いきなりですが、みなさんは「麺屋 海神」というラーメン屋をご存じでしょうか? 「麺屋 海神」は新宿南口から徒歩2分の場所にありラーメン屋にしては珍しくビルの2階に店舗を構えている。好立地にありながら知っている人でなければ認識せずに通り過ぎてしまうことが多いお店だ。

かくいう筆者も10年近く新宿駅を利用しているが、ラーメンを食べ歩く趣味を持つ前は全く知らなかった。しかし、入れ替わりが激しい新宿という場所で15年以上も営業を続けている隠れた名店なのだ。

  • 名物は黄金のスープが美しい「あら炊き塩らぁめん」

4~5種類のあらを丁寧に炊いて作るスープを使った一杯で、透き通ったスープに細麺、トッピングにはネギと薬味、つくねとつみれが1つずつのせられている。運ばれてきた瞬間から芳醇な魚介の香りが食欲を刺激して、いい感じによだれが溢れてくる。

それでは早速いただきます。ずずっと啜ると、麺自体は歯切れがよく繊細なスープを絶妙なバランスで口の中に運んでくれる。噛む度にスープの香りと共に小麦の香りが感じられて、非常においしい。

その日魚屋から仕入れた魚のあらを長時間炊き上げたスープ。見た目通りのさっぱりとした味わいだが、魚介のうま味の強さが段違い。これ単体でごくごく飲めてしまいそうだ。

当日使われているあらは、店内に掲示されている。驚きなのは使われる魚の種類は同じものではなく、毎日違うものを使っているのだそうだ。

そのためスープの味わいは一期一会。飲食店は変わらないことを売りにしがちだが、ここまで毎日の変化を楽しめるお店はそうそう出会えない

付け合わせは軟骨のコリコリ食感がたまらないとりつくねとふんわりプリプリの海老のつみれ。つくねもつみれも、それ自体にしっかりと味がある。上品な海鮮のスープだけに、チャーシューよりも相性がいいかも。量も絶妙でもっと食べたいと思わせてくるのが憎い。

麺を食べ終わったら「へしこ焼きおにぎり」をスープへドボンと落とすのがオススメ。 海鮮の風味とこんがり焼かれたおにぎりの相性は抜群。麺を食べ終わってもまだ味わいたいと思えるような上品なスープだからこそ、〆のおにぎりもペロリと食べられてしまう。

「麺屋 海神」を深掘り! ラーメンの秘密を聞いてみた!

今回お話をお伺いしたのは遠藤店長

新宿の「麺屋 海神」を母から受け継ぎ、2代目店長として若くしてお店を切り盛りしている。趣味は海外旅行だそうだ。

――本日はよろしくお願いします。僕も頻繁に新宿南口を使っていましたが、こんなところにラーメン屋があったなんて知りませんでした。オープンはいつ頃なのでしょうか?

遠藤:オープンはたしか2007年だったと思います。元々、銀座や池袋の中華料理店で修業をしていた初代がここにお店を開きました。

――新宿の中ではかなり古いですね。お店のこだわりってなんでしょうか?

遠藤:やはりスープですね。魚の「臭み」が表に出ないようにするのが大変なんです。

――そうなんですね! たしかに、臭みは感じなかったです。

遠藤:実はですね。スープを作る際に魚のあらを10時間ほど炊き上げてダシを取るんですよ。その時に脂をとにかく細かく取り除くようにしているんです。動物系のダシだった場合は脂がそのままうま味になるんですが、魚介系はどうしても「臭み」になってしまうんですよね。

遠藤:あとはダシを取る前に魚を炙って脂を落としたり、冷えて臭みが出ないように提供前の器を熱々にしておくとか。ほんとに細かいことが多いですね。

――そんなに細かい作業が多いとは思いませんでした。では厨房に入りっぱなしで大変ですね。

遠藤:はい、すごい大変です。特にこの時期は暑くてあつくて……。ちなみに夏はスープがあっさりしていますが、冬になると魚に脂がのってこってりとした味になるんです。こういった四季折々の変化を楽しめるのもいいところです。

――こってり系のスープも食べてみたいですね。カエシは何を使っているんですか?

遠藤:ホタテの貝柱や鰹節、しいたけなどの素材を合わせたこだわりの塩ダレをカエシにつかっています。実はラーメン自体に動物系の食材を使っていないんですよね。

――たしかに鶏ガラも豚骨も使っていないのにあれほど深みがあるスープを作れるってすごいですね。

遠藤:だからうちは女性のお客さんが多いんですけど、最近は海外の方も増えていますね。イスラム圏の方にも来ていただくことが多くなってきたんですよ。

――なるほど! ちなみに麺にはどんなこだわりがあるんですか?

遠藤:麺は特注麺を使っています。企業秘密の2種類の小麦粉をブレンドして、炭で綺麗にした水で練っています。

――小麦からこだわることで、どんなダシのスープと合わせても存在感が失わないようになっているんですね。最後に今後の展望とかありますか?

遠藤:海外に出してみたいですね。先ほども言った通り、海外のお客さんが多くなっているので、そっちの方面もいいのかなって……。

――ありがとうございました!

新宿駅に寄った際は「麺屋 海神」へ訪れてみてはいかがだろうか

魚のあらから作る「あら炊き塩ラーメン」が人気の「麺屋 海神」。あらためて店主さんにお話しお伺いしたところ、半端ではないこだわりよう。新宿で15年も続けられるのも納得だった。23時30分まで営業しているので、飲み会の〆に行ってみるのもありではないだろうか。魚介の旨味がぎゅっと詰まっていながらも、あっさりと女性でも食べやすいので、ラーメンにハマる第一歩に食べてほしい一品だった。

【店舗情報】

麺屋 海神 新宿店
〒160-0022
東京都新宿区新宿3-35-7
さんらくビル2F
営業時間:
[月~金]
11:00~15:00
16:30~23:30
[土・祝]
11:00~23:30
[日・連休最終日]
11:00~23:00
※ラストオーダーは15分前です。
※コロナ対策期間中は営業時間を変更する場合があります。
定休日:不定休

麺屋 海神 吉祥寺店
〒180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-9
くまもとビル 2F
営業時間:
[月~金]
11:00~15:30
16:30~23:00
[土・日・祝]
11:00~15:00
17:00~23:00
※ラストオーダーは15分前です。
※コロナ対策期間中は営業時間を変更する場合があります。
定休日:なし

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