんな家づくりが、これからのスタンダードになることを願っています。 |
これまでのスキップフロアには耐震性における弱点が指摘されていました。しかし今回の実験結果から、その不安は大きく和らいだと言えそうです。震度6や7といった巨大地震を繰り返し受けても損傷しない――。今回の実験は“デザインと安心安全の両立”を科学的に示すものでした。データや数字で、安心を確かめる。地震大国日本で、ずっと暮らしていくための家を建てるには、ますます重要になってくるのではないでしょうか。
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