長澤まさみさんが出演しているTVCMが印象的なクボタ。「For Earth, For Life」のブランドステートメントのもと、「食料・水・環境」分野の課題解決のためにさまざまな製品を提供。現在世界120カ国以上で事業を展開し、グループ全体の従業員数は実に40,000人を超える。同社は2021年2月に、今後10年を見据えた長期ビジョンである「GMB2030」と、GMB2030の実現に向けた中期経営計画2025を発表した。クボタはこれから先の未来の地球、そして人々の暮らしにどのような価値を提供しようとしているのだろうか。

時代と、社会と向き合い130年。「人類の生存に不可欠な技術」を作り続けてきたクボタ

クボタが創業したのは1890(明治23)年。明治中期、日本国内ではコレラをはじめとする伝染病が猛威を振るっていた。創業者である久保田権四郎は、公衆衛生の整備に取り組むべく、水道用鉄管の国産化に挑み、その後日本で初めて量産化に成功した。

かの松下幸之助が「お師匠さん」と仰いだ権四郎が掲げたのは、「国の発展に役立つ商品は、全知全霊を込めて作り出さねば生まれない」「技術的に優れているだけでなく、社会の皆様に役立つものでなければならない」という言葉である。

以来クボタは、戦後の食糧難に端を発する農業機械開発、高度成長期に合わせた下水処理事業や都市環境インフラ事業の確立など、時代時代の社会課題を見つめ、それらの解決に奔走。人が生きていくために不可欠な「食料・水・環境」の分野で、130年にわたってさまざまな技術開発に努めてきた。

  • 創業者である久保田権四郎氏のもと、日本で初めて水道用鉄管の量産化を実現

世界120カ国に事業を広げるグローバルカンパニーへ

21世紀以降はグローバルカンパニーとしての成長を加速させ、日本で培った技術革新の成果を世界各地で展開してきた。

「食料」の分野では、畑作と稲作の両方を手掛ける農業機械総合メーカーとして成長。農業は、その土地の地形・気候等によって生産手法が千差万別である。クボタは地域の特性に合わせた製品提案、およびサービス・メンテナンスを行うなど、常に「現場に寄り添う」ことで高い評価を受けてきた。特に、世界有数の稲作地帯である東南アジアでは、コンバインのシェアナンバーワンを誇るなど、世界の食糧不足解消に貢献している。

「水」の分野では、上水・下水・水処理・プラント管理など、水の循環に関わる技術と製品をトータルで開発。水関連事業は世界70カ国以上で展開されており、世界でまだ7億人が安全な水を使えていないと言われているなか、上下水道を含めた水インフラの整備に大きく寄与している。

また「環境」の分野では、都市景観の保持・開発に寄与する建設機械や芝刈り機・UV(ユーティリティビークル)、環境へ配慮しながらさまざまな動力として産業を支えるエンジン、ものづくりの現場を支える精密機器や素形材、鋼管、そして快適な空気を創出・循環させる空調と、さまざまな領域で技術開発をおこなってきた。特に、2022年で開始100周年を迎えるエンジン事業では、欧州の厳しい排出基準「Stage V」を満たすなど、国際的に高まる環境配慮の機運に柔軟に対応してきた。

このように、世界120カ国以上で事業展開し、食糧危機や環境汚染といった地球規模の課題解決に奔走してきたクボタ。結果、2000年には18.7%だった海外売上比率は、現在67.4%にまで高まり、グループ全体の売上高はこの10年で倍増している。

クボタが見据える“未来”とは

世界中が激動にさらされ、複雑かつ不確実なこれからの時代。クボタは「経済成長と資源循環の両立(サーキュラーエコノミー)」「温室効果ガス排出量ネットゼロ(カーボンニュートラル)」「循環・共有を通じて生産物の限界費用が限りなくゼロとなる社会」など、今まさに叫ばれる国際社会のメガトレンドに対しても、独自のアプローチで貢献を目指している。

中でも、各国・地域の特性や慣習に寄り添ってきたクボタだからこそ真価の問われるメガトレンドが「新たな中小コミュニティの形成」である。これは昨今言われている、今日よりさらに自律分散型の社会インフラが整い、グローバル資本主義だけにこだわらない、新たな中小コミュニティが形成されていくだろうということを意味している。

画一的なサービス提供だけでなく、国やエリアによって異なる多様な価値観や課題に対して、より一層細やかなサービス提供が必要だとクボタは考えている。

  • 「食料・水・環境」の各分野は独立することなく相互に連携し、新たなソリューションを生み出していく

このような時代背景に対応すべく、「食料・水・環境」という各事業分野が独立するのではなく、相互に連携・作用することで、高度で複雑な課題にも対応しうる新たなソリューションを生み出そうとしている。これらは遠い未来の話ではなく、既に各分野で具体的な動きが進んでいる。

「食料の生産性・安全性を高めるソリューション」の一例が「スマート農業」だ。 鍵を握るのは、クボタのスマート農機と連携し作業情報や作物情報をクラウド上に 記録する営農支援サービス「KSAS(KUBOTA Smart Agri System)」である。

スマートフォン/PCなどの端末を使い、対応農機と連携したデータを収集・活用することで、農業経営の「見える化」を実現。データに基づく収量・品質向上を目指す新しい営農サイクルのサポートを図っている。2014年から提供開始された同サービスは、2021年5月末時点で全国約2,300軒を数える。

クボタでは「農機自動化による超省力化」や「データ活用による精密化」を通じて、 日本国内のみならず、世界のスマート農業を進めていくことを次世代農業ビジョンとして掲げる。

「水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション」の代表例は、2018年から実用化が進む、水環境プラント・機器の遠隔監視・診断・制御サービスを提供するクボタ独自のシステム「KSIS(KUBOTA Smart Infrastructure System)」だ。

KSISは水道施設・設備の状況をスマホからでも監視できるほか、クラウドに蓄積されるデータの解析を通じて、不具合の予兆を検知することも可能とするIoTシステムだ。特に、自前でシステム構築を行う予算が無く、点検・監視の人員にも乏しい中小規模の自治体を中心に普及が進んでいるという。

こうした、事業分野の横断、IT活用ソリューションの実現やさらなる拡大のため、NVIDIAやAurea ImagingなどとのITテクノロジー実装のためのオープンイノベーションや、2022年夏には大阪・堺にグローバルR&Dの新拠点を設置し、イノベーションの推進を強力に推し進めていく計画だ。

これらの事業を通したあるべき姿として「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」という言葉を掲げる。

「プラットフォーマー」とは、何かをやりたいと思ったときに必ず利用しなければならないサービスを提供している企業のこと。「食料・水・環境」の分野のどこかで、必ずクボタの製品やサービスが利用され、社会にとって必要不可欠な企業になりたい。そうした気概が込められている。

クボタは明治期のコレラ流行を機とした、国産初の水道鉄管の量産化以来、130年間に渡って常に社会の課題を見つめ、その解決に奔走することで人々の“命”を支えてきた。

諸問題が複雑に絡み合い、「このままの社会のあり方では、未来永劫続いていくことができない」という危機感が世界共通の認識になってきた時代。

「今」だけでなく、不確実な「未来」と向き合い、そこにどんな課題があるのか、それに対してクボタはどのように貢献できるのか。長期ビジョン「GMB2030」を起点に、クボタの新たな挑戦が始まっている。

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