小学校のプログラミング教育が必修化され、早くも2年が経ちました。とはいえ「何を勉強しているの?」「実はまだよく分かっていない……」という保護者も多いのではないでしょうか。2025年1月の大学入学共通テストには、プログラミングの内容を含む「情報」科目が加わります。まさに「待ったなし!」な状態です。

そこで今回は、小学生の子どもをもつライターがインタビューを実施。小学生・中学生向けプログラミング教材の『みんなでプログラミング』を監修した村松先生、東京書籍株式会社の秋場さんと我妻さんにお話を伺いました。また、マイナビニュースの会員から集めた、「プログラミング学習」に対するお悩みにもお答えいただいています。

『みんなでプログラミング』とは?

レノボ・ジャパンと教科書最大手の東京書籍が共同開発したプログラミング教材。新学習指導要領(文部科学省)に準拠し、多くの学校で採用されている。

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今回お話を聞いたのは……

信州大学 学術研究院 教育学系教授 博士(学校教育学)村松 浩幸(むらまつ ひろゆき)先生

「オモシロイを形に」をテーマに、附属次世代型学び研究開発センター長として、ICTを活用した新しい学びの開発に取り組んでいる。NHK高専ロボコン審査委員長としても活躍中。『みんなでプログラム』監修者として、コンセプトづくりから基本的な枠組み考案やワークシート作成まで、多面的に制作をサポート。


東京書籍株式会社 事業開発部 秋場 武晃(あきば たけあき)さん

学校教材をはじめ、家庭向けや塾向け教材などの開発も担当。『みんなでプログラミング』制作においてはディレクターとして、村松先生のアイデアを制作会社と共に製品へ反映。


東京書籍株式会社 事業開発部 我妻 琢磨(わがつま たくま)さん

大学生のときに必修科目として学んだプログラミングを日常業務の効率化に活用。そんな活躍が上司の目に留まり、『みんなでプログラミング』制作チームに参加。


子どものプログラミング教育、親は何をすればいい?

――まずは「小学生のプログラミング教育」について教えてください。 アンケートでもこんな意見が多く挙がっていました。

プログラミング学習で何を学んでいるのかが分かりません。一体どんなことを学んでいるのでしょうか?

村松先生:実は、何を学んでいるかは気にしなくても大丈夫です。小学校のプログラミング教育は、プログラマやシステムエンジニアの養成を目指しているわけではありませんから。何を学ぶかではなく、“体験している”こと。これ自体がすごく大事な学びなのです。

――体験すること自体に意味があるのですね! なんだか気が楽になりました。

村松先生:試行錯誤するうちに自然と手順を学び、徐々にできるようになります。まずは挑戦し、面白いなと感じてもらうことが大事だと思いませんか? そこが入り口になって、中学校から高校、大学へと進むなかで、専門的な内容を学んでいけばいいのです。

――小学校のプログラミング教育はあくまで入口なのですね。ではもう一つ、こちらのお悩みにもアドバイスをお願いします。

親世代が受けていない教育なので、家庭でどう協力すればいいか分かりません。子どもが疑問を持ったときに答えられるか不安です。

村松先生:心配する必要はありません! お子さんと一緒に、プログラミングを楽しんでください。プログラミングを一緒に楽しむときに便利な“魔法の言葉”を紹介しますね。難しいなと思ったら「お父さん、お母さんも分からないな」と正直に言ってみてください。お子さんはきっと、張り切って学ぼうとすると思います。

――たしかに、子どもの喜ぶ顔が思い浮かびます。

村松先生:むしろ「これ、分からないよね。どうすればいいのかな?」とお子さんに教えてらもらいましょう。お子さんに先生になってもらうのです。「親にも分からないことに挑戦している」と、お子さんの意欲が高まり、学びが自然と深まっていくでしょう。

プログラミングを学べば、課題解決に使える!

―― “分からないこと”も楽しめばいいのですね。子どもがプログラミングを学ぶと、将来どのような場面で役に立つのでしょうか?

村松先生:「誰もが経験したことのない、答えが見えない課題」ってありますよね。いまのコロナ禍が最たるものです。そうした課題を解決しようと立ち向かうときに、プログラミングで学んだことが武器になります。

――課題解決の武器に……どういうことでしょうか?

村松先生:プログラミングは、コンピュータに「こんな風に動いてほしい」と指示を出すこと。コンピュータは大きな力を秘めていますから、思い通りに動かすことができれば、難しい課題も解決できます。ただコンピュータは融通が利かない面もあります。小学生のうちからプログラミングを学んでおくことで、大人になってもコンピュータと上手にコミュニケーションがとれるでしょう。

――プログラミングってすごいですね。いわば“コンピュータとの会話”なんだと思うと、身近に思えてきました。

村松先生:そのためにも体験が大切なんです。言葉で聞いても分かりにくいので、まずは手を動かしてやってみる。課題をクリアできるとうれしいし、ときには失敗してその中から大事なことを学んでいく。『みんなでプログラミング』はその手助けができるように考えて監修をしました。

『みんなでプログラミング』の魅力とは?

――ここからは『みんなでプログラミング』についてお聞きします。制作にあたってこだわったポイントを教えてください。

秋場さん:ハードルを下げて、「やってみたい!」と思える内容にしているところです。

我妻さん:何度でも繰り返し学びたくなる仕組みを用意していることもポイントです。

村松先生:ドリル形式で取り組みやすく、一見やっていることは簡単。簡単だけど、奥が深い。ここがミソですね。

――気になるキーワードがたくさん出てきました! 一つずつ教えてください。

ポイント1:ハードルを下げている

――最初につまずくと苦手意識をもってしまうので、「ハードルを下げる」というのは気になります。

秋場さん:特にこだわったのは、子どもたちが取り組みたくなるような課題作り。プログラミング教育では、「順次・繰り返し・分岐」といった処理を学びます。だからといってタイトルを「順次を学ぼう!」「分岐をマスターしよう」といった名前にしても、子どもたちは難しく感じてしまいますよね。ですから、子どもたちが楽しんで取り組めるようなタイトルにしました。

  • ゲーム感覚で取り組める課題の数々。キャラクターがガイド役なので楽しい

――「フラッグを手に入れよう」「ウイルスを見分けてやっつけよう!」……なるほど、親しみがわきますね!

秋場さん:小学生のお子さんをお持ちの社員からこんな話を聞きました。子どもが楽しそうに、「今日、学校でプログラミングしたよ! ウイルスをやっつけたよ!」と話していたそうなんです。喜んでもらえていると知って、うれしかったですね。キャッチーなタイトルにするアイデアは、村松先生からいただきました。

ポイント2:何度でも繰り返し学びたくなる

――「繰り返し学びたくなる」というポイントも気になります。具体的な工夫を教えてください。

我妻さん:たとえば課題をクリアすると、使える「ブロック」(指示を出す記号)が増えていくところです。最初から使える「ブロック」が多すぎると、子どもたちはかえって混乱します。だから序盤のステージでは種類を絞っているんです。たとえば、5マス進みたいときは「前に進む」「前に進む」……と、同じブロックを5個つなげていけばクリアできます。

  • 「前に進む」ブロックを5個つなげていく

――これなら低学年の子どもでも理解できそうです。でも、進むマス目が増えるとちょっと面倒ですね……。

我妻さん:そうなんです! 次は7マス進ませるステージを例に挙げて説明しますね。ここでは、「繰り返す」という新たなブロックが登場します。気づいた子どもは、「前へ進む」「7回繰り返す」という2つのブロックを組み合わせて使ってみる。するとブロックを7個も使わなくても、実はたった2個で済むことを理解するのです。

  • (左)「前へ進む」ブロックを7個つなげる!

  • (右)「繰り返す」ブロックを使えば、一気に楽に

  • 「前へ進む」ブロックを7個つなげてクリアしたときの画面。「クリアできる最少ブロック数」が表示され、繰り返し取り組みたくなる工夫も

――なるほど! 繰り返して学ぶからこそ得られる学びですね。子どもたちもさらなる挑戦意欲がわきそうです。

我妻さん:実はシンプルな指示って、日常会話では自然とできていますよね。「前に進んで!前に進んで!……」と連呼はしません。きっと「7歩前に進んで」と言うはずです。

それをコンピュータ相手だと、どう伝えればいいのか? どうすれば無駄を省き、スマートに指示を出せるのか? 繰り返し学ぶことで、自然と身につくように工夫しています。

ポイント3:簡単だけど、奥が深い

――聞けば聞くほど、『みんなでプログラミング』は取り組みやすい教材だなと感じます。それでいて奥が深いですね。

村松先生:ありがとうございます。実は一段深い仕掛けがあって、日常的な話にもつながるような設計にしています。

――“日常の話につながる”とは、一体どういうことでしょうか?

村松先生:小学生がプログラミングを学ぶ目的は、「順次」や「分岐」といった処理を覚えることではありません。プログラミングの体験と共に、学んだことを自分たちの日常に置き換えて、身近な問題の解決につなげるのが大切です。学校の授業用ワークシートを見てもらうと分かりやすいかもしれません。

  • ワークシート。教科書会社ならではの視点を生かし、小学生にとって分かりやすい内容や表現にしてある

――「プログラムと同じように、朝起きてから登校するまで、順番に行われる動作を書こう。」とありますね。

村松先生:子どもたちは「朝起きる」→「顔を洗う」……と書いていきます。すると、「自分たちの生活の中でもプログラムの考え方ができるじゃないか」と気が付きます。そうなればしめたもの。さらに先の段階では、もっと深く学べるよう、データサイエンスとの関わり等も意識してつくっています。

親子で楽しく、一緒にプログラミングを!

――小学生でも取り組みやすく、何度も繰り返すことで自然と学びが深まる。『みんなでプログラミング』はすごい教材ですね。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

秋場さん:プログラミングは、何らかの課題があって、それをクリアすることの繰り返し。いわば“小さな問題解決”の練習だと思っています。大人になったときには、実社会の中でもっと大きな問題を解決しなければならないときが来るでしょう。間違えてもいい。何度もトライして、最終的にゴールにたどり着けばいいのです。 『みんなでプログラミング』でコツコツ練習したことが、将来必ず役に立つと思っています。何よりすごく楽しい教材ですから、ぜひ使ってみてほしいです。

我妻さん:プログラミングを体験するときは動機が大切です。自分のために、大切な人のために、そして社会のためにと、動機の範囲をどんどん広げてほしいと思います。『みんなでプログラミング』は、すべてのお子さんが動機を持てるようにと願ってつくった教材です。ぜひ親子で楽しんでください。お子さんのひらめきが、親御さんを驚かせる瞬間がたくさんあるでしょう。そのときは思う存分ほめてあげてください。

村松先生:プログラミング教育の必修化から2年経ちましたが、まだ地域格差が大きいと感じています。ですから、家庭でもお子さんがプログラミングを楽しめる環境をぜひ作ってあげてください。いまの小学生にとっては、パソコンは鉛筆やノートと一緒。文房具のようなものです。お子さんたちは、使えば使うほど自分のものにしていきますよ。

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多くの学校で採用されている『みんなでプログラミング』。2021年秋には家庭用もリリースされました。パソコンやタブレットがあれば、月額396円で自宅学習に使えます。初月無料でご利用いただけるキャンペーンを実施中です。

小学生にとって、プログラミングは体験することが大切。親子で一緒に楽しめば、親子のコミュニケーションにもつながって一石二鳥です。 ぜひ自宅でプログラミング学習をはじめてみませんか?

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プログラミング学習に関するアンケート
調査時期: 2022年3月11日(金)
調査対象:マイナビニュース会員
調査数: 604人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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[PR]提供:レノボ・ジャパン合同会社