電子カルテは、医療機関が扱う紙のカルテを電子化したもので、電子カルテを管理するシステムそのものも含みます。この記事では、電子カルテのおすすめ製品を比較しつつ特徴について紹介し、電子カルテの種類や製品選定のポイントについて解説します。

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30秒で分かる電子カルテ

紙のカルテは今でもまだまだ残っています。しかし病院のCTやMRI検査で画像データが増えるなど、様々な理由で紙カルテのままでは作業効率が悪くなっており、電子カルテを導入する病院や診療所が増えてきました。

電子カルテは製品によって個性があり、病院の規模や診療科目によっておすすめの製品は異なります。電子カルテを自院に導入する場合は、自院の特徴に合った製品を洗い出してから、製品比較をするといいでしょう。

電子カルテ12製品を徹底比較!

電子カルテ&標準レセプトソフトで医療事務も効率化「CLINICSカルテ」
株式会社メドレー

POINT
  • 参考価格:5年契約・月額40,00円~、オプション(オンライン診療・月額10,000円、レセプトチェック月額10,000円)初期費用など別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:有床クリニック向け・無床クリニック向け・オンライン診療(オプション)

「CLINICS(クリニクス)」は、日本医師会が提供する日医標準レセプトソフト「ORCA」を内包したクラウド型診療支援システムです。電子カルテと会計ソフトが一体化しているため、電子カルテに関わる作業だけでなく、医療事務に関する業務も作業の効率化が図れます

「CLINICSカルテ」は「CLINICS」に含まれる電子カルテ機能です。オプションですが、専用のアプリをインストールした患者へオンライン診療を行うこともできます。

医院の規模や診療科目の制限はありません。これから自院のIT化を検討していてレセプトに関する機能も欲しい場合に適した製品です。


新規開業向けの医事一体型システム「Medicom-HRf」
PHC株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト / ハードウェア / サービス / オンプレミス / クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「Medicom-HRf」は、新規開業向けで医事(電子カルテ+医療事務)一体型システムです。カルテの操作性にこだわり、シンプルかつ操作性に優れた入力補助機能、ユーザーアシスト機能など、カルテの作成・入力作業をスムーズにする機能が揃っています。また、診療科目別に電子カルテをカスタマイズすることも可能です。

クラウドとオンプレミスのハイブリッド構成も本製品の特徴です。日常業務はオンプレミスで、データベースはクラウド上にあり、災害時でも診療を続けられるようにシステムを構成。データのミラーリングやデータバックアップなどの運用サービスあり、いざというときも診療を続けられます。


患者の情報を集約した診察パネル&AI分析機能が特徴「BrainBoxCloud」
株式会社ユヤマ

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「BrainBoxCloud」は、クラウド型医事会計一体型システムで、無床クリニック向けの電子カルテ機能を提供しています。クラウド型ですが院内にサブサーバーを設置しているため、クラウドと接続できない状況になっても診察可能です。

診療のときに利用する診療パネルは、患者の情報を1画面で集約表示。画面を移動することなく、必要な情報を全て確認できます。

本製品の特徴は、AIによる分析・提案機能がある点です。日々入力される電子カルテ情報などによって、当日の来院者数や患者の待ち時間などを表示。経営判断や医療の品質向上に役立てることが可能です。


高機能で災害対策地域連携も可能「BrainBoxVⅢ」
株式会社ユヤマ

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト / ハードウェア
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「BrainBoxVⅢ」は、パッケージソフトとして提供される高機能な医事会計一体型システムです。シンプルなサーバーレス構成も可能ですが、院内のサブサーバーやクラウドサーバーへのデータバックアップによる災害に備えた構成も選べます。

画面のカスタマイズ可能で、処方選択をアシストする機能もあります。また、オンライン診療や地域ネットワーク対応や、医療機器(レントゲン・エコーなど)との連携機能も搭載するなど高機能です。ただし、歯科のみ対応不可ですので注意しましょう。


低価格で導入&必要機追加も簡単「CLIUS (クリアス)」
株式会社Donuts

POINT
  • 参考価格:初期費用200,000円、5ユーザーまで月額12,000円、ID追加月額200円など、オンライン診療およびWEB予約機能は別途オプション費用が必要
  • 提供形態:クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け・在宅向け

「CLIUS」は、低価格で導入できるクラウド型の電子カルテシステムです。日医標準レセプトソフト「ORCA」と連携可能で、電子カルテだけでなく医療事務の作業も効率化できます。

電子カルテは、クイック入力やオーダー自動学習機能など入力をサポートする機能が日常の診療を効率化します。クリニックグループのデータ連携機能や、オプションオンライン診療・WEB予約機能も追加可能。自院に必要な機能を選んで追加できる点も魅力です。

オンラインデモが用意されているので、使い勝手を確認できる点もポイントです。


院内の業務に全て対応オールインワンシステム「AI・CLINIC(エーアイ クリニック)」
アイネット・システムズ株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「AI・CLINIC」は、オーダー・診察・会計・レセプト業務が一体となったオンプレミスタイプの電子カルテシステムです。 無床クリニック向けですが、複数診療科がある場合や中規模の診療所でも使えます。医事系だけでなく、オーダー系のシステム化も可能な点は他の製品との大きな違いです。

電子カルテ画面は使いやすく、オーダー処方チェックで医療ミスも防げます。LAN内にバックアップサーバーを置くことで、サーバーが故障した場合に備えることが可能です。ただし、災害時の備えとしては不十分であり、どう対策するかは別途検討が必要となります。

(対象外地域:北海道・山形・福島・群馬・山梨・長野・中国地方・四国地方・九州地方・沖縄)


院内の他部門や他の医療施設と連携しやすい「セコム・ユビキタス電子カルテ」
セコム医療システム株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド / パッケージソフト / ASP / サービス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:中小病院向け・有床クリニック向け・無床クリニック向け・在宅向け

「セコム・ユビキタス電子カルテ」は、有床クリニック・無床クリニックや中規模病院、在宅医療までを幅広くカバーするクラウド型の電子カルテシステムです。規模や用途によってソリューションが用意されているため、自院にマッチしたシステムを導入できます

病院内の検査・調剤・給食部門など他部門システムとの連携や、老人医療施設やリハビリ施設のようなグループ内の他医療施設と連携しやすい点が大きな特徴。診療報酬を計算するレセプトシステムは3種類(セコム標準・ORCA・NAIS社)から選べます

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操作しやすい画面で医事業務をスムーズに「ドクターシンプティ」
三栄メディシス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「ドクターシンプティ」は、電子カルテ機能にプラスして検査・受付・予約・レセプト作業をサポートする機能も提供しているオンプレミス型の電子カルテシステムです。カルテ入力画面は、操作ボタンを少なくして、操作しやすさにこだわっています

「ヒューマンかるてESR」を利用してスキャンした紙カルテデータをまとめて保存できるファイリング機能もサポート。昔の紙カルテを引き継いで、全て電子カルテ内で情報を確認できます。昔からあるクリニックを引き継いで新たに開業するケースに適した製品です。


紙カルテ一括取込&原本に!継承開業をサポート「ヒューマンかるてESR」
三栄メディシス株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:中小病院向け・有床クリニック向け・無床クリニック向け・在宅向け

「ヒューマンかるてESR」は、紙カルテをスキャンして電子化するための機能に特化したパッケージソフトです。過去の紙カルテを一括して取り込み、画像データを保存。患者番号と書類の種類は手入力して、電子カルテとの情報の紐づけを行います。

本製品はe-文書法に則った機能を備えているため、取り込んだ紙カルテデータを原本として扱うことも可能です。電子署名の操作時は医師資格証をカードリーダーで読み取ることで本人確認ができ、カルテデータの偽造や改竄(かいざん)も防止します。

クリニックを継承しての開業で、過去の紙カルテが膨大にあり、なかなか電子カルテシステムに移行できないとお悩みの場合に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


操作しやすい画面&充実のサポート体制「QUALIS」
株式会社ビー・エム・エル

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / SaaS
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け

「QUALIS」は、操作性の良い電子カルテ画面と手厚いサポート体制が特徴的な電子カルテシステムです。電子カルテ画面はログインIDごとにレイアウトを保存でき、端末を変えても使い慣れたレイアウトで操作できます。診療効率化の機能として、処方チェックや予約機能、紹介状などの文書作成機能もサポートしています。

また、サポート体制も充実している点も本製品の魅力です。リモートアクセスでのサポートや、オンラインのサポートが受けられるため、診療所の場所がどこでも迅速なサポートを受けられます


医療事務や検査支援機能もセット「m-KARTE」
株式会社LSIメディエンス

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト / ハードウェア
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 対象売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:有床クリニック向け・無床クリニック向け・在宅向け

「m-KARTE」は、医療事務機能や検査支援機能もセットになった電子カルテシステムです。提供形態はパッケージソフトですが、別途クラウドサービス用のリューションも用意されているため、データの自動バックアップを利用した災害対策も行えます。

カルテ作成画面はシンプルなデザインと見やすいレイアウトで、ドラッグ&ドロップなど操作性も洗練されており、日常診療業務をよりスムーズに進められます。

診療報酬改定や制度改革があった場合のサポート体制も充実しているため、常に最新の状態で運営できる点も魅力です。


在宅医療関連機能が充実&マルチデバイス対応「セコムOWEL」
セコム医療システム株式会社

POINT
  • 参考価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 従業員規模:全ての規模に対応
  • 売上規模:全ての規模に対応
  • 対応タイプ:無床クリニック向け・在宅向け

無床診療所や在宅クリニック向けのクラウド型電子カルテシステム「セコムOWEL」。在宅医療関連の機能が充実しているほか、iPad、Androidタブレットなどにも対応しており、外出先から利用しやすいシステムです。

クラウドタイプなので、常に最新バージョンが使え、カルテデータを災害から守りやすい点も本製品の魅力。診療報酬改定があってもシステム更新の必要はありません。データセンターは災害に強い場所・建物内にあるため、災害による被害を低く抑えられます。

電子カルテ導入のメリット5つ

電子カルテ導入のメリットについて、立場の異なる5者の視点から解説します。

1、経営者視点のメリット

ペーパーレスによるスペースの節約や診察の効率化による労務環境改善は、経営面で大きなメリットです。電子カルテがクラウド上に保存されている場合は、患者データの安全な保管にも繋がります。

2、医師視点のメリット

医師視点では、カルテの作成やメンテナンス、カルテを探す手間省力化などがメリットです。検査データも自動的に電子カルテに反映されるため、検査結果を聞いて書き込む手間もかかりません。診断書や紹介状の作成も印刷するだけで簡単です。薬の処方チェックとしても便利です。

また、紙カルテだと個人の字の癖などにより可読性が悪い場合がありますが、電子カルテなら可読性が高く情報を見落とす可能性が低くなります。

3、看護師視点のメリット

紙カルテの場合、カルテを探して医師まで持っていく手間がかかりました。しかし電子カルテならその作業が全て不要となります。また、引き継ぎ事項として紙のメモや口頭で伝えられていたことも、電子カルテに反映される運用にすれば、医療ミスを防止できます。

4、医療事務視点のメリット

診療報酬や医事システムなどとの連携によって、電子カルテから自動的に会計の計算が完了するため、会計の作業負担が大幅に軽くなります。

5、患者視点のメリット

電子カルテの導入で、診療から会計までの待ち時間が短縮されます。また、診療する医師に変更があっても、電子カルテの方が引き継ぎはスムーズ。何度も同じ説明をしなければならない、ということもありません。

電子カルテ選定のポイント5つ

電子カルテの製品を選ぶ際、注意したいポイントを4つ解説します。

1、自院の規模や設備などに合っているか

電子カルテは、製品によって自院の規模や入院設備の有無、対応している診療科目に違いがあります。まずは、自院の規模や設備、診療科目に適した電子カルテをピックアップしてから各製品を比較しましょう。

2、入力のしやすさ

電子カルテの操作性、特に入力のしやすさは、医師の日常業務の効率に直結するポイントです。可能な限り、実際に操作する医師に操作性を確認してもらって比較するよう、電子カルテ販売している会社に相談してみてください。

3、データベースの堅牢性とシステムの稼働安定性

電子カルテは、大切な患者データを扱うものであり、災害やシステム障害サイバー攻撃から守らなくてはなりません。データベースの堅牢性やシステムの稼働安定性についてはITに詳しくないと分かりにくい部分もありますが、ぜひとも比較検討したいポイントです。

4、費用対効果

電子カルテの導入・運用には費用がかかります。機能と費用のバランスの観点も、製品選定の際は忘れず確認しましょう。

5、外部(システム・地域)との連携

電子カルテは、医療機関にとってコアな情報が集まっているため、院内の他システムと連携できなければ大幅に作業効率が落ちてしまいます。病院の会計システムなど、他システムと連携できるかも必ず確認しましょう。

また、地域や提携医療機関採用されている電子カルテが決まっている場合は、同じ電子カルテを選ぶことで連携が容易になります。

電子カルテを導入して業務の効率化を進めよう

電子カルテを導入することで、診療や会計事務など様々な業務の効率化が図れます。自院に導入する電子カルテが決まらずお困りの場合は、以下より電子カルテ製品の情報を入手して、製品選定にお役立てください。

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