私にとって夢であるスポーツ実況を、この度「東都大学野球リーグ」という大舞台で経験させていただきました。当日、実況席に座り、主審の方の「プレイボール」の声が掛かった時の緊張感は、今でも鮮明に覚えています。実況することが決まった時は、右も左も分からない状況で、「試合までに何を準備すれば良いのか…」。そんなところから始まりました。

担当させていただいた試合は、9月30日の駒澤大学対亜細亜大学の2回戦。亜細亜大学が序盤に5点をリードして、駒澤大学が追う展開になりました。実況の中で意識したのは、攻撃の糸口が摘むことができていない駒澤大学を盛り立てた事です。駒澤大学は、6回表の攻撃で2得点を上げて差を3点にするも反撃及ばず、5対2で亜細亜大学が勝利しました。それでも、観ている人が「もしかすると駒澤が追いつくかも」と思ってもらえる様な実況を、最後の1打席まで心掛けました。

試合を振り返ると、反省点が沢山出てきます。その一つが、夕焼け空の映像が映し出された瞬間に、咄嗟に何かを言わなければと思い、「虹が掛かっています!」と発したことです。私の目には、その瞬間、虹のように見えたのですが、今一度見直した時に綺麗な夕焼け空であったので、直ぐに訂正をしました。このことは今後も忘れないことになりそうです。

そんな緊張感の中で終えた初めての実況を振り返り、プロのアナウンサーの凄さが身を持って感じられた機会となりました。選手の一つ一つのプレーに合わせて瞬時に言葉を発する実況。その裏側に隠された多くの技術に気付きました。ヒットを打った瞬間の「打ちました!」というこの1フレーズを取っても、この言葉を発するタイミング・声量・勢いなどの工夫できる点が本当に多くありました。そんな中、試合前から大切にしようと心掛けていた「選手のプレーに対する熱量、会場の盛り上がりを伝える」といった事を最後まで意識して貫けたのは、自信になりました。

実力が拮抗して最後までどちらが勝つかわからない、まさに「戦国東都」の言葉に相応しい試合を実況出来て、心から嬉しく思います。また、東都大学野球リーグの戦績・雑誌・選手名鑑を調べるうちに、東都大学野球に夢中になり、ファンになりました。今後も、様々なスポーツ実況に挑戦し、自分が東都大学野球のファンになったように、もっともっとスポーツの魅力を発信していきたいです。

最後に、この機会を作ってくださりましたスポーツブルさん、ユニバスさんをはじめ、大会運営の方々、そして何より全力でプレーをしている選手、チーム関係者に感謝の言葉を記して終わりにしたいと思います。本当にありがとうございました!

2020.10.16 平野康太郎(法政大学)

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