2020年7月1日にDATUM STUDIOとSnowflake、Tableauがパートナーシップ契約を締結し、3社の強みを生かしエンタープライズAI基盤とインテグレーションサービスの提供を開始した。DATUM STUDIOの武智壮平氏と同社の関連会社ちゅらデータの菱沼雄太氏、Snowflakeの KT氏による鼎談を行い、パートナーシップの意義について話し合ってもらった。

参加者
DATUM STUDIO株式会社 執行役員 武智壮平氏
ちゅらデータ株式会社 CTO 菱沼雄太氏
Snowflake株式会社 セールスエンジニアリング部 シニアセールスエンジニア KT氏

――2020年7月にパートナーシップ契約を締結しました。

DATUM STUDIO株式会社 執行役員 武智壮平氏

DATUM STUDIO株式会社 執行役員
武智壮平氏

武智氏:今回のパートナーシップ契約によって、DATUM STUDIOのAI構築やデータ分析の知見と、クラウドデータウェアハウスの「Snowflake」、セルフサービス分析プラットフォームの「Tableau」を生かしてお客様に最適なソリューションを提供できるようになりました。Snowflakeは権限付与やデータ管理などを容易に行えるため、当社の本業であるAI分析やお客様の分析サポートに注力することに大きく貢献してくれています。

KT氏:Snowflakeも今回のパートナーシップ契約は重要だと考えています。これからのビジネスにはデータサイエンスが欠かせないと言われ続けていますが、データサイエンスをビジネスに生かせている企業は少ないのが現状です。Snowflakeはそうした状況を変えていきたいと思っており、DATUM STUDIOは当社の取り組みを丁寧にサポートしてくださるパートナーだと認識しています。

武智氏:Snowflakeはこれまでのクラウドデータウェアハウスにない特徴を備えていますね。

KT氏:これまでデータウェアハウスはデータを1カ所に置きたいといいながら、けっきょくデータマートなどを作らないと使い物にならなかったという経緯がありました。Snowflakeはコンピュートリソースとストレージリソースを完全に分離するアーキテクチャのもとに、データを1カ所に置いたままスムーズに活用できるという点が特徴です。データサイエンスの処理は高負荷なものが多いので、これまではBI(ビジネスインテリジェンス)とデータサイエンスのデータを分けておかないと処理が追い付かないという事象がありました。Snowflakeのアーキテクチャでは、データを1カ所に置いてすべてのワークロードを処理できるのがポイントとなります。

武智氏:DATUM STUDIOがAI構築やデータ分析を提供するうえで、お客様にSnowflakeの利用を勧める理由が3つあります。1つはコスト最適化です。お客様がBIを利用する際、たとえば容量の大きいデータの分析結果をすぐに見たい場合があります。しかし、毎日それを見たいわけではなく、月末やキャンペーンが終了したあと、上司に報告するときなどに見たいことが多いと思うのです。ところがBIが分析結果を出すのには時間が掛かります。高いコンピューティングリソースを用意しておけばいいのでしょうが、コストを考えるとそれも難しいでしょう。Snowflakeは常にBIを使うのではなく、ときどき使うような場合にコストを最適化できる点が強みだと思います。

KT氏:それは企業がSnowflakeを利用するメリットのひとつですね。

武智氏:2つめは、無駄な開発コストを削減できることです。従来ならばデータマートを作らなければいけないような場合でも、Snowflakeにはデータシェアリング機能があるのでデータをSnowflakeに溜め込んで一元的に管理できます。お客様が部署ごとにSnowflakeのアカウントを購入してそれを参照するようにすれば、データを共有して各部署のコンピューティングリソースで参照して使えるのです。A部署とB部署のシステムが違う場合、従来ですとA部署のデータをB部署に上げるためにインターフェースを作り、データをロードする仕組みを開発しなければならなかったのですが、Snowflakeを利用すればその開発コストが不要になります。

KT氏:まさにデータシェアリング機能を備えるSnowflakeの強みです。

  • Data Sharing イメージ図

    Data Sharing イメージ図

武智氏:3つめはコストをアロケーション(分配)できることです。たとえばお客様のB部署のコンピューティングのリソースでA部署のデータにアクセスして使う場合、従来ですとB部署にコストが発生します。しかし、Snowflakeでは利用したぶんのコストしか掛からないため、使う頻度や量に応じて部署ごとにコストを最適にアロケーションできるのです。

KT氏:それによって部署間での不毛な議論が起こりにくくなります。

武智氏:多くの企業にとってSnowflakeは強力なソリューションだと思っています。大きなデータを持ち、本当にデータ分析を活用している日本の企業はそれほど多くないのが現状です。Snowflakeは小さいデータ量から始めて柔軟にスケールアップできる点も優れています。企業がさまざまなデータを集めてSingle Source Of Truth(信頼できる唯一の情報源)を実現するというビジョンを描きつつ、今あるデータを活用していくために最も適したクラウドデータウェアハウスは、柔軟なアーキテクチャを持つSnowflakeだと思っています。

データ利用量によってコストを最適化できるSnowflakeを評価

ちゅらデータ株式会社 CTO 菱沼雄太氏

ちゅらデータ株式会社 CTO
菱沼雄太氏

――ちゅらデータは自社のクラウドデータウェアハウスとしてSnowflakeを導入したと聞きました。

菱沼氏:ちゅらデータはDATUM STUDIOの関連会社で、沖縄を拠点としてAI領域やデータの分析領域でデータサイエンスを行っている企業です。当社はお客様のデータをお預かりしてデータ分析を行っているのですが、お預かりしたデータの使う量は案件によってばらつきがあります。Snowflakeならば状況に応じてコストを最適化できるので導入しました。

武智氏:ちゅらデータのお客様もSnowflakeを利用されていますよね。

菱沼氏:はい。お客様にSnowflakeを提案して選んでいただけると、開発する側の私たちもとても助かります。私は開発にも携わっていますが、開発者はデータを取得する速度を早くするためにチューニングするといった職人芸に近いものが求められる職業です。たとえばお客様から「スピードが遅いから早くして」と要求される一方で、「スピードは早くなったけどコストが高い」といったことも言われます。Snowflakeならばチューニングやコストの最適化が容易に実現できるため、私たちは高度なAIを構築するといった本質的な価値を提供するための業務に力を注げるのです。

データを主軸としたDXを推進していくうえでSnowflakeは強力なソリューション

――DATUM STUDIO、ちゅらデータにとってSnowflakeは欠かせないツールとなっているようですね。

KT氏:お二人のお話を伺ってとても嬉しく感じています。私たちSnowflakeの社員がアーキテクチャや仕組みについてSnowflakeの優位性をアピールするのは当然ですが、DATUM STUDIOのようにAI構築やデータ分析の現場に携わる方にも「Snowflakeを利用することで自分たちにとって大事なことを考える時間が生まれた」といったことをおっしゃっていただけるのは光栄ですね。私たちもクラウドサービスベンダーとしてそうした世界を目指してきましたから。Snowflakeを多くの方に伝えていただける素晴らしいパートナー企業がいることをとても誇りに感じています。

武智氏:私たちはデータサイエンスを使ってお客様のビジネスをどう実現するか、お客様がどんな施策を打てばよいのかというところまでいかないと、お客様の付加価値を高められないと考えています。ですから、たとえばSnowflakeを「セールスフォース」とリンクさせて生じたデータ分析の結果をマーケティングオートメーションと連携し、効果的な施策を実現するといったエンドユーザーへのタッチポイントまでのトータルな支援を行なっています。お客様に高付加価値な解を提供し、データを主軸としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくうえで、Snowflakeは強力なソリューションだと考えています。

KT氏:パートナーシップ契約の締結には大きな意義があると思っています。DATUM STUDIOのAI構築やデータ分析の知見とSnowflakeの技術を合わせてより多くの企業にデータサイエンスをビジネスに生かしていただくため、これからもご協力いただけると嬉しいです。

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