VPNが遅いのはなぜ?その原因と8つの改善策を紹介!

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使用しているVPNがどうも遅い…と悩んでいる企業の方もいらっしゃるかと思います。VPNが遅くなる原因は色々あるため、ひとつずつ順番に確認していき、必要に応じて対策する必要があります。この記事では、VPNが遅い原因を紹介するとともに、原因を解消するために行いたい改善策をまとめました。VPNが遅くて困っている場合は、ぜひ試してみてください。

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VPNが遅い8つの原因

VPNが遅い原因としてチェックしたいポイントを8点列挙しました。順番に確認して、該当しそうな原因がないかを探しましょう。

1、VPNサーバーまでの距離が遠い

VPNを利用して回線に接続する場合、VPNサーバーまでの物理的な距離が遠いと、回線速度の影響を受けて通信速度も遅くなります。特にインターネット回線は、時間帯や利用人数などさまざまな要因で混みあい、遅くなりがちです。

2、利用ユーザー数が多くVPNサーバーが高負荷

同じVPNサーバーを多くのユーザーが利用しており、サーバーの負荷が高くなると、通信速度が遅いと感じる場面が多くなります。VPNサーバーは、通信を暗号化処理しているため、利用するユーザーが多いほど負荷が高まるのも当然のことです。

VPNサービス提供者も、トラフィックを考慮したネットワーク設計を行っています。しかし、想定外にアクセス集中するケースはよく見られるため、どうしても通信速度が遅くなる、といった状況は発生します。

3、暗号化レベルが高すぎる

VPNの暗号化にはレベルがあります。暗号化レベルが高すぎる場合も、処理が増える分だけ通信速度は遅くなります。

4、ISPの速度制限またはISP側の問題

ISP(Internet Service Provider)とは、インターネットプロバイダのことです。ISPでは、時間帯や利用者の利用状況によって速度制限をかける場合があります。通信速度が遅く感じるが他の原因が思い当たらない場合は、ISP側の問題も視野に入れて確認してください。

なお、ISPにトラブルやシステムメンテナンスなどがある場合は、そもそもインターネットを利用できません。

5、セキュリティソフト

セキュリティソフトにはさまざまな種類があります。ファイアウォールやウイルス対策ソフト、不正侵入検知・防御システムなどはその一例です。セキュリティソフトは通信データを処理して安全性を担保しますが、処理が入る分どうしても通信速度は遅くなります。

6、MTUが未調整

MTU(Maximum Transmission Unit)とは、1回の通信で転送できるデータ容量の最大値です。通信速度を適切にするにはMTUの調整が必要です。

MTUの最大値を超えるサイズのデータをやり取りする場合は、データの分割が発生(フラグメンテーション)。データを分割する処理が増える分、通信速度が遅くなります。また、VPNルーターとデバイスの間でMTUの値に差があると、フラグメントが多く発生します。

7、Webページのサイズが大きすぎる

表示しようとしているWebページのサイズが大きすぎると、通信回線には問題がなくても表示速度が遅くなります。

大きな画像データや動画など、サイズの大きいコンテンツも、表示速度が遅くなる原因です。昨今は、スマートフォンで撮影した画像の画素数も高くファイルサイズが大きいため、撮影した画像をそのままアップすると遅いと感じてしまいます。

8、同じページにアクセス集中

同じWebページにアクセスが集中すると、VPNが非常に遅いと感じる原因となります。人気の限定商品発売や、大きなニュースなど多くの人々が注目するサイトなど、あまりにも混みあうとWebサイト自体が停止してしまうケースも少なくありません。

VPNの通信速度が遅いときの改善策8つ

VPNの通信速度が遅い原因が分かれば、その原因に対応した対策を行いましょう。原因がはっきりしない場合は、利用者側やVPN運用者側でできる改善策を順番に試して、問題がどこにあるかを確認しなければなりません。

ここでは、VPNが遅いときの改善策を8つ紹介します。順番に試してみて、通信速度の改善が見られるかどうかを確認しましょう。

1、デバイスを再起動

利用者側の対策として、とりあえず今使っているスマートフォンやパソコンなどのデバイスを再起動しましょう。再起動せずにずっとデバイスを使い続けていると、メモリ不足でデバイスの動作自体が重くなる可能性があります。デバイスを再起動するだけで、遅いと感じていた通信速度が元に戻るケースも少なくありません。

2、モデム・ルーターを再起動

VPNの運用担当者として最初に試したい改善策は、モデムやルーターの再起動です。モデムやルーターは、常時稼働していると処理能力が低下します。通信が遅いと感じた場合は、取り扱いマニュアルに従い、正しい手順でモデムやルーターの再起動を行いましょう。

3、MTUを調整

MTUが未調整の場合は、VPNルーターのMTUを設定し、最大値を小さめに設定しましょう。VPNルーターに比べるとデバイスのMTUで設定される最大値は小さめです。しかし、デバイスのMTU値は変更できないため、VPNルーターの方をデバイスの最大値に合わせて小さめに設定します。

4、VPNサーバーを切り替える

利用しているVPNサーバーが物理的に遠い場合は、近い場所にあるVPNサーバーへ接続するように接続設定などを見直しましょう。

5、VPNのポートやプロトコルの変更

利用者のデバイスにインストールしているVPNアプリやVPNソフトウェアがあれば、設定しているポート番号やプロトコルの変更も試してみてください。

VPNは、サーバーに接続するため443など特定のポート番号を使用しています。ネットワークでは、特定のポートやプロトコルの速度を制限していることがあるため、これらの設定を変更すると、速度が速くなる場合があります。

6、セキュリティソフトを一時停止

VPNが遅いと感じる原因を特定するために、稼働しているセキュリティソフトを一時的に停止して、通信速度が速くなるかどうか確認しましょう。

セキュリティソフトは、ネットワークや端末の安全性を高めるために必要です。ただし、どのセキュリティソフトが通信速度を遅くしているのかを確認しなければなりません。原因となるセキュリティソフトが見つかったら、本対策をどうするか別途検討しましょう。

7、速いVPNサービスを探して切り替え

そもそもVPNサービスのパフォーマンスが悪い場合も考えられます。他のVPNサービスも検討して、より高いパフォーマンスが得られるサービスが見つかれば切り替えましょう。

8、ISPのお知らせ確認と問い合わせ

通信速度が非常に遅く、いくつかの改善策を試しても改善しない場合は、ISPに原因がないかを確認します。ISPの公式サイトを確認し、トラブルなどのお知らせが出ていないかチェックしてください。ISPのサポート窓口に問い合わせをして、遅い原因を確認し、対策方法について質問するのもひとつの方法です。

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VPNが繋がらない場合の確認ポイント3つ

VPN接続を試みても繋がらない場合、まず確認したいポイントを3点紹介します。

1、パスワードが間違っていないか

VPN接続で入力したパスワードが間違っていないかどうか確認してください。スペルミスなど、ケアレスミスで接続できないケースも少なくありません。場合によっては、パスワードの有効期限が切れて無効になっている場合もあります。

2、VPNサーバーへの接続許容量を確認

VPNサーバーの同時接続数が限界を超えているため接続できないケースもあります。VPNサーバーの状況を運用担当者に確認して、問題があるようならしばらく時間をおいてから再度接続を試みます。

3、VPNサーバーがダウンしていないか確認

VPNサーバーがダウンしている場合は、いくら接続を試みても繋がりません。VPNサーバーの運用担当者に確認するか、サービス提供会社の公式サイトを確認して、VPNサーバーの稼働状況を確認し、復旧後に接続を試みましょう。

対策しても遅い場合は他のVPNを検討しよう

VPNが遅くなる原因と改善策について解説しました。改善策を試してもまだ通信速度が遅い場合は、今利用しているVPNサービスのパフォーマンスが自社の利用状況とアンマッチになっている可能性もあります。

VPNが遅いと感じる場合は、他のVPNサービスへの乗り換えも検討しましょう。

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