BIツールとIoTの組み合わせで実現できること|BIツールとIoTの基礎知識

BIツール

膨大なデータを分析して洞察を得るためのBIツール。社会にあるモノとインターネットをつなぐことでこれまで集められなかった情報をデータ化するIoT。いずれも昨今その重要性を高めているツール、技術ですが、双方を組み合わせることでどんな世界が実現できるのでしょうか。BIツールとIoTの基礎知識を交え、それぞれの持つ可能性を紹介します。

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BIツールとは

BIツールとは

企業は日々の活動の中で膨大な量のデータを生み出しています。しかし、ここで生み出されるデータは、そのままでは有効活用ができません。組織やシステムのサイロ化が進む今日、データの所在はそれぞれの部署、システムの中に閉じています。データの形式もばらばらです。

企業が持つデータを有効に活用するためには、まず、散らばったデータを1つの場所にまとめ、多様なデータ形式を成形する必要があります。これを実現するためのツールが、BI(Business Intelligence)ツールです。

BIとは、企業内に散在するデータを統合・分析して、そこから得た洞察を事業や経営の戦略に活用することを指します。BIツールはこの「統合と分析」を支援するソフトウェアです。具体的には、様々なデータソースを連携して1つのデータベースを構築したり、そこに集積されるデータをグラフ化などにより視覚化したり、といったことができます。

BIツールではどんな分析ができるのか

BIツールを利用すると、具体的にどんな分析が行えるのでしょうか。BIツールが備える代表的な機能を交え、幾つか紹介します。

レポート

BIツールでは、分析結果を「レポート」として出力することができます。Word、Excel、CSV、PDFなど多様な形式で出力できるため、組織のメンバーとの共有や他のシステムへのインポートなどが簡単に行えます。

出力するレポートはレイアウトを簡単に設定、変更できるので、定型帳票を作成する場合にも役に立つでしょう。また、BIツールによってはモバイルに対応するものもあります。外出先でレポートの配信を受け取ることにより、いつでもどこにいても、市場の動向をウォッチして適切な意思決定を行うことができます。

ダッシュボード

BIツールが備えるダッシュボード機能を利用すれば、文字の羅列であるデータを簡単に視覚化することができます。

多くのBIツールは、ドラッグ&ドロップ操作で、簡単に視覚化したダッシュボードを作ることができます。プログラムの知識などがなくても、”ひとつの画面で必要な情報が可視化されたダッシュボード”を構築することが可能なのです。一目見て必要な情報が得られる、そんなダッシュボードを用意すれば、意思決定までの時間は飛躍的に短縮されるでしょう。

データマイニング

BIツールの中には、データマイニングと呼ばれる機能を備える製品もあります。

データマイニングとは、異なるデータ間の相関性を分析する機能。人間では気付くことができない、そんな相関性を、データマイニングによって導き出すことができます。これを利用すれば、SNSや口コミ、アンケート結果等から「今後の消費者の動向」「需要予測」などを行うことも可能です。

プランニング

プランニング機能やシミュレーション機能を利用することで、経営や事業の今後の変化を予測することができます。

過去のデータを分析してこれから先に想定される変化を予測するプランニング機能。仮説に対して仮想的に検証を行うシミュレーション機能。これらを活用することで、従来以上の精度をもった計画を策定することが可能になります。

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IoTとは

IoTとは

ここまでBIツールについて説明してきました。続いて、IoTについて解説していきましょう。

IoT(Internet of Thing)はアイ・オー・ティーと読み、世の中にあるあらゆるモノをインターネットとつなぎ、遠隔操作やデータ収集・活用を行うことを指します。

パソコンやスマートフォンなどは、”既にインターネットに接続して利用できるモノ”といえます。IoTはそれだけでなく、冷蔵庫やエアコンといった家電、自動車といった”まだインターネット接続が当たり前になっていないモノ”、椅子や机といった”デジタル化すらされていないモノ”など、全てのモノをデジタル化して繋ごうという考えです。

IoTの事例

IoTを活用した事例は、すでに社会の様々なシーンで生まれています。幾つか紹介しましょう。

医療業界

医療業界では、IoTを利用した遠隔地診療とモニタリングが導入され始めています。ウェアラブル端末を利用して患者の健康情報を可視化する。また、診断に利用する道具をIoT化することで、診察室に閉じていた診療現場を過疎地や被災地などに拡張する。こうした世界が既に実現されはじめています。また、電子カルテの導入や検査データの共有により、複数の医療機関での連携も可能になっています。

自動車業界

自動車業界では、IoT技術が安全のために活用されています。ドライブレコーダーを例にみてみましょう。ドライブレコーダーが認識した走行データは、インターネットを介して高度な処理を行うためのセンターへ即座に送られます。同センターで解析した結果を今度はドライブレコーダーへ返して、ドライバーへの注意喚起を行います。

BIツールとIoTの組み合わせで実現できること

ここまで見てお分かりの通り、BIツールとIoTは、それぞれ異なるものです。ですが、双方の組み合わせは、これまで無かったような「イノベーション創出」の可能性を秘めています

従来、BIツールで分析対象とするのは、自社内にあるデータやオープンデータ、Webサービス上から得られるデータに閉じていました。ここに、IoTによって得た”社会にある様々なモノが生み出すデータ”が加わるとどうなるでしょうか。分析でできること、そこから得られる洞察は、これまで以上に広がるはずです。

ここでは、BIツールとIoTの組み合わせた例を1つ紹介します。

異常の早期発見

工場で稼動する設備は、これまで、インターネットとは分離された環境で稼動していました。ですが昨今、「インダストリー4.0」や「ファクトリーオートメーション」といった文脈のもと、工場のIT化、IoT化が進んでいます。そこではどんなことが行われているのか、みていきましょう。

工場のIoT化で多く進められているのは、異常の早期発見です。IoT化により、設備の動作ログや機械の振動・駆動音などを収集する。また、設備や機械に異常が生じた時の動作ログ、振動などをデータ化する。双方の相関性をBIツールで分析すれば、「異常の予兆値」を導き出すことができます。予兆値に達した場合にアラートを鳴らすような仕組みを用意することで、異常を早期発見することができるのです。今述べたような仕組みは、既に幾つかの工場で稼動しています。

まとめ

市場競争が激しくなり、イノベーション無しには事業継続が困難な時代に差し掛かっています。情報社会と呼ばれる今日、イノベーションを生み出すにはデータの活用が不可欠です。BIツールとIoTは、データの持つ可能性を無限大にまで広げる可能性を秘めています。

世の中にある何をデータ化すれば新しい洞察が得られるのか。そこではどんなイノベーションが生み出せるか。そんな発想を持つために、この記事で紹介した情報をぜひ役立ててください。

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