「企業は人なり」という格言があるように、会社は社員がいてこそ成り立ちます。社員が心身ともに健康であり続けることは、会社の経営にとっても重要なことです。

そうした考え方から昨今、注目を集めているのが「健康経営®」です。今回は健康経営に取り組む3社をお招きして座談会を実施。なぜ健康経営を始めたのか、どのような施策を行っているのか、どんな効果が出ているのかなど健康経営に関するお話を聞きました。

「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

座談会参加者

東洋警備保障株式会社 代表取締役 宮本 一八さん
創業から40年以上、徳島県に根ざして事業を行ってきた警備会社。最新テクノロジーと人の力を融合させたサービスを提供している。

サーティーフォー交通株式会社 代表取締役社長 唐橋 二之さん
サーティーフォーグループのタクシー会社として2019年に設立。神奈川県相模原市を中心に事業を展開しており、売上、ドライバー数とも右肩上がりに成長している。

株式会社斉藤総業 専務取締役 中尾 美紀さん
千葉県船橋市エリアを中心に事業を展開。土木に関する幅広い公共事業をはじめ、少額の修繕工事から自然災害時の近隣エリアの緊急対応まで取り組んでいる。

そもそも健康経営とは?

健康経営とは、「社員が健康であることは会社にとって重要である」という考え方をもとに、会社として社員の健康維持に取り組む経営戦略です。従来、健康は会社がサポートするものではなく、社員自身がそれぞれで取り組む個人的なものと考えられていました。しかし、その結果社員が体調を崩してしまうと、十分なパフォーマンスが出せなくなったり、離職につながってしまったりする恐れもあります。

そこで、会社として様々な施策や制度づくりに投資を行い、社員の健康維持をサポートしていこうという健康経営の考え方が生まれてきたのです。また、経済産業省が特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」を設立するなど、官民が連携して健康経営を推し進める動きが始まっています。

健康経営を考え始めたきっかけは?

― まずは皆様が健康経営について考え始めるようになったきっかけを教えてください。

4年ほど前になりますが、私自身が慢性的な腰痛を患ったことがきっかけです。そのときに痛感したのが健康の大切さ。もし私のように社員が健康を損なってしまったら、下手をすれば会社も立ち行かなくなります。そのときはまだ健康経営という言葉自体も知らなかったのですが、社員の健康について真剣に考えるようになりました。


もともと親会社が社員の健康を重視した経営に取り組んでいたこともあり、会社設立時から関心を持っていました。タクシードライバーは仕事で長時間座りっぱなしになりますし、元来お酒が好きだったり不摂生だったりする人も多いので、健康は特に重要です。


当社が健康経営に取り組むようになったのは2016年頃のことです。当時、長時間労働が原因で起きた出来事がニュースになり、私自身とても大きな衝撃を受けて、当社も他人事ではないと危機感を抱きました。そこから働き方改革の取り組みをスタートし、社員の健康について考えるようになりました。


― 健康経営に取り組む際、どのように情報を収集されたのでしょうか。

健康経営という言葉を知ったのは、大塚製薬の担当の方とのやりとりでした。その中で知ったのが、大塚製薬さんが展開されている「健康社長」ですね。そこで健康経営に関するセミナーの情報だとか、健康情報とか、おすすめの製品などを知ることができました。


弊社も同じく、大塚製薬さんにご尽力いただきました。もうおんぶにだっこ状態でサポートいただいて、セミナーを開催していただいたり、当社にとって一番の課題である女性の健康についても情報やアドバイスをいただいたりしました。


当社は7年前から取り組みを進めていることもあり、今では健康経営優良法人認定制度の中小規模法人部門ブライト500*の認定をいただくまでになりました。ですが、最初は何から始めていいのかわからず、働き方改革につながりそうな社会保険労務士、元労働基準監督署の職員、弁護士の方が講師をされているセミナーや展示会に参加して、情報収集をしました。


*健康経営優良法人に認定された中小規模法人部門の上位500法人のこと

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― 実際にどのような健康経営の施策を導入されているのでしょうか。

健康経営という言葉を知る以前からの取り組みとして、弊社ではオフィスにスポーツジムを併設しています。というのも、申し上げたように私自身が腰痛に悩まされていたのですが、筋トレをすることで症状が改善したからです。そこからトレーニングに夢中になり、気づくとボディメイクの大会に出場して上位入賞するまでになりました。そうした健康美をぜひ社員にも勧めたい、運動習慣をつけてもらいたいということでジムを建設しました。


  • 会社内に設置されたジムの様子(東洋警備保障株式会社)

ほかにも、インフルエンザの予防接種の推進や、メンタルヘルスケアなどの実施も行っています。また、スポーツイベントに会社として参加するなど積極的に運動習慣をつける取り組みを行っています。


タクシードライバーの多くはノルマがあるため、働かなければ収入が減ってしまうと考えがちであり、結果的にドライバーの働きすぎを招く一因になっています。当社ではそうしたタクシー業界の仕組みを改善するため、固定給を設けています。その上で、残業代は1分単位で完全支給し、売上に応じて歩合で収入が上がっていく仕組みです。これにより、長時間労働の抑制につながると考えています。


  • 女性の健康に関するセミナーを開催(サーティーフォー交通株式会社)

また、毎月安全研修会を開催しており、大塚製薬さんにご協力いただいて、健康に関する話題を取り上げるセミナーを実施したりしています。さらに産業医にいつでも相談できるような環境づくりも行っています。


当社は長く健康経営に取り組んできたので、施策も多岐にわたります。たとえば、メンタルヘルス対策として、当社には法的義務はありませんが、毎年ストレスチェックを実施しています。また、残業時間の削減を目的に社内のDX化を進めており、スマホ対応の勤怠管理システムや、様々な手続きが一元管理できる原価管理システム等を導入して、業務の効率化を積極的に取り組んでいます。


  • 欠食対策のために朝食を常備(株式会社斉藤総業)

その他の取り組みとしては、インフルエンザ等の予防接種の費用負担や私傷病で社員が入院する際の入院費を一部負担できる保険に加入しています。また、ラジオ体操やオンラインウォーキングイベントへの参加等、体を動かす習慣をつける取り組みも行っています。特に反響が大きかったのは、朝食欠食対策ですね。朝食を抜くことがいかに良くないことなのかを社員に向けて発信し、朝食欠食対策として、事務所や置場に冷凍庫を設置して手軽に片手で食べられるものから、体に良い素材を使っている冷凍食品を常備するなどの取り組みを行っています。


― 取り組みの中で「健康社長」をどのように活用されているでしょうか。

他社さんの取り組みについて学ばせていただいています。今後は健康社長で得た情報をもとにさらに健康経営を進め、ブライト500を目指したいと思っています。


コラムや事例などがたくさん載っていて、特に他社さんの事例は非常に参考になります。今までは産業医に質問していたことも、まずは健康社長でチェックして解決するようになりました。健康社長を通して他社さんとも交流させていただき、積極的に意見交換していけたらいいなと思っております。


コンテンツや記事を取り組みの参考にさせていただいています。健康経営についてこれだけまとまっている場があるというのは、私にとってもありがたいです。また、「健康社長」を通じて、当社と同じように考えて、健康経営に取り組んでいる会社がたくさんあることがわかってとても嬉しく思っています。


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健康経営が社員の健康意識を変化させ、働き方の改善につながる

― ジムの併設やセミナーの実施、DXによる業務効率化など、様々な取り組みを行っていますが、どのような効果が表れているでしょうか。

ジムを併設した結果、就業後に毎日のように顔を出してトレーニングする社員がたくさん出てきました。また、私と同じようにボディメイクに熱中して、一緒に大会に臨む社員も増えています。健康美をつくるためには食べ物も重要ですから、自然と健康への意識も高まります。


大きな成果としては、社員の健康管理に対する意識の改善です。アンケート調査を行ったところ、自身の健康管理に対して考えて行動している人が66%から77%まで向上したり、中尾さんのお話にもあった朝食欠食者も減少したりしています。また、女性の健康に対する理解が増した社員の割合も増加しました。運動やトレーニングを始める社員も増えていますし、意識改革はかなり進んできたと感じています。


以前は平均30時間ほどだった残業時間が、今では5.4時間まで減少しました。また、有休休暇も毎月取るように進めているので、有休消化率も向上しています。DX化を進めたことで業務効率も上がり、若手社員から、「社長! この現場で20%利益出したら金一封出してもらえますか?」など前向きな意見も出ています。


― 最後に今後の展望について教えてください。

警備会社の事業特性から考えても、社員の健康維持は非常に重要です。今後は事業の幅を広げてフィットネス事業も立ち上げようと考えています。


社内の環境をさらに改善していきたいですね。宮本さんのお話に刺激を受けたので、うちでも空いている部屋をフィットネススペースにしてみたいです。


建設業は、あまり労働環境が良いイメージがないので、若い人が少なく高齢化が進んでいます。今後は、健康経営を通じて建設業のイメージを改善し、若い人が入りやすい業界を目指したいと思います。


* * * 

健康経営に取り組む3社の座談会を通して見えてきたのは、健康経営が会社に良い影響をもたらし、社員の定着や従業員満足度の向上、さらに事業の拡大につながる可能性も秘めているということでした。とはいえ、これから健康経営に取り組む場合、どんな施策を始めればいいのかわからないという方も多いでしょう。

そこで役立つのが、健康経営に関する情報交換や他社との交流が可能な「健康社長」です。健康経営を志す経営者や健康経営担当者にお勧めする無料の健康経営コミュニティサイトで。今回の3社も健康社長を活用しており、多くの情報を得て自社の取り組みに生かしています。

「健康社長」では、ご自身の「活き生き度」をチェックできたり、「健康経営レベル」の診断ができたり、更には毎月開催されている健康経営のイベントやセミナーにもご参加いただくことも可能です。加えて、健康経営の事例や健康づくりの最新情報等を記事や動画から学べると同時に、自社の健康経営にお役立ていただくことができます。9月にはメタバースイベントも開催し、健康経営に関する最新知見や先進的に取り組まれている企業・自治体等の活動事例を共有します。健康経営に取り組みたいと考えている企業の方は、まずは健康社長をのぞいてみませんか?

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INFORMATION

9月22日(金)・23日(土)
健康経営バーチャルイベント開催

9月22日(金)・23日(土)に第1回 健康経営バーチャルイベント by 健康社長を開催します。基調講演では、健康経営に関する最新情報や実践内容について、4名のスピーカーよりご講演をいただきます。

健康経営に興味をお持ちの学生様、社会人の皆様に大変お勧めのイベントです。今後の活動に是非お役立てください。

<開催日時>
Day 1 9月22日(金)10:00~17:00 @6Connex(仮想空間)
Day 2 9月23日(土)10:00~17:00 @6Connex(仮想空間)
※Day2の基調講演はアーカイブ配信になります。

<参加費>
無料

<募集人数>
2,000名(申込締切は9月14日(木)中/募集人数に到達次第、締切)

<応募条件>
健康社長への会員登録が必要です。

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