ファクタリング会社の摘発事例

「違法なファクタリング会社を摘発!」
そんな見出しのニュースを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
見出しだけを見るとファクタリングそのものが違法であるようにも感じてしまいますが、これは大きな間違いです。
どのような業者が摘発されているのか、摘発に至った経緯、摘発の事例等についてご紹介いたします。

違法の危険性がある取引

繰り返しお伝えしてきた通り、決してファクタリングそのものが違法な取引という訳ではなく、現に法令を遵守しているファクタリング会社が摘発される事例は今のところ確認されていません。
摘発された業者のほとんどが「偽装ファクタリング」「給料ファクタリング」のいずれかに該当しておりますので、まずは両者の特徴・どのような取引が違法性を帯びるのか・注意点等について押さえていきましょう。

偽装ファクタリングとは

明確な定義はありませんが、一般的に偽装ファクタリングは「ファクタリングと偽って貸金業を営むこと」を指します。
通常のファクタリングは、売掛金や未収金等の売掛債権を売却し、早期現金化を図るという金融取引ですので、そもそも返済という概念が存在しません。(ただし、2社間ファクタリングの場合は取引先から受け取った売掛金をファクタリング会社に引き渡す義務があります。)
一方で、偽装ファクタリングでは「売掛金の引渡しを先延ばしにする代わりに手数料を支払わねばならない」「売掛金が支払われなかった際に利用企業側に補償を求める」など、通常のファクタリングでは凡そ考えられない要求がなされます。
融資・金利・返済等の文言が出てきた場合は注意が必要です。

  偽装ファクタリングの見極め方はこちら

もちろん、偽装ファクタリングを利用したことで咎めを受ける訳ではありません。
しかしながら、著しく高い手数料を取られてしまう・本来支払わなくても良いお金を請求される等の恐れは十分に考えられます。
少しでもおかしいと感じたら、すぐに取引を中止するようにしてください。

給料ファクタリングとは

給料ファクタリング(又は給与ファクタリング)とは、文字通り賃金請求権をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する取引です。
事業を営んでいない方は売却可能な売掛債権を保有しておりませんので、本来であればファクタリングを利用することはできません。
しかしながら、多くの方は勤め先に対し「雇用契約に基づく給料」を決められた日に受け取る権利を有しています。
一部の悪質なファクタリング会社が当該権利に目を付け、「即日融資に変わる現金調達方法」「借金をしたくない方にオススメ」などと謳い、給料ファクタリングは広まっていきました。
給料ファクタリングの手数料は20~30%が相場だった言われております、中には50%以上の手数料を請求する業者もおり、大きな社会問題へ発展したのです。

金融庁による違法判断

まず先に動いたのは行政側でした。
金融庁は「給料ファクタリングは貸金業に当たるか」との照会に対し、令和2年3月5日以下の回答を発しています。

“(略)その賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないとの同法の解釈を前提とすると、照会に係るスキーム(個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うこと。)においては、いかなる場合であっても賃金債権の譲受人が自ら使用者に対してその支払を求めることはできず、賃金債権の譲受人は、常に労働者に対してその支払を求めることとなると考えられる。(略)当該スキームは、経済的に貸付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの。)と同様の機能を有しているものと考えられることから、貸金業法(昭和 58 年法律第 32 号)第2条第1項の「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」に該当すると考えられる。したがって、照会に係るスキームを業として行うものは、同項の「貸金業」に該当すると考えられる。”

引用元: 金融庁「一般的な法令解釈に係る書面照会手続 照会文書」より抜粋

つまり、金融庁は
(1)賃金は直接払いが原則であり譲渡が認められない
(2)金銭の交付と返還が約束されている構成であるため、不特定多数の人に反復継続して行う場合は貸金業許可が必要
との見解を示したのです。

司法による違法判断

令和2年3月24日、給料ファクタリング会社と利用者間で争われた民事裁判に於いて、東京地方裁判所は以下の項目を認定しました。

(1)給与ファクタリングの仕組みは、(略)「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」による金銭の交付であり、貸金業法や出資法にいう「貸付け」に該当する。
(2)年850%を超える利息の契約は、出資法5条3項に違反し、刑事罰の対象となる契約であるから、不法原因給付に該当し、(略)金銭の返還義務を負わない。

行政に続き、司法も給料ファクタリングを業として行う場合は貸金業許可が必要であると判断した格好です。
また、給料ファクタリングは無効であるとして、支払った金銭の返還を求めていた裁判に於いて、東京地方裁判所は令和3年2月9日に違法である旨及び全額返還する命令を下しています。

今後のファクタリング

経済産業省では、中小企業向けの新しい資金繰り方法として、ABL(債権担保融資)などの債権を活用した資金調達に強い関心を示しています。
現在は民法に則って取引が行われているファクタリングですが、手形と同様に特別法が制定されたり、許認可制が導入されたりする可能性は十分に考えられます。
ファクタリングは違法ではありませんが、今後の動向には引き続き注意する必要があるでしょう。

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