人事評価の書き方は、評価される部下も評価する上司も悩むものではないでしょうか。この記事では、人事評価を行う上で、意識するべき3つの要素について解説した後、自己アピールや評価コメントの書き方について、具体例も交えて紹介します。

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人事評価の書き方で意識するべき3つの要素

人事評価の書き方で、評価される側・評価する側で共通して意識するべき要素は以下の3つです。

  • 成果基準:目標に対する達成率
  • 能力基準:能力をどれだけ発揮したか
  • 情意基準:業務に取り組む姿勢

これらの要素について順番に解説します。

1、成果基準:目標に対する達成率

成果基準とは、新規顧客50件獲得のところ65件獲得した、資格を取得したなど具体的な数値に基づき評価し、達成率を示す評価基準です。目標を達成するためにどのように努力してきたか、というプロセスも評価対象です。

評価対象の期間が始まるタイミングで、上司と部下によって目標値を共有することで、成果基準は書きやすくなります。

2、能力基準:能力をどれだけ発揮したか

能力基準とは、自身が本来持っている能力を、どれだけ発揮できたか、という観点の評価基準です。評価する能力は、ビジネス力(企画力・実行力・問題解決力)や技術力などが挙げられます。

3、情意基準:業務に取り組む姿勢

協調性や積極性、責任性など、数値化しにくい業務の取り組み姿勢に対する評価を情意基準と言います。看護職など接客サービスで数値化しにくい職種は、情意基準による評価をメインに、成果基準や能力基準も取り入れられないか検討するといいでしょう。

人事評価で自己アピールする書き方のポイント5つ

自身の人事評価を作成する際、評価者に対して自己アピールする書き方のポイントを5点紹介します。

1、客観的に見る

自分のことを客観的に見ることはなかなか難しいかもしれません。数値化しにくい能力基準や情意基準については、周囲にどのような影響を与えたかを思い出しながら評価をしましょう。

2、具体的な数字を用いた成果基準

成果基準は、目標を具体的に設定し、数値で表現するように意識しましょう。達成率を数値化することで、客観的な評価ができます。数字も、だいたいではなく根拠を示すことが重要です。

3、失敗や問題点も報告

評価期間における失敗や問題点も正直に報告し、原因と改善案の提示を行うことも、評価のポイントとなります。単に失敗したことだけを報告するのではなく、そのプロセスでどのような成果を得たか、どうすることで改善するか、という点も評価内容に盛り込みましょう。

4、改善点を記載

目標を達成できなかった場合は、改善点も記載しましょう。資格取得に至らなかった場合は、原因分析と対策を記載します。特定の作業に時間がかかり目標が未達だった場合は、Excelマクロなどで自動化を試みるなどの改善策も記載することで、評価者に前向きな姿勢も伝えられます。

5、期初に成果基準(状態条件)を設定

前期で検討した改善点も含めて、期初に成果基準を設定して上司と共有しておくと、評価を確認しやすくなります。目標管理制度を実施している会社の場合は、期末の評価と期初の目標設定をセットで行います。期初の目標設定が制度化されていない場合も、上司と相談しながら目標設定を行うといいでしょう。

人事評価で部下にコメントする書き方のポイント5つ

人事評価で部下にコメントする際、どのような書き方をすればいいでしょうか。意識したいポイントを紹介します。

1、客観性・公平性を意識

目標管理制度を導入している会社では、人事から評価基準や評価項目についてくわしい展開があるはずです。その評価項目を使って、できる限り客観性・公平性を意識して評価しましょう。全社的な評価基準などが設定されていない場合は、自身の評価に何らかのバイアスがかかっていないかどうか注意してください。

先入観や第一印象、親近感という意識のフィルターによって、評価が大きく左右されることは少なくありません。「名選手は名監督ならず」という言い回しもあるとおり、自身が優秀だと部下が力不足に見え、評価が厳格になる傾向にも注意してください。

2、具体的な数字を用いた成果基準

成果基準については、具体的な数字を用いて評価するようにします。部下が自身で成果基準を数値に落とし込めていなかった場合、どのような視点で評価すれば数値化できるかを部下とともに検討しましょう。

また、当期の人事評価について面談するタイミングで、次期の成果基準について数値化しておくと、次期の人事評価が客観的になり、進めやすくなります。

3、数値化が難しい場合の評価基準を決める

能力基準や情意基準は、数値化の難しい評価基準です。それでも、「業務の効率化により残業時間を削減する」「問題解決の能力を活かしてプロジェクト進行に貢献する」など、どの程度できたら目標達成とするかの評価基準を決めて評価しましょう。期初に評価基準を部下と共有しておくことで、評価のブレをなくせます。

4、プラス評価と改善点を提示

部下の人事評価を行う際は、プラス評価とマイナス評価を両方バランスよく記載することを心がけます。マイナス面はそのまま書くと部下が重くとらえ過ぎる可能性もあるので改善点という形で書き、次期の努力目標とするといいでしょう。

5、具体的なフィードバック

「もっと努力するように」といったあいまいな表現のフィードバックでは、部下もどう対応すればよいのか理解できません。改善点に対して、どこがネックになっているかを部下と相談して検討し、具体的なフィードバックにつなげましょう。

以下はフィードバックの具体例です。

  • 同じような作業を繰り返している場合:一括で実行できないか
  • 手作業が多くミスを連発している場合:作業を自動化できないか

部下と業務の特性を考慮しつつ、具体的な改善案に落とし込むことで、次期の目標設定もしやすくなります。

【職業別】人事評価の書き方例(自己評価・上司コメント)

人事評価を受ける側と行う側それぞれの書き方について解説しましたが、ここからは職業別の具体的な書き方を例文として紹介します。

1、看護師・介護職

看護師や介護職の仕事は、なかなか数値化できない点が多く、具体的な取り組み内容や昨年度と比較できる評価項目を設定して自己評価を行います。看護師は、チームで仕事をする場面が多いため、協調性や問題処理能力、職場全体の目標に対する貢献度などが評価のポイントです。下記は看護師の例です。

自己評価 患者さんやその親族へ積極的に声掛けをし、何でも質問しやすい雰囲気づくりに努めた。
また、患者さんに関して気づいた点は細かいことでも記録してチームとして共有し、チーム全体で質の高い看護ができるように努めた。
結果として前期は患者さんからのクレームが3件あったが、今期は1件に削減できた。
今期の課題は、目指していた資格取得の勉強が進まなかったことなので、来期は時間を有効活用して資格取得を目指す。
上司コメント 職場でも積極的に動いてくれ、仕事の慣れない新人に対するフォローもしっかり行えていた。
患者さんから寄せられる言葉も好意的なものが多く、職場の目標である「安心できる医療を提供する」という目標達成に貢献した。
資格取得については、特に今期は通常業務で忙しく、時間が取れなかった点は理解できる。来期は人員を増やし、今期よりも仕事量が落ち着く見通しのため、資格取得の勉強を頑張ってもらいたい。

2、事務職・公務員

事務職も、看護師と同様仕事の評価目標を数値化しにくい職種です。また、公務員も成果を数値化しにくい業務の場合は、業務上の工夫とその成果をまとめるようにしましょう。どちらの仕事も正確性や生産性の高さ、前年度との成長性などを軸に評価してください。

自己評価 前期は予算管理の取りまとめ業務に時間がかかり、人的ミスも目立った点が課題だった。今期は、時間を確保して集計マクロを作成して自動化した。結果として今期は人的ミスを出すことなく、前期と比較して作業時間を80%削減することに成功した。
効率化して余裕が出た時間は他の作業を行えたため、より多くの事務作業の経験が積めた。
今期の課題は、問題が発生した後も自分で解決しようと時間をかけ過ぎていた点である。来期は同僚や上司への相談を早めに行い、迅速に業務を進めたい。
上司コメント Excelマクロの知識と事務作業に対する業務知識を両方持ち合わせており、その能力を発揮して業務効率化に大きく貢献した。
困ったことが起こったら、気を遣わずに相談してほしい。迅速な相談を心がけることで、さらにいい働きを期待したい。

3、技術職・製造業

技術職や製造業の場合は、比較的成果目標を具体的に数値化しやすい職種です。自分の仕事にマッチした成果目標を数値化してください。今期作成したプログラムのステップ数や設計書のページ数、ツール作成による製造コストの削減、提供するサービスや製品の性能向上などは成果目標の一例です。

自己評価 A案件の仕様設計・詳細設計・製造工程にて以下の成果を出した。
・仕様設計書:20枚・レビュー指摘5件・仕様不良0件
・仕様設計書:40枚・レビュー指摘1件・仕様不良0件
・製造:予/実 5,000/4,000step
実現方式や仕様確認に時間をかけた結果、品質はプロジェクトの目標値を達成した。また、効率のよい実現方式を目指した結果、製造においては実装stepを25%削減しつつ、仕様を満たすプログラム作成に成功した。
反省点としては、クライアント様とのやり取りで早合点をすることが多かった点である。来期は、より慎重にコミュニケーションを取り、正確な情報交換に努める。
また、今期不合格となったデータベーススペシャリスト試験の勉強を続け、来期中の合格を目指す。
上司コメント プロジェクト内では技術的キーマンとして非常によく働いてくれた。クライアント様からの信頼も篤く、このままの調子で頑張ってもらいたい。
コミュニケーションが難しい場合は、上司など交渉のうまい人間を巻き込むなどの工夫でもカバーできるので、遠慮せず周囲にも声をかけてほしい。
資格取得に関しては、継続して努力を続けてもらいたい。

人事評価の書き方はシステムの活用で効率化・適正化できる

人事評価の書き方は、評価者個人で考えるのではなく、全社・部内でルール化して進めないと、評価の品質にどうしてもばらつきが出ます。

人事評価システムは、人事評価の効率化・適正化をサポートするツールです。システム導入で人事評価業務全体を標準化することで、人材の活性化を図りましょう。人事評価システムとはどのようなものか、どんな機能があるかなどの情報収集には、以下の記事も参考にしていただき、入手できる製品資料もぜひご活用ください。

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