かつてないほど延長された「休校期間」。オンライン授業が注目されているなか、ワコムは、国内外のオンライン教育の現場で活用されているペンタブレットの導入事例を紹介している。

【国内事例】先生がペンタブレットを1台導入するだけで実現

ベネッセコーポレーションの通信講座「進研ゼミ小学講座」では、2011年4月から小学校5〜6年生を対象に赤ペン先生による「添削指導のネット返却」サービスを展開し、ワコムのペンタブレット数千台を添削・指導用の手書き入力デバイスとして採用。

ベネッセのように、ペンタブレットを赤ペン先生のパソコンだけに導入し、生徒はペンタブレットを使用しない事例は、学校教育でのオンライン授業を検討する際にも、先生のパソコンにペンタブレットを1台導入するだけで始められる授業の方法として紹介されている。

ベネッセのオンライン授業では、受講生が赤ペン先生の動く指導内容を閲覧し、問題の解答手順などを順番に確認できるので、学習効果アップが望める。またネットでの答案返却を選択した場合、従来2〜3週間かかっていた返却機関が、添削問題の返却期間も今までの半分の1週間程度に短縮することが可能となった。

赤ペン先生にとっては、紙と赤ペンで指導していたときと同様の感覚で指導が行え、デジタル化に伴って修正やレイアウト調整が行いやすくなったという。ペンタブレットの導入は、効率化だけではなく、添削・指導に最適な環境構築にも役立っているようだ。

【韓国の事例】 YouTube Liveを活用したリアルタイム授業

韓国では、小学校から高校までオンライン授業が導入された。それぞれの家庭の機材環境が異なるため、オンライン学習に必要な機材を各家庭レベルで浸透させることが今後の課題となっているが、即時対応できる方法として学校での授業をそのままオンラインで再現する授業に関心が高まっている。

慶北教育庁ではYouTube Liveを活用したリアルタイムのオンライン授業「マイ リトル スクール」を開始。教師がPowerPointに授業内容をまとめ、黒板の代わりにワコムの液晶ペンタブレットを利用して教材(PPT資料)に直接書き込みながら授業を進めている。

毎日一定の時刻にライブ放送授業を行い、生徒はリアルタイムで一緒に問題を解いたり、チャット機能で質問をする。録画された放送を再生して復習もできると学生の評判も良いとのこと。

【米国の事例 】先生・生徒の双方向コミュニケーション

米国でもオンライン授業に注目が集まっている。私立校「ブリス・スクール」(米メリーランド州ポトマック)では、イノベーション / エデュケーション・テクノロジー・ディレクターであり数学教師でもあるステイシー・ロシャンさんが、ハードウェアとソフトウェアの両方のコアテクノロジーツールを使用して、授業コンテンツの作成や、生徒とのコミュニケーションを図っている。

授業コンテンツの作成は、プレゼンアプリ「Paper Deck」やノートアプリ「Notability」、動画ベースの学習プラットフォーム「Flipgrid」と「Wacom One 液晶ペンタブレット13」を使って作成。ペンタブレットはデジタルペンで画面に直接描画できるため、オンラインに慣れていない教師でも抵抗なく使えるメリットがあり、ロシャンさんは、遠隔授業に興味を持つ教師に向けて、自身のオンライン授業教材の作り方のノウハウの情報発信も行っている。

さらに学校の授業では、生徒もペンタブレットを利用して学習をしている。そのため、自宅にもパソコンとペンタブレットを導入できれば、オンライン上で生徒と双方向でのコミュニケーションも可能となる。

ワコムでは二段階の展開で教育現場を支援

ワコムでは、国内の家庭インフラを鑑み、韓国の事例のような教師側が液晶ペンタブレットを使う授業を浸透させることを第一段階の目標としている。さらに進んで、アメリカのように教師側だけでなく、生徒も液晶ペンタブレットを使って双方向で学習できるような展開を第二段階として、教育現場を支援できるよう協力したいと考えている。

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