日立システムズは、幅広い規模・業種にわたる業務システムの構築に加え、データセンター、ネットワークやセキュリティの運用・監視センター、コンタクトセンター、全国約300カ所のサービス拠点といった多彩なサービスインフラを活かしたシステム運用・監視・保守を強みとするITサービス企業だ。同社で自治体業務システムに20年以上携わってきた青木弘明氏は、業務知識と開発の技術知識を併せ持つPM*1として評価されているという。ここでは大規模プロジェクトのマネジメント経験を経て、自治体DX*2推進事業で活躍するに至った同氏のストーリーを紹介していこう。

*1 プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の責任者
*2 デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用した業務改革

青木弘明氏

株式会社日立システムズ 公共・社会事業グループ 公共パッケージ事業部 ADWORLD強化センタ 主任技師

2000年入社。自治体業務パッケージシステムの担当としてシステム開発からPMへとキャリアを築き、数々のプロジェクトを成功に導く。2013年、大規模なマイナンバー対応プロジェクトでは成功の立役者の一人として評価される。2018年からは自治体業務システムに長年携わってきた経験を生かし、パッケージシステムの機能強化や自治体DXを推進するデータ活用ビジネスの立ち上げなど新たな取り組みで活躍中。

青木氏を“自治体DX推進のスペシャリスト”に成長させたマイナンバー対応への取り組み

「今後の社会に不可欠な自治体DXの取り組みに参画し、住民と職員と地域に貢献したい」

そう語る青木氏は、長きにわたって自治体業務システムに携わってきたスペシャリストとして、自治体DX推進事業で活躍してきた。

そもそも青木氏のキャリアは、自治体の業務パッケージシステムの開発からスタート。数ある自治体業務システムのうち、主に個人住民税と国民健康保険システムを担当し、毎年実施される税制改正への対応やお客さまの要望に合わせた機能改善などを通じて、自治体の業務や税制度の知識を深めてきた。さらに開発時の上流工程における設計を経て、要件定義・基本設計から製造・テストまで開発の全工程の経験を積み、2008年には個人住民税の公的年金からの特別徴収制度に対応する大規模プロジェクトの全体管理を行うPMを担当。以降、数々のプロジェクトをマネジメントし、実績を重ねていく。

そんな青木氏が「自身の成長を促してくれた経験」として振り返るのが、2013年のマイナンバー対応だ。この法改正は、自治体の業務システム全体に影響するもので、社内でも営業・設計・開発の各部門をつなぐための専門部署を設置。また、「番号付番」「番号利用」「情報連携」の3つの工程をそれぞれプロジェクト化して対応した。その中で青木氏は要の「番号利用」プロジェクトのサブPMに抜擢され、社内外合わせて全国の関係者と連携しながら工程・品質・原価の管理を行うことになる。

これまで経験した特定の業務システムのマネジメントとは勝手が大きく異なるため、青木氏は「自分の知識や経験値だけでは対応できない」という課題に直面したという。そこで青木氏は、綿密なコミュニケーションと細やかな情報共有で関係者のコンセンサスを一つにすることに注力する。

たとえば、各業務システム間でマイナンバーの画面表示やアクセスログの取得管理方法などの統一が求められた際には、作業基準と各種成果物の雛形を整備して開発者全員に周知するだけでなく、設計段階でプロジェクトマネージャーと開発リーダーでレビューを実施し、実際の画面を確認することを徹底した。そのほかにも、毎週プロジェクトメンバーで定例会を実施し、進捗確認や課題の洗い出しによって工程・品質・原価管理を徹底することはもちろん、関係各所で異なっていた原価管理の一元化や、営業・SE・顧客など関係者に向けたシステムの開発コンセプト・運用方針の説明会を開催するなど、きめ細かい取り組みも実施。その説明会では関係者それぞれに合わせた資料を作成し、自ら説明も行った。理解を促し足並みをそろえることで個々の要望や課題が発散することを防ぎ、品質を確保して大規模プロジェクトを成功に導いたのだ。

青木氏が評価されているのは、豊富な自治体の業務知識をパッケージシステム開発に取り入れている点だ。顧客の要望と、技術面を考慮する開発SE双方の意向をふまえ、最適解を導きながら工程・品質・原価を管理できるPM人材は貴重な存在である。加えて、関係者への説明会対応などマネジメントを超えた取り組みも積極的に行い、一人ひとりと向き合って関係性を構築していく姿勢とコミュニケーション力が、社内外から信頼を集めている。

こうした強みと経験を生かし、青木氏は2018年から自治体のデジタル化を促す業務パッケージシステムの機能強化に携わっている。営業担当を通じて顧客のニーズをとらえ、導入コストを軽減する仕様やRPA*3やBIツール*4を活用した新機能などの提案から設計までを手がけ、リリースして新規導入の裾野を広げている。さらに現在は、日立グループ全体で推進する自治体DXの取り組みにも参画。データを活用した新規ビジネスの立ち上げに挑戦している。いずれも、長年にわたる自治体業務システムの経験と大規模プロジェクトの実績で培ってきた業務知識やコミュニケーション力、人脈が発揮され、周囲からの信頼と期待もますます大きくなった。

「自治体の業務システムに長く関わっていますが、自分が手掛けるシステムやサービスが、お客さまである自治体はもちろん、その先の地域住民の利便性につながっているという実感が増しています。日立グループ全体で推進している自治体DXの取り組みは、今後の社会に必要不可欠です。これからも日立グループの取り組みにも参画することで、住民・職員・地域に、より貢献していきたい」。そう語る青木氏は、いまでは“自治体DX推進のスペシャリスト”として日立グループに欠かせない人材となっている。

*3 Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットによる業務自動化
*4 ビジネスインテリジェンスツール:データを分析・加工し、業務に活用する技術

青木氏のミッションとは

■パッケージシステムの機能を強化し、自治体業務のデジタル化を推進

現在、青木氏が所属する部署では、日立システムズの自治体ソリューション「ADWORLD」において、政府の方針に則りながらシステム標準化・共通化への対応を進める一方、お客さま顧客のニーズを汲んだ新たな機能や仕様を付加し、パッケージシステムとしての価値を強化する取り組みを行っている。青木氏は社内の営業や設計担当、他部署と連携して提案から開発のとりまとめを担当し、導入コストの軽減につながる帳票パターン化の仕様や、RPA・BIツールを活用したデータ分析サービス「ADWORLDデータ統合・分析基盤」など、これまでにないサービスを提供することで、自治体のデジタル化推進に貢献している。

■日立グループの自治体DX推進の一環として、データを活用した新規ビジネスを創生

デジタル化を通じた行政サービスの充実や地域活性化の動きが加速化する中、日立グループは自治体DXの取り組みを推進している。青木氏はその一環として、顧客データやオープンデータなどを活用した新規ビジネスの立案を担当。各種データを見える化、分析して、自治体の政策立案の支援や職員の業務効率化につなげるサービスの立ち上げに取り組んでいる。PMの経験で培ってきた人脈やコミュニケーション力を生かし、日立グループ関係者との連携や自治体へのヒアリングを積極的に行いながら、調査・研究に注力する。

■後輩がPMを務めるプロジェクトに参画し、後進を育成

PMとして数多くのプロジェクトに携わってきた青木氏は、後輩がPMを担当するプロジェクトにも参画し、後進の育成に取り組んでいる。育成にあたり、大規模プロジェクトで多数の関係者と連携した経験から「対話」を重視し、後輩の思いや意向を確認しながら 、PMの基本である工程・品質・原価の管理方法やコミュニケーション力、チームの生産性を上げるノウハウなど一人ひとりに適切なアドバイスをすることを心がけているという。

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※本内容は2021年3月時点の情報です。本コンテンツに記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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