先日YouTubeやTwitterにて公開され、大きな話題を生んだこの動画をご存知だろうか。

【DAIV】『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』3DCGアニメーション ※音声が流れます。ご注意ください

浅野いにお氏による、週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて連載中の漫画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(通称・デデデデ)。本動画はPCメーカー、マウスコンピューターの協力によって誕生し、3DCGをフル活用したアニメーションとなっている。

ディレクション・制作を手掛けた森江康太氏(@kohta0130)のTwitterにて公開されるやいなや、国内外を問わず多くのファンが反応。Twitterでの動画再生数はまたたく間に60万回を超え、いいねも約3.4万件と広がりを見せ続けている(※9月17日現在)。

原作者である浅野いにお氏も「おんたんの動き、好きだわー…」とコメントするなど、その完成度の高さはお墨付き。今回は、動画の制作者である森江氏にその過程を伺った。

森江康太(もりえ・こうた)
2016年にMORIE Inc.を設立。ディレクター、CGアニメーター、映像作家など活動分野は多岐に渡る。「NHKスペシャル 恐竜超世界」、NHK連続テレビ小説「ひよっこ2」タイトルバック、「HUNGRY DAYS ワンピース頂上騎馬戦」篇、「HIDETAKE TAKAYAMA『Express』MV」「ヨルシカ 『ノーチラス』MV」などを手掛ける。

SFとリアルに描かれた日常とのギャップ

――今回、動画制作の話があがった時から浅野先生より「森江さんに作成をお願いしたい」と指名がありました。浅野先生との交流はいつからでしょうか?

2016年の末頃に、共通の知人を通して初めてお会いしました。僕自身も浅野さんのファンだったので、漫画の話をずっとさせていただいたのを覚えています。 その後、お互いの事務所に遊びに行ったり、お仕事もご一緒させていただくような関係となりました。

――動画の流れは、浅野さんと直接やり取りして決めていったそうですね。

まずは浅野さんがやりたいことを挙げていただき、それを具体的な映像演出に落とし込んでいくという流れでした。浅野さんからは、「カラーでこの作品を見てみたい」「街や空を駆け抜けていくものが見たい」という2点が挙がってきたので、そこから私のほうで具体的な絵コンテに落とし込んでいき、映像化していきました。

――『デデデデ』にはどのような印象を持っていますか?

SF的でありながら、女の子たちの日常がすごくリアルに描かれていますよね。そのギャップに、浅野さんらしさを感じます。また、今までの浅野さんの作品に比べると、CGやデジタルを使う比重が多くなっている気がします。これまで浅野さんが培われてきた独自の漫画手法が確立された作品だと思います。

作品の内容に関しては、一体ラストはどう落ち着くのか、というのが僕含め読者全員の意見なのではないでしょうか。

原作の世界観を損なわない映像に

――今回の動画を作成するにあたり、流れを教えていただけますでしょうか。

最初に、私のほうで絵コンテを描きます。ここで全体の流れや演出・動きのプランニングを済ませて、作業者やクライアントへ概要を共有し、作業量の見積り等を行っていきます。すべての基準になる工程なので、ここに一番時間をかけることが多いですね。

次に、3Dソフト上でキャラ・背景モデル、カメラを実際に配置し、絵コンテをベースにレイアウト(構図)を取る作業へ移ります。

まずは演出に沿った構図が取れているか、動きを詰める前にカメラワークやキャラ・背景の見え方を調整していきます。

  • 3Dソフト上でのポリゴン表示

背景やキャラクターにテクスチャを貼ると、色が付いた状態で見られるようになります。

  • 3Dソフト上でのテクスチャ表示

動きが決まったら、3Dソフト上から画像を計算して書き出すレンダリング、書き出した画像を加工して見え方を調整するコンポジット、加工後の絵に色味等の調整を加えて仕上げるグレーディング、という工程を経て完成となります。

  • レンダリング・コンポジット・グレーディングを経た最終絵

――絵コンテの作成時、意識されたことは何ですか?

まずは「原作の世界観を損なわない映像に」という意識がありました。浅野さん特有の背景やキャラクター性を担保し、かつ見ていて気持ちよく爽快感のある映像になればと思い、制作させていただきました。

また、今回は個人的に好きなキャラクターである大葉君をメインにしてみたいと当初から思っていて。読者のなかにも大葉君ファンは多いと思いますので、彼の見せ方には特に拘りました。

  • 大葉くんモデル(正面) 3Dソフト上の表示

  • コンポジット処理後

  • 大葉くんモデル(横顔) 3Dソフト上の表示

  • コンポジット処理後

――浅野先生の作品といえば、写真や3Dモデルをもとにしたリアリティのある背景が特徴です。動画で表現するにあたり、難しさややりがいの点はいかがでしょうか?

浅野さんの作品はデジタル的なアプローチが多いと思われがちですが、キャラクターの絵を見るととても作画アニメ的です。顔の輪郭線や口元の線の出し方に色濃く反映されています。その作画的なアプローチをCGなどで表現するのは、実は非常に難易度が高いポイントでした。

また、背景もリアルと作画の中間というか。まさにそれが浅野作品の特徴ともいえるので、これも再現するのがとても大変でした。ただ、絵コンテを描いている段階から「これを映像化できたら必ずいい作品になる」と思いながら制作していました。

  • 門出・おんたん登場部分の別アングル

  • 背景も作り込んでいる

制作機材に求める要素とは

――今回の作業環境について教えていただけますか。

OSはWindowsを使用しています。CG作業は「Maya」で、コンプ作業などを「Nuke」や「Adobe After Effects」で行っています。絵コンテは「Storyboard PRO」を使用しています。

――制作にあたり、機材に求める要素を教えてください。

可能な限り処理速度が速いことですね。特に、僕らの作業はグラフィックカードに依存することが多いので、グラフィックカードは高精度なものが理想です。

高い処理速度、高精度なグラフィックカードを兼ね備えたPCとは? >

――今回の動画は、マウスコンピューターのクリエイター向けPCブランド「DAIV」の協力により実現しております。「DAIV」に対しての印象は?

クリエイターを非常に応援してくれている印象があります。以前「DAIV」の取材を受けさせていただいたことがありますが、僕らのようなCGクリエイターにもしっかりと寄り添っていただけるメーカーさんという印象が強くあります。

――ありがとうございました。


今回のコラボは、浅野いにお氏の愛用PCが「DAIV」であることから実現。 “クリエイターによる、クリエイターのためのPC”をコンセプトにしている「DAIV」。映像制作やクリエイティブなことに興味がある人こそ、ぜひチェックしてみてほしい。

「DAIV」ブランドサイトはこちら >

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