皆さんは「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことはありますか? 実は世界中で取り組みが始まっている、とても大事な「国際的な目標」なんです。……とはいえ、カーボンニュートラルといわれても「よくわからない」という人も少なくないはず。

そこで今回、クイズ・パズル・謎解きのプロ集団「クイズ法人カプリティオ」に集まっていただき、カーボンニュートラルについて楽しく学べるエネルギークイズに挑戦してもらいました!
皆さんもぜひ、クイズのプロと一緒にエネルギークイズに挑戦してみてくださいね!

~出演者紹介~
  • クイズ王・古川洋平が代表を務めるクイズ作家集団「クイズ法人カプリティオ」。左から、石野さん、リコさん、古川さん、ATさん

 

エネルギークイズ開催!

今回は電気事業連合会さんとのコラボです! ということでみなさんには電気や環境、話題の「カーボンニュートラル」に関するクイズに挑戦してもらいます! 正解すると1ポイント、最終的に一番ポイントの高い人が優勝です。

ちなみにみなさんはカーボンニュートラルについてどれくらい知っていますか?


カーボンニュートラルか~……言葉としては聞いたことがあるけど……。


カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を“実質ゼロ”にすることです。石油やガス、石炭などの燃料を燃やすと温室効果ガスであるCO2が排出されますが、CO2は植物の光合成などで吸収されます。排出しても同じ量を吸収すれば実質ゼロにできるという考え方です。


なるほど。要はプラスマイナスゼロにするということか。


さて、ここで問題です!


Q1

今年の夏も暑かったですが……
日本の年平均気温は、100年あたり何℃上昇している?

数字を書いてもらって、一番正解に近い人にポイントです。


さすがに100年前の夏は体験してないしなぁ。


俺たちが子どもの頃って夏でも30℃くらいじゃなかった? 今は35℃くらいあるでしょ。ってことはここ30年で5℃くらい変わってるのかな。


平均5℃上昇するってやばくない!?


100年だと15℃上がったことになるよ。


いやもう、それはむちゃくちゃでしょ(笑)。


――さて、3人の回答は?

  • リコさん2.38℃、古川さん4.15℃、ATさん3.98℃

夏の暑さは厳しくなったけど、冬は寒いままでしょ。だから5℃からちょっと下げて4.15℃。


そんなに上がったら北極の氷が解けそうだけどなぁ。


 

三者三様の回答。さて正解は?

 

答え:1.26℃

~解説~

様々な変動を繰り返しながらも上昇しており、長期的には100年あたり1.26℃の割合で上がっています。

世界全体では100年あたり0.75℃上昇なので、日本のほうがより暑くなっているといえます。2100年の予測では、最大5.4℃上昇している可能性もあるとのこと……。

 

一番近かったリコさんがポイントをゲット!

100年で1.26℃しか上がっていないのに、体感だとこんなに暑さを感じてるってことだよね。じゃあ100年後の5.4℃ってめちゃくちゃやばい!


 

続いて第2問!

2018年度時点のデータでは、日本の温室効果ガス排出量は世界で5番目に多くなっています。


Q2

では、日本より温室効果ガス排出量が多い4カ国とはどこでしょう?

一番多く当てた人にポイントが入ります!


やっぱり先進国かな?


日本が5位なのは人口が多いからだろうね。


探り合いの結果、3人の回答は――?

  • なんと全員、アメリカ、中国、ロシア、インドと回答!

全員一緒かー! 俺たちって最終的にはこうなってしまうんだな(笑)。


おお! 理由は?


先進国でもヨーロッパはクリーンなイメージがあるし、人口も少ないから。


そうなると人口や国土、発展度合いで考えてこの4カ国かなーと。


 

さて、気になる正解は?

 

答え:中国・アメリカ・インド・ロシア
  • 全員大正解!

大正解でしたね! わかりやすいようにグラフを用意しました。


 

出典:国立環境研究所「温室効果ガスインベントリオフィス」より経済産業省作成
経済産業省「エネルギー白書2021」(図【第123-1-1】世界の温室効果ガス排出量(2018年)

~解説~

温室効果ガス総排出量のうち、トップは28.6%を占める中国で、日本は3.2%になります。持続可能な社会のために、世界中で脱炭素(カーボンニュートラル)を目指す必要があります。

ちなみに、ひとり当たりの年間排出量では、アメリカが最も多いです。また、中国やインドをはじめ新興国が経済発展することで、アジアやアフリカなどでもますます排出量が増える可能性があります。
海外で排出される分も削減できるよう、日本が積極的にカーボンニュートラルに取り組み、削減技術を提供したりしていく必要がありそうです。

中国の排出量がすごいね!


日本だけががんばるのではなく、世界全体で脱炭素を進めていく必要があるということですね。


 

続いて3問目!

実はCO2の25倍もの温室効果を持つのが「メタンガス」です。


Q3

そんなメタンガスを多く排出し、
脱炭素社会を目指すうえで無視できない存在となっている生き物は何でしょう?

これ、まったく知らない動物だったらどうしよう。


“メキシコ何とか”みたいな?(笑)


この問題は何だか3人とも余裕の表情? さて、回答は……

  • 全員「牛」と回答!

みんな「牛」か!


 

さて、正解は?

 

答え:牛
  • 全員正解!

~解説~

牛の胃で発生しゲップとして出されるメタンは、世界全体の温室効果ガスの実に4%を占め、日本から排出される温室効果ガスの量よりも多いと言われています。

4%ってすごいなぁ~!


 

続いて4問目!

日本でCO2をもっとも排出しているのは火力発電です。そのため、日本では火力発電におけるCO2削減をまず目指さないといけません。そこで問題!


Q4

火力発電におけるCO2削減の取り組みとして、CO2を発生させない「あるもの」を燃料とすることが研究されています。さて、特有の臭いで知られる、そのあるものとは何?

臭いのある燃料ってなんだろう? 全然思いつかないぞ……。


この問題、難しくない!?


うーーーーーん……。


みんな、めちゃくちゃ悩んでる(笑)。せめて誰か1人は正解してほしい!


 

これまでの絶好調から一転、自信なさげな3人。さて、回答は……

  • リコさん:生ゴミ、古川さん:牛脂、ATさん:海水

臭いが出るってことで生ゴミにしました。


炭素が入っているものは、ぜんぶCO2が出てしまうんじゃないかなと思って、水かなと。でも水は臭いがしないから、海水にしました。苦肉の策ですよ。


やっぱり燃料といえば石油もそうだけど、油の要素は必要かなと。で、牛脂! ほら、焼肉屋に特有のいい香りがあるじゃない? ……もう、わからなすぎてボケに走ってますよ!


 

クイズモンスターすらも唸らせる難問。はたして正解は?

 

答え:アンモニア

アンモニアかー!


たしかに特有の臭い、あるわ!


アンモニアは「NH3」だから、化学式に炭素(C)が入ってない! 考え方はよかったんだな。


 

~解説~

燃料としてのアンモニアは、「燃焼時にCO2を排出しない」という特性から、CO2排出量削減に役立つ可能性がある次世代エネルギーとして、近年になって注目を集めるようになっています。
期待されている用途は、発電分野から、工場などで利用する産業分野、輸送分野まで幅広いものとなっています。

アンモニアは肥料なんかに使われていますが、新たな用途として研究が進んでいます……って、こら! 書き直したのバレてるから!


  • しれっと回答を書き直すリコさんと古川さん(もちろん点数にはなりません)

だんだん難しくなってきたところで、気を引き締めて次の問題!

 

カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーをもっと利用していくことが大切です。再生可能エネルギーというのは、太陽光発電や風力発電などですね。ここで問題!


Q5

カーボンニュートラル実現に向けての取り組みのひとつに、再生可能エネルギーの主力電源化があります。現在(2019年のデータ)の日本の総発電量のうち、再生可能エネルギーによるものの割合は何%?

昔、社会で習ったことがある気がする。でも、それよりは増えているはずだから……。


 

さて、3人の回答は?

  • リコさん:29%、古川さん:12%、ATさん:22%

たぶん、再生可能エネルギーの中では太陽光が相当な割合を占めていると思うんだけど、ほかの発電はどうなのかな。トータルで3割はいっててほしいところ!


 

さて、正解は?

 

答え:18%

正解に一番近いATさんがポイントをゲット!

思ってたより増えてたかあ。外したけど、多い方に外れててよかった! でも2割以下なんだね。


 

「経済産業省 資料1 今後の再生可能エネルギー政策について」をもとに作成

~解説~

2030年には再生可能エネルギーの割合を36~38%にする方向で検討が進められています。エネルギー資源が乏しい日本としては、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、いろいろな発電方法をバランスよく組み合わせた電源開発が重要となります。

2030年って意外ともうそんなに遠くないよね。水力発電を増やすのは限界がありそうだから、バイオマス発電とか太陽光発電とかを増やさないといけないね。


いよいよ最終問題!

 

カーボンニュートラルな世の中を達成するためには、電気を作る時に発生するCO2を実質ゼロにする「電源の脱炭素化」に加えて、熱や光、動力などに使用している化石燃料を電力に置き換える「電化」の推進が必要となります。ここで問題です!


Q6

オール電化住宅や電気自動車などが普及することはCO2の削減につながっており、
最終エネルギー消費における電化率は、
1970年度は12.7%でしたが2019年度には25.8%に達しています。
次のうち、発明されたのが一番古いのはどれ?

 

①電気自動車
②IHクッキングヒーター
③電気式エアコン

 

うちに導入された順番ならわかるんだけどな~。それが答えなのかというと……難しいな。


 

さて、最終問題の回答は?

  • リコさん:①電気自動車、古川さん:②IHクッキングヒーター、ATさん:①電気自動車

自動車が発明されたとき、電気ってもうあったはず。だったら、ガソリン車と平行して一応作ろうとはするんじゃないかなと思って。


同じことを思った。作ったけど、あまり普及しなかったんじゃないかな。あと、もし答えがエアコンだったとしたら、エアコンはすでに普及しているから、回答後の「普及させましょう」っていう教訓につながらないんじゃないかと予想(笑)。


最終問題、はたして正解は――?

 

答え:①電気自動車

~解説~

IHクッキングヒーターと電気式エアコンは20世紀に発明されましたが、電気自動車が発明されたのは19世紀の1830年代で、実はガソリンエンジン車よりも早かったのです。1899年には、電気自動車で最高速度100km/hを突破したという記録も残っています。

リコさん、ATさんが正解!

実は電気自動車はガソリン車よりも先にできたんだけど、そのあとT型フォードが爆発的に普及して今に至るという流れです。


そっか、たしかに昔からあるトロリーバスも電気だもんね!


 

気になる結果は……!?

思わぬ難問が登場するなど波乱に満ちた展開となった今回のクイズ企画。結果はこうなりました!

 

リコさん、ATさん 4ポイント
古川さん 2ポイント

 

リコさん、ATさんが同点優勝!

  • リコさん・ATさん「やった~~!!」

おめでとうございます!


 

クイズを終えて……

さて、今回のクイズ企画、やってみていかがでした?


けっこう難しかったね。むしろ、「牛脂」とか答えたやつがよく2点とれたなって(笑)。でも、牛がメタンガスを出すとかポピュラーな話題もあって、そういう知識を知ることで違うものの見方ができるようになると感じたかな。


優勝はしたけど、自信を持って答えられなかった問題が多かったなぁ。まだまだ知らないことは多いなって。自分は科学を信じている人間なので、クリーンな発電方法を科学の発展で実現してほしいし、そのためにも科学教育に国が投資してくれるといいなと思う。


特にショックだったのは、再生可能エネルギーの割合の少なさ。個人としても再生可能エネルギーを選択していきたいし、次の世代に引き継いでいくためにも、もっと「知る」ことが大事なんだと思ったかな。


今回、クイズを作成したり出題したりする中で、火力や水力、再生可能エネルギーなどいろいろなエネルギーをバランスよくミックスすることで電気の使用量を賄っていこうという「エネルギーミックス」の取り組みが、資源が乏しい日本では特に大事だと感じましたね。


東日本大震災以降、原子力に対する風当たりが強くなったけど、原子力は発電の際にCO2を出さないし、原子力発電所1基分の発電量を太陽光で賄おうとすると山手線の内側の面積くらいの広い土地が必要だったりするわけで。現実問題としては、「エネルギーミックス」の視点が大切なんだと。そして、正しい知識をもつことと、その知識を活かす良心が大切だと感じました。


 


 

エネルギーにまつわるクイズ、みなさんはどれくらい正解できましたか?

カーボンニュートラルな社会を目指すためには、電気をつくる人だけでなく、エネルギーをつかう人の意識も大切です。電気をつくる人はCO2を出さない発電方法を活用し、つかう人は生活を電化にするなど、CO2が出ない電気を利用することでカーボンニュートラルな社会につながっていきます。みなさんもぜひ「知る」ところから初めてみてはいかがでしょうか。

 

エネルギークイズ第1弾にチャレンジしてみる >

エネルギークイズ第2弾にチャレンジしてみる >

電気事業連合会 公式ホームページ >

 

[PR]提供:電気事業連合会