タレントのヒットの裏には、プロデューサーやマネージャーの存在が欠かせない。しかし、その重要度とは裏腹に、彼らの存在はあまり表には出てこない。そこで今回は、ぺこ&りゅうちぇる、くれいじーまぐねっと、大平修蔵、わたげなど、数々の人気タレントを世に輩出した芸能プロダクション「スターレイプロダクション」のオフィスを訪問。「Z世代 SNS トレンドグランプリ 2022」(※)のインフルエンサー部門で1位になったクリエイター集団「くれいじーまぐねっと」のプロデューサーである大城将さんに話を聞いた。(※)テテマーチ株式会社発表

  • 大城将さん

12時出勤、19時退勤。正月休みは2週間! 自由で働きやすい社内環境

「もともと東京で働いていたのですが、家庭の事情で地元・大阪に帰らなきゃいけなくなっちゃって。それからしばらくして再び上京し、さっそく職を探そうと転職サイトを見ていたんですけど、そこで最初に目に留まった求人案内がスターレイだったんですよ」

前職はまったく畑違いの業界で働いていた大城さん。再上京・再就職を機に、以前から興味のあったエンタメ業界に飛び込んだ。スターレイプロダクションに決めたのは完全に直感。「求人案内ページに有名な所属タレントの顔が載っていたので、そのまま応募しちゃいました」と照れ笑いを浮かべる。

「すぐに応募して、3〜4日後には早くも面接してもらったのですが、面接時間はわずか5分。ツイッターのフォロワー数を聞かれただけで終わりました(笑)。『絶対に落ちた……』と思いましたよ(笑)」

実は、スターレイプロダクションでは当時、ライブ配信サービス「SHOWROOM」に力を入れようとしていた矢先で、SNSに強い社員を求めていたのだとか。大城さんのツイッターには約2,500人ものフォロワーがいて、その数の多さも評価対象となったようだ。スターレイプロダクションの社員数は現在22名。自主性や積極性が尊重されやすい会社だと大城さんは言う。また、働き方や制度も特徴的で、勤務時間帯は12時〜19時。休憩を差し引けば、1日あたりの労働時間は6時間15分となっている。もともと10時出勤だったそうだが、コロナ禍の満員電車を避けるために出退勤の時間を変更。結果、変更後のほうがストレスなく働けることがわかり、定着するに至ったそうだ。

「正月休みなども比較的長いほうで、例年だいたい12月27日から1月10日までが休み期間になっています。2週間も休むと逆に働きたくなってくるので、年明けはみんなすごくモチベーションが上がっていますよ(笑)」

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プロデューサーが明かす「くれいじーまぐねっと」誕生秘話

スターレイプロダクションに入社した大城さんが最初に担った仕事は、所属タレントたちの「ライブ配信の管理」である。タレントがちゃんとライブ配信できるよう、事前のオリエンテーションで配信方法や配信スケジュールの組み方、配信内容の方向性などをアウトプットしていたそうだ。なんと100人近いタレントたちを同時並行で担当していたという。

その中から大城さんが発掘したのが、Z世代に大人気の「くれいじーまぐねっと」である。通称「くれまぐ」はエア、UraN、浅見めいの3人からなる女性YouTubeグループで、チャンネル登録者数は191万人、SNS総フォロワー数は900万人。現在はクリエイターグループとしてテレビ出演や大型フェスの総合MCを務めるなど多方面で活躍している。

  • くれいじーまぐねっと

「100人のタレントの中でも、とにかくライブ配信に意欲的で、継続性があって、アドバイスを素直に実践する素直さも持っていたのが『くれまぐ』の3人だったんです。最初はエアとUraNのふたりが事務所内で何度か面識があり、彼女たちがポロッと『YouTubeをやってみたいなぁ』って言い出したんですよ。実際にやってみることにしたのですが、『メンバーが2人っていうのはどうなんだろう……』とも思いましたね。当時、女性YouTuberってソロか2人組ばかりだったので、『それなら浅見を足して、女性としては初の“3人組YouTuber”としてやってみよう』と決めました。その狙いがバチッとハマった感じですね」今でこそ人気YouTuberとしての地位を確立した「くれまぐ」だが、最初からトントン拍子に人気を掴んだわけではない。

「くれまぐは2018年2月にYouTubeを始めたのですが、初めてバズったのが夏くらい。それまでは本当に大変でした。最初は本人たちの意向も尊重しながら動画を作っていったのですが、何をしても反応がなく、再生回数もまったく伸びなかったんです」

そこで大城さんがプロデューサーとして参加。新たに仕切り直すことにし、大城さんはひたすらリサーチしながら、コスチュームなどのビジュアルからブランディングの方向性を検討した。とは言え、大城さん自身も女性3人組のYouTuberをプロデュースするのは初めての経験である。「くれまぐ」がブレイクに至るまでの道程は決して平坦ではなかった。

「自分の価値観が入り込まないように意識しました。リサーチ段階で『若い女の子をターゲットにしよう』と決めたのですが、僕は若い女の子とはかけ離れた存在ですから(笑)、自分の価値観や先入観を捨ててリサーチや分析を続ける必要があったんです。あとはメンバーの個性を見出して、最大化することにもこだわりましたね。それぞれのキャラクターを『天真爛漫』『毒舌ツンデレ』『食いしん坊』『世話好き』……と箇条書きにして洗い出し、説明書にしてメンバーに理解してもらいました」徹底的なキャラクターの分析と再設定。当然、その打ち出し方にもとことんこだわった。

「撮影中もメンバーのキャラが出やすいようディレクションして、撮影を中断しながら『こういう話をしているときはこういうキャラを出そう』と何度も撮り直しました。編集のときも、『○分○秒のところ、テロップで心情を入れて』『○分○秒のところでツッコミを入れよう』と細かく指示しましたね」

コンプレックスを個性に変換! 大人気TikToker「わたげ」誕生の経緯

下積み時代を乗り切り、2018年中には軌道に乗り始めた「くれまぐ」だったが、実は大城さんはそのブレイクの裏で、他にもある大型タレントのプロデュースも手掛けていた。「10代女子が選ぶ好きなTikToker」(※)で1位に輝き、120万人超のTikTokフォロワーを誇る“ぼっち系女子大生クリエイター”の「わたげ」である。(※)マイナビティーンズラボ発表

  • わたげ

「わたげはもともと今のようにSNSを多用した活動はしていなかったんですが、コロナ禍で思うような活動ができなくなり、仕事もなくなっちゃったんですよ。そこで僕から『この機にもっとSNSを運用して、YouTubeもやっていこう』と提案しました。まずは本人のキャラを理解するためにヒアリングをしたのですが、その中で『友達がいない』という話が出てきたんです。暗い話ではありますが、これは考え方を変えれば共感を生み出して面白くできるかもしれないと思いました」実際にリサーチしてみると、「友達がいない日常」をテーマにした動画がいくつか単発で高再生数を叩き出していたことが判明。「潜在的なニーズはある」と大城さんは確信した。

「そこで『ぼっち』というブランディングで固め、本人が素で持ち得ていた1人での行動力を日々推奨し方法を伝えながら発信してもらいました。実際、開始から半年くらいでぽつぽつと数字が出始めて、10ヶ月目くらいでTikTokなどでも大バズりすることができました」

「くれまぐ」や「わたげ」のブレイクだけを見ていると、大城さんのキャリアは順風満帆だったように見える。しかし、成功の裏にはかなり苦しい不遇の時代もあったようだ。

「印象的なのは、くれまぐの1年目ですね。動画を撮りたくても制作費が少なくて、理想と資金繰りのはざまで苦しんだのを覚えています。私もメンバーも、食費を削りながら撮影の備品を買っていました。YouTubeには、『1万円分の爆買いをする』という定番企画があるんです。くれまぐも登録者数が1万人を突破したときにさっそくやろうとしたんですけど、『その1万円って、どこから出るんですか?』って気まずい空気になって……(笑)」

結局、大城さんは泣く泣く自分の財布からしわくちゃの1万円札を取り出したという。

「あのときの1万円はめちゃくちゃ重かったですね。当時は食費を切り詰めているメンバーに食品を差し入れたりなどできる範囲で自分が率先して負担することも多かったので、メンバーの前ではかっこつけてましたが実は僕も全然余裕はなかったんですよ。もちろん僕の勝手な判断ですから、会社は関係ありませんよ(笑)」

未経験ながら芸能の世界へ転身し、成功を収めた秘訣

未経験ながら芸能界に飛び込み、プロデューサーとして成功を収めた大城さん。その勝因はどこにあったのか。

「先ほど少し触れましたが、とにかく自分の価値観、先入観を持たないことが重要。そして、常に他者を肯定することも大きなポイントですね。自分の理解の範疇を越えたときに反発してしまうと、その世界の情報はそこで途絶えてしまいます。『世の中にはこういうこともあるんだ』『こういう人もいるんだ』と肯定し続けることを自分に強制しています」。

タレントと共に苦しい下積み時代を過ごし、自分の価値観を変えることもいとわない。いずれも決して簡単なことではないが、そのぶん成功を掴んだときの喜びもひとしおだ。

「タレントたちが活躍している姿を見ると大きなやりがいを感じますよ。イベントで大歓声を浴びている姿を見ると鳥肌が立つし、メディアに出ている姿を見ても感動します。その姿を眺めながら、そこに至るまでの過程も思い出しますしね」

さらに大城さんは、「めちゃくちゃ細かい話をすると、タレントたちが家族の話をしているときもすごく報われた感覚を覚えます」と明かす。

「タレントから『家族を旅行に連れて行った』『親にテレビを買ってあげた』といった話を聞くと、めちゃくちゃ嬉しいんですよ。心とお金に余裕がなければ、家族孝行はできませんよね。実際、くれまぐも最初は自分たちの食費さえありませんでした。だからこそ、タレントが家族孝行の話をしていると、『僕もタレントたちのために有益な仕事ができているんだな』と実感できるんです」

タレントに寄り添い、二人三脚で走り続ける大城さんらしいエピソードである。

未経験でも活躍できる! 積極的に新たな挑戦ができるプロダクション

現在はスターレイプロダクションの執行役員で、関連会社「SRF」の代表取締役社長でもある大城さんだが、この先の未来をどのように見据えているのか。

「芸能プロダクションなので、やはりしっかりとタレントの成功を先導できる存在でいないといけません。また、社員がスターレイで働くことをステータスに感じられるような体制作りや、タレントや社員がいろんなことに積極的に挑戦できる職場環境も作っていきたいと思っています。さらに、芸能界に興味があるタレント志望の方々や、プロデュース、マネージャー、映像制作などの仕事で活躍したいと考えている社員志望の方々に、今回のお話を通じて少しでも会社の魅力が伝わるといいなと思います。6年前の私がそうだったように、皆さんが夢中になって働ける場と出逢う転機になれば幸いです」

大城さんのようなプロデューサーをめざそう!

[PR]提供:株式会社スターレイプロダクション