コロナ禍でニーズが高まっている企業のライブ配信

改めていうまでもなく、コロナ禍は音楽やステージなどの日本のライブ・エンタテインメント市場にも深刻なダメージを与えている。コロナウイルスの影響を受けた2020年には、オフラインからのチケット収入が前年比80%も減少するとも試算されているのである。このような背景から、いま業界全体の優先事項となっているのが「オフライン」から「オンライン」への切り替えだ。

そしてここでいうオンラインとはライブ配信を指すが、そのニーズの高まりは何もエンタメ企業にとどまらない。

テンセントジャパン(以下、テンセント)の付 昂(フ コウ)氏は次のように話す。「コロナ禍でリモートワークが一般化したことなどにより、17LIVE(イチナナ)やSHOWROOM等の既存の配信プラットフォームに慣れ親しむとともに、それらを利用する時間が増えていることも、国内でライブ配信のニーズが拡大している大きな理由として挙げられます」

  • テンセントジャパン 付 昂氏

さらに、もう1つの重要な理由となるのが、ライブ配信にまつわる国内市場規模の急拡大だ。

「日本のライブ配信には、2,900億円にも上る市場規模があると見られています。とはいえYouTubeのようなプラットフォームの場合、スーパーチャットのような課金システムもあるにはあるものの、中心となるのは広告収入です。しかしこれはライブ配信者(ライバー)にはあまり関係ない収入源といえます。そのため中国では、ライバーすなわちインフルエンサーの直接的な収入源となる“投げ銭”が普及しており、日本のライブ配信市場でもこれからこの市場が伸びていくことでしょう」(付氏)

ライブ配信プラットフォームといえば、先に挙げたイチナナやSHOWROOMといったサービスが既に存在している。しかし今後はアイドルや音楽、教育、スポーツなど、それぞれのジャンルに特化した新しいプラットフォームが求められてくるため、新たなビジネスチャンスも生まれてくるのである。

そして、昨今の至上命題ともいえる企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一貫としても、ライブ配信は大きな効果を発揮する。

「従来DXで叫ばれている“インターネット+α”が、これからは“ライブ+α”に変わるのだと当社では提唱しています。それは、エンタメ企業はもちろんですが、他の業界でもこれからはライブ配信がDXのカギを握る存在となっていくはずです」と、付氏は強調する。

ライブ配信をはじめたいけれども……

ただし、企業がライブ配信を行うにあたっての課題も存在する。まず、自社にとってどんな効果があるの分からないのがまず大きな障壁となってくるだろう。そして効果を出すために欠かせない、データの取り扱いも大きな問題となってくる。

付氏は言う。「既存のプラットフォームを使うと、ユーザーのデータはプラットフォーム側のものになるため、自社でのデータ分析に使えません。またプラットフォーム側に収入の数十パーセントは取られてしまうことになります」

だからといって、映像や音声に関わるアプリケーションやサービスの開発経験のある企業、つまりそうしたジャンルのエンジニアを抱えている企業とは、かなり限られてくるというのが現実だ。そうなると、既存の配信プラットフォームを使わずに自社でライブ配信をやりたいと考えても、「経験のあるエンジニアが集まらない」「外注するとコストがかかりROIを算出できない」といった、新たな問題にぶつかることとなるのだ。

テンセントが「技術」「資金」「収入」の課題を解決できる理由

「技術」「資金」「収入」といった従来のライブ配信の課題をすべて一気に解決するのが、テンセントが3月30日に日本国内向けに新たに提供を開始したライブ配信導入支援サービス「Tencent Cloud aPaaS(Application Platform as a Service=aPaaS)」である。

「aPaaS」は、“Application Platform as a Service=アプリケーション・プラットフォーム・アズ・ア・サービス”の略であり、アプリケーションから基盤となるクラウドリソースまで、すべてのサービスが提供されている。そのため、企業側での開発は不要かつ、すぐに使用を開始するすることが可能となっている。しかも低遅延なのですべてのユーザーが快適に利用可能だ。

付氏はこう説明する。「例えば既存のライブ配信プラットフォームのような完成度の高いサービスを一から立ち上げようとすると、少なくとも3~4ヶ月ほどの期間と億単位のコストが掛かってしまうことでしょう。そこまでの資金力と時間的余裕のある企業というのは限られているはずです。しかし『aPaaS』ならその半分以下のコストで、チャットや投げ銭など標準的な機能のサービスであれば1週間ほどで利用できる環境が整います。このためさまざまなリスクの回避が可能です。そのうえ、自社のCRMと連携してデータ分析が可能となるため、ビジネスへの効果も期待できるのです」

テンセントでは「aPaaS」から機能を選択する際に、 “貴社のニーズであれば、これを選択したほうがより効果があるのでは”といったコンサル的な相談サービスも提供しており、この点も心強いだろう。

「お客さまにより良く使っていただくことで、当社にも還元できるものと考えています」(付氏)

「aPaaS」の基盤には、テンセントクラウドのIaaSとPaaSが使われており、その上に「美顔フィルタ(美肌フィルタ)」や「投げ銭」「入場アニメ」などのライブ関連機能モジュールや、「ライブ管理」「ユーザー管理」「データ解析」などの運用管理関連機能モジュールが数多く組み込まれている。

「こうした標準機能は、ほとんどの企業のライブ配信ニーズを満たすことができますし、個別ニーズにも対応可能です。自由にシナリオを選択してニーズに対応できるソリューションが『aPaaS』なのです。さらに『aPaaS』はオープンプラットフォームなので、これからも新たなニーズに積極的に対応していく予定です」(付氏)

例えば美顔フィルタは、開発者側に高い経験値が求められるが、「aPaaS」であれば非常に評価の高いフィルタが既に組み込まれているので、心配は不要だ。また、目を大きくしたり肌を綺麗にするフィルタだけでなく、配信者の顔の動きを追跡する猫の耳やスタンプといったフィルタも最近のエンタメ系配信ではよく使われるという。

日本のライブ配信ニーズに合わせ、サービス向上をさらに続けていく

まだリリースして間もない「aPaaS」だが、すでにエンタメ業界を筆頭に、さまざまな業界の企業から数多くの問い合わせが寄せられているという。

今後は、さらに日本市場のニーズに合った機能を整理しつつ、日本向けの新たな専用機能も追加していく構えだ。

「ガチャのような機能や、オンラインで行列するといった待ちの機能も、日本独自のニーズとして追加していきたいですね。『aPaaS』はサービス名こそ異なりますが、ビジネスモデルとして成立するかを中国国内で検証したうえで、世界で最初に満を持して日本市場向けに提供を開始したサービスです。テンセントとしても、日本の企業のお客さまがいち早く効果的にライブ配信ビジネスを展開できることに努力は惜しみません」と、付氏は力説する。

>>テンセントジャパンのソリューションはこちら

[PR]提供:Tencent Japan