総務省が7月末に公表した『令和3年版 情報通信白書』によれば、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進まない理由に、「人材不足」と答えた企業が53.1%で最多となっている。 特に業務部門におけるIT人材の不足は、データに基づいた業務プロセスの変革がなかなか進展しない要因といえる。企業が新たな価値を創造し、本当のDXを実現するには、ITの専門家ではない業務部門が自らデータを可視化・分析できる環境を整えていくことが重要だ。

データ活用のための包括的なプラットフォームを提供し続けてきたNECは、2021年より「NECデータ可視化サービス」「NECデータ分析サービス」をラインナップとして提供している。DXの実現におけるデータの可視化・分析の意義について、同社専門家へのインタビューをお届けする。

データ活用には「人材不足」の悩み

IoTやクラウドの技術発展によって、事業活動の隅々までデータを取得し、状況をリアルタイムで可視化し、あるいは分析による洞察を得ることが可能になった。勘や経験だけではなく、データに基づいてビジネスの意思決定をする「データドリブン」が求められている。

NECのデータ可視化サービスを担当するNEC AIプラットフォーム事業部 主任 永島 寛子氏は、データドリブンを実現するためのキーワードとして、「スピード」を挙げる。

NEC AIプラットフォーム事業部 主任 永島 寛子氏

NEC AIプラットフォーム事業部 主任 永島 寛子氏

「データの可視化・分析のために、業務部門から情報システム部門に依頼している組織は多いと思いますが、このフローでは、申請をしてから実際に受け取るまでに時間がかかってしまいます。情報システム部門は業務自体に精通しているわけではありませんから、加工されたデータが求めているものと違う場合もあるでしょう。業務部門自身がシステム上で手軽にデータを読み解けるようになれば、このサイクルのスピードが格段に上がり、データドリブンに近づくことができるようになります」(永島氏)

しかし、情報白書が明らかにしている通り、業務部門にはデータサイエンティストをはじめとした専門家、IT人材が不足している。

「業務部門はシステム運用やデータ分析の高度な知識は持ち得ませんし、そもそも普段の業務で手一杯なのですから、データドリブンを進めようと思っても、なかなか実現できないという悩みは多くの企業様がお持ちでしょう。そこでNECでは、ツールの提供だけでなく、データ活用をサポートするサービスを提供しているのです」(永島氏)

NECのデータ可視化・分析サービスは、バッチの適用や障害対応といったメンテナンスが不要であり、ひとつの窓口で全面的なサポートを受けられるため、導入後もスムーズな運用が期待できる。

豊富な実績に基づく「NECデータ可視化サービス」

「データ活用」と一口に言っても、実現のために必要となるITは多い。情報を取得するセンサー、データを格納・整形するデータウェアハウス、ユーザーが扱うBI・BAツールなどさまざまだ。NECはこうしたデータ活用に関するサービスを包括的に提供しており、2017年からはクラウド型のデータ可視化サービスを開始した。

クラウドならば、業務部門の顧客が新たにサーバーを調達しなくとも手軽にサービスを利用できる。新型コロナウイルス感染症対策を考えなくてはならないこの時代においては、会社のマシン室・サーバールームに行かずに済むというのは大きなメリットだ。

  • NECデータ可視化サービス利用イメージ図

BIツールは市場に数多くあるが、同社のサービスは特にエンタープライズに強みがあると永島氏は言う。

「グラフや表を一つの画面にまとめて表示したものを『ダッシュボード』と言います。ダッシュボードに何をどう表示させるべきかが、データ可視化の最大のポイントです。 経営状況の分析や、予算達成状況、生産管理、品質管理、働き方改革まで、可視化したいテーマはいくらでもあると思いますが、NECは国内400社以上へのシステム導入の経験をもとに、見るべき指標をアドバイス・提案しております。たとえば担当する店舗の予算達成状況をマップ上で把握したり、全社と各事業部の経営状況を確認したりできます。 また、日ごとの出荷数の変遷をカレンダー上に表示し、一目で把握するといったことも可能になります。データを可視化することで、効率的に業務を遂行するための材料を集められるのです」(永島氏)

  • NECデータ可視化サービス NEC独自テンプレート

「ひと目で察する」ことができるかどうかが、ダッシュボード作成の秘訣だ。NECのデータ可視化サービスにおいては、色分けや点滅を自動設定することによって、視覚的な理解を促進している。さらに、デジタルサイネージとの連携ソリューションも展開しており、社内の告知にBIの画面を使うことができる。所属・役職に応じて、ダッシュボードの表示内容を変更することが可能だ。

サービスの導入後「客観的な判断」 を実感したという声をよく聞くと、永島氏は喜びを口にする。

「データ可視化サービスを使えば、リアルタイムでデータの切り口・観点を変えることができますから、会議中にもどんどん深掘りしていくことができます。先日は、『1回の会議の進み方が大きく変わった』という声を聞きました。次のアクションに移るまでのスピードが格段に変わったのです。また、会議用のデータ可視化のために、Excelで手作業されている方は非常に多いと思いますが、それでは集計にものすごく時間がかかってしまい、また、属人性も高くなってしまいます。集計と可視化を自動化するツールの導入は、業務効率化という観点からも、ビジネススピードを高めることができるのです」(永島氏)

ビッグデータから未来を導く「NEC データ分析サービス」

取得したデータを集計し、わかりやすい形に加工して表示することが「データ可視化」ならば、可視化で明らかにされた現状の背後に隠れた要因を分析したり、予測モデルを作って将来を見通したりすることで、これまでになかった視点で経営判断につなげるのが「データ分析」である。

NEC AIプラットフォーム事業部 主任 辻本 幸祐氏

NEC AIプラットフォーム事業部 主任 辻本 幸祐氏

過去から現在に至るまでに大量のデータが保管されている会社でも、 そのすべてに目を通して、これまで気付いていなかった関係性や要因を見つけることは困難だ。しかし、今後はそういった「データに基づく未来洞察」が可能になっていくと、「NECデータ分析サービス」を担当するNEC AIプラットフォーム事業部 主任 辻本幸祐氏は言う。

「NECは2021年より、『NECデータ分析サービス』を開始しました。 データ分析の目的やデータ活用のステージに合わせたデータ分析環境で、マウス操作による簡易分析から高度なデータマイニングまで行えるツールとなっています。それだけではなく、データ分析の経験がないお客様でもデータ分析への取り組みを可能にする『支援サービス』も合わせて提供しています」(辻本氏)

「データ分析」によって業種・業界問わず、未来を導く洞察を得ることができるようになると辻本氏は続ける。

「たとえば流通業の場合、優良顧客の特徴的な要因を分析することによって、『どうすれば注力商品のロイヤルカスタマーを増やすことができるか?』という具体的な施策を見出すことができます。製造業ならば、製造過程における何万種類のデータを分析し、『不良品発生率に最も影響していたのは、実は○○だった』という知見を得られます。 もちろん、この知見を得るためにはデータ分析の経験や知識が必要となりますが、NECの支援サービスを利用することで専門知識がなくても現状理解にとどまらず、より将来に向けた行動をデータ分析によって導くことができるのです」(辻本氏)

  • NECデータ分析サービス利用イメージ図

DXが当たり前になる世の中で、取り残されないために

データ可視化・分析サービスにおける今後の展開について、永島氏と辻本氏の両名は次のように意気込む。

「今後は、データ可視化サービスと分析サービスの連携性を強化していきたいと思っています。今後、DXが当たり前になっていく世の中において、データにもとづく意思決定は必需品となります。『自分たちだけでは難しい……』という不安があっても、お気軽に当社にご相談ください」(永島氏)

「『こんな機能がある』とツールの説明をするだけではなく、お客様が実際に上手くデータを活用できるよう導くことが重要だと考えています。サポートを通じて、"機能の価値"をお客様にきちんと届けて参ります」(辻本氏)

新たな組織への「生まれ変わり」であるDXには、データドリブンな意思決定の実現が不可欠である。そのためにはITに詳しくない業務部門でもデータ可視化によって試行錯誤のサイクルをスピーディーに回し、データ分析によってより深い洞察を得られる環境が必要だ。NECは、ツールの豊富な導入実績をもとに顧客ニーズに寄り添ったサービスをワンストップで提供するだけでなく、お客様への柔軟な対応も強みとしている。このように、導入から活用まで安心して任せられるNECのサポート体制は、日本企業のDXを強力に後押ししてくれることだろう。

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■データ可視化サービス紹介サイト
https://jpn.nec.com/infoframe/datavisualizationservice/index.html

■データ分析サービス紹介サイト
https://jpn.nec.com/data-analytics-service/

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