地方出身の方々の中には、地元で働くか、都会で働くか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
マイナビが行った調査でも「地元就職」を希望する学生は6割※を超え、キャリアプランを考えるうえでも重要なテーマのひとつとなっています。
そこで本記事では2025年2月12日に開催されるオンラインイベント(マイナビTVライブ)「島根を考える日」プレ企画として座談会を実施。「地元就職」を果たした若手社会人お二人を迎え、マイナビ編集長の高橋が当時の葛藤やその魅力に迫ります。
※「マイナビ2025年卒大学生Uターン・地元就職に関する調査」より(https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240509_75888/)
◆マイナビTVライブ「島根を考える日」とは
島根県にゆかりのある方も、そうでない方も必見!島根県内企業の若手社員による「地元就職」をテーマにしたパネルディスカッションを開催します。
さまざまな業種、職種、背景を持った先輩たちが集まり、ホンネが聞ける貴重な機会!
島根で「働く」「暮らす」について改めて考えるきっかけになる内容をお届けします 。
【座談会に参加する3名のプロフィール】
島根電工株式会社 松江営業所 営業課 鍛治 虎之介 さん
2021年、島根電工株式会社に入社(入社4年目)。入社以来、松江営業所に在籍し、営業職として、電気工事を通してより良い空間づくりを提案している。
山陰合同銀行 出雲支店(出雲西法人部) 法人営業 遠藤 千尋 さん
2022年、山陰合同銀行に入行(入行3年目)。現在は出雲支店に所属し、法人営業に従事。主に出雲市西部を担当し、地元の企業に対して金融支援を行っている。
株式会社マイナビ 高橋 誠人 編集長
2002年、株式会社マイナビに中途入社。就職情報事業本部キャリアサポート課にて10年間、学生の就職(キャリア)支援に携わる。その後、営業職として企業の新卒採用を手がけ、2014年からは同社熊本支社長、鹿児島支社長、兵庫支社長を歴任。2018年にマイナビ編集長に就任。就職ガイダンスをはじめ、人生100年時代におけるキャリア形成など、さまざまなテーマで情報提供し、精力的に学生のキャリアをサポートしている。
「地元就職」を果たした
二人のこれまでの歩み
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本日は、よろしくお願いいたします!まずは、お二人のこれまでの歩みをお聞かせください! |
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私は島根県江津市に生まれ、高校卒業後は島根県の大学に進学しました。なるべく家族の近くにいたかったのと、ずっとダンスをしていて大学のダンスサークルと高校の頃からつながりがあったのが地元進学を選んだ理由です!大学卒業後は島根電工に新卒入社しました! |
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私は島根県出雲市で生まれました。田舎で育ったため都会への憧れが強くて。高校卒業後は、兵庫県の大学に進学しました!東京や大阪の大学も検討しましたが、島根から遠いので、親とも相談して比較的近い兵庫を選びました。卒業後は地元に戻り、山陰合同銀行にUターン就職しました! |
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県外進学を決めるにあたって、何か葛藤はありましたか? |
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都会に憧れはあったものの、親や友だちなど、味方が誰もいない場所で暮らすのはとても不安でした。最終的には「挑戦してみたい!」という気持ちが勝ったので県外に進学しましたが、生活に慣れるまで半年くらいかかりましたね。 |
何が起こるかわからない予測不可能な時代に安心感を求めて。
「地元就職」の決め手
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地元の魅力は、家族や友だちといった味方が多いことですよね!マイナビの調査によると、コロナ禍を経て「地元就職」を選ぶ学生の割合は増加に転じ、ここ3年は6割ほどで推移しています。これは、コロナ禍という想定外の出来事が起き、先行きが不透明の中、少しでも不安感を軽減しながらファーストキャリアを築きたいと考えているからでしょう。 ずばり、お二人の「地元就職」の決め手は何でしたか? |
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家族の一声が大きかったですね!「当然、地元で働くよね?」といわれて(笑)。都会で働く憧れもあり、実は県外企業から内定をいただいていたのですが、地元への想いを捨てきれなかったタイミングで家族から背中を押してもらえたので、地元就職を決意しました。「家族から必要とされている」と実感できたのも、決め手になりましたね! |
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私は地元に戻ってくるつもりはなく、「このまま県外で就職するんだろうな」と漠然と思っていたのですが、コロナ禍で考え方が変わりました。就職活動もままならず、この状況がいつまで続くのかもわからなかったので、家族や友だちがいる地元で働こうと思うようになりました。 |
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コロナ禍によって、自分にとって何が大切なのかを見極められるようになったのが、学生の就職活動にも影響を与えたのではないでしょうか。いったんコロナ禍は収束しましたが、また何が起こるかわからない予測不可能な時代を生きていかなければなりませんので、学生が安心感を求めて「地元就職」を選ぶトレンドは、これからも続いていくと見ています。 お二人はそれぞれ今の会社を選ばれたわけですが、志望理由についても教えてください! |
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知名度の高さに惹かれましたね!地元で社名を言えば、誰もが知っている。地元に根づいている企業ならではの強みが志望理由でした。 |
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人と接する仕事がしたいと思っていましたが、山陰合同銀行に興味を持ったきっかけは、地元での知名度が高かったからです。神戸で開催された合同企業説明会にも参加してみましたが、正直どこもピンと来なくて……。でも、山陰合同銀行で働く先輩の話を聞いた時は、働くイメージがすごくわきました。それから絶対に入行したいと思うようになりました! |
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遠藤さんは神戸で暮らしながら「地元就職」を目指されたわけですが、就職活動で大変だったことはありますか? |
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特に情報収集に苦労しましたね。「マイナビ」をはじめとした新卒採用サイトや、島根県の就活イベントや企業情報などが集まる「ジョブカフェしまね」のサイトを活用しながら企業研究を進めていきました! あと、当時はオンライン面接が中心でしたので、オンライン映えするメイクの仕方やカメラ・ライトの使い方を工夫するのも大変でした(笑) |
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「ジョブカフェしまね」のような地元企業の情報をわかりやすく集約しているサイトは、県外に進学した学生にとって心強いでしょうね。 鍛治さんは、地元だからできた就職活動は何かありましたか? |
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地元だからというのはあまり思いつきませんが、3年生の年末に県内最大級の業界研究イベント「しまねジャンボ企業博」に参加できたのは良かったですね!大学のキャリアセンターに紹介されて参加したのですが、県内さまざまな業種の企業が一堂に会しており、視野が広がりました。 |
地域から必要とされているのが嬉しい!「地元就職」して良かったことは?
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「地元就職」をしてみて、実際どんなところが良かったですか? |
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一度親元を離れていたからこそ、地元に戻って改めて親のありがたみを感じることができました!入社して間もない時期は、やはり経済的にも助かりましたし。それと、周りには「地元就職」している友だちがいっぱいいるので、休みの日に一緒に過ごせるのも良いですね! |
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家族だけでなく、地域からも必要とされているのを感じられるのが、働くやりがいにつながっています! |
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それはありますよね!私も「よく帰って来たね」と地域の皆さまに喜んでいただけるのが、すごく嬉しくて! |
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地元を離れる選択肢が増えている中で、地元で就職する選択をすると周囲に喜ばれたり大切にされたりする傾向はあるかもしれませんね。 反対に、想像と違ったギャップはありましたか? |
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もう少し交通の便が良いと思っていました。神戸と比較してしまうからだと思いますが、車がないと、不便ではありますね。 |
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仕事でさまざまな地域の人と接するようになって知りましたが、一括りに島根といってもエリアごとに特色があるのは驚きでした! 例えば、私が生まれ育った江津市がある西部の人たちは思ったことをはっきりと言われる方が多いイメージですが、松江市内の人たちはオブラートに包んで伝える印象です。おもしろい発見でした! |
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こういった地域の実情は、就職する前に知っておいたほうが良いですよね!意外な盲点のひとつが「味覚」です。その土地の食べ物が合わないと、暮らしていくのはしんどいものがありますから。今はIターンも人気が高まってきていますが、働きたい場所があるなら、まずは旅行に出かけてみて五感で体感してみるのが良いでしょう。 ちなみに、おすすめの島根の郷土料理はありますか? |
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おすすめは「赤てん」という練り物ですね!練り物に赤い色をつけ、ピリ辛味に仕上げた独特な蒲鉾を揚げた一品で、サクサクとした食感が特徴です。少し炙ってからマヨネーズをつけたり七味をかけたりして食べるのが定番なんですよ! |
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我が家では「しじみの味噌汁」をよく飲んでいます!宍道湖でとれる大粒のヤマトシジミは、国内トップレベルの漁獲量を誇っていて全国的にも有名です。島根の郷土料理には、落ち着く味が多いですよ! |
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どちらも食べてみたいです!では最後に「地元就職」するかどうか迷っている方に向けてメッセージをお願いいたします! |
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地方には、都会にあるものがなかったりしますが、その分、自然が豊かで自分が自分らしくいられる穏やかな環境が整っています!島根は人が温かく、帰って来れば町を挙げて喜んでもらえると言っても過言ではありません。やりたい仕事をしながら自分らしく働いている人がたくさんいるので、迷った結果「地元就職」を選んだとしても後悔はしないと思います!私自身も全く後悔はしていません! |
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私は進学を機に島根を出ましたが、帰ってきて地元の良さがよりわかった気がします!県外就職と悩んでいても、「地元もいいな」という気持ちが少しでもあるのであれば、家族や友だちといった味方が多い地元に就職し、そこで成長しながら長期的なキャリアを考えるのも良いのではないでしょうか。 |
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マイナビの調査でも、最初に勤めた会社で定年まで働き続きたいと考える学生は2割ほどに留まっていて、大半は「わからない」と回答しました。人生は選択の連続といわれますが、いわゆる「人生100年時代」に突入し、キャリア形成に関することはもちろん、選択の機会が劇的に増えているのは明白です。 重要な選択をする際、心細い孤独な状況より、地元のような安心感のある場所のほうが前向きな判断を下せるのは間違いないでしょう。お二人のお話を聞き、「地元就職」のメリットはこれからますます際立っていくように感じました! |
2月12日にマイナビTVライブ「島根を考える日」開催!ぜひご参加を!
今回のインタビューを通して浮き彫りになったのは「地元就職」の安心感。何が起こるかわからない予測不可能な時代でありながら、能動的にキャリアを選択し続けなければならない今、家族や友だちなど信頼できる人たちが近くにいる地元なら、精神的なゆとりを持って前向きに物事を判断できそうです。
とはいえ、地元で働くか、都会で働くかは、地方出身の学生にとって大きな問題。そう簡単に答えを出せるものでもないでしょう。
2025年2月12日に開催されるマイナビTVライブ「島根を考える日」では、高橋編集長と地元就職者6名によるパネルディスカッションが実施されます。「地元就職」や「Uターン・Iターン就職」を検討されている方は、ぜひご参加ください。
2/12オンライン開催!
「島根を考える日」
に関して詳しくはこちら
また3/3(月)には、島根県内就職希望者を対象とした合同企業説明会「しまね企業ガイダンス」を開催予定!くにびきメッセにて、島根県内の企業約200社が出展参加します。2/12(水)の「島根を考える日」で、島根県の企業に興味を持った方は、対面で話ができるこのイベントにぜひご参加くださいませ。