「起業」や「経営戦略」に興味があり、大学で学びたいと思ったとき、進路の選択肢として「経営学部」や「経済学部」、もしくは「法学部」などが設置される総合大学への進学を想像する人が多いのでは? そんななか、愛知県にある名古屋芸術大学では芸術×起業を絡めたこれからの「起業」について学ぶことができるんです!

芸術大学で学ぶ「起業」とは? 今回は「芸術×ビジネス領域」の先駆者として、新たな教育価値を社会に提示しようとする『名古屋芸術大学』に伺い、”起業”について学べる講義の第一回目に参加しました。

講義のあとは、これからのビジョンを考える現役高校生と、同大学のキャリアセンター長 中川直毅教授、ゲストスピーカーとして講義を行ったM design holdings代表取締役・藤本広敬さんによる座談会も実施。座談会を通じて、なぜ芸術大学で”起業”を学ぶのか、キャリア形成で大切なことなどを紐解いていきます。

2025年9月スタート! 名古屋芸術大学で”起業”を学ぶ

今回の講義は、複数の実務家をゲストスピーカーとして招くリレー形式の授業の一つとして行われました。授業では、社会を知り、⾃⼰のキャリア形成を考えていくことを⽬的としており、第一回目の講師としてM design holdings代表取締役・藤本広敬さんが登壇しました。

藤本さんは2019年に起業し、中古車販売などを行う「カーマッチ」「買取カーマッチ」などの店舗を展開。起業してから着実に店舗数を増やしており、2025年現在は全国で190以上の店舗を運営しています。そんな藤本さんの講義内容は「起業とは何か」「なぜ挑戦するのか」でした。

講義中、藤本さんは「経済・経営学・工学など多くの学部で学ぶ知識や技術はAIによって効率化・自動化が進んでおり、将来的にはそれらの分野は今後、AIに代替される可能性があります」と話します。

一方で、「芸術大学で養うのは唯一無二の感性や人の心を動かす表現力。これはAIには決して再現できないもので、今後の社会で強く求められるはず。独自の視点を持つ、感性を養う芸術大学を卒業している人こそ、起業に向いていると思います」と、芸術大学に通う学生たちに熱いメッセージを届けました。

そもそも“起業”って? “起業”は誰にでもできること?

講義後には現役高校生3名と、中川教授・藤本さんによる座談会を実施。高校生たちが“起業”について疑問に思っていることや将来のことについてお話しました。

●プロフィール

 名古屋芸術大学 キャリアセンター長 中川直毅教授

 M design holdings代表取締役 藤本広敬さん

 三重県在住 高校2年生 まひめさん

 愛知県在住 高校2年生 りんさん

 愛知県在住 高校2年生 るいとさん

さっそくですが、みなさんは“起業”にどんなイメージがありますか?


すごく知識が必要で難しいというイメージがあるので、自分でやるという想像があまりできないです。


“起業”って本当に大変なことだとは思うのですが、自分の考えを表現しやすいものなのかな、と思っています。


頭がいい人が会社をつくるというイメージがあって。あまり勉強が得意ではない自分には縁遠いのかなと……。


頭がいい人が起業するイメージがあるということですが、実は僕、中学校の頃は成績が非常に悪かったんですよ。大学にも進学していません……というか、そんな成績だったので、進学できませんでした(笑)


えっ、そうなんですか!


だから、個人的には起業に学校の勉強や成績はそんなに影響はないと思っています。誰でも、どんなタイミングでもスタートできるんじゃないかなと。


みなさんは何が必要だと思いますか?


お金も必要だし、自分の考えを表現する力やちょっとした勢いも必要なのかなと思っています。


自分をPRする力や、経営学など幅広い知識が必要な気がします。


人と違う考え方ができるかどうかも大切ですか……?


3人が言う通り、確かにお金も必要ですし、独自のスキルが武器にもなります! ただ、お金やスキルよりも、「なぜ起業したいのか」を人に示していくのがすごく大事だと僕は思っていて。実は芸術大学の学生さんって、経営者にすごく向いているんですよ。


そうなんですか!?


芸術大学で磨く感性や人の心を動かす表現力って、実は会社の戦略を考える部署でものすごい力を発揮するんです。奇抜な発想力や「なぜ」を伝えられる表現力は、経営に大切な要素といえます。


実際に名古屋芸術大学の学生には起業や独立を目指す学生も多くいるんです。とはいえ、芸術のことを学べても、ノウハウや経営的なことを学べる講義や環境がそれほど多くはありませんでした。そこで、起業したいという方や経営戦略に興味がある学生を支援する、そして起業してから継続させるための知識を学べる場を設けられたらと思い、今回の講義をスタートしました。


芸術大学で「起業」を学ぶ
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ゲストスピーカーを招き、学生たちに「疑似的な経験」を

芸術大学でこういうことが学べるなんて、ちょっとビックリしました。


最近、市役所などの行政機関が中小企業の事業をサポートする取り組みをやっているのですが、学内から「それと同じようなものができないか」と話がありました。これまで講義という形で間接的な支援はしてきましたが、学生の起業を直接的に支援するとはいかずとも、できるだけ具体的な支援をしていこうという話に発展していって。それが、今回の講義のスタートのきっかけとなりました。


私は親がお店を持っていることもあって起業や経営に少し興味があるのですが、今回の授業ではどんなことが学べるのですか?


労働法や経営管理論など、知識面を学べる講義は別途開講しているので、今回の授業では疑似的な経験を積んでもらえるような講義にしました。


疑似的な経験、ですか……?


実際に起業された方のほか、弁護士、金融や環境経済論に詳しい方に起業するにあたり大切なこと、企業を運営していくにあたり気を付けるべきことなどを教えていただけるようなカリキュラムを予定しています。藤本さんには今回、「起業とは何か」「なぜ挑戦するのか」についてお話いただきました。


今回の講義では、起業するにあたり大切なことや、失敗する人の傾向などについてもお話しました。起業の理由が自分の売上・利益というところにだけフォーカスしている方って、起業してもうまくいかない部分があると僕は思っていて。成功するためには起業する理由がちゃんと世の中に適っていて、自分のビジネスの必要性がちゃんと言える人、社会的意義を持てることが大事だと考えています。


なるほど! 売上や利益以外にも、大事にすべきことがたくさんあるんですね。


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キャリア形成で大事なことは「将来の夢の理由を明確にする」

起業するにあたって、高校生のうちからできることは何かありますか?


今の段階だと「将来の夢の理由」を明確にするのが大事だと思います。それは、自分のためだけじゃなくて、世の中のためにもなることが大切です。自分が有名になりたい、お金を稼ぎたいなんてことが前に出ていたら、あまり応援したいとは思わないじゃないですか。先ほどもお伝えしましたが、「なぜ」を明確にすること、それがちゃんと世の中に向いていて応援してもらえることが重要なのかなと。そうすると、おのずとたくさんの人の協力を得られると思っています。


ここまでの話をまとめると、「自分のやりたいことを明確にして、それに向かって魅力を磨き努力を重ねていけば、運を招いて人脈が開けて仕事がうまくいく」ということかもしれないですね。また、本講義は、弁護士・税理士・会計士の方、藤本先生のような起業家の方など、さまざまな方と知り合える機会にもなればと思っています。こういった先生方とのつながりは、卒業してからも力になるはず。卒業後の支援体制を組んでいるのも、今回の取り組みの特徴ですね。


ここまでのお話を聞いてきて、”起業”に対してのイメージは変わりましたか?


変わりました。最初は難しそうというのと、正直芸術との関係もあまり分かっていませんでしたが、お話を聞いてからは想像力や人の関わり、つながりが大切だということが分かって。進路を考えているなかで少し芸術系にも興味があるので、今日のお話は勉強になりました!


学校の勉強ができるような人しか起業できないと思っていましたが、藤本さんのお話を聞いて、決してそうではないことが分かりました。お話のなかで、「自分のためじゃなくて、誰かのため、世の中のためになることを考える」という言葉がすごく印象に残りました。僕も自分のやりたいことが誰かのためになるのか、今日から考えてみようと思います。


実際に起業された方のお話って、なかなか聞ける機会がないので、座談会に参加できてよかったです。先生のように自分の道を決めて進まれている大人の方って、本当に素晴らしいなと思いました!


みなさん、お話を聞いてくれてありがとうございました。経営者として成功する方法はひとつではないと思いますが、私がお話した「どうして起業したいのか」「その夢を叶えたいのか」を深掘りして、自分にちゃんと言い聞かせて解決するのは大事なことだと思います。その想いを実現するためには、仲間や協力者も大事。自分1人で遠回りをして時間をかけるよりも、色々な人のサポートを受けて夢の実現の近道をしてほしいと思います。


今日のお話は、座談会に参加した高校生のみなさんだけでなく、セカンドキャリアで起業を考える方にも通ずるものだと思います。今の世の中は、キャリアに関することも情報過多です。そのなかで情報を取捨選択して進む道を決めていくのは、自分自身。いくら誰かに相談しようとも、最終的に決めるのは自分なんですよね。「起業家育成」を目指した取り組みはスタートしたばかりですが、この取り組みを通して、学生の将来に繋がることを願っています。


「芸術×ビジネス領域の先駆者」として、名古屋芸術大学で可能性を広げる

音楽・舞台芸術・美術・デザイン・芸術教養、教育・保育などの幅広い専門分野を学べる名古屋芸術大学。

「起業家育成」にさらに力を入れはじめた同大学は、芸術領域に興味を持つ学生、またセカンドキャリアを考えている方々の可能性を広げるきっかけになるかもしれません。もし興味のある方は、オープンキャンパスに参加したり、大学の資料請求をしてみたりしてはいかがでしょうか?

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[PR]提供:名古屋芸術大学