画像処理装置である「GPU(グラフィックカード)」。ゲームはもちろん、近年では画像、動画編集などクリエイティブ系のアプリにおいてもその性能は重要になっている。さらに、AIでおいての活用も進んでおり、そのすべてを快適にこなせるのがNVIDIA最新世代のGPU「GeForce RTX 40シリーズ」だ。ここでは、GeForce RTX 40シリーズを使うことで何ができて、何が快適かつ便利になるのか紹介しよう。

GeForce RTX 40シリーズのここがスゴイ!

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  • ゲームだけではなく、AI処理も高速なGeForce RTX 40シリーズ

デスクトップPC、ノートPCで多数のグレードを展開

GeForce RTX 40シリーズは、デスクトップPC向け、ノートPC向けの両方がラインアップされているNVIDIAの最新世代GPUだ。優れたゲーミング性能を持っているだけではなく、AIの処理にも強いのが大きな特徴。「AIって話題だけど何が便利なの? どう活用するの?」と思っている人もいるだろう。NVIDIAでは、GeForce RTX 40 シリーズとAIを活用したWindows向けのアプリを複数公開しており、すぐにその利便性を試すことができる。

なお、GeForce RTX 40シリーズはデスクトップ向けとしてGeForce RTX 4090/4080 SUPER/4080/4070 Ti SUPER/4070 Ti/4070 SUPER/4070/4060 Ti/4060、ノートPC向けとしてGeForce RTX 4090 Laptop GPU/RTX 4080 Laptop GPU/RTX 4070 Laptop GPU/RTX 4060 Laptop GPU/RTX 4050 Laptop GPUがラインナップ。数字が大きい上位グレードほど、ゲームがより高画質かつ高解像度で快適にプレイでき、AI処理も高速になる。

  • GeForce RTX 40シリーズは、デスクトップ向けとノートPC向けの両方で複数のグレードを展開。予算や目的に合わせて選べるようになっている

ここでは、デスクトップ向けのGeForce RTX 4060 を使ってGeForce RTX 40シリーズだからこそ活用できるAIアプリを紹介していこう。もちろん、ノートPC向けのものでも同じように利用可能だ。

なお、GeForce RTX 40シリーズを活用できるアプリ類の多くは、11月12日に正式公開されたビデオカード設定ユーティリティ「NVIDIAアプリ」からダウンロードできるようになっている。気になる人は導入してほしい。

  • 「NVIDIAアプリ」からGeForce RTX 40シリーズを活用したAI系のアプリを手軽に導入できる

 

Web会議で非常に便利な「NVIDIA Broadcast」

非常に分かりやすく、実用的なのが「NVIDIA Broadcast」だ。これは、Web会議やライブ配信向けのアプリで、AI処理によってマイク入力に対してキーボード音といった雑音や室内の反響音軽減できるのをはじめ、カメラの映像に対して背景のぼかしや変更、削除、自分が中央になるよう自動的にクロップとズームを行う「オートフレーミング」などが利用できる。

最近では、仕事でも学業でもWeb会議の機会が増えており、雑音を軽減したり、背景を別の画像などにサラッと変えられるのは便利だ。GPUで処理するので、CPUに負荷をかけず利用できるのもポイントといえる。

  • 「NVIDIA Broadcast」は、マイク向けとしてキーボードの打鍵音といったノイズを消せる「ノイズ除去」、部屋の反響音を軽減できる「ルームエコー除去」といったエフェクトを用意している

  • カメラ向けとしては背景のぼかし、交換、除去、自分を自動的に中央にするオートフレーミングなどをエフェクトとして用意。複数のエフェクトを同時利用も可能だ

NVIDIA Broadcastは、今回のGeForce RTX 40シリーズを含む、GeForce RTX シリーズで利用可能。

 

映像の高画質化が楽しい「RTX Video」

「RTX Video」は、低解像度の映像を高解像度化できる「RTX Video Super Resolution」、HDR非対応のコンテンツでもHDR化できる「RTX Video HDR」で構成されている。RTX Video Super Resolutionは、例えばフルHDの映像からブロックノイズなどを除去して4K解像度に変換といった超解像度化ができるというもの。Google Chrome や Microsoft Edge、Mozilla FirefoxなどChromium ベースのブラウザ、またはVLC media player RTX branchで再生している映像に対して有効だ。

YouTubeなど動画配信サービスの映像コンテンツをより高画質で見られる技術といえる。VLC media player RTX branchを使えば、普通の動画ファイルに対しても高解像度化が可能だ。古い動画をより美しく見たいといった使い方もよいだろう。

実際にフルHDの動画を4Kに変換してみたが、荒さが消えてかなりくっきりとした映像になった。4Kなど高解像度のモニターを使っているなら、ぜひ試してほしい。

また、RTX Video HDRはHDR非対応の映像やゲームに対してHDRを有効化するというもの。より明暗を強調した映像が楽しめるようになる。当然といえるが、利用にはHDR対応のモニターが必要だ。ちなみに、RTX Video Super ResolutionとRTX Video HDRは同時利用も可能になっている。

設定方法だが、RTX Videoは「NVIDIAアプリ」に実装されている。「システム」メニューの「ビデオ」という項目に用意されており、RTX Video Super Resolutionはそのまま「 Video Super Resolution」をオンにすれば有効化、RTX Video HDRは「高ダイナミックレンジ」をオンにすれば有効化される。これだけでブラウザ側で再生される映像が高画質化されるようになる。

  • 「RTX Video」は、NVIDIAアプリの左から「システム」を選び、上部の「ビデオ」をクリックすると設定が行える

  • Video Super Resolutionの設定。オンを選択し、クオリティはGPU性能に合わせて調整する自動でよい。映像に対して高解像度化が適用されているとステータスが「アクティブ」になるのでわかりやすい

  • RTX Video HDRの設定。まずはWindows側のHDRをオンする。すると、こちらもオンの選択が可能だ。明るさやコントラストなどの微調整も行える。こちらも適用時にはステータスが「アクティブ」になる

なお、RTX Videoは、NVIDIA GeForce RTX 30/40シリーズが対応している。

 

シンプルな線や色から美しい風景画を作る「NVIDIA Canvas」

ざっくりした線や配色からAIによって実写のような風景画を作るのが「NVIDIA Canvas」だ。Cloud、Hill、Mountain、Forestなど20種類のMaterialsが用意されており、例えばCloudを選んで、キャンバスに適当に円を描くだけでリアルな雲に仕上げてくれる。また、夕日や夜など雰囲気を変えるスタイルも9種類用意されており、雄大な山脈、広い丘、さわやかな浜辺などお手軽に作り出せるのが楽しいアプリだ。PNGとPSD形式で書き出しも可能なので、本格的な編集の素材としても利用できる。

  • キャンバスは左右にわかれており、左側にざっくり描いたものが右側にリアルな風景画として変換される

なお、NVIDIA CanvasはNVIDIA GeForce RTXシリーズが対応と比較的幅広い。

 

ローカルで動作するAIチャットボット「ChatRTX」

ローカル環境でAIチャットボットを利用できるのが「ChatRTX」だ。クラウド経由ではなく、ローカル上で動作するため高速な回答を実現しているのが強み。デフォルトのAI Modelである「Mistral 7B int4」は日本語のやりとりはあまり得意ではないが、AIによるチャットを手軽に楽しめる。技術デモとして提供されているものなので、お試しで使ってみるのもよいだろう。マイクを使った音声入力でチャットボットと対話も可能だ。

  • AIチャットボットの「ChatRTX」

対応するGPUは、GeForce RTX 30/40シリーズおよびNVIDIA RTX Ampere/Ada世代だ。

 

対応ゲームで絶大な効果あり! 描画負荷軽減技術の「DLSS 3」

NVIDIAでは、AIを活用したゲームの描画負荷軽減技術として独自の「DLSS」を展開している。これは、低解像度の画像から高解像度の画像を出力することで、GPUの負荷を軽減してゲームをより滑らかに描画できるようにする技術だ。DLSS Super Resolutionとも呼ばれている。そこに、AIによるフレーム生成まで加えたのが「DLSS 3」だ。これはGeForce RTX 40 シリーズだけで使えるスペシャルな技術で、DLSSフレーム生成(Frame Generation) とも呼ばれ、DLSS Super Resolutionと組み合わせることで、ゲームのフレームレート(1秒間に表示できる枚数)を飛躍的に向上できる。

ゲーム側の対応も必要となるが、DLSS 3によって描画負荷の非常に高い美しい画質のゲームもより快適にプレイできる。また、リアルな光の反射を実現するレイトレーシングのレイ再構成(Ray Reconstruction) することで画質を向上させる「DLSS 3.5」という技術も存在している。

DLSS 3は従来からのアップスケール技術に加え、フレーム生成を追加することでフレームレートの大幅な向上を実現している

DLSSフレーム再構成およびDLSS 3.5はすべてのGeForce RTXシリーズが対応、DLSS Frame GenerationはGeForce RTX 40シリーズだけが対応する。

 

AIによる画像生成が圧倒的に高速

Stable Diffusionをはじめとする、ローカルで動作する画像生成AIはGPUを利用するのが主流となっている。並列処理を得意とするGPUは画像生成のAIと相性がよいためだ。さらに、GeForceシリーズに最適化されたCUDAプラットフォームを利用しているものが多く、GeForce RTX 40シリーズ、そのなかでも12GB以上のVRAMを搭載している上位モデルでは高速に画像を生成できる。AIによる画像生成を使うなら、注目しておきたい。

  • GeForce RTX 40シリーズはAIによる画像生成を高速に行える

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GeForce RTX 4060とGeForce RTX 4090では速度がどこまで違う?

ここまでは、GeForce RTX 40シリーズを活用できるアプリを紹介してきたが、同シリーズはいくつかラインナップがあるため、選ぶのに悩む人もいるだろう。そこでデスクトップPC向けでは一番下位となるGeForce RTX シリーズ のRTX 4060と最上位のRTX 4090では、どれほど処理性能に違いがあるのか紹介しておこう。軽くスペックに触れておくと、RTX 4060はGPU内のコアであるCUDAコア数が3,072基、VRAMはGDDR6が8GBだ。RTX 4090はCUDAコア数が16,384基、VRAMはGDDR6Xが24GBだ。数字だけ見ても大きな差があるのがわかる。

テストに使用したのはCPUにCore i9-14900K、メモリにDDR5-5600を32GB(16GB×2)を搭載する自作マシンだ。

まずは、AI画像生成の速度を比較してみよう。テストにはUL ProcyonのAI Image Generation Benchmarkを使用した。Stable Diffusion 1.5を利用して画像生成を実行し、それをスコア化する。

RTX 4090のほうが5倍以上のスコアを出した。RTX 4060は1枚画像生成するのに5.317秒かかっているが、RTX 4090はわずか1.041秒だ。大量に生成して好みのものを見つける、といった作業をするときに圧倒的な時間差が出ることになる。

次に、DLSSを利用したゲーミング性能を見てみよう。テストには3DMarkのNVIDIA DLSS feature testを使用した。DLSSのバージョンはDLSS 3、DLSSの出力解像度は4K、Super ResolutionはPerformanceに設定している。

RTX 4060はDLSSオフで3.35fps、DLSSオンで48.53fpsとDLSS 3の威力がいかにすごいのかわかる結果だ。RTX 4090はDLSSオフでも57.7fpsと基本性能の違いを見せつけている。DLSSオンだと175.72fpsと3倍以上アップした。ゲーミング性能でも圧倒的な差があるのがわかる。

誤解がないように触れておくが、GeForce RTX 40シリーズ自体が最新GPUとあって、歴代シリーズと比較してもかなりの高性能なので、どれを選んでも間違いなく快適な作業環境を構築してくれるだろう。また上記で紹介した通り、GeForce RTX 4060でもどのAIアプリも問題なく活用できる。そのうえで、最上位のRTX 4090はさらなる高性能さを求める人やお金は惜しまず性能に妥協したくない人にとって、最適解となるはずだ。

ゲームもAIも強力なGeForce RTX 40シリーズ

GeForce RTX 40シリーズは、ゲーミング向けのGPUではあるが、AIの処理にも強いこともあって、AI系のアプリも充実している。NVIDIA Broadcastなら、音声ノイズを少なく、背景も気にせずビデオ会議を行える、RTX Videoなら低解像度の動画もより鮮明に美しく楽しめる、AIを使った画像生成を試せるなど、仕事もプライベートも充実させられる。これから増えていくであろうAI系アプリを高速に動作させられるGeForce RTX 40シリーズは、ゲーマーはもちろん、多くの人が導入しておいて間違いのないGPUだ。

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