甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日 ロフトアプリにて配信)

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ペン先は細くなるほどカリカリとした書き味になる。一方太字のペンだとなめらかになっていく。考えてみればペン先と紙の接地面積が細字と太字とでは違うので、どうしても書き味の差は出てくる。ゼブラからこのほど発売された「サラサナノ0.3mm」は極細なのにサラサラと気持ちよく書いていける。

カリサラな書き味

カチッとノックしてペン先をくり出す。ペン先に注目してみると、いつもの「サラサ」とはちょっと違う。

ペン先の周りの口金というパーツはメタル製。しかも、根元がわずかにくぼんでペン先に近づくほど細くなるという独特なフォルムをしている。「サラサ」を色々と使っている人は、このペン先で区別がつきやすい。

書いてみる。紙の上に0.3mmというペン先を添える。さすがに紙にあてた状態だと極細ペンならではのカリッというタッチがやってくる。

ペン先を紙の上に走らせていく。ふつうの極細ペンなら引き続きカリカリとした書き心地が伝わってくる。もちろん「サラサナノ」もそこそこのカリカリ感はあるにはある。でも0.3mmというのを忘れてしまうくらいの気持ち良さがある。はじめのタッチはカリッとして、そのあとはサラサラ。言わば「カリサラ」という書き味である。

極細のペン先からは、よくこんなにインクが出てくるというくらいインクフロー(インクの流れ)が良い。このインクの出具合の良さもサラサラ気分を盛り上げてくれる。

「うるふわクッション」内蔵

私はふだんから万年筆をよく使っている。この原稿も万年筆で書いている。そのせいか筆圧はかなり弱い方だ。そんな私の軽い筆圧でも「サラサナノ」はしっかりと書いていける。というか、軽い筆圧の方がサラサラな書き味はより一層際立つ。いつもより少し強い筆圧で書いてみると、このペンならではのタッチを味わえた。「サラサナノ」には「うるふわクッション」という機構が内蔵されている。これはノック部分のすぐ下にクッションがあり、強い筆圧で書いてもペン先がクイクイと少しだけ引っ込んで吸収してくれるのだ。筆圧は弱くても強くても生まれる筆跡の太さにほとんど差はなかった。

いきなり32色という意気込み

今回の「サラサナノ」は、なんと32色ものインクカラーバリエーションがある。一般的に新しいペンが発売されると黒・赤・青から始め、売れ行きが好調だとカラバリが増えていくものだ。それなのにいきなり32色も最初から揃えているというのは相当に力が入っている。微妙な色合いも多く選ぶ楽しさがある。これだけの色があれば、きっとお気に入りの色が見つかることだろう。ボディカラーとインクカラーがほぼ同じというのも嬉しい。私はブルーグレー、ダークブルーが気に入った。

極細ボールペンの魅力は、なんといっても限られたスペースにたくさんの情報をキレイに書き込めることだろう。ノートをキレイにまとめたり、手帳に細かく書き込んだりと色々と楽しめる。極細なのに気持ち良い書き味、そして色も楽しめる進化系ゲルインクボールペンである。

[ゼブラ サラサナノ 0.3mm 各色 税込220円]


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著者プロフィール

土橋 正(つちはし ただし)
ステーショナリー ディレクター

文具の国際見本市主催会社に10年間勤務。2003年に独立後、土橋正事務所設立。文具の商品プロデュース、PRのコンサルティング、文具売り場のディレクションを行っている。 文具ウェブマガジン「pen-info」では、文具コラムをはじめ、海外の文具展示会レポートなど様々な情報を発信している。(https://www.pen-info.jp/)

著書
「暮らしの文房具」玄光社
「仕事文具」東洋経済新報社
「モノが少ないと快適に働ける」東洋経済新報社
「文具上手」東京書籍
「文具の流儀 ロングセラーとなりえた哲学」東京書籍
「仕事にすぐ効く 魔法の文房具」東京書籍
「やっぱり欲しい文房具」技術評論社
共著
「ステーショナリー ハック!」マガジンハウス
 絵本「文房具のやすみじかん」 福音館書店

記事配信日:2022/01/28

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