いじめは刑法上の犯罪に該当する可能性もある悪質な行為です。加害者としていじめに関わった場合、行為の内容によっては刑事責任を問われることもあります。被害者となった側のつらい気持ちに寄り添うためにも、加害者側の家族としては「子どもがやったことだから」と軽く済ませず、適切に対処することが大切です。

いじめは犯罪なのか?

いじめは学校生活で起こりがちなトラブルであり、実際に子どもが被害者あるいは加害者として巻き込まれてしまうケースは珍しくありません。

加害者側に悪気はなかったとしても、被害者側は心に大きな傷を負います。場合によっては心身に障害を負ったり、自殺にまで追い込まれてしまったりすることもあります。

加害者側が軽い気持ちでやったものだとしても、被害者の心身を傷つけるいじめ行為は倫理的・社会的に許されるものではないのです。

さらに、いじめ行為の中には刑法上の犯罪にもあたるものも少なくありません。加害者となった側が「そんなつもりはなかった」「軽い気持ちでやってしまった」というつもりでいたとしても、重い処分を受ける可能性もあります。

法律上問題となる「いじめ」は3種類

日本の法律上、「いじめ」は次の3種類に分類することができます。

  • いじめ防止対策推進法上の「いじめ」にあたるもの
  • 民事上の損害賠償責任が成立するもの
  • 刑法上の犯罪に該当するもの

このうち、いじめ防止対策推進法上の「いじめ」がもっとも広い概念です。

ターゲットにされた子ども(小学生・中学生・高校生)の心身に苦痛を与える行為は、すべて、いじめ防止対策推進法上の「いじめ」に該当します。

加害者がどんなつもりでやったのかに関係なく、被害者の心や身体を傷つける行為があれば「いじめ」として扱われるのです。

そして、この法律で規定された「いじめ」で程度のひどいものが民事上の損害賠償責任が発生する「いじめ」となり、そのうちの刑法上の犯罪にあたる行為があったものが犯罪として扱われることになります。

悪質ないじめ行為は犯罪になる可能性がある

すべてのいじめが犯罪行為になるわけではありませんが、いわゆるいじめの中には犯罪になってしまう行為も少なくありません。

犯罪にあたるいじめの例としては、次のようなものがあげられます。

犯罪にあたるいじめ行為の具体例

暴力

殴る、蹴るなどの暴力をふるった場合は暴行罪が成立します、さらに、暴力を受けてケガをした場合は傷害罪が成立します。

暴行や脅しによって金品を巻き上げる行為

暴力をふるったり、脅したりして被害者から金品を巻き上げる行為は恐喝罪にあたります。
被害者が抵抗できない程度の強烈な暴行・脅迫があった場合には強盗罪が成立します。

無理やり何かをさせる行為

万引きを強要するなど、本人の意思に反して何かをさせる行為は強要罪に該当します。

所持品を盗ったり隠したりする行為

所持品を盗む、隠したり・わざと壊したりした場合には窃盗罪や器物損壊罪が成立します。

性的な行為の強要

性的な動画を無理やり撮影させるといった行為を行った場合は強制わいせつ罪などが成立します。
さらに、レイプ、性行為を強要する行為があった場合には、強制性交等罪が成立する可能性もあります。

ネットで誹謗中傷をする行為

SNSなどで誹謗中傷をする行為については、侮辱罪や名誉毀損罪に該当する可能性もあります。

犯罪にはあたらない場合でも民事上の損害賠償責任が発生することがある

一方、

  • 無視する
  • シカトする
  • 仲間はずれにする

といったように、犯罪行為とは言いがたいいじめも存在します。

しかし、こうしたいじめ行為のうち、常識的に見て「いじめ」と判断される行為である、明らかに相手を傷つける目的・態様で行われた行為であるといった事情がある場合は、民事上の損害賠償責任を負うことになる可能性があります。

いじめで逮捕されることはある?

加害者側は軽い気持ちで行うことも少なくないいじめ行為ですが、なかにはれっきとした犯罪にあたる行為も少なくありません。

傷害事件や強制わいせつ事件に発展した場合をはじめ、犯罪にあたる行為を行ったようなケースでは逮捕される可能性はあります。

過去のいじめでも逮捕される可能性はある?

刑法上の犯罪には時効があります。時効が来ていない犯罪については、後になって捜査が始まり逮捕される可能性はゼロではありません。

たとえば過去のいじめが傷害罪にあたるものなら、傷害罪の時効にあたるいじめから10年間は、起訴される可能性があります。

いじめトラブルの解決には弁護士への相談も重要に

いじめトラブルは被害者となった児童・生徒を傷つけるものです。悪質ないじめによる事件が社会問題化して久しいこともあり、加害者となった側は周囲から厳しい目から向けられる可能性もあります。

また、いじめトラブルは加害者となった児童・生徒の身内にとっても衝撃が大きいものです。ショックを受け、あるいは家族として責任を感じ、「悪いことはしたが、しっかり反省して立ち直ってほしい」「被害者にきちんと謝り、安定した環境で更生してほしい」と願っている方もいるのではないでしょうか。

このようなケースにおいて、頼りになる存在が弁護士です。

いじめトラブルでは刑事上・民事上の責任が発生するほか、学校から処分を受ける可能性があるなどさまざまな法律問題が発生してきます。

適切に事件に対処するためにも、一度弁護士のアドバイスを求めるべきです。

学校・警察など交渉先が多岐にわたるいじめトラブル

いじめトラブルの加害者家族は難しい立場に置かれます。 いじめトラブルの関係者は、捜査機関、学校、被害者およびその家族と多岐にわたり、それぞれに対して適切なアプローチを行う必要があるからです。

被害者やそのご家族の方には誠心誠意謝罪をするだけでなく、場合によっては被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料を支払わなければならなくなるかもしれません。 また最終的な処分を軽くしてもらえるように捜査機関に働きかけたり、少年審判になった場合には弁護活動を行ったりする必要もあります。 さらに、学校との関係では、退学などの重い処分を避けられるように交渉も行っていかなければなりません。

弁護士が公平な第三者として被害者や学校などとの交渉をサポート

弁護士がいれば、これらの各種交渉先との対応を任せられます。

特に被害者や被害者側家族との交渉は相手が怒っていることも多く、家族や本人が直接対応しようとするとかえって話がこじれてしまう可能性もあります。冷静に話し合いを行うためにも、第三者である弁護士を間に入れることは大切です。

いじめは社会的に許されない行為ではありますが、なかには被害者側が法外な金品を要求する、やった行為に対する学校側の処分が重すぎるといった困った事態が起きうる可能性もあります。冷静に、また誠心誠意事件に対応するためにも、公平な立場で物事を見られる弁護士は強い味方になってくれるはずです。

トラブル解決後の着地も焦点に

いじめトラブルをめぐっては、加害者になってしまった子どもの今後の生活についても考える必要があります。

学校からの処分に対する対応やいじめトラブルの当事者同士の関わり方などトラブルが一応解決した後も考えなければなりませんし、場合によってはカウンセリングなどの心のケアが必要になることもあります。

いじめをする子どもにはストレス、家族間のコミュニケーション不足などの心理的トラブルを抱えていることもあるからです。

弁護士などの専門家のアドバイスを聞きながら、家族にとって、そして加害者となった子どもにとってベストな解決方法を模索していく必要があります。

加害者側になった場合も早めに弁護士に相談を

まず前提として、いじめは決して許される行為ではありません。しかし、加害者側がきちんと誠意を持って対処すれば被害者となった方の苦痛も少しは和らげられる可能性がありますし、何より加害者となってしまった子どもの反省を促すことにつながります。

悪いことは悪いとして、その後どう対処すればいいのかについて家族が自分たちだけで決断するのは大変なことです。

法律が絡む問題でもありますので、弁護士の助けも借りながら今後の対応を考えていきましょう。

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