セキュアなファイル転送サービス8選比較|選ぶポイントも解説

ファイル転送

企業で利用されることの多い、セキュアなファイル転送サービスとはどのようなものなのでしょうか。この記事ではセキュアなファイル転送サービスを使う理由や選ぶポイント、セキュアなファイル転送サービスのおすすめ8選などをご紹介します。

そもそもセキュアなファイル転送サービスとは?

セキュアとは「安全」や「堅牢な」といった意味を持つ言葉です。セキュアなファイル転送サービスとは、セキュリティが充実していたり、オプションが豊富に用意されていたりするようなファイル転送サービスのことを指します。

企業がファイル転送サービスを使用する場合、ファイルには外部に漏れてはいけない機密情報が含まれているケースがあるため、セキュアなサービスを選ぶ必要があります。

セキュアなファイル転送サービスを使う理由4つ

無料のファイル転送サービスも数多くあるなかで、企業がセキュアなファイル転送サービスを使うのにはいったいどんな理由があるのでしょうか。

ここからはセキュアなファイル転送サービスを使う理由4つをご紹介します。

理由1:セキュリティの問題

無料で利用できるファイル転送サービスはセキュリティに不安があります。また、メールでのファイル添付も、十分なセキュリティがなされているとは言えません。そもそも企業では個人情報などの重要な情報を含んだファイルのメール添付自体を禁止しているケースもあるため、安全性の高いセキュアなファイル転送サービスが多く利用されています。

理由2:サービス品質の問題

ITサービスというのは品質が目に見えにくいものです。無料で利用できるファイル転送サービスは広告が表示されるなどサービス品質が良いとは言えず、企業で利用するには不安要素が多くあります。そのため、内部統制の観点からも、企業では無料のファイル転送サービスの利用を禁止しているケースも多くなっているようです。

理由3:容量の問題

業務内容によっては動画や画像など容量の大きなファイルを頻繁に送りたいという場合もあるでしょう。しかし、無料のファイル転送サービスは容量の制限を設けていることも多く、思うように送れない可能性があります。一方で有料の場合は、大容量に設定されているものや無制限というものもあり、容量を気にせずにさまざまなファイルを送ることができます。

理由4:サポートの問題

無料のサービスは無料で利用できるだけの理由があります。そのなかの理由の1つにサポートの手薄さが挙げられます。無料で利用できるファイル転送サービスでは、トラブルが発生した場合でも丁寧なサポートを期待することはできないでしょう。そのため、企業からは万が一の際にベンダーからしっかりとしたサポートを受けられるセキュアなファイル転送サービスが選ばれています。

セキュアなファイル転送サービスを選ぶポイント5つ

セキュアなファイル転送サービスのなかにもさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。 実際に使ってみたいと考えている方の中には、どのようなポイントで選ぶべきかわからないという方もいるのではないでしょうか。

ここからはセキュアなファイル転送サービスを選ぶポイント5つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント1:使いやすさ

ファイル転送サービスは受け取る側の操作が簡単であることが特に重要です。ファイルの受け取りが難しいと、受け取り方法の説明などの不要なやりとりをしなければいけなくなり、操作に負担がかかります。

スムーズなファイル共有をするためにも送受信の操作が簡単で使いやすいものを選びましょう。

ポイント2:セキュリティ機能の豊富さ

有料のファイル転送サービスには、セキュリティ機能が豊富に搭載されているものが多くあります。例えば、ユーザーごとのパスワード機能、送信権限やダウンロード回数の制限、監視ログ機能といったセキュリティ機能などが挙げられます。

そのほかにも「ファイルのやりとりが暗号化されている」、「特定の人のみがアクセスできるようになっている」といったところまでカバーできるサービスもあるので、どこまでの機能を求めるかをよく吟味して選ぶようにしましょう。

ポイント3:ライセンス数と価格

有料サービスのなかでも、プランが複数用意されていて価格に応じてライセンス数が異なるということがあります。毎日複数の社員が使う企業もあれば、特定の社員のみがたまに使うだけ、というように企業によって使用頻度は異なるはずです。

使いたいときに使えないということがないように、また無駄なコストを発生させないためにも、導入前にどれくらい必要になるのかをしっかりと確認したうえで選びましょう。

ポイント4:内部統制

企業ではすべての社員が守らなければいけない社内ルールとして「内部統制」というものが存在します。特に近年はセキュリティが重視されていることもあり、送信履歴やダウンロード履歴などのアクセスログの管理機能、アーカイブ機能の有無などが内部統制において重要になります。

利用したいファイル転送サービスが自社のルールに沿っているかどうかという点は必ず確認しましょう。

ポイント5:スケジュール設定

ファイル転送サービスのなかには、ファイルを送りたい日時を設定できるスケジューラ機能が搭載されているものもあります。 スケジューラ機能を利用すれば、大容量のファイルを業務時間外に設定して送信することができるため、業務での利便性も高まります。

また、送信エラーが発生しても続きから再送信ができるため、海外への送信にも便利です。 より便利な機能を求める場合には、スケジュール設定があるかどうかも確認してみるとよいでしょう。

「ファイル転送」と「ファイル共有」の違いとは?

ファイル共有サービスはファイルの貯蔵や共有のためのサービスです。そのため、アクセスのしやすさが重視されており、どうしても操作ミスや悪意のある第三者による攻撃などによる情報漏えいのリスクがあります。

一方、ファイル転送サービスはデータのやりとりを行うものなので、確実な送受信をメインの機能としています。そのため、ファイル共有サービスよりもデータ漏えいなどのリスクは低いという違いがあります。

セキュアなファイル転送サービスのおすすめ8選

最後にセキュアなファイル転送サービスのなかから、おすすめ8選をご紹介します。

「グローバルセキュアデータ転送サービス」
株式会社日立システムズエンジニアリングサービス

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS
  • 価格:月額30,000円~

グローバルセキュアデータ転送サービスは、国内・海外問わず、大容量のファイル転送を高速かつ安全に実現します。

送信データを細かなピースに細分化し、複数クラウドに対して並行処理で転送。細分化されたデータ片を傍受しても元のデータに復元できません。また、仮に送信エラーとなってもピースだけを再送信すればよいため、高速なデータ転送を可能にします。

データ転送はGUIで宛先と送信対象ファイルを選択するだけという簡単操作。送信時に確認画面の表示や上長承認の設定ができるため、誤送信や情報漏洩を防止できます。


「Confidential Posting」
富士通Japan株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:パッケージソフト / SaaS
  • 価格:パッケージソフト500,000円~、SaaS月額20,000円~

Confidential Postingは、富士通Japan独自の暗号化技術により、機密性の高いデータや大容量ファイルを、安全に送受信できます。

本製品には情報流出を防ぐセキュリティ対策機能が多数備わっています。ファイル誤送信を防ぐ機能として、宛先制御や承認ワークフロー、送信後の取消機能が用意されており、オペレーションミスによる情報漏洩を防止します。

また、従業員による不正防止対策としてネットワークアドレス制御機能も搭載。送信者や受信者の端末のIPアドレスやMACアドレスを制限し、許可されていない端末からのファイル取得を禁止します。これにより、クラウドサービスでもセキュアなファイル転送を実現しています。


「SPACE PORTER」
三菱スペース・ソフトウェア株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS
  • 価格:月額22,000円~

SPACE PORTERは、高セキュア・大容量データ送信に対応した法人向けファイル転送サービスです。

通信とファイルの暗号化処理を全てメモリ上で実施し、元のファイルに一切記録しない独自の転送方式により、セキュアなファイル送受信を実現。また、IPアドレス制限による不正アクセス防止機能も搭載されています。

保管サイズに応じた料金プランであるため、利用ユーザー数が増加しても追加費用が発生しない点もポイントです。また、利用状況に応じて保管サイズの変更も可能です。


「クリプト便」
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS / ASP / サービス
  • 価格:1ユーザーあたり月額900円~

クリプト便は、機密情報の受け渡しに特化したセキュリティ重視のファイル転送サービスです。

個人情報保護やクレジットカード業界のセキュリティ基準「PCI DSS」、金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準といったさまざまな安全管理措置に対するチェック項目に適合しており、高いセキュリティ要件に対応しています。

情報漏洩の多くの原因である誤送信や紛失を防ぐため、メールライクの高い操作感を実現するだけでなく、「オートパイロット」オプションにより、自動送受信環境を構築できます。


「Bizストレージ ファイルシェア」
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS
  • 価格:初期費用20,000円(税込22,000円)、月額費用15,000円(税込16,500円)~

Bizストレージ ファイルシェアは、1つのサービスでファイル送受信と共有機能の両方が利用可能なサービスです。

不正アクセス検知機能、AESによるファイルの暗号化、最長256bitのSSL/TLSによる通信の暗号化、ウイルスチェックなど、豊富なセキュリティ機能で外部からの攻撃を防ぎます。また、ユーザーのアクセスログ、管理者の操作ログなどの履歴も管理し、誰がどのファイルをダウンロードしたのかを確認することも可能です。

データセンターやグローバルセキュリティサービスなど、NTTグループ全体でもつ一貫したセキュリティ体制で、安全・安定したシステム構成を実現しています。


「GigaCC OKURN」
日本ワムネット株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • クラウド / ASP
  • 初期費用50,000円、月額料金24,500円~

GigaCC OKURNは、ID課金型のサービスにより返信数、送信数が多くともコストを抑えた運用が可能です。

サーバ内のファイル暗号化、通信のSSL/TLS暗号化はもちろん、アクセス元を制限するグローバルIPアドレス制限、送信許可先の制限やモバイル端末利用制限など、きめ細かい設定を行うことでセキュリティを高めることができます。

他にも、送信済みファイルの自動削除、URL無効化といったヒューマンエラーを防止するための機能も搭載。ミスによる情報漏洩を防ぐ機能も充実しています。


「WEB-CABINET」
株式会社石川コンピュータ・センター

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:クラウド
  • 価格:月額5,000円~

WEB-CABINETは、万全のセキュリティが備わった環境で、安全かつ迅速に大容量ファイルの送受信が行えます。

管理者機能によってIPアドレス制限や上長承認機能、利用者ごとの容量や利用可能期間の設定をし、情報漏洩の防止に役立ちます。

送信者はWebブラウザ上からクラウドにファイルをアップロードし、受信者はメールで送られてきたURLを選択しファイルをダウンロードするというシンプルな操作で利用可能。利用者に負荷をかけることなく安心してファイル転送できます。


「NISMAIL」
NECソリューションイノベータ株式会社

POINT
  • 対象従業員規模:全規模対応
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 価格:別途お問い合わせ

NISMAILは、クラウドとオンプレミス環境をシステム間連携することでシームレスなファイル転送を実現できます。

通常クラウドを利用したファイル転送を行う場合はデータのアップロードやダウンロードが必要ですが、NISMAILではクラウド‐オンプレミス間、オンプレミス‐オンプレミス間ともに自動でデータ連携を行い、ユーザーが意識することなくデータ同期を行います。

人手を介したデータ転送作業がなくなるため、作業効率があがるだけでなく、宛先や送付ファイルの誤りによる誤送信、情報漏洩といったセキュリティリスク対策にも繋がります。

セキュアなファイル転送サービス8選比較表

サービス名 提供形態 価格 無料トライアル 特徴
グローバルセキュアデータ転送サービス クラウド/SaaS 月額30,000円~ あり(30日間) 4重のセキュリティ技術を使用
Confidential Posting パッケージソフト/SaaS パッケージソフト500,000円~、SaaS月額20,000円~ あり(14日間) 独自の暗号化技術でセキュアなデータ送受信を実現
SPACE PORTER ラウド/SaaS 月額22,000円~ あり(14日間) 独自の転送方式でセキュアなファイル送受信を実現
クリプト便 クラウド/SaaS/ASP/サービス 1ユーザーあたり月額900円~ あり(1ヶ月) 金融業界をはじめとした高いセキュリティ要件にも対応
Bizストレージ ファイルシェア クラウド/SaaS 初期費用20,000円(税込22,000円)、月額費用15,000円(税込16,500円)~ あり(2週間) ファイル転送だけでなくファイル共有も可能
GigaCC OKURN クラウド/ASP 初期費用50,000円、月額料金24,500円~ あり(要問合せ) コストを抑えた定額運用が可能
WEB-CABINET クラウド 月額5,000円~ あり(30日間) 保存されたファイルを安全に保管するセキュリティ機能が充実
NISMAIL パッケージソフト 別途お問い合わせ なし 自動化によりシームレスなデータ連携を実現

セキュアなファイル転送サービス導入を検討しよう

企業でファイル転送サービスを利用する場合は、より安全性の高いセキュアなサービスを利用するのがおすすめです。

ぜひこの記事でご紹介したサービスを選ぶポイント、おすすめサービスなどを参考に、自社に適したファイル転送サービスを見つけてみてはいかがでしょうか。

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