コロナ禍により、この1年でぐっと増えた“おうち時間”。在宅ワークや外出自粛などで、今までよりも家族で過ごす時間が長くなったという方も多いことでしょう。

しかし、一緒にいればいるほど親子の絆が深まって嬉しい反面、目につくところや不満に思う部分が増えたと感じるパパ・ママも少なくないのではないでしょうか。実際、マイナビニュース編集部のパパ・ママ社員からも、下記のような悩みが挙がりました。

【コロナ禍のマイナビニュース編集部パパ・ママ社員のお悩み】

おうち時間の増加によるゲームの使い過ぎを叱らずに伝えたい……

外で遊べない子どもが、ストレスを溜めないようゲームや動画視聴をずっとしていても言えない……このまま放任していても問題ないのか?

急に増えた子どもと過ごす時間。外に遊びに行けないなか、親子でどんな遊びをしたらいいのかわからない

子どもが動画を見るときやゲームをするとき、どんなルールを決めたらいいの?

一緒に過ごす時間が増えて嬉しいのに、逆にケンカが増えてしまい……どうしたらお互い気持ちよく過ごせる?

日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカさんによると、「おうち時間の増加によって、親子のコミュニケーションがすごく取れて良好な関係を築けている家庭と、細かいことについ口出しをしてしまいトラブルが増えたという家庭に二分化しています」とのこと。

その差はどこにあるのか、そして親子で過ごす“おうち時間”をより良くするためにはどうすればよいのか、竹内さんに詳しくお話を伺いました。

竹内エリカさん
幼児教育者。日本キッズコーチング協会理事長。20年にわたり発達心理について研究し、これまで約15,000人の親子に携わる。発達支援では多動症・不登校の克服、運動指導では全国規模の大会で第1位他、14賞のコーチ実績がある。行動科学をベースにしたコーチングを活用し、お母さんや先生を対象に日本国内ほかアジアでも講演活動や育児相談を行っている。『一生を決める0歳から6歳までの育て方』シリーズほか著書多数。ラジオ『わくわく子育てCafe』パーソナリティ。ブログは こちら
家族が “お互いに”円滑そして幸せに過ごすためには、
押しつけではないルール作りが必要不可欠

「家族関係が良くなった・悪くなった」。その違いはおうち時間に対する考え方が大きく影響します。例えば、勉強や外での運動などコロナ禍で制限されたことばかりに目を向けて口うるさくなれば、当然関係性は悪くなります。一方で、一緒にいる時間が増えたことをプラスに捉え、親子で楽しむ工夫を凝らせる家庭は円満で幸せな関係が続きます。

このとき大事なのは、親子間でのルール作り。しかも、「これはダメ」「あれはダメ」という禁止事項ではなく、「どの時間を大切にするか」を第一に考えましょう。例えば、「食事は必ず家族で一緒に食べる」「リビングで遊ぶときはこうする」など、家族が仲良くいるために必要なことだけを決めるのです。

おすすめは、気楽な「家族会議」。食後にスイーツを食べながらなど、和気あいあいとした雰囲気のなかで行うのがポイントです。そして、自分が「したいこと」「してほしいこと」をそれぞれが気軽に出し合い、意見が違う部分はお互いに譲り合い、最終的にみんなが納得したものをルール化します。

家族会議は、“平等”が基本。というのも、親が押しつけたルールだと子どもは反発してしまうからです。一転、自分の意志で決めたことであれば、きちんと守るようになります。

何より、自発的なルール作りは子ども自身の成長にもつながります。自ら考え、責任を持って行動できる「自主性」や「自己コントロール力」が身につきますし、ルールを守れば家族みんなが笑顔になれるという成功体験を得られ「自己肯定感」も高めることができるのです。また、家族会議で自分の要望を通すために、親を説得しようと試行錯誤するうちに「プレゼン力」「交渉力」も磨かれていくでしょう。

そういった意味でも、コロナ禍でおうち時間が増えた今は、親子関係を見つめ直すことができ、子どももぐんと成長できるチャンスと前向きに捉えたいですね。

親子のケンカの種になりやすい動画視聴やゲームは、
よりよく付き合っていくためのルール作りを

冒頭で紹介されているマイナビニュース編集部のパパ・ママ社員の悩みを見ても分かる通り、動画視聴やゲームは親子ゲンカのきっかけNo.1と言っても過言ではありません。親としては夢中になってほしくないのが本音でしょうが、子どもにとって動画やゲームは楽しくて魅力的なもの。ついつい何度も見たり楽しんでしまいたくなるものと心得てください。

―――では、どのようにうまく付き合っていけばよいのでしょうか。

まずは、動画視聴やゲームを長時間続けることで「何を失っているのか」に注目しましょう。それは親子の会話かもしれませんし、運動する時間かもしれません。いずれにしろ不足しているものが分かれば、単に「ゲームをやめなさい」と取り上げるよりも、「お母さんがあなたともっと話したいから、そろそろゲームをやめて」などと説得力を増して伝えられるはずです。

次に、動画視聴やゲームこそ、まさに事前のルール作りが必須。 その際、時間は絶対に決めましょう。ただし、前述したように、親が一方的に決めるのはNG。親と子、双方の希望を出し合い、お互いに交渉しながら、最終的には本人が納得する形で決めることが重要です。 そして遊ぶときには、必ずタイマーをセットする。小さな子であれば、終わる時間の前から「あと10分だよ」「あと5分だよ」「あと1分だよ」とカウントダウンの声がけをするのも有効ですよ。

それでも時間通りにやめられないというときには、「今日は少し延長してもいいけど、その分明日の時間は減らそう」と臨機応変に対応するのも良いですね。それくらい心に余裕を持ってルールを決めたほうが、親子関係はぎくしゃくせずに済みますし、子どもの自制心も育ちます。

ちなみに我が家の場合は、「お母さんはゲーム音が苦手だから、聞こえないときならOK 」というルールにしたところ、朝早く起きてやるように。結果、早起きの習慣がつきましたし、親が起きる時間になったらスパッとやめるので、家族の時間もしっかり確保でき、一石二鳥でした。さらに、子どもが夢中になっている動画やゲームに親も興味を持って話しかけることで、自然と会話も弾みますよ。

さいごに

子育ては、“己”育てでもあります。親が子どものために「何かをしてあげなくてはならない」「ルールを作ってあげなくてはいけない」というよりも、親子で一緒に成長していくもの。パパ・ママばかりが頑張って「子どもに言うことを聞かせなきゃ」と気負う必要はまったくないのです。子どもにもどんどん自己主張をさせ、お互いに一番折り合いがつくところで親子間のルールを調整できると、家族関係を円満に保てます。また親子間のルールはその過程のコミュニケーション次第で家族がより仲良くなり、幸せな家庭が築けるきっかけにもなります。

他の家庭とは比べず、楽しく話し合いながら、ぜひ“我が家ならでは”のルール作りをしましょう。その際は、あまりガチガチに決め込むのではなく、OKライン・NGラインの幅にゆとりを持たせれば気楽に守れるはずです。そうして、今しかない家族の時間を大切に過ごしてくださいね。

***

子育てに役立つオンラインセミナー開催決定!
詳細はコチラ

[PR]提供:消費者庁・一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会