安定したキャリアを形成するうえで「手に職をつける」ことは基本とも言えますが、「いまさら専門スキルを習得するのは難しい」とあきらめている人も多いのではないでしょうか。一方では企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速し、IT人材不足が深刻化している状況です。

企業と顧客をつなぐ顧客管理プラットフォーム「Salesforce」を提供するセールスフォース・ドットコム株式会社(以下Salesforce)は「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「平等」をコアバリューに掲げ、人と人とのつながりをより強固なものにし、ビジネスを通して世界を導いてきました。たとえば、出産・育児を機に退職した女性の社会復帰を支援することで、コアバリューの「平等」に寄与していく考えです。そうしたなかで、Salesforceとパートナーのエコシステムによる一般的な経済効果と定義されている「Salesforceエコノミー」は、IDCの調査によると2021年から2026年のあいだに日本で44万300人の新規雇用を生み出すとされています。

社会的な課題となっているIT人材不足の解消に向けて、同社はどのようなアプローチで企業のDXや求職者を支援していくのでしょうか。今回は、DX人材育成プログラム「Pathfinder」について、同社のカスタマーサクセス統括本部で本部長を勤める坂内明子氏とアライアンス事業としてパートナー企業を支援する詫間智之氏にお話を伺いました。

  • 坂内明子氏と詫間智之氏

    (左)セールスフォース・ドットコム株式会社 カスタマーサクセス統括本部 サクセスプログラム本部長 坂内明子氏
    (右)セールスフォース・ドットコム株式会社 アライアンス事業 エンタープライズアライアンス&パートナーエコシステム本部 パートナーエコシステム推進部 シニアマネージャー 詫間智之氏

IT人材不足解消の糸口はDXの本質にあり……!? セールスフォース・ドットコムのアプローチとは

——DXの加速を背景に、IT人材不足が社会的な課題となっていますが、Salesforce としてどのようなアプローチで解決へと導こうとしていますか。

坂内氏: そもそもDXとはデジタル技術やシステムを起点として考えるのではなく、会社全体の文化やビジネスをより良く変えていくことが目的です。それはまさに、当社が創業以来取り組んできたことなのです。当社はシステムの導入自体を目的とせず、Salesforceの活用によりビジネスを向上させていくことが重要だと考えています。こうしたSalesforceを活用してビジネスの革新に挑戦していく人たちのことを、「Trailblazer(トレイルブレイザー)」と呼び、私たちはTrailblazerを育成していくことに力を入れています。

坂内明子氏

また、当社はノーコード・ローコード開発のパイオニアです。これまではIT領域のバックグラウンドを持ち、システムを管理する人材が必要とされてきましたが、これからはビジネスとシステムをうまく融合して発展させていける人が求められるようになります。このようなスキルを持ち合わせた人を「DX人材」と呼び、システム管理の経験やITの専門知識がない方でも、Salesforceを通じてビジネスを変えていけるようにすることでDX人材を輩出し、企業のDXをサポートしていきたいと考えています。

詫間氏: 私たちのようなITベンダーやプラットフォーマーのなかでもIT人材は枯渇してしまっており、いわば争奪戦のような状態となっています。そうしたなかで、小さなパイを取り合うのではなく、これまでSalesforceのエンジニアとして経験のない人たちをエコシステムに取り入れることで、IT人材全体の裾野を広げていくことが当社のミッションです。

Non ITからスキルを身につけると同時に、現場をリアルに感じられるPathfinder

——企業のDXを支援する取り組みの1つとして、DX人材育成プログラム「Pathfinder」が2021年よりスタートしたのですね。

詫間氏: 当社ではもともと初めてSalesforceに触れる人から開発者までを対象に、レベルや目的にあわせた200以上のコースを揃えた「Trailhead」という無償のオンライン学習サービスを提供しています。しかしTrailheadは多くの場合Salesforceを知っている方々が受講している状況でした。そこで、Salesforceのことをまだ知らない人々まで対象を広げ、Trailheadをもとにした育成プログラム「Pathfinder」をデロイト トーマツ コンサルティング社の協力を得てスタートさせたのです。

——Pathfinderの具体的な特徴について教えてください。

詫間氏: Trailheadでは、ある目的を達成するために必要なトレイルやモジュールといった各単元を組み合わせてオンライントレーニングを進めていきます。Pathfinderは、このTrailheadを活用しながら未経験の方が「Salesforce認定アドミニストレーター」の資格に合格してもらうことを第1フェーズの目標におき、プログラムを構成しています。未経験の方が誰にも聞けない環境の中、独学で学習を進めていくのは難しい部分もありますので、躓いた時に解決できる場や知識を補完できるオンライン講義や試験対策も設けています。認定アドミニストレーター試験に合格された方は第2フェーズに進み、総合演習を進めます。そして、総合演習の課題を達成した方は、第3フェーズとしてキャリアサポートを受けられるようになります。

  • Pathfinderプログラム内容

また、プログラム参加者にとっては、やはり実際の現場で通用するスキルを得られるかどうかが気になるポイントだと思います。そのためPathfinderの第2フェーズでは、擬似的な導入プロジェクトをもとにした演習課題に取り組みます。さらに現場の雰囲気やキャリアについてざっくばらんに聞くことができるTrailblazerとの座談会を設けるなどして、働く現場をなるべくイメージしてもらいやすい設計にしています。

セカンドキャリア形成ツールとしてのPathfinderが切り開くキャリアの道とは?

——Pathfinderに参加したあとのキャリアイメージとキャリアサポートについてお聞かせください。

詫間智之氏

詫間氏: 女性のセカンドキャリア人材の母集団を多く有する人材サービス企業 Warisの協力のもと、Salesforceのパートナー企業と共に、Pathfinderプログラムの卒業者にとってベストマッチングとなるような就労先を探す支援を行います。パートナー企業からのPathfinderプログラムの評価は高く、「卒業者は全員採用したい」という声があがるほどです。このプログラムでITの基礎知識やSalesforceの導入や活用に必要な前提知識を得た卒業者は、パートナー企業に就労してSalesforceの導入やカスタマイズに関わったり、Salesforceのユーザー企業でシステム管理者としてビジネスとの連携を行ったりと、まさにTrailblazerとなってお客様のビジネスを革新し、さまざまなキャリアが拓けていくと考えています。

——Pathfinderはどのような方に利用してもらいたいですか。

坂内氏: 何らかの理由があって仕事にブランクのある方、特に出産や育児を機に一旦仕事から離れている女性の方々に、セカンドキャリア形成のツールとして利用してもらいたいですね。私は就職氷河期に就職したということもあり、優秀でやる気のある同世代の女性人材がキャリアを諦めざるを得ない状況を目の当たりにしてきました。仕事から離れているものの、働きたいという思いをもった女性は今でも多いと思います。

Trailheadの事例ですが、キャリアに悩んでいた女性が前職でSalesforceを活用した業務変革の楽しさを経験したことをきっかけに転職し、史上最速で管理職になったというケースもありました。このようにSalesforceの学習ツールを利用してキャリアアップする方は多く、これからも新たなスキルを身に着けてキャリアアップしたいと思う方に向けて、私たちのコアバリューである「平等」を提供していきたいと考えています。

詫間氏: Pathfinderプログラムには、就業しながら参加している方も多くいます。就業中や子育て中の方などさまざまなライフスタイルに対応し、隙間時間で学習できることもPathfinderの魅力です。

Salesforceを活用したキャリア形成やビジネスについてカジュアルに話し合えるコミュニティ

——最後に、PathfinderやSalesforceに興味を持った読者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。

坂内氏: PathfinderやSalesforceに興味を持った方は、まず「Salesforce Trailblazer Community」にご参加いただくことをおすすめします。Trailblazerや認定アドミニストレーター、パートナー企業など、Salesforceには当社の社員以外にも多くの仲間がいます。たとえば、Salesforceの管理者や開発者、ビジネスユーザーの女性同士でキャリアについて考えていく場として「Japan Women In Tech」というコミュニティがあります。そこではIT未経験の方々がこれからどう活躍していくかざっくばらんに話し合える機会などもあります。Salesforceがどんなものかわからない方も気軽に参加できるコミュニティなので、ぜひみなさんにもSalesforceの輪に入ってもらいたいです。

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出典:IDC White Paper, sponsored by Salesforce, “The Salesforce Economic Impact,” doc #US48214821, September 20, 2021

※1 The Impact of Digital Transformation During Times of Change, July 2020

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