成長意欲のある医師や看護師が働く社会医療法人杏嶺会 一宮西病院(愛知県一宮市)が、研修医の間でも注目されています。「2023年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」では、定員11名のところ27名の応募がありました。
同院は、どうして全国の医師や看護師など医療従事者から注目を集めているのでしょうか?今回、「マイナビDOCTOR」や「マイナビ看護師」「マイナビ Resident」など医療従事者向けサービスを提供する株式会社マイナビ メディカル事業本部の臼井悟(以下、臼井)が、一宮西病院 事務長の前田昌亮さん(以下、前田さん)を直撃。採用戦略や働きやすい職場づくりの秘密に迫ります。
営業・人事本部長 兼 一宮西病院 事務長
前田昌亮さん(左)
株式会社マイナビ
メディカル事業本部 統括部長
臼井悟(右)
“地域の声”を吸い上げ、医師を自前採用。一宮西病院の攻めの採用戦略
白井:本日は、よろしくお願いいたします。まずは現在の採用状況について教えてください。
前田さん:2023年7月に地上11階・延べ床面積約3.6万平方メートルの新棟を建築し、ベッド数を497床から801床に拡大しました。現在、約2,400名の職員が在籍しており、ほぼすべての医療分野をカバーできるだけの人員が揃っている状況です。ただ、医師においては負担軽減を目指すために救急科や常勤医師数が少ない科で常時リクルートをしています。また、一宮・尾張西部地域の患者さまのご要望にお応えするかたちで新たな診療科を設ける際に新規採用することはあります。
白井:特に後者は、貴院らしい攻めの採用戦略といえますね。
前田さん:当院は医局人事に頼らず、医師を自前で採用し、自由闊達な組織を作り上げてきました。それは、これからも変わりません。
白井:地域にとって必要な医師を採用されてきていますが、どのようにして“地域の声”を吸い上げているのでしょうか?
前田さん:当院にも、地域の診療所やクリニックと連携して地域医療を実現する「地域医療連携室」がありますが、所属する職員はマーケットリサーチャーであり、サービスデベロッパーという位置づけです。診療所やクリニックに対してヒアリングを徹底し、地域の課題が見つかれば、それを解消する医療サービスを構築するようにしています。
白井:だから貴院は、患者さま目線で多角的に医療サービスを提供することができるのですね。ちなみに看護師についてはいかがでしょうか? 看護師不足で困っている病院もありますが。
前田さん:当院では、看護師もほぼ充足しています。来年4月に約80名が新卒入職する予定で、今では毎年の新卒採用で賄えるようになりました。補充のための中途採用は多くても10名ほどで済みそうですが、これは離職率が大幅に下がって平準化したことで、必要な人員数を見通せるようになったことが要因です。定着率が高い傾向にある新卒採用が軌道に乗り、好循環に入っています。
医療事務スタッフが組織運営を主導し、医師や看護師が働きやすい職場づくりに貢献!
白井:医師や看護師を含め、職員の離職率が下がったのは、なぜなのでしょうか?
前田さん:共通していえるのは、管理および教育体制を整えたからだと考えています。医師というのは職人気質のため、人を管理するのが不得手です。そこで当院では医療事務スタッフを2名配置し、彼らに医師のマネジメントを任せています。
白井:医療事務スタッフはどのようなポジションに当たるのですか?
前田さん:主に部長や他職種との懸け橋となる“コミュニケーションの潤滑油”を担っていますが、教育責任者と共に教育プログラムまで立案するなど、より良い教育環境の整備にも一役買っています。一方、看護師については、院内にキャリアセンターを立ち上げました。新卒・中途・管理職と、それぞれの教育フェイズで専任者を設置し、教育プログラムを実施しています。
白井:医師や看護師にとっては、患者さまに対する治療・ケアや自身のスキルアップに専念できるのはありがたいでしょうね。
前田さん:医療事務スタッフの配置を病院全体に広げているところです。今では外来や救急、手術室やカテーテル室など、複数の職種が横断的に働きかつ重要性の高い場所には必ず配置し、医療の安全性と経営効率を両立する視点でマネジメントしてもらっています。
白井:医療事務スタッフが果たす役割は大きいのですね。これまでの一般的なイメージとは違い、驚きです。
前田さん:医療事務スタッフがマネジメントを手がけるようになってから、あらゆる問題がクリアになり、速やかに対策を打てるようになりました。無駄のない筋肉質な組織となり、医師や看護師など医療従事者の働きやすさにもつながっているのは間違いないでしょう。
白井:働きやすさが認知されているのは、「2023年度 医師臨床研修マッチング 中間公表」の結果にも表れているかと思います。具体的には、どのあたりが若い医師に支持されていると感じますか?
前田さん:どの診療科にも一線級の医師がいることがひとつでしょうね。自前採用を通じ、エネルギッシュでユニークな医師をリクルートしてきましたので、そんな先生のもとで教育を受けられるというのが魅力的に映っているようです。そして、当院が成長期にあるのも注目されている理由なのではないでしょうか。新病棟が完成したり、手術室が増室したりと、成長が目に見えてわかる当院は保守的と思われがちな医療業界において異質であるため、期待感を抱いてもらっているのかもしれません。もちろん症例数も増加しており、年間1万件のペースで推移しています。
白井:「伸びている組織で自分自身も成長していきたい」という向上心が強い方が、貴院で働きたいと思うのかもしれませんね。
前田さん:医療機関においても「働きやすい環境が整っているのか」「どういう教育を受けられるのか」という点が、働く先を探すポイントとして重要視されています。そのため当院は、職員の数を十分に確保したり、職種に合わせた教育プログラムを用意したりしているわけです。こういった情報をしっかりと開示し、若い方々に届けているからこそ、医師のみならず看護師や他職種もスムーズに採用できているのではないかと自負しています。
病院の常識を覆す採用戦略と組織運営で、医師や看護師の挑戦を後押し!
白井:実際、最近採用した方々からは、どのような声が聞かれますか?
前田さん:「最先端の医療について教育者と一緒に学べて嬉しい」との声が医師からは多いですね。挑戦したいことを応援してくれる環境が求められているのだと感じます。それは看護師についても同様です。
白井:最後に、貴院に関心を寄せている方々にメッセージをお願いいたします。
前田さん:私としては、仕事を通じて実現したい欲求を明確に持っている方に来ていただきたいですね。「たくさんの患者さまを救いたい」「医療技術を高めたい」など、何でも構いません。当院の病院長は「職員の挑戦を後押ししたい」との考えですので、その想いに沿えるように医療事務スタッフ一丸となってサポートしていく所存です。
今回の対談で明らかになったのは、いわば病院の常識を覆す採用戦略と組織運営でした。一宮西病院が発展を遂げている背景には、技術を高めて患者を救うという医療の本質にとことん向き合える仕掛けの数々があったのです。
実現したい欲求を叶えられる。そんな病院は、医師や看護師など医療従事者にとって理想の職場といえるのかもしれません。
一宮西病院では、医師、看護師をはじめスタッフを募集中。関心のある方は、一度チェックしてみてはいかがでしょう?
[PR]提供:社会医療法人杏嶺会