eスポーツ、配信、クリエイティブワーク、オフィスワークなどなど目的や予算に合わせてスペックを選べるのに加えて、見た目にもこだわれるのが「自作PC」の醍醐味だ。前面と側面の間に支柱がなく、PC内部の全体を見せやすいピラーレスケース※が人気になっているので、SNS映えする美しい自作PCを作ってみたいと考えている人もいるだろう。ただ、自作初心者にはちょっと難しそうに感じるのも確か。
※ピラーレスケース:前面と側面の間に支柱がないケースのこと。内部がよく見えるので、LEDで光らせたパーツを美しく見せたい人に人気
そこでオススメしたいのが、可能な限りメーカーを統一してPCを自作すること。中でもMSIなら、主要なパーツではCPU※とメモリ※以外は揃えることが可能だ。それによって、デザインに統一性を持たせられる、ハードウェアやLEDの制御を一つのアプリにまとめられる、互換性の心配がいらないなど多数のメリットがある。
※CPU:PCの「頭脳」とよく例えられ、計算や処理を担当
※メモリ:データを一時的に保存する場所
MSIの新型空冷CPUクーラー「MAG COREFROZR AA13」を中心としたプランを紹介する
今回はそんな同社から9年ぶりに空冷CPUクーラー※「MAG COREFROZR AA13」がリリースされたということで、このクーラーを中心とした自作プランを紹介したい。「MAG COREFROZR AA13」は手頃な価格で組み立てやすく、LEDも搭載で見栄えもよい。コストを抑えながらも美麗なグラフィックのゲームも快適にプレイできる性能を目指している。後半には性能や冷却力の検証も行うので、これから自作PCにチャレンジしてみたいと考えているなら、参考になるはずだ。
※CPUクーラー:CPUの熱を冷ますためのパーツ
MSIが9年ぶりに空冷CPUクーラーを投入! 手頃な価格で見た目にもこだわり
今回のプランで中心となるのは空冷CPUクーラーの「MAG COREFROZR AA13」だ。MSIは多くの簡易水冷クーラーを手がけているが、空冷タイプを発売するのは実に9年ぶり。しかも各メーカーがしのぎを削る手頃な価格帯ということで注目を集めている。
MSIが9年ぶりに投入した空冷CPUクーラー「MAG COREFROZR AA13」。実売価格は4,000円前後
12cm角のファンを1基搭載するサイドフロー型※でサイズは幅121mm×奥行き94.5mm×高さ152mmだ。同サイズのファンを採用するCPUクーラーには高さ155mm以上のモデルもあるため、コンパクトと言える。CPUクーラーの高さ制限が厳しめのPCケースにも組み込めるのがメリットだ。対応するCPUソケットは、IntelがLGA1700/1851、AMDがAM4/AM5となっている。
※サイドフロー型:CPUに対して横方向に風を送るタイプのクーラーで、ケース内の空気の流れを効率よくできる
12cm角ファンを1基備える。高さは152mmとこのクラスのクーラーとしては低め
CPUに対して側面側に空気が流れるサイドフロー型だ
ファンの回転数は510~2070rpm(±200rpm)、動作音は30.11dBA(最大34.1dBA)と静音性は優秀だ。冷却面はTDP 240Wまで対応しており、Core Ultra 7 265KやRyzen 7 9800X3Dといった人気CPUでも利用可能。ただし、実際の冷却性能や動作音は環境によって変わるため、詳細は記事後半の測定結果を確認してほしい。
ヒートシンクには6mm径の銅製ヒートパイプが4本搭載されており、CPUの熱を素早くヒートシンク全体に伝達させる。CPUとの接地面はヒートパイプが直接接触するダイレクトタッチ方式を採用。底面は美しく加工されており、CPUとしっかり接触するので効率よく熱を伝えることが可能だ。ヒートシンクは50枚の高密度フィンを備えながら、空気が通りやすいデザインとなっており、ファンの風による高い冷却効率と静音性を両立させている。なお、ファンにはARGB※を内蔵しており、ライティングの制御も可能だ。見栄えを重視する人にもオススメできる。
※ARGB:LEDの色や光り方を細かく設定できる規格
CPUとヒートパイプが直接接触するダイレクトタッチ方式を採用
50枚の高密度フィンを備えながら空気が抜けやすい構造なのでファンによる冷却を効率よく行える
ヒートシンクの天面にはドラゴンのロゴが描かれている
ファンにはARGBが内蔵されており、ライティングの制御が可能だ
CPUソケットへの装着のしやすさも大きな強みだ。CPUとの接触面にはあらかじめグリスが塗られているので、すぐに取り付けが行える。また、CPUソケットにクーラーを取り付けるための台座の組み込みが必要という製品が多い中、MAG COREFROZR AA13は不要。IntelのLGA1700/1851であれば、バックプレート※をマザーボードの裏面側から取り付けて、CPUクーラーのネジで止めるだけ。あとはファンをクリップで取り付ける。この手軽さは非常に素晴らしい。
※バックプレート:CPUクーラーをしっかり固定するためにマザーボード裏側に取り付ける板
IntelのLGA1700/1851に取り付ける場合はまずバックプレートを裏面から設置
あとはヒートシンクをCPUソケットに乗せてネジ止め
ファンは付属のクリップをヒートシンクに引っかけて固定する
メモリとは干渉しないので高さのあるメモリとの組み合わせも安心だ(写真のマザーボードはMSI MAG Z890 TOMAHAWK WIFI)
AMDのAM4/AM5では、CPUクーラーを固定するマウンティングキットが標準だとIntel用なのでAMD用に取り替え、マザーボードのソケットにあるリテンションのネジを外して取り除き、そのネジ穴を使ってCPUクーラーをネジ止めする。そして同じくファンをクリップで固定だ。
AMDのAM4/AM5に取り付ける場合は、まずマウンティングキット(ネジ付きのプレート)をIntel用からAMD用に交換する
標準で備わっているリテンションキット(CPUクーラーを固定するための標準パーツ)を取り外す
ヒートシンクをCPUソケットに乗せてネジ止めしてファンを固定する
メモリとはスペースがあって干渉しない(写真のマザーボードはMSI MAG B850M MORTAR WIFI)
IntelもAMDも最後はCPUファンの電源ケーブルとARGBケーブルをマザーボードに接続すれば取り付けは完了となる。自作の初心者にとって台座の組み込みやクーラーの固定はちょっと難しいと言えるポイントだが、MAG COREFROZR AA13ならその心配はほとんどないと言ってよいだろう。なお、今回はブラックカラーを選択しているが、ホワイトカラーも用意されているので好みやほかのパーツとのバランスで色を選ぶのがよいだろう。
PCパーツ構成と価格
| カテゴリー | メーカー名・製品名 | 実売価格 |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 5 9600 (14コア20スレッド) |
37,000円前後 |
| マザーボード | MSI MAG B850M MORTAR WIFI (AMD B850、microATX) |
39,000円前後 |
| メモリ | CORSAIR VENGEANCE RGB DDR5 CMH32GX5M2B6400Z36 (DDR5-6400 16GB×2) |
40,000円前後 |
| ビデオカード | MSI GeForce RTX 5070 12G INSPIRE 3X OC (NVIDIA GeForce RTX 5070) |
114,000円前後 |
| ストレージ | MSI SPATIUM M480 PRO PCIe 4.0 NVMe M.2 (PCI Express 4.0 x4、1TB) |
12,000円前後 |
| CPUクーラー | MSI MAG COREFROZR AA13 (空冷、サイドフロー) |
4,000円前後 |
| PCケース | MSI MAG PANO M100R PZ (microATX) |
13,500円前後 |
| 電源ユニット | MSI MAG A750GL PCIE5 (750W、80PLUS Gold) |
12,500円前後 |
| 合計 | 272,000円前後 | |
CPUは「AMD Ryzen 5 9600」を選択。6コア12スレッドで最大5.2GHz動作とゲーム中心なら十分なスペック。TDP 65Wと低消費電力で低発熱なのもポイント
マザーボードは「MSI MAG B850M MORTAR WIFI」。今回にピッタリのブラックカラーでmicroATXと小型サイズでも長寿命のパーツで構成、Wi-Fi 7、5Gの有線LAN、USB 20Gbpsなど装備充実だ
CPUクーラーは「MSI MAG COREFROZR AA13」。すでに解説した通り
ビデオカード「MSI GeForce RTX 5070 12G INSPIRE 3X OC」。NVIDIA最新世代のGeForce RTX 5070を搭載しており、ゲーミングにもAI処理にも強い
メモリは「CORSAIR VENGEANCE RGB DDR5 CMH32GX5M2B6400Z36」。DDR5-6400の16GBメモリが2枚セットになっている。上部にLEDがあり、MSIのアプリでライティング制御できるのがポイントだ
SSDは「MSI SPATIUM M480 PRO PCIe 4.0 NVMe M.2」。M.2タイプで接続はPCI Express 4.0 x4、容量は1TBとなる。リード7,400MB/sとかなり高速だ
電源は「MSI MAG A750GL PCIE5」。最新のATX 3.1、PCIe 5.1規格に対応し、ビデオカード用の16ピンも用意。フルプラグインなので必要なケーブルだけを接続して配線をしやすくできるのも便利
PCケースは「MSI MAG PANO M100R PZ」。microATXサイズで前面と側面の間に支柱のないピラーレス仕様なので内部をLEDなどでドレスアップしたい人にピッタリだ
標準で側面に3基のファン、背面に1基のファンが搭載と冷却力の高い構成。ファンはARGB内蔵なのでライティングも充実
「MAG COREFROZR AA13」なら組み立てがグッとラクに
今回の構成のポイントは“組み立てやすさ”だ。自作PCでは冷却力の高い簡易水冷クーラーが人気だが水冷ヘッドを固定するための台座の組み立てが複雑、ラジエーターをPCケースの前面に付けるか、天面に付けるか、ホースの向きをどうするかなど判断が必要な場面が多く、そしてラジエーターを手で支えながらPCケースに固定するためにネジ止めをする作業は初心者にはちょっと難しい。
その点、空冷のCPUクーラーならマザーボードをPCケースに組み込む前に固定できるのでそれだけで組み立てはラクになる。さらにMAG COREFROZR AA13なら前述したとおり、マザーボードへの固定もかなり手軽だ。このほか、今回のマザーボードはM.2のSSDをツールレスで取り付けが可能。PCケースについても両側面のパネルを同じくツールレスで外せるので、プラスドライバーを使う場面はマザーボード、電源ユニット、ビデオカードの固定だけ。PCケースの内部スペースにはかなり余裕があるため、マザーボードやビデオカードも組み込みやすい。
また、PCケースには合計4基のファンが標準搭載されているので、その電源ケーブルとARGBケーブルの処理だけでも大変そうに思えるが、それらをまとめて接続したファンハブが最初から用意されており、マザーボードへの接続はファンの電源ケーブルが1本、ARGBケーブルが1本だけで済む。これによって接続の手間を減らし、ケーブルを美しくまとめることに貢献。初心者が、難しい、分かりにくい、面倒と感じる部分をかなり簡素化している構成と言えよう。
STEP1
CPU、メモリ、SSDをマザーボードに装着する
STEP2
SSDはヒートシンクも含めてツールレスで固定が可能だ
STEP3
PCケースには4基のファンがあるが、最初からそれを集中管理するファンハブに取り付けられているので配線はラクだ
STEP4
ファンハブの動作にはSATA用電源ケーブルの接続が必要になる
STEP5
今回のPCケースは電源ボタン、リセットボタン、アクセスランプなどを制御するケーブルがひとまとめになっているので接続が簡単なのもポイントだ
STEP6
ビデオカード用の電源ケーブルを引き出すための穴が底面側にあり、この部分も美しく仕上げられるのがナイス
STEP7
組み上がった状態の左側面。内部に余裕があるためスッキリとしている
STEP8
こちらは右側面(裏側とも呼ばれる)。ケーブルタイが複数あらかじめ用意されているのでケーブルもキレイにまとめやすい
STEP9
組み上がってガラスパネルも閉じた状態だ。ピラーレス仕様なので中の様子がバッチリ見える
「MSI Center」アプリでライティングを一括で管理できる
ここからは実際に動作させてみよう。Windows 11をインストールしてネットワークに接続されていれば、「MSI Driver Utility Installer」が自動的に起動して必要なドライバやアプリを一気にインストールできる。ただ、ビデオカードのドライバは導入されない。別途NVIDIAアプリをNVIDIAのWebサイトからダウンロードしてインストールし、最新のビデオカード用ドライバを導入しよう。
今回の構成ではPCケースのファン(全4基)、メモリ、CPUクーラーにARGBが搭載されているが、「MSI Center」アプリでまとめてライティング制御できる。メモリはCORSAIR製だが、MSI Centerでの制御が可能だ。ライティング制御は一つのアプリで行わないと統一した発光色や発光パターンに合わせにくい。見栄えにこだわるならなるべくパーツを同一メーカーにするのが正解だ。
ドライバ類や必要アプリは「MSI Driver Utility Installer」で一気にインストール可能だ
ライティングの制御は「MSI Center」アプリでまとめて行える
PCケースのファン、メモリ、CPUクーラーのライティングを簡単に統一できるのが強みだ
CPUをしっかり冷やして静音性も優秀!
PCが完成したところで、MAG COREFROZR AA13の実力も気になるところ。Cinebench 2024を10分間実行したときのCPU温度をモニタリングアプリの「HWiNFO Pro」で追ってみた。また、合わせて前面、天面、背面に騒音計を設置し、動作音もチェックしている。
Cinebench 2024は全コアに100%の負荷をかける過酷なテストなのでCPU温度が一気に上がっている。6コアがフルに動作しても温度があまり上がらず、比較的コンパクトなCPUクーラーながら冷却力は確かと言ってよいだろう。
動作音についてもCPUだけに負荷がかかるCinebench 2024では前面からならほとんどファンの音が気にならないレベルで静かだ。今回はファンの数が多い構成だが、CPUだけに負荷が高い処理なら静かに運用できる。かなり静かにゲームがプレイできるPCに仕上がった。
次は性能チェックといこう。まずは定番のPCの基本性能を測る「PCMark 10」、3D性能を測る「3DMark」、ストレージの速度を測る「CrystalDiskMark」を実行する。
PCMark 10の結果
3DMark Steel Nomad Lightの結果
3DMark Speed Wayの結果
CrystalDiskMark 9.0.1の結果
比較対象がないので分かりにくいが、PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて2倍以上のスコア。普段使いのPCとして十分な性能を持つ。3DMarkもGeForce RTX 5070のアベレージスコア以上を出しており、CPU、GPUとも性能は十分引き出されている。
次は実ゲームを試そう。タイトルとテスト条件は以下の通りだ。それぞれフルHD/WQHD/4K解像度でテストしている。
オーバーウォッチ 2(botマッチ実行時のフレームレートをCapFrameXで計測)
Apex Legends™(射撃訓練場の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測
Apex Legends™は最大300fpsのゲーム。WQHDまでは最高画質でもほぼ上限に到達している。4Kでも平均215.9fpsと高い結果を出した。オーバーウォッチ 2の平均フレームレートも高く、4Kでも平均112fpsと快適にプレイが可能だ。
モンスターハンターワイルズ(ベースキャンプの一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測)
モンスターハンターワイルズはCPU、GPU負荷とも非常に高い重量級ゲームと言われるものだが、GeForce RTX 5070ではAIによって1フレームから最大3フレームを生成するDLSS 4のマルチフレーム生成に対応しているため、4Kでも快適に遊べるだけの平均フレームレートを出している。
手軽に組み込めて静かで冷えると初心者の自作PCにオススメ
「MAG COREFROZR AA13」は手頃な価格でCPUソケットの取り付けも簡単。ミドルレンジクラスのCPUなら問題なく冷却できる性能を持ち、動作音も静かとバランスよくまとまった空冷CPUクーラーだ。ARGBも内蔵しているのでライティングにもこだわれる。今回のように最新ゲームを楽しめて、見栄えもする自作PCにはピッタリだ。これから新たなPCを組み立ててみたいと考えているなら、ぜひともチェックしてみてほしい。
© 2025 Electronic Arts Inc. EA、EAロゴ、Respawn、Respawnロゴ、Apex LegendsはElectronic Arts Inc.の商標です。
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