ビジネスにおけるデータの重要性がますます意識されるに伴い、「データ保護」における課題も顕在化してきている。加えて、昨今はテレワークの急速な普及があり、オフィス外で仕事をするクライアント環境のデータ保護のあり方もいかにあるべきかが問われている。このように、いま、データ保護に求められるニーズは急増・多様化しているのだ。

そんななか、デル・テクノロジーズは、データ保護ソリューションのラインアップを拡充し、機能の強化を行った。これにより、企業が抱えるデータ保護の課題をシンプルかつパワフルに解決できるようになるという。今回はデル・テクノロジーズでデータ保護領域のソリューションを提供する DPS事業本部の本部長 芳澤 邦彦 氏と、事業推進担当部長 西頼 大樹 氏に話を聞いた。

  • DPS事業本部の本部長 芳澤 邦彦 氏と、シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャー 西頼 大樹 氏

多くの国内企業が直面しているデータ保護の3大課題とは

ビジネスのデジタル化が進むなか、データの重要性が格段に増している。データから価値を引き出すことで、業務効率を飛躍的に高めたり、新しいビジネス創出につなげたりできる。こういった状況で、不可欠な取り組みになってきたのがデータ保護だ。芳澤氏と西頼氏は、データ保護の分野で企業が抱えている今日的な課題について、次のように説明する。

デル・テクノロジーズ株式会社 DPS事業本部 本部長 芳澤 邦彦 氏

デル・テクノロジーズ株式会社
DPS事業本部 本部長
芳澤 邦彦 氏

「デル・テクノロジーズでは2S+ABCDというコンセプトでお客様のデータ保護を支援しています。シンプル(S)なアーキテクチャとシングル(S)プラットフォームのもと、アプリケーション主導リカバリー(A)、バックアップリカバリー(B)、サイバーリカバリー(C)、ディザスターリカバリー(D)という4つのデータ復旧を推進するものです。こうしたコンセプトを実現するうえで、特に近年、日本国内のお客様が抱えるようになった課題が3つあります。運用負荷の増大、リモートワーク対応、サイバー攻撃を受けた際の迅速な復旧です。加えて、グローバルでは、マルチクラウドへの対応やコンテナ対応も大きな課題になっています」(芳澤氏)

こうしたデータ保護の今日的な課題に対応するために、デル・テクノロジーズが取り組んだのが、データ保護製品のラインアップ拡充と、セキュリティ機能の強化だ。具体的には、新たなデータ保護専用コンバージドアプライアンス「PowerProtect DPシリーズ」をリリースし、ラインアップを拡充した。また、サイバー復旧機能「PowerProtect Cyber Recovery」において「シェルタード・ハーバー(Sheltered Harbor)」からソリューション認定を取得するなどセキュリティ対応を強化。さらに、データ保護・管理プラットフォームソフトウェア「PowerProtect Data Manager」の機能強化を図った。

「テレワーク環境におけるPCバックアップ」をどうするか

データ保護の今日的な課題を如実に示す例のひとつが「テレワーク環境におけるPCバックアップ」だ。各企業が従業員を守るため、“原則テレワーク化”が急速に普及したことで、複数に分散した持ち出しPCやBYODデバイスをリモートから管理することの重要性が高まってきた。テレワーク環境では、パッチ適用やデータバックアップがVPNやWANを介して行われるため、帯域が逼迫したり、適用が不十分になったりしやすい。

また、設定の不備や脆弱性などのリスクを抱えたままPCが運用されることで、マルウェアにも感染しやすくなる。もしランサムウェアなどに感染したときに、適切にPCのバックアップやリモートからのリストア実施が困難であると、テレワークPCが原因で事業継続が難しくなることすらあり得るということだ。

新製品のPowerProtect DPシリーズは、従来から提供しているIDPAシリーズの後継にあたり、こうした課題をシンプルかつ、パワフルに解決する。西頼氏は、こう話す。

デル・テクノロジーズ株式会社 DPS事業本部 シニア・ビジネス・ディベロップメントマネージャー 西頼 大樹 氏

デル・テクノロジーズ株式会社
DPS事業本部
事業推進担当部長
西頼 大樹 氏

「コンバージドインフラ形式で提供するターンキー型ソリューションで、物理環境から仮想環境、クラウドまで、PCからサーバ、エッジまで、データベースからファイル、アプリケーションまで、多種多様な環境とワークロードにオールインワンで対応しています。使いやすい管理コンソールや高効率の重複排除といった定評のある機能はそのままに、パブリッククラウドの有効活用やサイバー脅威への対策など、次世代のニーズや課題にも対応します」(西頼氏)

たとえば、テレワークPCについても、クライアント重複排除機能を用いてバックアップストレージに転送するデータ量を事前に大幅削減することで、VPNやWANでも高速にPCのデータバックアップが可能だ。また、リモート環境のPCやデバイスがランサムウェア攻撃などの被害を受けた場合に、会社に持ち込むなどの物理的な移動を伴わず、遠隔から素早くデータを復旧することができる。

PowerEdgeサーバで強化された新「PowerProtect DPシリーズ」

DPシリーズは、これまでの技術を継承しつつ、筐体にDell PowerEdgeサーバを採用することで、大幅な性能強化を果たしている。そのポイントは「パフォーマンス」「効率性」「省エネ性」の3点にみられる。

まず、パフォーマンスについては、バックアップが最大38%高速になり、復旧が45%高速になった。また、インスタントアクセスとリストア機能のIOPSが最大50%向上したことで、重要なデータを迅速かつ簡単に復旧できるようになった。

効率性の点では、利用可能容量が最大1PBになり、論理容量が30%増加した。従来から提供している最大65:1を実現する重複排除を活用することで、同じ容量のなかにより多くのデータを格納できる。

省エネ性の点では、前世代と比較して消費電力が最大23%低くなり、より高いコスト効率の優れたシステムを構成できるようになった。

ラインアップとしては、拠点やエッジ向けのDP4400、中規模向けのDP5900、大規模向けのDP8400、DP8900の4モデルが提供されており、このうちDP5900、DP8400、DP8900が今回刷新された新モデルとなる。

  • PowerProtectDP Series1
  • PowerProtectDP Series2

「基本性能の強化に加えて、サイバー復旧機能であるPowerProtect Cyber Recoveryをフルサポートしたこともポイントです。この機能を利用すると、ランサムウェアやサイバー攻撃の脅威からビジネスクリティカルなデータを様々な機能を駆使し、極限まで隔離することができます。また、隔離したデータに対し、機械学習などを使ったインテリジェントな分析によって、データ破損の兆候を特定することが可能で、2020年現在、グローバルで約350社に導入いただいています」(西頼氏)

  • サーバー復旧分野におけるプレゼンス

シェルタード・ハーバーが認定した「PowerProtect Cyber Recovery」

このPowerProtect Cyber Recoveryに関して大きなトピックとなるのがシェルタード・ハーバーによるソリューション認定だ。 シェルタード・ハーバーは、米国内におけるサイバー攻撃などによる壊滅的な被害から顧客の資産を守る仕組み・仕様づくりを目的に2016年に米国金融機関によって設立された非営利団体だ。

そもそも金融サービスはサイバー攻撃の大きなターゲットのひとつとなっているうえ、金融業界が通常業務で複数の主要システムに依存している。さらに世界の金融市場と米国の金融市場が密接に結びついているため、もしひとつの金融機関で破壊的なイベントが発生すると、その影響が市場全体に波及し世界的な金融パニックに繋がる恐れがあるのだ。

現在、米国金融機関の7割(現在11,000社の加盟を目指す)が加盟しており、デル・テクノロジーズは、同団体のアライアンスプログラムに参加が認められた初のテクノロジーベンダーとなる。

  • シェルタード・ハーバー

「シェルタード・ハーバーでは、データの隔離(Vaulting)に関して明確な仕様を実装することを定めています。具体的には、不変性(Unchangeable)、分離性(Separated)、存続可能性(Survivable)、分散化(Decentralized)などです。PowerProtect Cyber Recoveryは、これらのデータ隔離仕様に準拠した機能を提供しています」(西頼氏)

シェルタード・ハーバーでは、同団体の仕様に準拠したソリューションの認定も行っている。PowerProtect Cyber Recoveryは、業界で初めてシェルタード・ハーバーの認定を受けたデータ隔離ソリューションとなった。

「同団体への加盟を目指す企業は従来、準拠に独自で開発・運用・変更管理する必要があった技術をPowerProtect Cyber Recoveryソリューションを導入することで、即時にデータ隔離仕様を実装できるようになります。実際、米国の多くの金融機関がPowerProtect Cyber Recoveryを活用してデータ隔離仕様を実装し、データ保護とセキュリティの強化を図っています」(西頼氏)

このほか、データ保護ソフトウェアPowerProtect Data Managerについても、VMware仮想マシンのイメージバックアップを効率化・高速化する新技術「Transparent Snapshot」機能などが提供されるようになっている。

  • 新手法:より効率的な保護データ生成と転送

芳澤氏は「最新のデータ保護製品の投入と機能強化で、企業のデータ活用や事業継続の取り組みをよりパワフルに支援していきます」と強調する。実際、PowerProtect DPシリーズを活用して早く課題を解決したいという声が多く寄せられている。

リモート対応やセキュリティ対応をはじめ、データ保護に求められる要件は日々変化し、多様もしている。デル・テクノロジーズでは、そうした環境変化に企業が迅速に対応できるよう強力にサポートしていく構えだ。


プレスリリース
【抄訳版】デル テクノロジーズ、非営利団体「シェルタード ハーバー(Sheltered Harbor)」のアライアンス パートナー プログラムへの参加を発表

第10世代インテル® Core™ vPro®最新のインテル® Xeon® プロセッサー・
スケーラブル・ファミリーは、新しいエンタープライズ・アプリケーション、
科学技術計算、通信、ストレージ、クラウド、ビッグデータ分析など、
さまざまな用途に、性能、電力効率、仮想化、セキュリティーの面で
大きなメリットを提供し、IT 部門の課題解決を支援します。

Intel、インテル、Intel ロゴ、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国
および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。

[PR]提供:デル・テクノロジーズ