自然の恵みである大豆を使ったソイプロテイン。

いかにも体に良さそうですが……「男性はソイプロテインを絶対に飲まないほうがいい」なんて噂、みなさんも一度は聞いたことありますよね。

一体なぜそんな噂が広まっているのでしょうか? そして、本当なのでしょうか?

今回は研究データを基に、本当にソイプロテインが絶対ダメなのかを検証してみました。

ソイプロテインは絶対ダメと言われる4つの理由とは

ソイプロテインが絶対にダメと言われる理由ですが、大きく分けると以下4つの理由が挙げられます。

火の無いところに煙は立ちません。本当かどうかはさておき、まずはなぜダメと言われるのかをチェックしていきましょう。

1.ホルモンバランスが乱れて女性化してしまうから

ソイプロテインが絶対ダメと言われる一番の理由は、「ホルモンバランスが乱れるから」です。

なぜソイプロテインがホルモンに影響すると噂されるのでしょうか? それには、大豆に含まれるイソフラボンのはたらきが大きく関係しています。

イソフラボンはポリフェノールの一種。体内でエクオールに変換され、女性ホルモンの「エストロゲン」に似たはたらきをします。

そのため、男性がソイプロテインのような大豆製品を摂り過ぎると、女性ホルモン的な作用が強くなりすぎてしまい、体に悪影響が出ると言われているんです。

しかし我々は日常的に豆腐や納豆など、大豆製品を食生活に取り入れています。そしてイソフラボンは自然由来の成分なので作用は緩やかで、ただ大豆を食べただけでホルモンに悪い影響は出ません。

果たして噂は本当なのでしょうか……?

2.反栄養素が含まれているから

ソイプロテインが絶対ダメと言われる2つ目の理由は、「反栄養素」です。

反栄養素とは、ミネラルなど他の成分の吸収を妨げると確認されている栄養素のこと。主に植物が病気や虫から自分を守るためにつくり出す物質です。

そして、ソイプロテインの原料である大豆にも反栄養素であるフィチン酸塩やレクチン、シュウ酸など多くの反栄養素が含まれています。

特にフィチン酸塩は、男らしさの源であるテストステロンの合成に必要な亜鉛やマグネシウムといった栄養素の吸収を阻害する厄介ものなんです……※1

ただし反栄養素は少量であれば問題なく、さらに加工することで減らせます。つまり、納豆や豆腐、醤油などの大豆加工食品は反栄養素が少なめ。

しかし、ソイプロテインは他の大豆加工食品よりも反栄養素が多く残ってしまうため、「あまり身体によくないのでは?」と言われているようです。

※1引用元:Phytate in foods and significance for humans: food sources, intake, processing, bioavailability, protective role and analysis

3.吸収効率が悪いから

ソイプロテインが絶対ダメと言われる3つ目の理由は「吸収効率」の問題。

実は上で紹介した反栄養素の一つ、トリプシンインヒビターと呼ばれる物質が原因です。

トリプシンインヒビターは、体内に取り入れるとタンパク質の吸収効率を低下させてしまいます。

つまり、せっかく体に取り入れたタンパク質がしっかり吸収されずに排出されてしまうのです……。

他のプロテインと比較した時の実態はどうなのでしょうか? 気になる方はぜひ最後までご覧ください!

4.遺伝子組み換え大豆が含まれている可能性があるから

ソイプロテインがダメと言われる最後の理由は、遺伝子組み換え大豆の問題です。

遺伝子組み換え大豆とは、人の手で遺伝子が組み替えられた大豆のこと。病気や寒さに強い遺伝子を持たせると収穫量が増えるなどのメリットがあるため、世界中で広く栽培されています。

しかし、遺伝子組み換え大豆には2つのリスクが……。

1つ目は農薬や除草剤に対する耐性がつくため、より多くの薬剤が使われてしまう点。

2つ目は近代の技術でまだ十分に研究されていないため、安全性が科学的に証明されていない点です。

実際のところ、日本では遺伝子組み換え農作物を使った食品を販売する際、政府機関の審査を受けることが必須となっています※2

ただし遺伝子組み換え大豆の対策は簡単。「遺伝子組み換え不使用」と明言している国産プロテインを選べば解決です!

逆に海外製品は不透明な製品も多いので、避けたほうがよいでしょう。

※2引用元:遺伝子組換え食品の安全性に関する審査

本当にソイプロテインは絶対ダメ? データが示す5つの真実

紹介した4つの理由は、あくまで一般的に噂されていること。

ここからは研究データに基づいて本当にソイプロテインは絶対ダメなのかを検証していきましょう!

1.1日1杯までならホルモンバランスの問題はクリア

まずは男性がもっとも気になるホルモンバランスの乱れですが……1日1杯までなら全く問題ありません!

言い切れる理由は、イソフラボンの容量にあります。

実は41件の研究を分析してまとめた信頼性の高いデータから、大豆に含まれるイソフラボンは1日75mg以内なら男性ホルモンに対する悪影響はないと分かっているんです※3

では、ソイプロテインにはどのぐらいのイソフラボンが含まれているのでしょうか。国立健康・栄養研究所情報センターの行った分析によると、市販の大豆プロテインパウダー20gには23mg〜44mgのイソフラボンが入っているそうです※4

25g〜30gを1杯としているプロテインも多いので、最大で60mg程度摂取していると考えるべきでしょう。

そして農林水産省の発表するデータでは、日本人は日常的に食事で平均18mgのイソフラボンを摂取していると報告しています※5

つまり最大量で考えても、ソイプロテイン1杯なら日常的に飲んでも基準値を大きく上回ることはありません。(不安な場合は製造元に確認するかイソフラボンの量が明確なプロテインを利用しましょう。)

以上のデータから、ソイプロテインは1杯までなら全く問題ないため、「ホルモンバランスが乱れるから絶対ダメ」という噂は嘘と言えます。

※3引用元:Neither soy nor isoflavone intake affects male reproductive hormones: An expanded and updated meta-analysis of clinical studies
※4引用元:「健康食品」中の大豆たんぱく質および大豆イソフラボンの定量と表示に関する調査研究
※5引用元:農林水産省大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

2.大量に飲む人は他の植物プロテインも併用しよう

ただし……イソフラボンの量をオーバーしてしまう場合は話が別! 毎日2杯以上ソイプロテインを飲んでいる人は、イソフラボンがあまり入っていない他の植物プロテインを併用しましょう。

1杯までなら毎日飲んでも問題はありませんが、逆に大量に摂取した場合は明確に症状が出てしまうと症例で明らかになっているからです。

例えば、豆乳を毎日大量に飲みイソフラボンを360mg程摂取している男性に、女性化乳房の副作用が起きた例があります※6

また、普段から大豆を大量に摂取するヴィーガンの男性が、勃起不全の症状を発症したケースも……※7。検査の結果、テストステロンの数値が減少しており、大豆によってホルモンバランスが乱れたと分かっています。

上記は珍しい症例かつ、かなり大量に摂取したケースではありますが……ソイプロテインを1日に4杯も5杯も飲んでいたら、同じ問題が起こらない保証はありません。

したがって、ソイプロテインは1日1杯まで、それ以上飲むならソイ以外のプロテインを併用すべきなのです。

おすすめは、グリーンピースでお馴染みのエンドウ豆から作られるピープロテイン。ソイプロテインに近い感覚で摂取でき、なんとイソフラボンはほとんど含まれていません!

※6引用元:An unusual case of gynecomastia associated with soy product consumption
※7引用元:Hypogonadism and erectile dysfunction associated with soy product consumption

3.反栄養素はむしろ体に良い

ホルモンバランスの問題がクリアになったところで、次は反栄養素についてのお話です。

結論から言うと、反栄養素も適量をタイミング良く摂取すれば全く問題ありません。むしろ、反栄養素と呼ばれる物質は少量なら貴重な健康効果を発揮すると言われているぐらいなんです!

例えば……先ほどから出てくるイソフラボンも反栄養素の1種ですが、悪い効果だけではなく健康効果も確認されています。

国立健康・栄養研究所の試験では、イソフラボンの摂取が血中コレステロールを低下させると報告しました※8。その他、血糖値を正常に保つ機能も示唆されています※9

そして鉄や亜鉛、ミネラルの吸収を阻害してしまうと言われるフィチン酸ですが、これまた大きな問題はないと分かっているのです。

フィチン酸によるミネラルの吸収率に関する論文では、動物性のタンパク質も含むバランスの取れた食事をしている人は、豆類の摂取によりミネラル欠乏症になるリスクはないと結論付けられました※10

もちろん”適量”が前提とはなりますが、ソイプロテイン1杯程度ならほとんどリスクはないでしょう。

ここまで来ると、いったい誰が「ソイプロテインは絶対ダメ」なんて言い始めたのか疑問ですね……。

※8引用元:Soy isoflavones lower serum total and LDL cholesterol in humans: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials
※9引用元:Effects of soy isoflavones and genistein on glucose metabolism in perimenopausal and postmenopausal non-Asian women: a meta-analysis of randomized controlled trials
※10引用元:Bioavailability of minerals in legumes

4.吸収効率がホエイと比べて落ちるのは本当

ここでソイプロテイン派に悲報……。安全性に問題がないことは確認しましたが、「吸収効率が良いか?」は別問題です。

ソイプロテインの吸収率は、ホエイプロテインと比較するとどうしても低下してしまいます。

原因は、上でも紹介したタンパク質の吸収を阻害するトリプシンインヒビターです。

トリプシンインヒビターは、味噌や醤油などに加工をするとほぼゼロになると分かっているのですが、残念ながらソイプロテインには一定量が含まれています……。

実際にカナダで行われた調査では、ソイプロテインパウダー含む大豆飲料に生大豆の3%〜28%のトリプシンインヒビターが含まれているとわかりました※11

また、直接的なデータでも、大豆由来のタンパク質は乳タンパク質と比べて体内での利用率が低いと明らかになっているんです※12

もしかしたら吸収率の問題から、過激なトレーニーがソイプロテインは絶対ダメだと言い始めたのかもしれませんね……。

※11引用元:Trypsin inhibitor levels in soy-based infant formulas and commercial soy protein isolates and concentrates
※12引用元:吸収性に優れ,カラダ作りに最適な革新的乳タンパク質飲料の開発研究

5.しかしホエイとの組み合わせで相乗効果を生むかも……?

ソイプロテインが劣っているかのように聞こえたかもしれませんが、そう悪いことばかりではありませんよ。

研究によると、ホエイプロテインとソイプロテインを組み合わせることで相乗効果が得られる可能性が示唆されています!

マウスを使った研究では、ホエイプロテインだけを摂取したグループよりも、ホエイとソイを混ぜ合わせたプロテインを摂取させたほうが筋合成率が高い結果に※13!

つまり、人でもソイとホエイを両方飲んでいる人のほうが筋肉がつきやすいかもしれないんです!

むしろ、普段からホエイプロテインを摂取している人こそ、ソイプロテインにも注目すべきでしょう!

※13引用元:A soy, whey and caseinate blend extends postprandial skeletal muscle protein synthesis in rats

まとめ:「ソイプロテインは絶対ダメ」は嘘! 有効活用しよう!

ここまで「ソイプロテインは絶対ダメ」という噂について、データを基に徹底調査してきました。

結論として、適量であれば問題ないため過剰に気にする必要はないとよくわかりましたね!

さらには、下記のようにソイプロテインならではの大きなメリットがあるのもまた事実。

・乳製品アレルギーでも摂取できる
・消化吸収がゆっくりで腹持ちが良い
・ホエイプロテインとの組み合わせで相乗効果がある

ソイプロテインを検討しているあなたも、避けているホエイ派も、ぜひ毎日の栄養素としてソイプロテインを取り入れてみて下さい!

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